カエルと、ナマコと、水銀と
n.446



 顎がはずれるほど笑い

ああ、サボり癖がついてしまったのです。まずいです。まずいです。あと、ネタの方が切れかかっているのです。まずいです。まずいです。

=顎がはずれるほど笑い=

面白くない話に合わせて無理して笑ったら、顎がはずれた。痛くはないのだが、常に顎の筋肉が引き伸ばされていて辛かった。それに加えて、教室中のみんなが笑い始めるものだから、悲しくなって、それでも、顎は戻らなくて、泣きそうになってしまった。保健室に行って、一通り先生に笑われると、整骨院に行くことになった。
しばらくして、顎が治って、学校に戻ると、みんなが僕の顔を見て笑う。何故か、もう無理して笑う必要ながない気がした。



2002年04月20日(土)



 ムササビの降る、丘

=ムササビの降る、丘=

地平線の遠くの方から星くずが回転しながらやって来て、スポンジケーキのような丘を直角に上昇して上っていった。

=笑えない人達=

笑いってなんですか? と、未来から来たロボット人が、通勤してるサラリーマンに聞いていた。僕らは、笑いっていうのが分からないのです。誰か教えて下さい、と言っている、ロボット人を横目に全ての人が、無関心に避けて通っていた。

=範囲指定された生活=

同じ所をグルグル回り、同じものを見て生きている。機械音がウィーンとなっていて、耳障りだけど、それでも生きている。楽しみも、何もないけれど、生きている。
小さなドーナツ型の宇宙船ないで、生きている僕らがいた。



2002年04月21日(日)



 半泣きの海辺

っと、サボり魔です。風邪でした。嘘です。風邪は、一日だけです。下のは、読み流して下さい。

=半泣きの海辺=

夏休みに入る一ヶ月前に「バーベキュー行こう」ってことになって、まだ全然早いのに、日程とか、全部決めてしまった。九時に公園前のバス停ね、と。ああ、夏休み過ぎたら、受験勉強しないとな、って。へらへら笑いながら、それぞれに家に帰っていった。
明後日くらいになって、なんでか分からないけど、「あいつって生意気だよね」って言われだして、バーベキューの提案者が、嫌われていった。理由もないし、前からの友達は、別に生意気だなんて思っていなかったんだけど、何もできなくて、どんどん離れて行ってしまって、夏休みに入ったときには、そいつは完全に嫌われ者、はずれもの、にされてしまっていた。なんでだろ?
でも、バーベキューの日になって、みんな覚えてて、1人だけ欠けてたけど、ほとんどみんな集まって。へらへら笑いながら、「ごめん」と言った。
そいつは、半分笑って、半分泣いて、海に走っていって。転けてしまった。でも、なんか、もう遊べないんだな、と思ったら、寂しくなって、みんな半泣きになっていた。

2002年04月27日(土)



 普通の日記にするつもり。

はい。サボり魔です。多分既にこれを読んでいる人はいないでしょう。普通の日記にします。無理です、続きません。僕は、学生なのです。時間がないのです。塾があるのです。部活とかで眠いのです。全部言い訳です。いや、やっぱ、ホントです。

=模様、呪文、錯乱=

白かな、と思っていたら、だんだんと黒ずみが浮き出てきて、僕を覆うように淀んでいった。何でこんな所にいるのか、一瞬分からなくなって、何もない部屋、机も、椅子も、鉛筆も、ドアノブさえもついていない部屋を僕は泣きそうな瞳で見回した。
端っこの、すごく端っこの方に、何か模様が描いてあって、でもこっちからでは目を細めてみても全然見えなかった。近づき、もう一回目を細めると、文字が浮かんできた。細かくびっしりと、模様のように描き込まれている。
「コクラテハリパラナニロレンナ」
それだけ。それが繰り返し書き続けられている。
この文字で僕は助かるんだ。ここから抜け出せるんだ。やっと。きっと。この鉄格子のついた部屋から。
錯乱して自分自身を傷つけないように何もない部屋。精神科の一つの病棟。
30回繰り返して言えたら、僕は戻れるんだ。

2002年05月09日(木)



 間を持たせるためだけです。

とりあえず。書く。うん。
っていうか、書かないと。マジで。じゃあ、一応自己紹介。遅いけど。うん。
人です。若いです。男なのかもしれません。んで、どっかの小説投稿サイトで、小説書いてます。でも、下手です。本は好きです。あと、眠いです。
好きな言葉は、隔絶、カエル、ネズミ、サボテン、水銀、ナマコ、、、、いっぱいあります。動詞は嫌いです。いや、嫌いじゃないけど、あんま好きじゃないです。そんだけです。
あれです。間を持たせるためだけです。
詩でも書いてみます。散文かもしれません。

遠くの方で大きなカエルが鳴いたんだ。
出してくれって。
どこから? 
分からない。
たぶん、どこか遠くの方だ。

さぁ、なんでしょう。まずいです。どんどんおかしくなっていきます。はい。

2002年05月10日(金)



 ひらがな

=ひしがた=

一歩目を踏み出して、それを一歩目だと意識したとき、それ以前の一歩は完全消去されるわけで、歩き続けるべき運命の、ヒトである俺にとって、この一歩は一体何を示唆してるんだい?

=まんげつ=

真っ黒の夜の高い位置に据えられた満月に手を伸ばす。届くはずもないのに、その満月を追っかけて、その逃げる満月を追っかけて、走っていく。ムーンウォークのように前進のない道化。

=いぬ=

犬を埋めていくと、彼女までもが届かない幻影となっていくようで、僕は奥歯がぶつかって白い線香花火のような火花を散らしているのに気付いていた。例えばここでぺしゃんこになってしまった犬が膨らんで、もし吠えながら、しっぽを嬉しそうに振りながら僕にじゃれてきたのならば、君はをもう一度僕の手で抱きしめることが出来るのだろうか。



=お久しぶりです=

今から書こうと思ってる作品の元となる部分です。書き上がるのか分からないけど、とりあえず「浮遊隕石」も書き上げられたので大丈夫。。。

2002年07月27日(土)



 震えるナイフ

=震えるナイフ=

雨が降って、雨が止んで。本当にすごい遠くの方で、銀色に輝くナイフが落とされた。その振動は、薄く地面に伸びている水を伝って、ここまで届いているのだ。そしてそれは、限りなく遠くの方で存在しているのだ。

=ネジに、歯車=

晴れてても雨が降っても、砂嵐でも、僕は砂漠の真ん中に立っているけど、君はすでに僕のことなんか忘れているだろうから、水たまりに足を突っ込んでしまったときや、雷が北北西の方向に落ちたときくらいは、本当に些細で良いから、雀の涙ほどでも僕のことを思い出して欲しいんだ。
機械。油差し。ネジに、歯車。あと、君。

=かナしミ=

深く、あまりにも深い悲しみだ。夜中の海へと潜っていって、珊瑚や岩礁やらを避けつつも、何かを求めて沖に向かっている。何かがそこでぷっつりと終わってきそうなんだけど、真っ黒で、真っ黒な海は未だそこにあるため、逃げることは出来ない。

2002年07月29日(月)
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