再生するタワゴトver.5
りばいぶ



 青年劇場9月公演『アトリエ』チラシ掲載文。

『アトリエ』によせて

第二次大戦後のパリ。ドイツ軍が去り、連合軍がまだ駐留している不安定な時期。時代の波に翻弄され、溺れないように足掻きつづける庶民たち、「アトリエ」で生業をたてるお針子たち。そんな彼女らが架せられた不条理の中での「在り方」、引き継がれていく「思い」

『この戯曲は私の母のために、また多くの縫製室で私が出会った、泣いたり笑ったりしているすべての人々のために書いたものである』と作者のグランベールは書いている。ユーモア溢れるグランベール流、人間讃歌である。
そして「アトリエ」での日常的な‘いとなみ`を通じて、「なかったこと」「みなかったこと」「しらなかったこと」と目を背けがちな人が内包する怖さを、静かに告発したドラマでもある(グランベールは処女作以来、弱者・被抑圧者をかばい、人種差別(特にユダヤ人排斥)を憎み社会を告発している)。その人物一人一人の煌く在り方が、思いが、国境を超え、人種を超え、時代を超え、僕らに迫ってくる。
純粋とか不純とか優性とかでなく、

人って、なんて愚かで、汚く、滑稽で、かくも美しいー

戦争に善なんてないこと。戦争が生むのは悪であること。僕らは知っている。
でもその戦争を生むのもわたしたち人間であること。忘れがちだ。
「あったことに」「しっかり目を見開いて」「識ろうとする」こと。過去に学び、思考し続けていかなければ。個性の光る登場人物たちと稽古場で出会いながら、そんな事を感じている。

藤井ごう


2017年06月19日(月)



 渡仏5日目〜帰国の日

渡仏5日目、
朝はやっぱりダメだけど、昨日仕事をしていて諦めたパッキングの作業のため、あーだこーだする。
トニカク今日は早いのである。
マシンのコーヒーも慣れ親しんだとこだけど、
ユッタリと行きたいものだ。
9時より30分ほど遅れて、地下鉄を乗り継いで当該地まで。流石に風邪薬を探そうとするが、その時間に開いている薬屋はなく。地域で一店は開けなくてはならない決まりがあるらしいパリの日曜日はのんびり。ショコラティエとエスプレッソで、パリジャンのような朝食。日本では絶対にやらないが、これが…美味い。やっぱりパンが美味しいのです。
その町の劇場や、シナゴークや教会も歩いて見つつ(そう言えば、舞台の美術の為もあるのだけれど、どれだけ建物と屋根を写真に収めたことか…)
途中で薬も買って(症状言ったらものすごい種類を勧められる…)、マルシェへ。
D・Yさんは、すごくお土産にと勧めてくれるのだが、多分僕がでっかいスーツケースでやってきていると思っているのだろう。二、三泊用のスーツケースに、資料など本が殆どで、入るところありません。しかし、どれもこれも美味しそう。負けてチーズは試食して買ったけど、それで終わり。
蚤の市も見るだけ。
12:00最後にオイスターで白ワインとしゃれ込んで(いや、体力を回復したい訳である)、この旅のアテンドの御礼。
スーパーシャトルとゆう乗合タクシーの時間ギリギリまで歩き慣れた街並みを闊歩して、フロントに預けた荷物を出してもらって(D・Yさん曰く『あ〜それは小さいですねぇ』)13:40いざCDG空港へ。
…名残惜しい。
17:40帰りの飛行機約12時間。
帰国後を考えると、しっかり眠るべきなのだが、はてどうなることやら。
人の縁に物凄く助けられた渡仏5日間。
短かったけれど、買う土産より、身体におみやげいっぱい詰めて、
実質的にも、原書の戯曲、
イディッシュのタンゴ・踊りの音源.
収容所など資料などなど。
インタビュー音源。
もらったメッセージ・写真などなどなど。
明後日から『アトリエ』事前稽古集中5日間。
政情やら予算やら諸々で二の足を踏む思いもあったけれど、やっぱり来ると来ないは全く違う、とゆう実感ばかり。この体験を如何に稽古場で共有してもらうことができるか、
今週が大切だ。。。
兎に角身体を回復。。。
放ってきたことも沢山。。。


2017年06月18日(日)
初日 最新 目次 HOME