睦月の戯言御伽草子〜雪の一片〜
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道標過去へそれから


2002年06月27日(木) 婚礼

雨は降った・・・文字どうりの狐の嫁入りだ・・・
だけどこれって。彼女の一族の力ではないことぐらいわかってしまうのでは・・?
そう僕は思いつつ露天に入っていた。
「雨降りの露天ってなんかいいねぇ。」
「なぁに言ってるんですか、あなたくらいなもんですよ。雨ふってんのに露天開けろっていう客は、、、まったく、、、。」ぶつぶついいながら番頭は去っていった。
そう言われればそうかも・・・・。主人のような含み笑いになった。

あのあと婚礼自体は、何事もなかったかのようにすんでいった。
主人が言うには当人同士の問題だから雨が降ったことなんかは、関係ないんだそうだ。まぁ、無事すんだんだしいいんでは・・・・?
実際、僕は花嫁の部屋に入ったことで花に怒られ、びしょぬれで帰ってきたことでさらに怒られ結局何もてつだわず、婚礼を見ることもできずにこうして風呂に浸かってる。
「みたかったよなぁ・・・。ここの人の結婚式。」そのために手伝うといったわけだし・・。



「ちょっと!!おきなさいよ!!しずんじゃうってば!!」


花の、きんきん声で目がさめた。
「・・・ん?・・・」
「なぁにやってんのよ!!まったく、雨上がったから露天の用意するように言われてきたら、あんたこんなとこで寝てるし。風呂で死んでどうすんのよ!!」
「あ・・・ねてたんだ・・・きもちよくって・・・ついね・・・」
「ついじゃ、ないわよ!!まったく!!もう、湯あたりしないうちに出なさいな。」
「ねぇ、婚礼はどうなったの?」
「ああ、新郎新婦はうれしそうに帰っていきましたよ。」
「そうなんだ・・・」

そういや、、、今、夢見てたよな、、、なんか、凄く苦しかったんだけど・・・?


2002年06月17日(月) 神の使い2

「手のひらに乗る程度のできるだけ丸い石を、3個探してください。」川を見つめたまま主人はそう言うと、立ち上がった。
僕は何とか、これでいいだろうと思われる石を3個見つけた。
「こんなのでいいの?」
「十分です。」そうして主人は石を受け取ると川に入っていった。

背の高い主人がつかると、けっこう、ここの川深いんだな・・・と思った。
そうして。主人は一つ目の石を川上へ2個目の石を川下へ最後の石を足元へと落とした。ただ、それだけをして彼は、岸へ上がってきた。
「さぁ、行きましょう。まもなく降りますよ。」そう言っていつもの、含み笑いをしながら宿へと戻っていった。

言葉通り、彼の姿が見えなくなったとき降り出した。
天気雨が・・・・いや・・・・「きつねのよめいりだ・・」


お地蔵様の資料は『ojizosan.com』を参考にさせていただきました。
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