スカーレットの心のつぶやき
つぶやき 目次|過去|未来
一人娘が大学を卒業した。
22日が卒業式だったが
来ないで良いと言ったので
卒業式には参列しなかった。
思えば四年前、
私達の心配を知ってか知らずか、
心細い様子を微塵も見せることなく
娘は笑顔で大阪へ旅立った。
一人暮らしは気楽な面もあるが、
家事をしたことのなかった娘にとっては、
戸惑うことも多かった。
はじめの頃私は、
周りから過保護だ、
親ばかだと言われながらも、
ひと月に一度は、
片道5時間余り
高速バスに揺られて
娘の下宿に掃除をしに通った。
その後、生活に慣れてきた娘から
電話がかかるのは、
何か困ったことが起きた時だけ。
「親の心子知らず」
「便りのないのが良い知らせ」の言葉の通りだった。
それでも、娘は
勉学と高校時代からしていた演劇活動を両立させ、
充実した学生生活を送ったようだ。
17日には娘の脚本・演出による卒業公演が催され、
私も娘の最後の舞台を観に行った。
大阪のメル友さんが観に来てくれた。
家では見られなかった娘の一面を見ることが出来た。
大学で学んだものを生かす仕事にも就けた娘は、
これから社会人として第一歩を踏み出す。
娘にとってこれからが本当の意味での自立だ。
今までと違う環境の中で、
色々なことが起きるだろう。
でも、失敗を恐れず、
自分を見失うことなく、
心の財産を増やしていってほしいと思う。
その娘が今日は新しい生活をスタートさせる
広島の地へ引っ越す。
人が耐えることができることには限界がある。
原発じゃないけれど
今の私はまさに臨界状態。
身も心もボロボロ・・・
私の体の中のものが
一斉に溢れ出し
それは部屋中を満たして
ある種の臭いを醸し出している。
その臭いはきっと私を余計に疲れさせているのだろう。
限界。
最近、自分が老化したなあと感じることが多くなった。
気持ちはまだまだ若いつもりだが
お肌も化粧のノリも悪くなったし
白髪を染める回数も増えた。
そして
何より最近感じるのは
目が見えにくくなったことと歯が悪くなったことだ。
まだ還暦60才だというのに
本当の体年齢って80才くらいなのかもしれない。
目は老眼は勿論のこと
遠くを見るのもかすみがちになった。
もしかして白内障?
母は白内障で両目を手術したが
母はもう85才をすぎていた。
今からこんな状態でどうする!
歯も入れ歯にならないように
歯磨きは人の何倍も気をつけてしてきた。
虫歯はないが
若い頃からの歯への思いやりがなかったことと
吐いていた頃に歯のエナメル質は相当ダメージを受けていたことが
もしかして
大きな要因となっているのかもしれない。
今回、治療中の歯が
とうとう恐れていたように外れてしまった。
これで右の歯の奥は空っぽになってしまった。
部分入れ歯にするしかもう方法はないだろう。
インプラントは色んなことがあり出来ないと思う。
ああ〜朝からため息が出る。
同じ60才でも白髪もなく歯も元気で
目もトラブルのない人もいるだろう。
羨んでみても仕方ない。
これ以上悪くならないために
十分気をつけないといけない。
何か朝から気が沈んでいる。
昔から1月は行く
2月は逃げる
3月は去ると言われるように
お正月が過ぎてから
あれよあれよという間に3月に入った。
娘は今月22日に卒業を迎える。
式には来なくて良いと言われているし
今の私の状態では行くのは難しい。
私の大学卒業式には母は来てくれたのだったかどうか?
記憶にない。
あの頃は拒食症との闘いの真っ最中で
大学生活のことは1年の時を別にすれば
ほとんど記憶にないのだ。
振袖を着なかったというか持ってないから着られないのだが
今のようなリクルートスーツもある時代ではなく
自分が何を着て行ったのかさえ覚えていない。
娘は卒業式の後、引越しをしないといけない。
卒業式が済んで
広島で就職するのだけれど
赴任地がまだ決定されていないのだ。
だから、式の後慌ただしい日々となるに違いない。
そして、3月が過ぎ
4月になって社会人としてスタートする。
4月13日には23才になる娘、
本当に月日の経つ早さに感慨無量だ。
それだけ
私自身も年を取ったということで
今は父も母もこの世に居ない。
世の中は無常だということだ。
日々是好日と言う言葉があるが
毎日が平凡で変わったことがなく
また変わったことがあっても
それに動揺しないで生きることが出来たら
本当に幸せだと思う。
夫が転院することになった。
転院の日にちは分からないが
3月もまた忙しくなりそうだ。
2012年03月01日(木) |
思いがけない人と再会 |
昨日、2月29日水曜日は
私の6週間に一度の心臓の病院の診察日だった。
午後1時50分の予約だったのに
30分ほど早い時間だと勘違いをしていて
早目にお昼を食べて12時半頃に病院についた。
診察の前にワーファリンの調整のための
血液検査があるのでいつも40分前には行かないといけない。
病院に着き受付を済ませて血圧を測った。
いつもの通り血圧は低く
昨日も上が82、下が56だった。
採血の時、看護師さんに低いけど大丈夫?と聞かれたが
私はあまり気にしていないし、
低血圧の症状もない。
寧ろ、高いよりはましだと思っている。
採血が終わり待合室に行ってテーブルの上に本を置き
読もうとしたら採血した所から血が出ていて
慌てて看護師さんに言って止めてもらった。
それを横で私より若い女性が眺めていたのは知っていた。
そして
その後で彼女から声をかけられた。
私も彼女のことは見覚えがあった。
今からもう17年程前
大動脈弁の置換手術をうけた時に
個室に入院していたのだが
その隣の部屋に入院していた人だった。
名前は忘れていたが顔は覚えていた。
彼女に挨拶をしてその後はどう?と尋ねた。
確か、心房細動で入院していたはずだ。
電気ショック治療をしていたと思う。
彼女からその後のことを聞いて
本当に大変だったのだなあと思った。
今は大分落ち着いているが
一時は動くのも辛い状態だったそうだ。
左手の薬指に指輪をしていたので
結婚したの?と尋ねた。
結婚したとのこと。
とてもやさしいご主人で色々してくれるとのこと。
子供さんは居ないが、見ていてとても幸せそうだった。
私までなんだか嬉しくなった。
彼女の診察時間が近づいたので
携帯の番号とパソコンのメールアドレス
そして、住所をメモに書いて渡した。
彼女は私よりも30分ほど早い予約時間だったし
その後もまた病院へ行くらしい。
私ともっと話がしたい・・・
会えてとても嬉しかった・・・
懐かしくて・・と涙を流していた。
昨日、再会したのが最後ではない。
これからまた会うこともあるよ
だから、体に気をつけて元気で居てねと
私は言って彼女と別れた。
彼女は自宅でPCを使って仕事をしているらしい。
病気と闘いながら、明るく生きていっている
彼女を見て、私はなんだか恥ずかしくなった。
私ももっとしっかりしないといけない。
彼女との再会は
私に元気をくれた。
今日から3月
春も近い。
いいこともあるだろう。
気持ちをもっと明るく持とう。
スカーレット
|