睦月の戯言御伽草子〜雪の一片〜 Copyright (C) 2002-2015 Milk Mutuki. All rights reserved
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ここの椿はいつも咲いている。 僕がここへきたときからずっと 散っているし、つぼみもある 茶室や客室に活けるために切ることだってある。 減らないし増えない
それでもいつも鮮やかな紅い色で咲いている。
「ここの椿をいただいていくと数日ですが雨と離れられるんです。」 そう彼女はいった。 それも決まった日数ではなくかといって1週間を超えることはないのだそうだ 「ねぇ。たくさんもっていってみたら?」
小さく笑って彼女は首を振った 「何本いただいても日数は長くなりません。」
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