活字中毒のワタシの日記

2017年05月03日(水) 森令子『ケタ違いに売る人の57の流儀』★★★☆☆


森令子『ケタ違いに売る人の57の流儀

フェラガモで販売のプロとして長年実績をあげてきた著書による指南書。

なんの仕事をしていても、相手がいるという意味では共通。
どの仕事にも役立つ内容だと思いました。

「『高いか安いか』の判断を、自分ですることをやめたのです。」(p20)

「その価値判断はお客様ごとに違いますので、事前に私が判断しないことにしたのです。そのようなお勧めの仕方は、お客様の自尊心を重んじることにもつながります。」(p21)

あくまで、「買う」主体はお客様。
「買わせる」のではない。

「商品をお勧めすることは、要はプレゼンですから、いかにネタを仕込んで、どの反応が一番よいのかを研究していくわけです。」(p37)

これは販売に限らず、ブログを書くのも、教師が授業するのも、芸人がひな壇でボケるのも、人とおしゃべりするのも、同じはず。

うまい人は、これを意識している。

「私たちの仕事は、お客様の中で本当に欲しいものを探すお手伝いをすることです。お客様の持つ『言葉に出てこないイメージ』を、表現するお手伝いをするのです。
お客様に『これこれ、これが欲しかった』というものを見つけていただくことが目標です。」(p39)

「お客様全員に好かれる販売員などいないのです。
でも、一つ、『販売に向いている人』の特徴を挙げるとすれば、それは『人にふっと好かれるような感じの人』『笑っていなくても感じの悪くない人』です。」(p199)

そのためにはこれを意識する!
「あなたは自分が笑っていないとき、人からどう見えているか、意識したことがありますか?」(p199)

プロフェッショナルになるために必要な心構え。

「人様を、自分に出会う前よりも豊かにするこの仕事に誇りを持ち、確かな販売の力を身につけ、同時に変化にフレキシブルに対応する自分を目指しましょう。」(p204)

会いたいと思える好感。
この人なら大丈夫という安心感。
この人なら頼れるという信頼感。

この三つが販売のプロには必要なのかな、と思いました。

森令子『ケタ違いに売る人の57の流儀



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2017年05月02日(火) 垣谷美雨『あなたの人生、片づけます』★★★☆☆


垣谷美雨『あなたの人生、片づけます

かたづけの仕事をしているプロが、様々なお宅に伺い、空間のみならず、生き方も整えるお手伝いをする、という小説。

クライアントの気持ちになってみたり、プロの気持ちになってみたり、どちらの立場でもとても面白く読めました。

心に残ったところ。

「他人に部屋を見せるというのは、自分の内面までさらけ出しているも同然だった。」(p17)

「電話を切った。
怒りを発散しなくちゃ。綾子なんかに腹を立てる時間がもったいない。そんな暇があった冷蔵庫の中をきれいにしよう。」(p94)

「もっと丁寧に生活しよう。
送信ボタンを押したとき、唐突にそう思った。
生活そのものを楽しもう。
もう誰にも振り回されずに生きていこう。」(p95)

「赤いベネチアングラスの花瓶は、これからも大切に使っていこう。ついこの間までは捨てようと思っていた。見るたび悟史のことを思い出してつらくなったからだ。だけど今は違う。そう遠くない日に悟史を思い出すこともなくなり、別の楽しい思い出を作っていける予感がする。
きれいなリビングで丁寧に淹れた紅茶を飲む。
誰のためでもない、自分のために。
ひとりでゆったりと寛げる大人の女になる。
そう心に決めてぱっと目を開けたとき、開け放った窓から新鮮な風が吹き込んできた。」(p95)

人生をととのえるかたづけ。

いいな!

垣谷美雨『あなたの人生、片づけます



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2017年05月01日(月) 枡野俊明『心に美しい庭をつくりなさい』★★★☆☆


枡野俊明『心に美しい庭をつくりなさい。

ガーデンデザイナーでもある僧侶の枡野俊明さんの著書。

庭も、心も、美しく整えるプロによる、美しいそれの作り方指南。
庭という具体的なたとえがあるので、より理解しやすいです。

「禅の修行では『夜坐』といって、眠りにつく前に座禅をします。静かにすわることで、心が穏やかになり、安らかな眠りにつけるのです。」(p39)

調身、調息、調心。
「調心ですが、心を整えるといっても、『いったい、どうやって?』と誰もが思うでしょう。しかし、前述したように、調身、調息ができていれば、心はおのずから整うのです。」(p43)

「『心の庭』は、本来、自分の心を置いておくべきところだという話をしました。ですから、それを思い描くことで、また、それと向き合うことで、本来の自分に立ち返ることができるのです。本来の自分とは、自然体の自分です。」(p45)

自然(じねん)。ありのままの自分。

「わたしは一日のうちで朝が一番大事な時間だと考えています。朝をどう過ごすかでその日が決まるといってもいい。」(p58)

「歯止めをかけるには『知足』の心しかありません。」(p70)

「もうひとつ大切なことは、『心をとどめない』ということです。」(p70)
一休禅師の鰻屋さんの話。

「突破口となるのは、考えることをいったんやめて、心地よさ、くつろぎの状態に心を置くことです。心がその状態にあると、それまで見えなかったものが見えてきます。気づかなかったことに気づくのです。」(p75)
それに役立つのが、只管打坐。

「一大事と申すは、今日只今の心なり」(p86)

「なぜ、自分のお金を手放す(捨てる)ことが喜びなのでしょう。お金を手放すことは、執着を手放すことです。自分を悩ませたり、苦しめたりするのが執着。その悩みのタネ、苦しみの源を手放すのですから、これは喜びであって当然ではないでしょうか。
自分の喜びなのですから、喜捨は『する(してあげる)』という感覚ではなく、『させていただく』という気持ちで行うのが筋です。ここがとても大事。」(p101-102)

「喜捨をすると心が軽くなります。幸せ感があふれてきます。執着がひとつはがれ落ちたのですから、必ず、そうなるのです。その感じを体感してください。そこに“お金ありき”から一歩離れた自分がいます。」(p102)

心が軽くなる、喜捨。

軽く、生きたい。
軽く、逝きたい。

枡野俊明『心に美しい庭をつくりなさい。



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