言葉のサラダ
黄と藍
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文節
しかい
が
かすむ
へや
が
みえない
のど
が
かわく
あたま
が
ふらつく
ふとん
に
たおれる
2003年04月28日(月)
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食欲
コーンスープとか
トマトスープとか
わかめにポンズかけた奴とか食べたい
春雨も食べたい
スパゲッティも食べたい
結局
食べているのは全部トイレだけど
2003年04月27日(日)
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洗面所
無いなら探して
見つけりゃ毟って
バンソコウ
常に携帯
塗り薬
二時間置きに
短いマフラー
長いストロー
何度も手洗い
明るい真夜中
2003年04月26日(土)
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冷蔵庫
大きな冷蔵庫
一人用のキムチ
105円のアイス
4分の1のキャベツ
2分の1のかぼちゃ
並んだインスタント食品
広い
広い
冷蔵庫
涼しくて
冷たくて
スカスカで
賞味期限の切れたドレッシング
多すぎたんだね
一人じゃ
多すぎるんだよね
大きな冷蔵庫
今夜もまた外食の日
汚れたままのお鍋たち
余り過ぎる食器洗い機の隙間
6人用の冷蔵庫に
1人が野菜をしまう
大きな冷蔵庫
背伸びをして牛乳パックを取る
2003年04月25日(金)
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注意報
右手力入る
鉛筆・二つに割れる
今日は穏やかいい気持ち
振り挙げた手
机・手が赤くなる
今日は緩やかいい気持ち
起こした頭
黒板・睨みつける
今日は私に近づくな
2003年04月24日(木)
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指チュー
とんとん
お指を切りましょう
ころころ
輪切りのお指たち
べたべた
まな板まっかっか
ことこと
お鍋で煮詰めます
とろとろ
シチューの出来上がり
2003年04月23日(水)
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好き嫌い
私の真実は
他人の虚言
私の成功は
他人の失敗
私の喜びは
他人の悲しみ
私の好きなものは
他人の嫌いなもの
2003年04月22日(火)
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ミントガム
噛み飽きたガムを口の中で転がしてたら
舌の外側を噛んだ
舌の表面でブチブチ細胞が潰れていく
口内に
スーっとした血が香った
痛みより痺れがやや上
夕飯の
熱い味噌汁が良く滲みた
2003年04月21日(月)
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塗り薬
罅割れたヒフに
クリームを伸ばす
赤い点には
念入りに
捲くった袖を
戻してあげる
やせ細った
しわくちゃの
ウデ
あたしの仕事
2003年04月20日(日)
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まめがゆ
おいしい?
と
聞いた。
まぁまぁ。
と
答えた。
良く冷ました、
さじの上の粥。
お婆ちゃんに、
ひと口あげた。
お粥じゃあ、
直ぐにお昼だ。
2003年04月19日(土)
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キ
何度も思った
やり直しては
全て消してた
時間が勿体無い
はっきりさせる
選ばなくっちゃ
切捨てなくっちゃ
集中したいと思えば
意識がどこかへワープ
拾い集めてもバラバラで
ピースは角を合わせない
2003年04月18日(金)
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瞬間
ガラスを取れば世界が変わる
ぼやけた信号は美しい
視線なんて分からない
声まで遠くなる
無数の点が空で交差
50センチの部屋
手を振らなくてもいい
車の姿も見えない
素晴らしい眺めじゃないか
2003年04月17日(木)
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緑音
噛み合わない会話
繰り返し続ける
其れがあたり前と
思う人々に囲まれて
狭い門を潜り抜け
広い草原を見渡す
毎日狩をしながら
狩られないことを祈る
遠くで死んだ人
運ばれる
いつまでも
2003年04月16日(水)
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ド
まー
ふけつね
まっくろなスカート
どうしたの
やねうら登って
ねそべったの?
まー
だらしない
この山はなに
なんどつんでも
また
くずれるわ
えー
そうですよ
人間なのね
だから
口から
ことばが出ます
はきだされつづけて
もう
つかれたかしら
2003年04月15日(火)
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年
生まれた日が本当かなんて
周りにある時計が正直なんて
此処が何処であるか誰も教えてくれない
読んだその本がどうして正しいと分かる
教科書は何時何を教えてくれるの
何故あの一言を言い損ねたのか分からない
思った通りに行かなくて嘆いてどうする
何故今其れを言うのだろうか
いつから人は大人になるの?
2003年04月14日(月)
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放課後
口から出た泡は
ぷちぷちと弾けていき
そこら中をオレンジに染めた
大きな烏が天井を覆う
真っ黒が美しいじゃありませんか
輪ゴムをぐるぐる外して
真っ黒な指先を揉んでやる
大量に飲んだ安定剤が
脱力感を与え続けている
蹴り飛ばそうと思った黒板の下
爪先の痣で思い留まる
なんとなく撫でた黒板
指の跡が少し残る
窓を開けて沢山の人を眺める
下を見ると芝生が何重にも見えて
もっと下が見たくて乗り出して
誰かに呼び止められることを
静かに望んでいた
2003年04月13日(日)
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成分
あたしの
50%はあの人で
40%は経験
5%は両親
3%は生れつき
2%は偶然です
2003年04月12日(土)
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悔
腫れだした手
抓っては笑顔を作る
噛み千切る内唇
瘡蓋になる暇も無い
沈んでいく瞼
取残されている様だ
拭っても汗は滴り落ちる
創られたものが悲しい
本当は嬉しくして仕方が無いのに
悲しんでいるフリをされても困る
にやける頬を両手で隠し
搾り出した泪を見せ付ける
2003年04月10日(木)
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烏
明るく
元気に
振舞って
親切
寛大
嘘を吐き
大勢人を
騙してく
仮面は硬く
美しい
膿んだ内側
誰が知ろうか
2003年04月09日(水)
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付
先のことを考えるのは苦しい
迷い戸惑い急かし続けるから
数え切れない分かれ道を選んでいく
未来を想像するのは難しい
避けることは叶えられず
確実に進んでいく
後ろを振り返るのは悲しい
消えない足跡が脳内に刻まれる
美化された海が灰色へ変わる
過去を創るのは容易い
極限に想像力を働かせ
確実に肥大していく
現在は大きい
点ではない枠が見える
狭く高い透明な壁と
常に一緒に移動している
継続が一番痛い
2003年04月08日(火)
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かみさま
うなずいてばっかだから
飽きちゃった
聞いてても
つまらないんだもの
だからあたしはまた
面白いと思うことを探す
面白いと思うことを始める
うなずくと
気分が悪くなるんだもん
2003年04月01日(火)
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