2006年11月29日(水) |
マガジンハウス 『私の、もったいない』★★★☆☆ |
『私の、もったいない』 マガジンハウス
ケニア共和国環境副大臣のワンガリ・マータイさんがとりあげたということで有名になった「もったいない」。
彼女の提唱をもとに、出版された『もったいない』。 その反響を受けて、読者の実践を集め、一冊にまとめたのがこの本。
私はまだ『もったいない』の方は読んでなくて、10分で読めて英文もあるということなので、ちょっと興味あり。
私も捨て捨てブログなんか書いていて矛盾するように思われるかもしれないけれど、根底には「もったいない」「モノを大切にする」精神を据えているつもり。
ただ、この本にもあるように、年代でもったいないもの、大切にしたいもの、大切だと思うモノにもいろいろあるから、単純に捨てないのがベスト、とも言いきれないと思う。
満腹なのに、残すのが「もったいない」と余り物を詰め込む母。 それを、体を壊してはいけないと(糖尿病、肥満になりかねない)、健康を損なう行為をすることを「もったいない」という娘。
私自身、チラシを切ってメモ用紙にして、という生活をしたい。 それでも手元のメモ用紙を使い切る前にどこからかいただいてしまうメモ用紙。
メモ紙に限らず、そういったモノがいくつにもなって、生活が不自由になり、ストレスの元となるとしたら、それは幸せな生き方か考え直すことが必要だと思う。
私はそれでも長いこと使えるモノを捨てるなんてとんでもない、とひたすら溜め込み、今思えばゴミのようなモノさえ大事に大事にとっておき、生活するスペースをモノに明け渡していた。 自分が捨てる、という罪悪感に耐えられなかった。 そのために自分が暮らしづらくてもいいとさえ思っていた。
でも今は違う。
モノを死蔵しているだけなら、それこそが「もったいない」のだと思う。
モノを粗末にしてはいけないけれど、モノのために生きているのではない。 生きていくためにモノがあり、モノが必要。 だったら、モノを選ぶこと、選ぶモノに責任をもつことが必要なのだと思う。
現代の日本では、モノを選ぶより、まずはモノを捨てることから始めないといけないのだと思う。 ほんとうに、絶え間なく、モノは入り込んでくるから。
捨てない暮らしをするために捨てるのだと心にとめること。 そして捨てたくない、大事にしたいモノを手に入れること。 そしてそれを大切に使い切ること。
そういう暮らしをしていきたい。
この本の中で、心に残ったところ。
「必要なものを、必要な量だけ置いて使うこと。この生活にしてみたら、身のまわりが整理されて、シンプルで気持ちがいい。」 「ちゃんと生活している感があって、ものを大切にすることはもちろん、自分の毎日も大切に考えるようになった。『もったいない』をなくすことって、実は自分自身も大切にすることなのかな、って思う。みんなが少しずつ、『もったいない』をなくしていったら、みんながスマイルで、地球もスマイルな日々がくると思う。」(p41)
「私たちがめざした豊かさは、見せかけのそれだったのではないか。いまこそ、ものの価値を最大限に生かして、使い切る暮らしに立ち戻るときであろう。そこから真の豊かさが生まれるに違いない。」(p135)
『私の、もったいない』
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