石垣りんのお別れの会の話を新聞で読んだ。 いいなぁ、と思った。 何がって、うまく言えないのだけど、 悼む、と言うより惜しまれて去ったらしいひとのこと。 あるいは、そこに書かれていた誰の言葉も、彼女の内面を憶測するものでなかったのが羨ましかったのかもしれない。 ただただ尊ぶように、彼女を高みに、仰ぎ見るように。
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本当は今日は、日記を書けるほど余裕なはずはないのだけど、 実はさっきまであまりの頭痛のひどさに倒れていて、 鎮痛剤を飲んでようやく生き返ってきたところなので いいことにしておこう。 もう何にもやる気が起きないし。 頭痛の遠鳴りを聞きながら、ぼんやりする。
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頭痛がひどいのが治まると、 なんだか一皮むけたみたいな気持ちになる。 新生真。 みたいな。 どんなに僕の中で世界がぐしゃぐしゃに、振り回したゼリーみたいにぐずぐずになってしまっても、 ふと立ち返れば世界は輪郭も正しくそこにあって、 目を開けると青く透きとおる。 僕は あぁ、世界だ と思って何故か安堵する。
あのひとのいきているせかいだ
2005年02月26日(土) |
もしよければ、南極へ一緒に行きませんか。 |
ことばを少しずつ、失っていたように思う。 いつの間に、こんなにメールとか、書かなくなっていたんだろうって、 たぶん根っこはずいぶん昔になってしまうんだろうけど、 僕は取り戻したい。 ことばを。 それにともなうこころを。 こころの強さを。 なんだか怖い気持ちもあるのだけど、今日はずいぶん素直に泣いてしまったから、たぶんもう降参してしまってもいいと思う。 一緒に食べましょう、とあのひとが言ったのを聞いて、心の何かが外れたみたいにボロボロと泣いた。
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今日はとても怖いものを見た。 という感じ。 でもなんかわかった。 僕は歌でも身体表現でも絵でも、言葉を重視する傾向にあるなぁと。 ・・・言葉攻め好き!!(激違) もちろんその言葉に付随する表現が気にならないわけではないんやけど。 でもやっぱり、言葉がいちばん「くる」なぁと。 思いました。
・・・いかん、眠いぞ。 うん。 あのひとに、アリガトウを。 今日はイイものを見たよ。
僕の息を止める言葉、を 題名にしかけたけど そんなオソロシイことはできないのでやめた。 当たり前だ。そんなのヒトに晒せるわけがない。 だけど何度か、脳の中で繰り返す。そのたびに何度でも死んでいくような気がする。
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イイよ、と言う。
イイよ、もう。
心が褪せていくのを見る。 それでイイ、と思う。
にくむ、なんて、
まだ早いよ。
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眼にゴミが入ったので、 顔に近々と流れる白い煙を許す。 これ別に、愛情じゃないよ。 怒りとかでもなく、とりあえず軽蔑でもなく(もうだいぶ前に軽蔑なんて言葉からは逃げ出したよ)、たぶん憐れみでもない。
なんとなく親近感を覚えたから、あなたに。 どうせ今日はもうサヨナラなんだ。
ではまた、 オツカレサマデシタ。。。
今日のはすこしだけひみつの日記だ。 いや、個人的に、すこしって意味だけど。(笑)
すきなひとと会ったあとの顔は、なぜだか、どこか美人に見える。 びじん、てゆうのもおかしい気はするけど、 男らしい、でも かっこいい、でもなくて、 なんとなく匂いのようなものがちがうのだ。 それはまるで、つけたことのない香水のようにかぐわしく僕を満たす
なぜだろう、ふるえそうな指をおさえながら一途にあのひとを見ていたせいだろうか、とか あのひとのうつくしい目がわらうのをずっと 見ていたからだろうか、とか ただ僕が最近、あまりうつくしくわらっていないからなのか、とか
そのどれもが本当のような気がして 鏡の中の自分の瞳にじっと見入ってみる。 それはまるで黒々とひらくぬばたまの闇のように暗い
そうして 耳の奥にあのひとの声を何度も何度もくりかえす
2005年02月22日(火) |
あなたのことばもまた |
・・・だけど、と。 僕は思う。
いずれにしろあのひとの言葉だって僕にはやわらかな痛みなのだ。 もうそれは、たぶんずっとずっと前から。
こころが 恋を思わなかった頃から、朝は限りなく静寂に 満ちていたけれど、
外からは風の音。 ぬくぬくと護られてここにいる、と たとえそうだとしても弱っている時の僕はどうしてもそう思えない。
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どうやら風邪をひいたらしい。 あんまり鼻水が出るので花粉症かと思ったんだけど、だんだんと喉が痛くなってきた。 …ので、これはやっぱり風邪らしい、と。
そんなに頭が重い、とかじゃないので普通に起きてはいられるのだけど、横になるとすごく気持ちがいいのでそのままうとうとする。 眠っているあいだに父親がパソコンの設定を色々いじってくれる。
うちの父親の何が偉いって、やっぱり勉強熱心なところだと思う。 もう20年も前からパソコンを自分で買って勉強して、ってやってたし。 当時は確か、一式そろえると100万越してたんじゃなかったかな。 もちろんウィンドウズとか無いしね。 家の中にLANを設定するのも全部やってくれるし、いい親です。しみじみと。 だけどうちの親の何がイヤって、人間は勉強したらそれだけ頭が良くなって当然だと思ってるところ・・・(泣)
まぁそんなわけで、メールソフト変えたりとかブラウザ変えたりとかが勝手に済んでしまいました。 素晴らしい。 今まで英語版で使い勝手の悪かったネスケがFirefoxに変わっていろいろできるようになってハッピィ。 しばらくこれで動きます。 それからメアドもそのうち変更する予定なので、もしここを見てる人で教えてほしい、とかあったら空メールでもいいので下から送ってください。
あぁ、結局この週末も勉強できなかったなぁ。
そしてあのひとの明日がイイ日でありますように。
少しくらいは浮上したつもりだったのに、積もりはやはり積もりでしかなく、あっけなく僕は再び沈殿して、白くわだかまったままほぐれずにいる。
ひとりで、 わらってみたり(自嘲的に) ため息をついてみたり 泣きそうになってみたり パソコンの画面が暗くなるのに任せて 昔半年を暮らした街を(その写真のスクリーンセイバーを)眺めてみたり そういえばあの美しい城跡は カローメンスコエ というんだった、とか思い出してみたり
深く深く息も忘れるほど 沈黙してみたり
そういえば昨日、昔のクラスメートに会った。 声を掛けてきたのは向こうだったのに、ほんの短い立ち話の間、じりじりと、まるで逃げるように後ずさりをして移動して、僕と真正面から向き合うのを避けるようにしていた。 へんだな、と思いながら なんとなく病んだ人の匂いがした。 それで僕も (やはり実は人と話すのは苦痛だったのもあって) 話が長引かないようにぽつぽつと話した。
その元クラスメートが去っていくと 微妙な感情が僕に戻ってきて 僕は もう少しやさしくするんだった、とか ばかなことを考える。 僕の「やさしくする」はヒトの為にならないのを自分自身良く知ってる。
僕が「やさしくする」のは装うということだ。 まず僕の為にならない。すぐに苛々するから。 そして相手のためにもならない。第一印象とも第二印象とも僕は違うから。 ガードを解いた相手がすぐに強張るのを何度も見てきた。 そしてそれでいい、と思っている自分のことも怖いと思った。
かなしい、ことばかり あるね
沈黙する、と言いながら それでも書きたい気持ちが起きたので少しだけ書いておく。
他人の言葉で僕が生きるのではないので ほかのひとのことばは 僕にあまり意味を持たない。
それも少し哀しいことだと思う。 それだけ僕の中身は削ぎ落とされて薄い。 純粋でしなやかで弾力があるけれども硬く強張って冷たく混じらない。
だけどほかのひとのことばが 僕を傷付けないわけではないので そして僕自らも容易く変容するので 僕は自分から見ると案外簡単にゆがんでしまう。 ばかみたいでしょう、と 客観的にわらってみる。
何を書きたかったかと言うと すこしさみしいことがあって それでも僕はやはりまだゆがまないのだろうなぁと思って と言うより昨日までに かなりゆがんでしまっていたものが そのさみしいことで少し元に戻ったような気がして(すこしだけ) だからこの冷たい指を 天罰みたいに思ったりしなくてもいいと ようやく 閉じ込めていた息を吐き出すように思って
さて 不器用な僕は 不器用なままでしかいられないし だから今日すこしだけなきたい気持ちでねむることも カミサマはゆるしてくれるとおもいます
それくらいでイイ。
2005年02月15日(火) |
インストゥルメンタル |
僕の言葉は凶器なので、
今は沈黙する。
訴えたい気持ちについては、
こんなのにせものだ、とでも
思うことにする。
そして理解する、ということは、
結局あわれむということかもしれないと思う
あなたなんかいらない
と思う瞬間はあまりに激烈で、 その一瞬の思いの激しさに自分自身めまいがする。 落ち着け、と自分に言い聞かせて、それでやっと一歩ずつ、暗くなった階段を下りていく。
本当は 息を 少し するのでも苦しいのに、 明日の予定はどんどん増えて僕を休ませてくれない。 何度も真夜中に目を覚ます。 夜の明けない窓に、嵐を思う。
そして時計の針があまり進んでいないのを見て、まっくらな気持ちになる。
もう ずっと むかしに 明日を愛すると決めたので
明日を愛している。
それだけ、言っておく
なんだかぎりぎりと苦しいので そろそろ逃げ出そうかなんて考えてみる。
今日は妙に昔のことばかり思い出す。 ホームルームと掃除を終えた後の、気の抜けたような教室を思い出して 風呂の中でふ、と目を瞑ってみる。
遠くに行きたいんです。 今日は少し弱気なのでそんなことを言ってみる。 僕の言い訳を、聞いて欲しいのに こんな夜は誰も電話を掛けてこない。
部屋から出て暗い階段の上に立つと急に泣きそうになる。
世の中で苦しいのが僕だけだとは思わない。 僕より苦しい人はたくさんいると思う。 誰かに同情してもらおうなんて思わない。 ただ何故かとてもとてもつらい
体調が悪いのかな、と。 とりあえずそれですべて解決してしまおうとする。
祈ることなんか何もない。 ただ口にできない言葉を、胸の中で何度も何度も繰り返す
昼前から神戸に向かう。
爽快に晴れ渡った空に、確かに春を思いながらコートを羽織る。 軽い靴を履いてバス停へ公園をよぎると、土は昨日の雨を含んでやさしい。 3連休も初日、大阪方面行きの電車はけっこう混んでいて、僕は古本屋の元警官を主人公にした小説を読みつつ揺られてゆく。
神戸の街は僕にとっては異郷なのだ。 少し雲の出てきた空に、ふとそんなことを思う。 広い道路も高いビルも、僕の故郷には無くどこか意地悪い。 ひさびさに南京街まで行って、肉まんだの焼売だのを頬張る。 すこしだけ旅行の話をする。
どこもかしこも喫茶店は一杯で、仕方なくドトールの隅に陣取ってラージサイズのミルクティーを飲む。 鬱について話す。 少し、息が苦しいのは店内に充満した煙草の煙のせいだと思うことにする。 ドトールを出てJRの駅へ向けて歩く。 君はなんとなく鬱になっていてもおかしくないのにどういうわけだかそうならないよね、と言われる。 そうだね、と答える。 僕は鬱の自分を許さないからだ、とか思う。 そして自分を容易く赦すからだ、とも思う。 ふにゃ、と笑っている。
六甲道からバスに乗る。六甲ケーブルで山頂まで。 山頂は雪が降っていて(しかも積もっていて)酷く冷える。
上から見下ろす大阪湾は淋しく美しい。 ここから逃げ出す前に全部消えてしまえばいい、と小さく思っている。
いくらでも 僕はきっと見抜いているのだと思う それ以上に絶望を味わっているのだと仮にでも設定しよう そういう 安易であることから徹底して逃れようとする自分が好きだ そしてそのことにあきれてしまう
絶望なんか きっと僕は望んでいるわけじゃない けれどそれを味わうことにひるむことはできない それが ぎりぎりと僕を押しつぶしそうになるとき 目を瞑る世界は白っぽくかすれて うつくしい
2005年02月07日(月) |
語るだけならそれは、ずいぶん簡単なのに。 |
またもや風邪をひいた模様。
と、言うよりこれは知恵熱っぽいな。 毎日必死で参考書を読み書類を睨みつけております。 しんどいにゃー。 入社後10ヶ月にして異動ですよ。 名刺全部刷り直しですよ。箱の中半分以上残ってんのに! うぅ、もうちょっと長く使いたかったな。
まぁ前の職場よりは勉強できそうな部署なのでヨシとしよう。 そして早く残業できるくらいになろう。(涙
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昨日はヒトと会った。 なんだか、お互いに饒舌になったような気がする。 考えてみれば1対1で会うのはようやく3回目とか、そんなものだった。 それでもお互いになんとなく世慣れた雰囲気だったような。
いろんな話をする。 僕の方が相手より少しばかり長く生きているので、そんな理由でなのか、人生の先達っぽく偉そうに物を言う。 そういう自分はカッコ悪いなぁ、と思いながらも、相手はそのほうが少しは居心地がいいかもしれないと考え直してみたりする。 お陰でちゃんと自然に笑えていた気がする。
いろんな話。 あんまり重い話はしないまま終わるのかな、と思っていた。 それなのにいつの間にかシアワセについて話している。 暮らすことについて。 生きていくことについて。 なんとなく遠い目をした気がする。 切ない顔はしない。けれど、 横顔はずいぶん切なく見えたかもしれない。 アイすることについて。 幸せなんて望んではいない、と言ってみる。 誰よりも僕が、それは何か違う、と思っているのを知ってる。
しあわせ に ついて
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