活字中毒のワタシの日記

2003年01月29日(水) ささやななえ 原作椎名篤子『続凍りついた瞳 被虐待児からの手紙』★★★★☆

凍りついた瞳が見つめるもの―被虐待児からのメッセージ
凍りついた瞳が見つめるもの―被虐待児からのメッセージ
椎名 篤子
集英社 (1997/05)

借りてみたら、漫画でした。
親からの虐待、の一言ですませるにはあんまりな暴力を受けて育った子どもたちの行く末、決意までが描かれたストーリー。

暗い気持ちになった。

でも、わかる。

コドモの気持ちもわかるけど、暴力を振るう大人の気持ちもわかるのだ。

そんな自分に嫌悪感がいっぱい。

中学生を餓死直前までおいやった親(保護者?)の気持ちもわかるような気がするこの頃。よくない方向へ煮詰まりつつある。
最悪。

アマゾンで見てみたいという方は、こちらからどうぞ。

こんな大人も子どももなくなるように。
そして、助けを求められるように。
手がさしのべられるように。
祈ってやまない。(ていうか、当事者です。はぁ…)

凍りついた瞳が見つめるもの―被虐待児からのメッセージ



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2003年01月22日(水) 東野圭吾『名探偵の掟』★★★☆☆

名探偵の掟
名探偵の掟
東野 圭吾
講談社 (1996/02)

推理小説のおもしろさ、つまんなさ、むずかしさ、おもしろさをちょっと違う角度から見せてくれた一冊。

登場人物の「名探偵天下一大五郎」と「ぼんくら警部大河原」が舞台袖から見させてくれてるといった感じ。
ふたりの小説を離れたところでボヤくやりとりもすごく楽しい。
「作者の力量から言って無理でしょう」とか。
「こんなことはありえないのだが、そうしないと話が進まないのでいいのだ」とか。
読者の方へ向いて探偵が一言、とか。

ただのふざけた小説ではなく、ちゃんとした?推理小説でありながら、推理小説にありがちな題材、トリック、テクニック、ルールを「これってどうよ?」と言うたら2ちゃんねるみたいな切り口で提示。

まじめに、ふざける、というのは、難しいこと。
それでかつ、おもしろい、というのは本当に力量のある作家にしかできないのだろうな、と思う。
東野圭吾さんは、すごいっす。大好きです。
人となりはわかんないから、作品、大好きです。ほんと。
まだ一冊も買ってなくてごめんなさい。(全部図書館)
「秘密」は買います。ほんとです。文庫だけど、買いまっす。

てことで、楽屋裏を案内してくれてありがとうございました。
またよろしゅうに。

名探偵の掟



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2003年01月20日(月) 日本推理作家協会編『もうすぐ犯行記念日』★★★★☆

もうすぐ犯行記念日―ミステリー傑作選30
もうすぐ犯行記念日―ミステリー傑作選30
日本推理作家協会
講談社 (1996/04)

ミステリー傑作選。
今をときめく?あの人やあの人の作品が一度に読めちゃうオトクな一冊。

印象に残ったのは、
『六月は名ばかりの月』宮部みゆき
おじいちゃんと孫の古本屋の話。このシリーズも好きなのだ。
『細長い窓』阿刀田高
老いらくの恋。といっちゃ失礼か。それが散ったのではなく散らされた事実に出会ってしまったヒロインの切なさにきゅんとなった。
『優しい水』若竹七海
この人のお話はこれが初めて。他のも読んでみようと思った。
オチが読めるけど、すごく感情移入してしまってかわいそうでかわいそうで、死なないで実は夢でしたーなんて話に書き換えてしまいたい気持ちになった。
新井素子さんの小説っぽいお話。

『ノックを待ちながら』井上夢人
これが、一番面白かった。うん。
借金苦から逃げるための偽装殺人。自分の身代わりを用意したところで、一緒に逃げるはずの妻が、実は自分も消そうとしてたりして…と疑う男の苦悩。
あの粉末は、毒なのか、砂糖なのか。
ああ気になる。
自分ならば…砂糖だけど、毒を入れる妻の気持ちもわからなくはない。

ちょっと息抜きに、久しぶりにともだちに会うような、こういう読書もいいもんですね。

もうすぐ犯行記念日―ミステリー傑作選30



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2003年01月18日(土) 東野圭吾『白馬山荘殺人事件』★★★☆☆

白馬山荘殺人事件
東野 圭吾
光文社 (1990/04)

謎を残した兄の死に疑問を抱いて、山荘にやってきた妹ナオコ。
マザーグースの歌に込められた謎解きを親友マコトとしながら、別の殺人事件に巻き込まれて…。

読み終えて、はあっとため息をつきたくなる一冊。
そうきてそうきて、そう来るかーっと、ラストは悲しいと言うか気が重くなる結末。
ナオコとマコトの若さと、マコトの凛々しさが印象的というか救いというか。

まったくもって先の読めない、スペースマウンテンのような”楽しい”お話でした。



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2003年01月16日(木) プチタンファン編集部『ハチャメチャ2歳児』★★☆☆☆

ハチャメチャ2歳児―イヤオちゃん、困ったちゃんとのつき合い方のコツ
ハチャメチャ2歳児―イヤオちゃん、困ったちゃんとのつき合い方のコツ
プチタンファン編集部
婦人生活社 (1999/11)

イヤオちゃん、困ったちゃんとのつきあい方のコツをQ&A32問で答えてくれてます。漫画がまた見やすく楽しくてイイ!

自分でやりたがる。
何でもイヤ。
何度でも繰り返す。
かんしゃくを起こす。
こだわる。
勝手に好きなところへいってしまう。
じっとしていない。

自分はすんごく大変な時期は上の子は過ぎたかなーと思う。
育てやすい子だと思う。いい子だと思う。
親ばかをさっぴいても、乱暴しないし歯磨きいやがらないというか好きだし、だっこぉーとか言わないし、優しいし、前向きだし、がまんできるし。

なのにきいいいっっとなってるのはなぜかというと、息子以上に母たる自分が幼いというか未熟だから、でーすっ。
親の未熟なあおりをうけて、必要以上にイイコにさせているのかもしれない、とも時折思う。何年かたってから、何倍にもなってトラブルが起きるのかも。

なのですんごいダダこねてる子や泣きわめいている子を見ると、それを許容してくれる母あってこそなんだよなーそれが一番幸せなのかなーうちはダメかなーと思うことも。

とかなんとか、いろんなことを考えさせてくれる一冊。
「子どもと正面から向き合う」というのは大切。
おまえがいうなーって言われそうだけど…。

ハチャメチャ2歳児抱えた保護者のみなさん、楽しんでいきましょうっ。

ハチャメチャ2歳児―イヤオちゃん、困ったちゃんとのつき合い方のコツ



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2003年01月14日(火) 東野圭吾『私が彼を殺した』★★★☆☆

私が彼を殺した
私が彼を殺した
東野 圭吾
講談社 (1999/02)

婚約中の男性の自宅に突然現れた女性。
男の裏切りを知って、庭で服毒自殺を図る。
それを隠そうとする男。
何も知らない婚約者。
婚約者と秘密を持ち、彼女に肉親以上の愛情を持った兄。
身勝手な男の秘書。
男のかつての恋人。

そして挙式の最中に毒を盛られて死ぬ男。
容疑者は3人。

3人の語りで話が進んで行く。で、どの人も自分が殺してやった、と言ってる。
が、犯人じゃないと言う。

婚約者の女性にいまいち感情移入ができないのがひっかかるところなんだけど、(だって結婚しようと思うか、こんな奴と。って相手と婚約してる時点でダメだ)男に殺意を覚える3人の描写にはひきこまれた。

クール(知的でかっこいい)な加賀刑事が謎を解く。
ああ加賀さん。あなたがいなければ犯人はわかりませんでした。
正確には相方。あなたがいなければ犯人はわかりませんでした。
ありがとう。
ほんと、自分は推理小説を漫然と読むだけの人だということがよくわかりました。伏線とか、ちっとも気付かない。

推理好きな人ももんもんと楽しめるんじゃないかと思う一冊です。
ごちそうさま!

私が彼を殺した



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2003年01月12日(日) 東野圭吾『毒笑小説』★★★★☆

毒笑小説
毒笑小説
東野 圭吾
集英社 (1996/07)

昨年末から我が家(自分と夫)の大ヒット、東野圭吾さんの笑える、短編小説集。

もう、おもしろいから読んでみて。と言いたい。
ごめんなさいね。おもしろさを具体的にお伝えできなくて。
でも通勤電車の中はやめといた方がいいかも。

私が5分笑いこけてしまったのが、「ホームアローンじいさん」。
落ちが、たまらないの。ああいうの好きなので。
相方はあのわかりやすさがいまいちらしいんだけど、吉本のお約束を思わせるネタ、最高だよ。

こんな書き方も、すごく好き。
「彼は七十歳を過ぎていたが、若い娘の裸が好きだった。とても好きだった。異常に好きだった。」
おじいちゃん、かわいすぎるよ…。

相方が、私が気に入りそうだと思ったのは「殺意取扱説明書」だそうだ。
それか「マニュアル警察」。

東野さんらしくて、「毒」「笑」だなあと思うのは、「エンジェル」「女流作家」「つぐない」。ちょっと切なくなるお話。

さあ今年も東野圭吾さんに楽しませてもらいます!

毒笑小説



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2003年01月10日(金) 茶木環『OLやめて「自分の店」を持ちました!』★★☆☆☆

OLやめて「自分の店」を持ちました!―14人の女性の開店成功物語
OLやめて「自分の店」を持ちました!―14人の女性の開店成功物語
茶木 環
明日香出版社 (1999/10)

14人の女性の開店成功物語。

猫グッズショップ。
チーズ・ワインバー。
美容室。
雑貨屋。
コーヒー豆専門店。
リサイクルショップ。
他、もろもろ。

皆、好きなことをやってる。
夢のための努力は惜しまない。

ま、努力といっても夢のためというかそれ自体が楽しかったりするから苦労も楽しみのうちなのでしょう。

やりたいことを見つけて、それを実現させるべく行動できる人たち。
そういう人は、輝いてる。
輝く人の周囲にはやはりそういう人が集まってくるのかもしれない。

私自身もそうありたいと思った。強く思った。
へこんでも、また立上がれるように。
タンポポみたいにたくましく!

そんなパワー源のひとつ、「読書」を今年も楽しんでいきたいな。

OLやめて「自分の店」を持ちました!―14人の女性の開店成功物語



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