|
|
■■■
■■
■ 『名も知らぬ遠き島より』戯言。
演出の戯言
時は1946年、第二次大戦後の北満州、牡丹江、旧日本軍の病院、現ソ連軍収容所。多くの死んでいった人々、そこに生活せざるをえない人々ー
戦後うん十年が当たり前のように過ぎたことになって、端的で声がでかくて、でもって内実ともなっているかどうかは別ながら強い意見に流れる。本当の意味での対案を提示しない限り、意見をしてはいけないような風潮、今の世情。 この芝居じゃないけれど、全ては繋がっている。 個人のたった一つの歩みだったり、行いは、ゆくゆくの大きな事態の一つの要因となるだろう。(もうゆくゆくでもないか) 子ども世代、更にはその下の世代にとって、 漠然と漫然と転がっている今は、いつか、あの時!と評される時であるかもしれないのだ。(かもじゃないか) 僕らにできるのは、 あの時は戦争で多くの悲しい死があった。ではなく、名もなき死者の一人一人に寄り添ってみること。そしてその事と向き合うこと。 言うのは簡単、行うは難しだ。 でもそこに向かう。それが作家、山谷典子の手触りな感じがしている。
僕らには想像力とコトバとゆう武器がある。
「無気力のあとに無感情が支配した。死を待つだけの日々。収容所は健康なものであれ身も心も痛めつけた。」と資料にあった。確かにそうだろう。 でもそこには『生きたい』と渇望する思い、棄てられたのにそれでも『日本』へ帰りたいとゆう矛盾する思いが溢れ、虐げられ翻弄されながらそこでも人間は、思い出話をし、下世話な話に花を咲かせ、唄い、笑い、恋すらする。力強く生きゆこうとしている。 人の営みの灯は簡単には消えない。 たら、れば、の話をしても仕方ないが、 場所と状況が違えばドラマにはならないかもしれない。でも、ここじゃない場所でもし彼らが出会っていたら…など想像する日々である。
本日はご来場ありがとうございます。 最後までごゆっくりご覧ください。
藤井ごう
2016年04月26日(火)
|
|
|