再生するタワゴトver.5
りばいぶ



 椿組演出の戯言

演出の戯言
文言ばかり先走る多様性が言われるようになって久しい、さらにコロナ禍を過ぎこれまでの価値観が大きく変わった。一方明治期、大きな時代の変化に出会って変わっていく人たち、変わらない人たち、変われない人たち、それぞれがもがく姿は滑稽で、それはまるで僕らの合わせ鏡のようでもある。あるがままを受け容れるって簡単じゃないけど、
「今、目にしているモノを、自分の目でちゃんと見ている? 見られている?」
僕にとって椿組との4回目の取組が中止になり、ようやく漕ぎつけたこの機会、秋之桜子さんのホンを元に、椿の面々、ゲスト、スタッフさんと、顔を合わせ寄ってたかってモノを創る楽しみを味わいながら、その楽しみを満を持して客席との固い握手に繋げたいと思っている。本日はご来場ありがとうございます。
藤井 ごう

今後の予定
○エーシーオー沖縄『島口説』(作:謝名元慶福)上演台本・演出
3月20日(水)−23日(土)@R‘sアートコート(労音大久保会館・東京)
○演劇集団Ring-Bong『シングルファザーになりまして』(作:山谷典子)演出
3月27日(水)−31日(日)@座・高円寺1
○ZASSOU-BU「エアスイミング」(作:シャーロット・ジョーンズ)演出
5月08日(水)−12日(日)@下北沢「楽園」
○エーシーオー沖縄「洞窟(ガマ)」(作:嶋津与志)脚色・演出
6月18日(火)−27日(木)@ひめゆりピースホール(沖縄)


2024年02月05日(月)



 進さん安らかに。

お陰様で、椿組は演者さんスタッフさんの奮迅の働き、好評をいただいている中、
12月沖縄の拙作で、やむなく降板された平良進さんがお亡くなりになった。
週末にかけて、三月にある「島口説」の稽古もあったので、告別式に参列させてもらった。

沖縄の置かれた不条理な状況を、
尊厳っ!
と皮肉交じりに叫んでくれた進さん(「はてしない物語〜オキナワでゴドーを待ちながら〜」)、
結局降板されることになったが、
軍用地地主の青年が自分の主張を口にし、それを見守るリクガメの覚悟を唄ったシーンで、
強く大地を踏みしめながら踊って、それでいいんだ!と強く青っちょろい青年の主張を言う事、背中を押してあげてくれた進さん。(「亀岩奇談」)
沖縄について浅はかな知識だけれど、こうあるべきではないかと語る私を(そう考えると、和真と変らない)受け容れてくれた進さん、
昨年の「与那覇家の食卓」では、伝説のロッケンローラーとして、存在感溢れる舞台中央に鎮座する遺影で登場してくれ、「今回は出番がない!」と言い、本番のカーテンコールに嬉しそうに登壇してくれた進さん、
ごうさんのダメ出しは細かくて良いねぇ と笑顔で言ってくれた進さん。
いつか、沖縄芝居の演出をして欲しいねえ、とニヤリとしてくれた進さん。
決して長い時間ではありませんでしたが、色濃い時間を過ごさせてもらいました。
もうご一緒できないのは残念ですが、
近いところで、六月の「洞窟(ガマ)」では、ガマから出てきなさい、という祈りにも似たウチナーンチュの声で登場してもらいます。
その、仕事に向かう態度とエネルギー、伝えていかなければいけないことに対する熱さ、でも、歳も出自も関係なく、誰にでも大らかに優しくある姿、忘れません。

そんな日に、ライフワークの始まりでもあり、最初に出会わせていただいた「島口説」の稽古の日でもあった。改めて初心にかえりつつ。


出逢いに感謝します。
安らかに。
ありがとうございました。


2024年02月02日(金)
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