活字中毒のワタシの日記

2013年05月21日(火) 中村俊輔『察知力』★★★★☆


中村俊輔『察知力

メモ。

「06年11月のマンチェスター・ユナイテッド戦のフリーキックの場面にしても、『入った!』というより『練習通りにできた』という感覚だっ た。」(p62)

「たくさんの引き出しがあると、自分を信じることができるから、相手が誰でどんな場面だろうと、妙なプレッシャーを感じることはない」(p62)

「試合に出られない、チャンスが来ないとなれば、誰だって、気持ちが落ちる。でもそういうときにこそ、踏ん張らなくちゃいけない。落ち込んで、く さってしまえば、オーラは消えてしまい、存在感が薄れ、ますます出場チャンスから遠のくこととなる。
苦しいときこそ、やらなくちゃいけない。」(p94)

「もちろん、理不尽で解決できない壁もある。
そういうときは、壁からちょっと逃げるというか、考え方を変えて方向転換する。『これだけ頑張ってもどうにもならないのか、だったら』と別に道を 探すことが必要なときもある。どうしようもないことも、現実には存在するから。
そのあたりの空気を察知することも、大事な力なのかもしれない。」(p95)

「僕は”達成感”を抱いたことはない。過去も現在も、そして多分未来も。
達成感を持つことは、怖くてできない。
中3のとき、試合に出られることに満足し、いい気になって、チームのサッカーが変わったことも察知できず、自分のやりたいプレーをし続けて、先発 落ちした。なぜ、メンバーから外されたのかを分析できず、ふてくされ、マリノスのユースに上がれなかった。
あの苦い経験がある僕は、満足感すら持つことが怖い。」(p168-169)

中村俊輔『察知力



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2013年05月14日(火) 渡邉修『高次脳機能障害と家族のケア』★★★☆☆


渡邉修『高次脳機能障害と家族のケア

メモ。

「私が前頭葉に障害のある多くの高次脳機能障害者と触れ合うなかで体験したことは、たしかに感情をあらわにしやすい人はいるけれども、暴力、暴言までに至る困った行動は、よい環境が整うとともに次第に消えていくという事実でした。
『よい環境』とは、『本人が納得できる環境』という意味です。」(p62)

「環境を整えるには、周囲の理解と支持的な対応とともに、本人の気持ちの整理も必須の条件となります。」(p62)

時間をかけて、環境を整えていく大切さ。

多くの情報を取捨選択し、実行していくのに必要なのが遂行機能。
非常に高度な能力である遂行機能に障害が出ると、情報が整理できなくなる。

リハビリを嫌がる人には、どんなことでもいいので、できることから少しずつ始めることが大切。
達成感や成功感や、ふれあい等を得られるように配慮する。

「サポートは、ヘルプとは異なります。サポートとは、寝返るが『自分でできるように、できないところだけ手を貸す』こと。ヘルプとは、『本人が寝返りができないので助ける』こと。」(p89)

リハビリテーション医療は、サポートであってヘルプではない、と。

ストレスと記憶について。
「ストレスを与えると、糖質コルチロイドと呼ばれるストレスホルモンが放出され、海馬の細胞をこうげき、萎縮させるため、記憶力が低下するのです。」(p104)

またストレスで、海馬と逆に扁桃体が肥大し、情緒不安定性が高まる。
高次脳機能障害者にとって、過度のストレスとなりかねないことがある、ということへの配慮。

失語症のリハビリ。ジェスチャーに頼らず言葉を使ったコミミュケーションに徹すると言語力の回復がよいという研究結果。(p113)

「脳を活性化させるのはドリルだけではないのです。どんな活動でも、意欲的に取り組めるものがよいのです。」(p115)

障害に対する回復には2つの意味がある、と。
失われた能力そのものの回復と、失われた能力をほかの能力や道具を利用して補えるようになる回復。

「WHOは病気や事故によって発生した傷がもたらす障害には、身体的な障害と生活上の障害と社会的な障害があるととらえた」(p128)
レベルに三つ。病気のレベル、日常生活のレベル、社会生活のレベル。

スウェーデンの障害についての考え方。
「障害は、個人とその周りの環境とのあいだで生じる」(p134)

そのために具体的な方法(p135-)
1)住環境をわかりやすくする
 ・引き出しにはラベル
 ・ひと目でわかる収納場所を作る
 ・毎日の予定や行動をメモでわかるようにする
 ・できないことをしないですむ工夫をする(ex薬の飲み忘れ)
 ・わかるものに置き換える(アナログをデジタルに。また逆に)
 ・静かな環境を作る
 ・左側に注意を向ける工夫をする
 
記憶力は改善しないが、注意・集中力は可能。
そのためには、好きなものを定期的に複数回行うこと。

ゆったりした時間を作ること。
せかさない、時間をかけて話を聞く。

忘れないようにさせる工夫も大事。望ましい行動とセットにする。

家を安らげる場所にすることが重要。

渡邉修『高次脳機能障害と家族のケア



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2013年05月07日(火) 奥津典子『本当に怖い低血糖症』★★★☆☆


奥津典子『本当に怖い低血糖症

メモ。

「足りないホルモンを投与するのは応急処置であって、投与しなくても血糖値を安定させられるように体質改善をしないと根本解決にはなりません。自然と必要量のグルカゴンやインシュリンが、分泌されるように、膵臓自体のSOSととらえて、膵臓自体を元気にすることが大切なのです。」(p35)

低血糖症によるダメージ。

気持ち・行動面にあらわれること。
「悲観的」「孤立感」「キレる」「集中力が落ちる」「気が散る」「部屋が片づかない」「急な攻撃的な言動」など。

見た目では、肌のトラブルや、しみそばかす、目のたるみやクマ、「肥満、特に下半身」。

「本来の『砂糖』は『悪い』食べ物というより『あるエネルギー(後述する陰性さ)が非常に強い、強力な』食べ物で、たとえるなら、お酒を同じようにつきあい方が大切なのです。」(p57)

現代の私たちの問題点。
「短絡的快楽のみの欲求となり、とうとう『自分が本当は何が欲しいのか』『必要なのか』がわからなくなってしまいます。」(p71)

「『けがれ』は『気枯れ』で、気が枯れることを、様々なトラブルの原因となるとして避けてきました。」(p76)

食も、空間も、思考も、同様。

奥津典子『本当に怖い低血糖症



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