『 hi da ma ri - ra se n 』


「 シンプルに生き死にしたかった 」


2003年09月22日(月) くるくるくるくる

お昼のお薬をつぶつぶ飲みながらこの日記を書いている
14錠
アレルギーの治療剤やらサプリメントとあわせて
それがわたしの飲み下す錠剤とカプセルの数で
白とピンクと黄色と緑とうすむらさき

平日、
台風の余波で外にはごうごう風が強くて
そうして急に寒くなった
急に、急に、冬が来たみたいに
あなたにうしろから抱きしめられてすっぽりとしてもらわなきゃ
わたし不安でくるいそうになってしまう
だけどあなたはいないから
寝室に置き忘れられたシャツをすっぽりかぶって
この日記を書いています
ひゅるひゅる電線が悲鳴をあげて
うちじゅうががたごとと鳴って
わたしがまたもっとちいさく、もうひとまわりちいさく
なる

あたたかいものがほしかった
あたたかくてやわらかいもの
台所をぐるぐると歩く
ばかみたいに歩く
最近、とうもろこしのパンとマンゴーばかりを食べている
いのちつなぎ
太るためのお薬を飲んでいるので体重はそんなに減らなくて
消えてなくなりたい死にたい願望は満たされない
ここから早く逃れてただあたたかくて明るい場所へ行きたいだけなのかもしれない
首を吊って吐いたけれど向こう側があたたかい保障なんてないことには
気がつけなかったバカなわたしだった

食パンにマーガリンをつけてかじる
やわらかいもの、やわらかいもの、
外は寒い、寒いよ、寒いよ、
ここから出してよ

……ひとりでいることに耐えられなくなってきている自分をかんじます
平日のひるま、それがわたしに一秒ずつのしかかってきて
手ががたがたふるえている
どこにいたらいいのかわからない
何がただしくて何がただしくないのかわからない
だから訳も分からずときどき悪いことをする
腕を切ったり足を切ったり首を紐で締めたり
せめても抵抗としてお酒を飲んだりおくすりを飲んだり
でもそれは悪いことだ悪いことだと必死に回避しながら無茶食いをしたりする
冷蔵庫の食パン、マーガリン、チーズにクッキー、ゼリー、梨
だけどこの胸やおなかやあたまのなかのがらんどうは
ほんのすこしも、満ちていってくれず
また風の音がする、ほら背中から追いかけてくる風の音がする

こわいよ
だれかたすけて
こわいよ
こわいよ
こわいよ



2003年09月18日(木) 最近


猫は、まだ、かえってきません

最悪の事態を想像せよとみなは言います



あみかけのレース

縫いかけのエプロン

放り出されたまま

力がなくなっちゃったよ



この布でぎゅぎゅうに首を縛ったらわたし神様のところにいけますか

・・・・・・吐きそうになってえずいてえずいてだめでした


お薬がふえていきました

デプロメール
ベタナミン
アモキサン
セニラン
デパス
ハルシオン
ユーロジン

ずいぶんふえちゃたんだな


文字はつらく孤独はつらくひとごみは苦痛です
どこへいったらいいんでしょう

せめて今夜はきみと一緒に眠らせてください



9月18日、宵の口 真火



2003年09月11日(木) 猫が消えて

2ヶ月くらい飼っていたちびな猫
ふらりと姿を消してしまった
わたしがいないときどこかに行ったきり帰ってこない
まいばん、夢に出てくるけど
目がさめるとどこにもいない
きょうで10日目

うちの猫しりませんか

だいたいぜんたい黒くって
青のチェックの首輪をしていて
おなかと、手足の先だけが白くって、
とてもひとなつこくて
人にのぼるのが好きで方向オンチで
小さなあしのうらがつめたくて
立派なひげを持っている
8ヶ月のちびな猫です
1.5キロくらいしかありません
名前はこげぱんです
愛称は「こげぱ」です
でも名前はおぼえてくれててません

パパはいまごろ猫バーグになっているにちがいないといいます
ハンバーグの猫肉バージョンだそうです
お医者さんに猫がいなくなって落ち込んでいることを話したら
まあ猫はあっさり車に轢かれたりしますからって言いました

とか、とか、とか

愛情なんてかけてしまうのはおそろしい


たべものを受け付けなくなってきました
朝からお酒のんでみました
液体でくらせたらそれがいちばん楽です
買い物依存に走ってしまいました
だけどそんな可愛いお洋服を着るには私は価値がないと思います
消えたいが死にたいに摩り替わっていきます

にほんごを書き出す力と止める力と
どっちがたくさんエネルギーが要るんだろう

すくなくとも
だれかと話す力は出ないみたいです
つらいです
ことば、つらいです
ホームページの更新とか
やらなきゃいけないことばたくさん
こまかな作業

しんどいです

こんなことで
ごめんなさい
ごめんなさい



9月11日、あの神話の崩壊から2年目  真火



2003年09月09日(火) 毒気

目がさめたら夜の1時だった
少しだけ腹が立ったけど
こういう夜もあるもんだと
ひらきなおって布団の中にいた

うとうとと、するための努力
ぬるま湯のお風呂でのびをする
からだはしみるけれど
外から聞こえる虫の声はいいもんだ

きやすめに飲み下す錠剤じみたものたち
ごめんなさい告白します
昨日の朝くるしまぎれに
残っているお薬すべてのみくだしたことを

「だから」

今日ぼくは眠れない
おかしな動物に成り下がってしまったのだろうか
外は闇、火星はあやしくひかり、満月も近く
らんらんと光る薄闇の中でじっと横たわる
やわらかな夏蒲団の中でしずかに泣いていた

ハルシオンないと眠れなくなったらしい
疲れきっても疲れきっても疲れきっても
2時間で目を覚ますおかしなぼくの身体へ
あんまり宿主をいじめないでほしいのだがな

それでもまだ眠れず酩酊感が欲しくてカシスオレンジのラヴェルをぴりぴりと裂いた
弱い弱いアルコール飲料
禁じられた遊びのようだと思った

結局、今まで一睡もしてはいないのだけれども
明るくなったひかりの下で体を眺め回したら
足だの腕だのが切り傷だらけでこわかった
なにをしているのだろう
なにをつかっているのだろう
この傷の下にあるぼくの動きよ
きみはなにをしたいんだ

午前11時半

すでに外は夏昼温度、
目覚めきった身体で病院におくすりを手に入れに行かなければ
いけない。

いけないんだ。



9月9日、本日、重陽の節句?  真火



2003年09月05日(金) 生きてたらまた会える

こっこが歌わなくなったなんて
わたしは信じてなかったし
いつまでも彼女は続いてると思ってた

ライトの中じゃなくて
海に向かって歌うのが
本当だって思ってた

だから、なんだか、涙が出たよ
はじめてあなたの歌を聞いて泣いた

足下からゴミ拾いながら黄色いビーチサンダルで
歌い終わって泣いて走り出していくんじゃなくて
キャーっと悲鳴をあげて大声を上げて笑っている姿が
すごく、うれしかったんだ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


あなたがあきらめた海にはその後星が降って
わたしが呼ぶ雨にぬれてもまだ歌ってるよ

立ち入るな風の住む丘
虹にかけた無理な乞い
この空にひしめく罪を
鳴らせ落とせ穴だらけ

例えばその手を振り招きそばにいてほしいと
それでも大丈夫だなんてくりかえすだけで

あああ、薙ぎ倒し
踏みつけて
楽園に
キスを込めて


HEAVEN's Hell、より
作詞、作曲、こっこ


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


わたしがあなたの歌を聞ける日はもうこないかも知れないけど
でもそれがいちばんすごく自然な形なのなら
それでもいいと、思ったし
今でも思ってる

あなたの新しい歌を聞いた今でも。


生きていたら、いつか、きっとまた会える。



9月5日、深夜 真火



2003年09月01日(月) これはわたしのわがままです。

これはわたしのわがままです。

だけど

もう

居なくならないでください

だれも、居なくならないでください
わたしのまわりのすべてのきみに

自死という道を、えらばないでいいように、もう誰も
自分を消さなくていいように

祈ります

よみがえってしまう、くりかえし、くりかえし、
あなたが消えていくことをえらんでしまったあの日のうつろな涙
消えません
消せません
あなたが生きて笑っていたこと、泣いていたこと、苦しんでいたこと、
黙っていなくなったこと
消えません
消えません


これはわたしのわがままです。

居なくならないでください
だれも、居なくならないでください

あなたに。


目を、覚まして
そうして、何年あとでもいい
いつか
ほんとうに笑う瞬間を
捨てないで


わがままでごめん
でもこれがわたしの今のぜんぶです


届いてください。



9月2日、未明 真火


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