『 hi da ma ri - ra se n 』


「 シンプルに生き死にしたかった 」


2005年06月30日(木) 六月

27日、
動かなくちゃと思いながら眠っている
誰かのことばかり待ってしまう
たくさん笑いながら
なぜか

28日、
「四日間の奇蹟」を見に行く
こんなふうな奇蹟なら起きてもいいかも知れないと
そう思ってしまった
奇蹟をテーマにした最近のお話、好きじゃなかった
死んだひとは誰も戻ってきてくれないから
それでも毎日は続くから

夕方までふらりふらり歩き
道端で紫陽花をみつけたり
探していたのにちょうどいいサイズの籠を買ったりした
それから、ソーダ水の色の飴
あんまり色がきれいだから夏なのに買ってしまう

考えない練習が下手になってしまった
アルバイトの面接を受けることにする
うまく喋れるかさえ怪ぶんでいたのに
どこからか急に「きちんとしたあたし」が出てきて
自動書記みたいに喋ってくれるのでびっくりした

夜落ち込んでいつまでもぐずぐず零れ眠れないので
ハルシオンを追加してまるくなって眠る
おくすりの力を借りる道があるというのは
ほんとうは恵まれているかも知れない
日常的に飲んでいると効かないとか副作用がどうとか
色々ぐじゃぐじゃ言ってしまうんだけど
手助けしてくれる存在が手元にあるのは、、、たぶんひとつ
楽になれることだから

あんまり誰のことも傷つけないで混乱を乗り切るには
たぶん眠るのがいちばんよい方法、のような気がするから
そうなれるようにがんばってみてはいるんです

29日、
雨が降る日、面接をうける
渡された用紙の得意なこと苦手なことの欄にぞれぞれ
「文章を書くこと」「遠出」と書いてしまった
遠出、って、、、なんか、なんか違う気がするんだけどなあ
ボールペンで書いちゃったので修正不可
話がどんどん変わっていってただのカウンター業務じゃなくて
思っていたよりも大変なお仕事できませんかと尋ねられ
きっと落ちるなあと漠然と思う

帰り道でうすみどり色をしたレモネードを飲んだ
そうしてあのひとに手紙を書いた
雨がやむ前に届いたらいいのにと思う

30日、
再び晴れ、眠る日、「ホテル ビーナス」をみる
もしかしてこのお話で泣かなくなったらあたしは少し
大きくてやさしくなるのかも知れない
今日もまた待ち人
疲れたねやめたいね、きっとやめたいね
でも私死にたくないからたぶん待ってる
酷い夢をみてしまった
「ありがとう、毎日あたしを殺してくれて」
……そんなこと毒づける相手と同じ屋根の下に住んでいる

目がさめたら六月は終わっている
七月です
文月
みんなに暑中見舞いを書くことと
ほおずき市を見に行くのをたのしみにしてる
浴衣、着ようかな
もしも万が一お仕事をすることになったら
できるだけやってみようと思う

背中おしてくれてありがとう。



2005年06月27日(月) 風の通り道

あつくなりました
あつくなり、、、

息苦しいです(苦笑)
食べることと意識を保つことが
うまくできない、、、と
たぶん、お医者さんの言にしたがえば蕁麻疹。
ぴりり、ぴりり、しわしわ。

痛みとか吐き気とか
どれもやんわりとしてこの熱気みたいに
つかみどころがないけれど
気づいたのはたぶんキシネンリョっていうやつに
占領されているんだなあということだった
どれもこれもやんわりとして、、、だから
腕を押し出すみたいにして抗うくらいの抵抗の、叶うこと。
つきまとわれていても、でも
弱らない限りきっと立っていられるさ。

きのうは久しぶりに針をもって
少しだけお裁縫をして
やはり、少しだけ規格外体型なので
既製品をそのまま着るより
自分の手でどこか
かがったり詰めたりしたほうが、、、好きになるから。
白いシャツがスタンドカラーに

猫みたいにうちのなか移って
風の通り道をさがして
吹かれていようか

おしごと、おしごと、あたまのなかをぐるぐるまわっている。
からだが付いていけていない、苦笑、苦笑。

そちらもあついですか
きっと暑いね
夏ばて
気をつけてね


6月27日、昼



2005年06月24日(金) ごとりと音がしてころがるなにか

またやったまたやった、おくすりのききすぎ?
ぼんやり霧のなか、
24時間がすっとんじゃった
でも明確ではない
なんにもしていないらしいのが、救いだろか?
誰かと話していた気がするけど
何を話していたんだろう?

ふらふらするのを抱えて床にころげていたような
昏々と寝入っていたような
はっきりと目がさめて思い返せるひとつひとつは
たよりなげにこころぼそい
めがねがみつからなくてしばらく探してた
入っていない気がする部屋の中に、置いてあった

さあ、なにをしていたんだろ

考えたらふあん、に噛み砕かれてしまいそうになるから
そこに行ってはだめだよと自分の脚にブレーキをかけて
いつも思いつかないようにしていること
抜けて曖昧な一日分

……ふらついているときのあたし
一体どんなふうに見えているんだろ

泣いて喚いて外に飛び出したりは
いくらもうしないには、しても
言動の端々できっと
呂律が回っていないのだろうと
そう思って

B子ちゃん。



2005年06月23日(木) 日付変更線




さびしいって言ってもいい。



・・・・・・・・・・


求人広告をながめていた
丸善さん
パン屋さん

病院でつかったステロイドはこわいくらいに効いて
塗ったところと塗らなかったところの境目がわかるくらいに、
なり、、、それだから元気です、痛くないよ
これぐらいだと働けるところがないか考えはじめる習い性
現実にはなにもできていないのは、このとおりで

このぼくにでも、できること、、、?

ひとりで外出できるようにならないと
いけないような気もする
まっすぐ歩けるとか、立っていられるとか
そういうことで

……ほんとうに、ごめんなさい。


・・・・・・・・・・


言えなかったな

さびしいって。
たぶん
さびしいって。


いろいろなものが噛み合っていないまま
天体の引力が弱まっていくように
少しずつ離れていきます

あなたからもあなたからもわたしからも。



6月23日、夜



2005年06月22日(水) memo memo

通院、
診察、
気になっていた痛いのは、蕁麻疹らしくて
翌日か二日三日でなおることを伝えたら
とくに対処はなくて
抗アレルギー剤が、変わった

体力はつけなくてよいから眠れるようにしなさいとのことで
それから、顔をはやくなおしなさいって繰り返して注意されたこと
視力が落ちちゃうから、って
……右の目の周りがずっとしつこく治りきらなくて
たしかに危険なことはほんとうだと思うのです
白内障にすすむひとも、多いことだから

ひさしぶりに混雑して2時間待ちだったから
記憶がそれほど確かじゃなくなっている

不安定なのは、かわらなくて
少しずつコントロールがきかなくなり
きょうも泣きじゃくってみたり
欲しがってみたり捨ててみたり
でも
うすぼんやりと暮れていくよ
今日は涼しいからうれしい
朝方にシャワーみたいな雨、

雨のなかで煙草をすうのが好きといったあのひとのこと
おなじようにそこにも雨が降っていますか
それぞれの葉から大粒にしたたる水の色
絶え間なく、少しだけ勢いを減らして
頭の上に落ちてくる

落下する夕方、をみた

ポケットのなかに入りたい華子のことば
意味なんてわからなかったらよかったのかなと
思いながら
「いい気なおとなは叱られる」

すずしいのは明日でおしまいみたい
あさってからの予想気温は32度
東京ではないからそこまで上がらないにしても
さて、、、やはり不安に思う自分がやっぱりいる

浴衣着て帯むすんで出かけたいなと
少しだけ期待している



2005年06月20日(月) nothing

自分の腕が重たかったり
やんわりとからだじゅうが痛いと言っていたり
でもそれも明確じゃなくて
尋ねられても答えるべき言葉が
みつからなかった
……つらい、のはきっとほんとう

起きていられないって、言っていられないんだけど
起きてませんでした、変なひるまの出来事
ただ暑さに負けているだけなのかも知れないし
よくわからない……
キーボードゆっくり打って、今日は、おしまい

あしたこそはちゃんと着がえて
病院へ行かなくちゃなりません

できること
すくないな
なんだかな



2005年06月19日(日) 告白

懲りてなくて
自分でも苦笑するくらいなのに
それでもまだ
一枚隔てた隣にスタンバイしている「きえたくなる」
視界のはじっこを横切るから

肉声がほしかったよと
ひとりで、つぶやく
我儘かぎりなく

さいごに声を感じたのはいつだったっけ

どうでもよいなんて方向へ踏み出さないために
あたしが、あたしにしてやれること

……感じすぎない練習をしています
ひとりでだいじょうぶ笑っていられるように

でも
ときどき
我儘かぎりなく
蠢いてくる実体のないあのやつらに
怯えて現実のはじっこにしがみつきたくなり
誰もいない
時計を睨みつける

今日はからだが痛くない
ふりはじめた雨の音が
とてもやさしい



2005年06月18日(土) 綿毛空間

みっしりと充実した空気にくるまれて
投げだされた腕で
ひりひりと痛んで

なにかがうまくいっていないとぼんやりと感じ
次の瞬間手ばなした
ふかい呼吸をいやだと言う
しめつけられたような肺臓は

熱された空気を、ほら、そう
少しずつとりこんで
日が暮れるまでを数珠つなぎにして
ひとくくりのかたまりに戻す
思い出すことが少したやすくなるように

曖昧にまぎれていく
たくさんの
真綿の種はふかふかと
たよりない密度で埋めていく

びっしりとつめこまれたからっぽなうつろで
ぼくが、きのうの音を聞く


・・・・・・・・・・


考えようとするほど頼りなくて
よくわからないことが増えていって
なんだかもう
このほんのりと熱せられたみのまわりの空気の命令するとおりに
全部なげだして気を失っているのがいいような
そんな気分に近寄っていくのが
困ることです
リアルはリアルじゃないって
あたし誰も信じてないって

あなたが近くにいたと思っていたあの信念は
どこからどうやってうまれてきていたの


・・・・・・・・・・


感染症のうたがいを少しだけもつ、のは
動くとすぐに発疹が出てぴりぴりと痛むから、です
よくわからない、とりあえず病院行かないとならない
ひとりで出て行く、週明けのひるま
おくすりに頼ると言う手段があるのならいいとそう思います

とみに、自分のからだとみのまわりで
手一杯になってきている気がして
怖さみたいなものを見たくなくて
ぼうっとしてばかりいる
頭の中がすこしクリアになったらば
本ばかり読みます

借りてきた映画、
:茶の味+猟奇的な彼女+落下する夕方
買ってみたコミックス、
:夕凪の街、桜の国
読んでみた本、
:西の善き魔女1−4、角田光代のデビュー作、
:ブラッドレッティング
:銃、病原菌、鉄、13000年にわたる人類史の謎
これから読もうとしている本
:沈黙博物館

小川洋子の本をいつも読みたいと思っているのに
どうして買っちゃうのは角田光代なんだろって
いつも同じことをまちがえるのに苦笑い、
文化人類学の本を相棒さんが買ってきていて
隣からさらって読んだらとてもおもしろかった。

夏ですね。


6月18日、夕刻



2005年06月15日(水) フォビア

たとえば恋をされることがこわい
それはきっと
侵犯されることがかたちになって
現れるのとすごく似ている

怖い。

きっと誰かに必要とされたがっていて
誰かに、好きだと思ってもらいたくて
しかたないくせに
言われたら恐怖心の塊になってどこまでも逃げてゆくなんて
とても失礼な言動だとおもう。
まるで詐欺のようだとおもう。

でも怖い。

あいかわらずです
あいかわらずなんです
だから
そばに来ないでと
飛び退って逃げる
牙をむく
どこまでもどこまでも
逃げて逃げて逃げて
消えて

相棒さんはこのわたしの
よくわかんない性癖と傾向をかなり学んでいるから
今では、怯えがとれるまで、不用意に近づこうとはせず
それは申し訳なく
とてもありがたいことで
だからきっと
わたしはなんとかやってゆけるのだと、思う。

震えが止まらなかった日
物音にびくついていた日
助けてと呟きたかった日
だれもいなかった日

林檎、見に行きました。
その余波にてまた
未来を少し怖がり
ばかね、
だいじょうぶ?

……あこがれていたお人形や好きなお洋服をみた。
よきものやわらかきものを取り入れたいと思った。
ぼうっとしてうまく感じることができなくて悔しくかなしかったけれど
そこに行けたのは(行こうとがんばれたのは)
きっとよいことだった。


そんな日。



2005年06月12日(日) いくつかの繭

くうはくのように思える朝
あたしのまなざしがとらえた
雲の谷間にうずもれるおひさま

シャッターをひとつ
巻き上げられるかすかな感触
音をとおして
ほら
また
見ず知らずの記憶をひとつ刻んだことに
安堵していますか

ねむるひとの規則正しいやすらかさ
ひゃく、にひゃく、いくらかかぞえる呼気が
少しずつ遠のいて
手放したんだ
立ちすくみながらそれに辟易していた
くりかえしこの髪に触れた
ぼくではありえないものの温度

逃げられない
逃せない

見上げたものは
すすけた色のあおい空
整列するビルのあいだ
はりめぐらされた道路の上の幅だけの
まっすぐに規則ただしいうす青の道
そこにあるけれどだれもみなかった
そうして鐘が鳴るよ
おうちへかえれと
いつか告げてくれたのと同じ音色で
ただ、みっつ、くりかえし
この背中を押すように

おうちへかえろう
おうちにかえりたい
だだをこねた幼女で
あればよかった


・・・・・・・・・・


あたし繭になる
そこにもどって
そうしてちょうちょにならない
究極のわがままを叫んだお嬢さん
きみの夢はたぶん
きみの手でつくりだす誰かが
あたためて孵してくれる

あなたじゃない誰かが

眠りこむまえに糸をひたすら
吐き出さねばならない作業とたたかうこと
細くつむがれていく糸は
しゅるしゅるとかすかにひかりながら空気をたどって
きみのからだをつつむだろう

ね、きっと
それはとても
きれいなながめにちがいない


・・・・・・・・・・


病院にはいってしまったあのひとのために
さまざまな手続きを踏みぼくが近寄ろうと
この足で歩いてゆくのを
あのひとは絶対に目にすることはできない
それはどこかとてもさびしくてしかたないことだし
同時にやすらかなことでもあって
・・・この断絶があるからきっとあたしたちやってゆけます
存在をおしえてくれたひとに
そっとちかいます
今はもうこの場所なんてみることはないだろうひとへ
感謝と、祈りをこめて

あたしたち最大限おたがいを
手放さないためになんとかやってゆこうと
思います

たいせつだと知ってしまったので
抱え込んだきのうの嵐がやまなくても
ゆめをみることで
ことばをつなぐことで
小さなテントをつくりたいと
ぱっとしない冒険の主人公にあたえられた武器は
どうやらまたしても、紙とインクとペンだけだった
キーボードさえも彼らにはふさわしくないと
ただ、紙とインクとペンだけ

この属性のめいじるのなら
ことばをころがすことを
あいしましょう
それをあなたが待っていてくれるなら
ぼくの時間なんていくらでもそそぐよ
風船みたいなぼくなんだから
いつぱちりと消えたって
こわくてかなしいけど不思議でなくて
でも
あなたが待っているから

足を棒にして一冊の本についてさがした数瞬
自分のためじゃなくてもいのちをつなげるのなら
りっぱなくらいの理由をもらいました


・・・・・・・・・・


だいじょうぶだいじょうぶだいじょうぶと
いらなくなったおまじないを引っぱり出して虫干し、
彼方に突っ込んで置いてきた不安ものぞまない再開、
のみこみそこねた水を吐き出し
痛いと言い
たくさんのもうなくしてかまわなかったものに
ふたたび価値を与えてしまい

でもあたしことばを書く
いたいことしか言えないかもしれない
でもぼくがことばを書く
あふれてやまないから
息を吐くのと同じだけの親密さで

それはだれかにすてられることの覚悟と少しだけ似ていた
そんな気がした



6月12日−13日



2005年06月10日(金) cross to you

ふりおちくることばが
つめたい
氷のかけらならきっと
その場所でとける

やわらかなかたちをしていた
棘はどこにもみつからなかった
けれど触れたら
つめたいように
ひりついた

あたしは遭いたい
あのひとに遭いたい

際限のない夏の雪は
氷のかけらでふりそそぐ
くちびるの端に
こびりつきつもる塩の結晶
ぎらりとかがやいて
細胞片ひとつ
射抜いた


・・・・・・・・・・・


ほら、そのみぞおちからこぶしひとつ奥のほう
あかい実をたべなかった内臓がやわらかく
今日の日を食んでおります
そのことばに耳をかたむけないでどこまで遠くへ
走れるかの賭けをぼくがあなたとしています


・・・・・・・・・・・・


はんぱなもののひきあわせ
折りたたまれる生地のかさなり
巨大な本屋さんの広大なフロア
つったちながら見渡せば
無心にページをむさぼる横顔
真横からのばされてくる皺のよった腕が
奇妙で
こわくて
こわかった

ああここはどこだろう?

この夢をあたしは実行にうつさない
だから今日もかばんをしっかりと腕にかかえて
道路の端をあるこう



落っこちてゆくのだとただひとつ
つながれたらよかったかと
電話線をもてあそびながら朝に夜におもう
かじりすぎて剥き出された
黒くて太かった一本の手綱

あなたがふらしてくれることばは
ときどき、なにものにもなれないで
あたしの上にふりつもる
かわいた砂丘のすな遊び

あたしの笑顔でけりがつく


6月10日、夜 ma.



2005年06月07日(火) nanairo

痛いの、嫌いです

でも痛いです

起きてごはんをたべるくらいでやっとだから

なんだかとてもくたびれてしまった、な

外はとてもあかるくて

6月はバラの季節で

ぼんやり歩きながら写真を撮ったり

本屋さんであのこに送りたい本を探したり

したいのだけど

したいのだけど……

体を維持するので精一杯、になってしまう

一日がとても長いです

あんまり長くてもう

ここがどこだとか今がいつだとか判らなくなってきて

いろいろなものにとりのこされたみたいに

大好きなお洋服屋さんからお手紙が来ました

次のシーズンのコレクションテーマ

林檎、だって・・・・・・とてもかわいい刺繍のモチーフのはがき

行きたいなあ、行きたい

赤くてまるい林檎とその花と……

行きたいな。


痛いのを引かせるためにできることをゆっくり、でもしっかり

やってゆくしか方法はないので

……泣かないでやってみよう?

この痛いのを平気な顔で過ごせたら

ほんとうはいいんだけれど

それは少し難しくて

まだ、うまく笑っていけない


りんごの花の満開の様子をいちど見てみたい



2005年06月05日(日) まひるのゆめ

たくさんの混乱した場所を通り過ぎて
誰かの不在をひどくこわがることをおぼえた
そこのとが夢の中まできちんきちんと浸食して
わかりやすくその恐怖を見せてくれるようになったから

たくさんのあなたの不在の果てに
ぼくはもう
この道は行かないだろうと明るい部屋でたしかに思った
しっかり握って離せなかったシャツの裾の感触
お願いだからそれだけはやめてくれと繰り返し懇願した
その声はきっと自分のものに違いなくて

ありがとう、
あなたのあとをついて行ったりはしないよ
おかしいな言い方でごめん
でも、きっと
あなたのおかげなのだと思う

かなしいけどかなしいけどくやしいけど
あなたのおかげなのだと思う

ぼくが今注意しなければならないとしたら
それはきっと、新しい不在を知ることだから
もうこれ以上亡くさないために
必死になることに決めました
わがままなのは承知だけど
ぼくはぼくが死なないためにあなたに生きてて欲しいのかもしれない
これ以上、あの失うかなしみを知りたくないし
もう一度それが加えられたら
どこへ行くか判らなくて

自死と素直に使えないのは
ものすごくそれを怖がっている証拠です
ごめんなさい
本当はそこから切りはなされて居たかったのです

行くしかないと決めたなんて誰だと
きみを怒鳴りつけても縛り付けても
そこへ、行かせたくはなかった
ほんとうは、ほんとうは
それくらいに図々しくて構わなかったんだ

判るのが遅すぎて、ごめんね
今更夢の中で必死になっていて
ごめんね

でも、忘れないよ

がんばってみるよ

ごめんなさい


6月5日、夜



2005年06月03日(金)

疲れた、って
もうそれしか頭に浮かばない

やさしいものがみつからなくて
楽しいことも思い出せなくて
それはとても、とても居心地が悪くて

笑い声もなにもかもうるさいと
わずらわしいとねじまがり

満腹以上につめこまれていく人様の言葉
なにひとつ吐き出せた感覚もなくて
にくしみや不満やいたみばかり親しみぶかく
寄り添ってくれて手をとってくれて

一瞬でなにもかもが色褪せてしまうじぶんが嫌いだ
あたたかいということをどこにも見つけられず思い出せず
このさきのことまでずべて無に塗りつぶしてしまう
そんな安易な落下が
苦手で苦手で
・・・・・・避けられない、逃げられない

いらないのにと
繰り返して
繰り返すのにいやになって
それならもう
存在ごと消えてしまえばいいのに
なくなってしまったらいいのに
とげとげしさをまきちらす
こんなふうな奴なんて

また、転んだ
飽きもせず

えらぶことのできるたったひとつの処方箋が
眠ることでだからもうそればかり求める
一日にやっと三時間ぽっちりじゃ足りないです
もっとたくさん眠れるからだ、
欲しい



2005年06月02日(木) 慈雨

べつにもういいのに、

ぼろりぼろりそんなことば
足跡どおりにこぼれおとしながら
あちらこちら歩き
歩いていると言うより彷徨っているみたいで
ふと
ぐるぐると旋回する周囲

みんなみんな目的とかえるうちがあり
みんなみんな会いに行くべきひとがいて
隣の椅子に座ったひとは空っぽになったかティーカップを前に
携帯電話を睨み付けて誰かからのメッセージを待っている
恋人かな
きっと、そうなんだろうな

頭の中があんまりにいっぱいすぎて
もうなんにもわからないと
そんなあたしのかたちがふわふわと移動してゆくのは
たぶん、どうでもいい見物でしょう
ほらどんどん不釣り合いなものに変わってしまう
あたしなんていなくていいのに
あたしなんていなければよかったのに
毒づく言葉だけいくらも浮かんで

綿ローンのワンピース、薄水色の小さな花、
引きつっていくしかめつらでそんな装い、
ああ半日前はあたしはこれをすごく好きだったのに
今はもうわからない
訳が分からない

・・・・・・あたしのかたち。

たすけて、

とたぶん全身が叫んでいるのに
頭はそれをわかってあげられなかった
また今日も
免疫低下、亢進しすぎ
ヘルペスみたいな発疹は痛いよ
痛いよ

あなたの手のぬくもりくらいで
ココニイルコトを
少しだけ肯定できるねと笑った
前を歩いていくひとの上着の裾をつかむくらいで
それくらいのささやかさで、もういいから

ざあざあと雨が屋根を叩く音
それから誰かの寝息の気配
ささくれて干上がっちまった今日の最後に
しずかにしずかに雨を聞く
ほら、ただしくひとりになった
そのことを感じることができるようになるために
もうちょっといっしょうけんめい生きてみなけりゃ
駄目だよということを飽きずにまた
刻んでみる



6月2日、夜


 < キノウ  もくじ  あさって >


真火 [MAIL]

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