たとえば こんなとき
気付けば僕は立ち止まっている
僕の中に空白があることを 僕自身よく知っていて
同時にそれを埋めたいとは思わない
空白に気付かないふりを して やり過ごす どれだけ それが白々しいかもわかっていて
笑みをつくる
僕はそれを埋めるなにものも持たない
美しいものを あこがれるものを 促すその優しい手を ただ見ないふりを して やり過ごす もう こんなに遠くに来てしまったのですね と それは 誰でもない僕の 声なのだけど
明らかで あるために 忘れねばならないものがあり あたかも知らないことが本当で あるかのように 装う ただ装うことがなおつらい
あなた以外の誰でもなく 焦がれていることも曖昧な
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