再生するタワゴトver.5
りばいぶ



 親八会「マッチ売りの少女」パンフレット戯言



演出の戯言

いつも過去の名作と組みする時、殊更その年代!とこだわり続けることもないのだけれど(ある設定さえ、関係性さえ理解してもらえば、深めた後で現在に通用しうる人間ドラマとして抽出する)、今回は、これが、『戦後から20年』の物語であることが、現在においてこの作品が、演られる意味、ととても連なっているのだと稽古を重ねながら気づいた(だからここに書くのだけれど)。
初演は1966年、もうゆうに50年を超えたが、まるで今を予見していたかのような作品である。僕ら戦争を知らない世代の中にもマッチ売りの少女の存在を許してきた、または見ないようにしてきた実感がある。
さらに別役作品は不条理で難解と言われたりするが、稽古場は不条理劇を創るのだと構えている人はいない、何しろ、今の世界をとりまく現状の方がよっぽど不条理なのだからー

とはいえ、今回の座組の豊さよ。
キーワードだとか言っておいて、それが20年後の話でなくたっていいのだ。
モノづくりは豊かで、楽しい。
そして人間とゆうものは相変わらず同じ事をくり返し、反省したつもりでつい忘れ、果てしなくどうしようもない。でもだからこそ愛すべき存在でもあるのだ。

今回も様々な方のご尽力、応援、参加によって、親八会『マッチ売りの少女』がここ桐生で、幕を開けられる事を嬉しく思います。そして何より、演劇はお互いに出かけて行って出逢うもの、今日この日にご来場くださったお客様、感謝します。
狭い所で見え難いところもあるかと思いますが、最後までどうかごゆっくりご覧ください。

藤井ごう

今後の演出予定
◯2018年05月30日〜06月03日
演劇集団Ring-Bong第8回公演
『ふたたびの日は 何色に咲く』
作・山谷典子 於・座・高円寺
◯2018年06月30日〜07月01日
ACOおきなわ『島口説』
作・謝名元慶福 於・国立劇場おきなわ小ホール
◯2018年09月14日〜23日
青年劇場『キネマの神様』
原作・原田マハ 脚本・高橋正圀
於・紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA
☆2018年11月4日
青年劇場『島』
作・堀田清美 於・足利市民プラザ

2018年04月09日(月)



 諸々、、

なにしろ、ウソが余りある。
どうしたって、気づく事を気付かないで忖度したりする。なかったことにする、知らないふりをする。あげく書き換えたりもして。。
どうせなら、皆が騙されるいいウソが舞台上では展開したいものだ。
所詮、大ウソの世界に、どうやって、
現実を見通す以上の真実を舞台上に提示できるのか。騙されてる振りって悪くはないが、
客席との共犯関係で成り立つ舞台は、繊細に大胆にいかないといけない。
ウソに付き合うってことか。どうせならいいウソで騙されたいものだ。
別役実の50年前の戯曲はとっくにその事を見切り、見極め、そんな人間の在り方を問うている。
難しい。
だからこそ、面白い。
『ヘッダ』終わりから少し時間を捻出して、
文学座、トラッシュ、世田パブ、椿組、青年劇場と観る。
やっぱ芝居って人を描くってもっとさぁ…な、気分にさせられること多いけど、
心湧き踊るのは、世田パブの『岸リテラル』、
演出諸々よりも、出ている俳優さんが素晴らしい。覚悟が違う。演劇ってよいなぁと。
タイヘンなのはもちろん分かって、相手している戯曲の難しさと良さの狭間で生きている。
こうゆう俳優さんたちの在り方は見習うべき。
毛色は全く違けれど、
同じよに俳優さんの魅力で嘗ての蔵が埋め尽くされるよう、繊細に作っていこう。
我が振り直しながら。『マッチ売りの少女』一月を切る。いい俳優さんたちとのモノづくり。

親八会「マッチ売りの少女」
作・別役実
演出・藤井ごう
4月7日18:00
4月8日13:00/16:00
於・有鄰館
群馬県桐生市本町二丁目6-32
一般3000円

キャスト:辻親八・渋谷はるか(文学座)・清水直子(俳優座)・大手忍(桟敷童子)・辻本健太
演奏:大西玲央

下記からチラシ情報にとべます↓
https://sites.google.com/site/ppp45info/home/infomation/macchi

2018年03月13日(火)
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