2006年05月30日(火) |
ザ・プラン9/第16回公演「こわがり」DVD鑑賞 |
キャスト 栗田(閉所・高所恐怖症)…お〜い!久馬 山田(先端恐怖症)…ヤナギブソン 広川(極度の潔癖症)…浅越ゴエ 古川(不安症)…鈴木つかさ 野沢(医師)…なだぎ武
第1幕 3人の泥棒(栗田・山田・広川)が マンションの1室に、 時を同じくして空き巣に入るところから始まります。 3人は話していくうちに、 ターゲットは同じものらしいということがわかったとき、 突然鳴ったドアベルの音に驚いて……
第2幕〜 ある病院の同室で枕を並べる栗田・山田・広川。 なぜか、記憶をすっかり失っていました。 同室にはほかに古川という男もいます。 4人を担当するのは、野沢という切れ者の医師で、 催眠術も取り入れた治療を4人に施しますが……
全体のアドリブ的なギャグはベタだし、 決してわかりにくい話ではありませんが、 どこからどう書いてもネタバレ領域に触れそうで、 腰が引けます。
展開は、ある見ているうちに だんだんと読めてくるのですが、 それでいて、次に一体何が起こるかわからない、 何ともぞわっとした恐怖に包まれた、 そういうお話です。 ……………………………………… 気が変わりました。 5行ほどのブランクの後、 文字と背景の色を同化させて、思い切りネタバレします。 ネタバレが平気な方と、一度はごらんになった方、 よかったら読んでみてください。こんな感じです。 自分なりの解釈もあるので、誤りもあるかもしれません。 目に余るものがある!と思う方は、御一報ください。
〈以下、ネタバレ〉
3人は、同じ犯行現場で名のり合おうとして、 なぜか自分の名前を思い出すことができません。 そうこうしているうちに、 ドアベルに驚いてベランダから飛び下り、 その結果?大怪我?を負い、さらに記憶をなくして 病院に運ばれた……かに見える3人でしたが、 どうも様子が変です。
野沢はまず古川に催眠術を試します。 見事にかかった古川を見て、 ほかの3人も、野沢に自分の恐怖症治療の望みを託します。
とはいえ、たとえ恐怖症が治ったとしても、 記憶が戻らない限り、社会復帰は難しいでしょう。 いっそ何かの縁だから、 退院したら4人で暮らそうと盛り上がる男たちですが、 そうなったらぜひ遊びにきてくれと誘う4人に、 それまで親身に接してくれていた野沢は、 「これ以上犯罪者とはかかわりたくない」と言います。
4人は実は同級生で、 しかも窃盗団だったということがわかりました。 記憶を失った状態で、ただでさえ不安な4人は、 警察には言わないでほしいと野沢に頼み、 野沢もそれに応じます。 そのかわり、自分の研究を盗んだ病院長から、 書類を取り戻して〈盗んで〉ほしいと頼まれるのでした。
その決行に当たり、 またまた催眠術をかけられ操られる4人…のうちの3人。 実は古川は野沢の助手で、 野沢の治療に信憑性を持たせるために、 患者のふりをしていました。
野沢の本当の目的は、書類の盗み出しではなく、 自分の患者だったノイローゼの老婆の殺害現場を 3人に見られたため、 その口封じに、「窃盗団がベランダからおちて死亡」という 事故死に見せかけるための作戦だったのでした。 3人は老婆の孫の友人たちで、 たまたま家に遊びにきていたに過ぎず、 窃盗団だったというのは、野沢のでっち上げで、 ドアホンに驚いてベランダから飛び下りるというところまで、 野沢の催眠術にかかったための行動だったのです。
さて、第2幕〜第5幕までの病院のシーンから、 第1幕と同じマンションの一室に舞台をかえた第6幕。 つまり、この舞台の幕を時系列的に並べかえれば、 第2〜第5→第1→第6となります。
野沢の筋書きどおり、ベランダから飛び降りた3人。 そこに古川が、なぜか半分寝た状態の野沢とともにあらわれ、 古川の台詞から、野沢の犯した罪や、 すべて3人を始末するための作戦だったことが 明らかになります。 多額の報酬をもらい、あくまでドライに作戦に加担した古川 ……と思いきや、もうひと展開ありました。
野沢はそのことを全く知りませんでしたが、 古川こそが、野沢が手にかけた老婆の孫だったのです。 野沢は古川に、目撃者の始末のために 協力させていたつもりだったのが、 実は、まんまと古川に利用されていたのでした。 古川は野沢に解けない催眠術をかけ、 野沢は自分の意思とは無関係に、 自分自身に注射器の先を向けさせられたまま、 体が動かなくなりました。 〈その注射器に仕込まれていた薬剤が何だったのかは、 コメンタリーで聞いてもわからなかったので、 「御想像にお任せします」というところでしょう〉 飛び下りた3人の「友人」たちのために、 マットを敷いていました。ぬかりはありません。
読めそうで読めない。 読めたら読めたで、「そう」なったらやっぱり怖い そういうお話なわけですが、 私が最も怖かったのは、 第5幕の終盤で、 催眠術を使って窃盗技術を呼び起こそうと提案する野沢に、 全員が「ああ、なるほど。それはいい」と 快諾するところです。 設定上、古川以外の人物は本当に記憶を失っており、 事故のショックでおのおのが恐怖症になったというのが 「事実」でないと成り立たない話なわけで、 「催眠術で…」「ああ、なるほど」 って、そんなノリいいのか! なんぼなんでも、ちょっとイっちゃってやしませんかね。
野沢は、4人〈正確には3人〉の記憶を戻るのを なぜかおそれているという表現が、幾つか見られました。 伏線探しで一粒で二度以上おいしいつくりではないかと思います。
私は自称「完璧恐怖症」です。 物事がさくさくと進んだり準備万端整ったりしている状態に、 なぜか不吉さを感じること。もちろん勝手にネーミングしました。 4人のうちのどれに近いか、無理やり分類すれば、 鈴木つかさ演じる古川の「不安症」かもしれません。 でも、何かというと「死ぬ」だの 「和尚〈ってどこの和尚だ〉に怒られる」と ダウンな状態になってしまう鈴木氏は、 どこかチャーミングでした。 後々の展開を考えると、あのめりはりある演技は 表彰状ものです。
2006年05月29日(月) |
ラーメンズ第15回公演「アリス」DVD鑑賞 |
去る5月17日に購入しました。 その鑑賞後の雑感等を書いておきたいと思います。
例によってスタイリッシュなジャケットで、 単純にお笑いが好きという人間にとっては、 ちょっとスノビッシュな感じさえするのですが、 (ファンの端くれとはいえ、実は私もそう思います) それで敬遠するのは惜しい逸品です。
モーフィング 「例えばコバケンがベケットの「ゴドーを待ちながら」を アレンジしたら、こんなふうになるんじゃないかな〜」 と思わせるようなシリーズがもしあるならば、 その1本に数えてほしい作品。 主に言葉遊びです。 特に爆発するものはありませんが、 準備運動感覚で笑えます。
後藤を待ちながら タイトル自体はもちろんパロディでしょうが、 ベケットとは何の関係もありません。 同じ店で働く正社員のハセガワ(片桐)と、 バイトのオカダ(小林)という男が、 同じくバイト仲間の後藤の部屋で、 勝手にサプライズ誕生パーティーを開こうと画策するお話。 というか、ハセガワがノリノリなだけで、 オカダは余り乗り気ではありません。 なぜ「そう」なのか? 職場での人間関係が徐々に明かされるにつれ、 物語は、意外な方向へと転がっていくのでした。 オカダのキャラクターもあり、 不気味な怖さを醸し出している作品。
風と桶に関する 幾つかの考察 「風が吹けば桶屋が儲かる」という、 我が国が誇る?超強引こじつけ論法に関する 幾つかの考察とその情景描写。 片桐がパフォーマンスするときは小林がナレーション、 小林が動くときは片桐の声、というすっきりした役割分担で、 「アリス」の中で最も見やすく、笑いやすい。 そんな位置づけをしていいかと思います。 個人的にはこれが最も好きです。
バニー部 第13回公演『classic』で小林が演じた魅惑のキャラクター、 バニーボーイと無関係とは思えないこのタイトル。 もちろん無関係ではないのですが、 モトネタを知らない方が、むしろ楽しめるかもしれません。 (というのも、バニーボーイにおける空気読めないキャラとは 少し方向性が違うので) 「県立因幡中学バニー部3年松良太郎、バニーネーム「大吟醸」」 によるひとり舞台で、 片桐は、ステージ真ん中で無反応を決め込むばかりです。 片桐仁による【怪傑ギリジン】をごらんになったことのある方ならば、 要するに小林と片桐の立場が入れ代わっているものと説明すれば、 何となく想像がつくかもしれません。 2人の個性の違いが改めてわかります。 おもしろかったけれど、私は「ギリジン」をより買いたいなと。
甲殻類のワルツ 甲殻類(何なのかは不明)の片桐が、 小林(何かの店長とか経営者とか)に その姿のまま、 「ここで働かせてくれ」と懇願する、それだけの筋。 「君のような○○が来るところではない」と言われるたび、 (○○に入るのは「不良」「金持ち」、そして…) 自分は○○ではないということを必死にアピールし、 キャラクターもがらっと変える。 最初に大前提を説明するのではなく、 見ているうちに、 「こういうこと…だな、きっと」と頭を整理しながら見て、 「おお、そう来たか」というオチを味わうというのは、 ラーメンズによくある展開ですが、これもそんな1本です。 やっぱり、必死なキャラは片桐に似合います。
イモムシ 何かわからないけど、 多分、体操競技みたいなのでペアを組んでいるらしい、 ヒデ(片桐)とイモムシのレイコ(小林)。 小林の操るイモムシクリーチャーが、 ミスドのポン・デ・リングみたいなだなーと思っていたら、 案の定、ネタの中にありました。 痴話げんかとスポ根と愛の物語です。
不思議の国ニポン ラーメンズを知らなくても、このネタは知っている、 という人も多かろう、 「日本語学校シリーズ」に数えてよさそうな作品。 またまた全国の都道府県をいじりますが、 二つほどスルーされてしまった県があり、 私は、人生の90%近くをそのうちの一つで過ごしている者として、 少々落ち込みました。 確かに、クレームのつきそうないじり方を している県もありましたが、 ああ、クレームの一つもつけてみたいもんだ。 とはいえ、公式キャッチフレーズに関しては、 実は我が福島県は、どこよりも早くラーメンズの舞台でネタになっていたのですが… →DVD『零の箱式』の「文庫本」のエピソードで、客演の室岡悟さんの台詞にご注目を!
私も、偉そうに言えるほど初期作に詳しくはないのですが、 何というか、原点に戻ったような味わいがありました。 初めて見る人には、ある種の入門編になり、 (嫌らしい言い方をすれば、踏み絵でもあるのですが) 幾つも見てきたファンにとっては、 この2人はまだまだ「2人のお笑い」をやってくれる!という 安心材料になったような気がします。
ところで、公演タイトル「アリス」ですが、 まあ言うまでもなく、ルイス・キャロルのあれでしょう。 私は「鏡の国」どころか「不思議の国」さえ 子供の頃に絵本で読んだかなという程度なので、 バニー部のうさぎ、イモムシ、 そして最後の「不思議の国」程度しか 連想・関連づけができなかったのですが、 きっと、モトネタをもっと探っていくと、 エキサイティングな発見があるのでしょう。
ついでに言えば、コバケンが好きだというチェコの映像作家 ヤン・シュバンクマイエルの作品でも『アリス』はありました。 これは見る機会に恵まれず、まだ見ていないのですが、 無関係とは思えません。
私が中学生のときの話ですが、 当時、市南部のA町に住んでいた先生が こんなことを言っていました。
「私が住むA町だけで○万人の人口がある。 もしこれが△万人クラスにまで拡大したら、 独立した市になるかもしれない」 ○とか△とかになっているのは、正確な数字を思い出せないためです。
その後A町は…分割・独立することはなく、 依然として郡山市の一部ですが、 実は私どもは現在、 2〜3ブロック歩けばA町という ぎりぎり旧市エリアの某所に住んでいます。 もしもA町が独立した市になるようなことがあったら、 娘たちは、500メートルも歩けば簡単に行ける小学校に 「自治体が違う」という理由で入れず、 泣く泣く遠くの学校に行くはめになっていたのでしょう。
いわゆる平成の大合併で、 物すごい勢いで日本地図が書き換わっている現在、 市の一部が分割されて独立というようなことが 現実にあるのかどうか、よくわかりませんが、 遅ればせに郡山市の合併の歴史をざっと調べて見たら、 くだんの先生が挙げていたA町は、 そもそも1965年5月に合併した「安積郡9町」の一部だったことが わかりました。 ……おいおい。
中学生の頃、吉野一穂(よしのかずほ)さんという 作家の小説をよく読みました。 当時読んでいた「小説ジュニア」※の常連さんだったのですが、 ※現在も刊行中の集英社のティーン向け文芸誌「Cobalt」の前身ですが、 内容は大分違います。 ジャンルは、いわゆる青春ユーモア小説というのでしょうか。 ちょっと男子に優しくされただけで、すぐ妄想に走る少女や、 天津らんまんな生徒たちに翻弄される若い高校教師、 なんてネタが多く、 こう言ってはナンですが、毒にも薬にもならないところが 妙な魅力になっている作風でした。 記憶違いでなければ、同志社大学神学部卒業という なかなかに異色の経歴の持ち主だったと思います。
この吉野さんのシリーズの一つで、 千葉県の私立高校に奉職した若い英語教師が、 気安い生徒たちに公私ともに振り回されるものがあり、 たしか女子生徒の1人が、大金持ちの老人を助けて、 一財産贈られる!?みたいな感じのエピソードがありました。 このとき、教師が女子生徒に言う言葉が 「幸運の神様の前髪」というものでした。 なにぶん、全体がふざけた感じの話だったので、 このときは、教師の創作かと思っていたのですが、 結構よく知られた格言だということを知ったのは かなり後になってからでした。 ※詳しいことは、「神様 前髪」で検索すれば相当数出てくると思いますので、省略します。
私は最近、前髪しかないつるっぱげの神様の 後ろ姿ばかりを見送っております。
先日、いつも宝くじを買うホームセンターへと 自転車を走らせておりました。
現在当地は、街路樹のハナミズキが見頃です。 桜の季節より気温が高く、しかも梅雨入り前。 晴れた日はポタリングにはぴったりです。 ピンクや白の花々が可憐でかわいらしく、 柄にもなく、 「おお、君たちほど私に喜びを与えてくれる存在がほかにあろうか」 と、演劇調に口にのぼせたくなるシーズンです。 その割に、娘に「ハナミズキってどんな花?」と聞かれると、 「お彼岸になるとスーパーで売ってる竹製?の花にちょっと似てる」と 教えるですが。
そんな花たちを(事故らない程度に)眺めつつ走っていて、 「あ、たまには語呂合わせで買うのもいいかもな」と思い、 宝くじ売り場に着くや、 ナンバーズ3のシートに「873(ハナミ…ズキ)」とマークしました。 それも、どうせ運試しだからと、 配当は高いけど当たりにくい「ストレート」※で買ってみました。 ※お節介解説 3けた・4けたの数字を予想する「ナンバーズ」には、 次のような種類があります。ちなみに、1口200円です。 ストレート…3ないし4けたの数字が配列までぴったり当たっていれぱ当籤 ボックス…3ないし4けたに使われている数が当たっていれば配列は問わず。 当然だけど、配当はストレートより低め セット…ストレートとボックスの両方が適用される。 どちらが当たっても、配当はさらに低めになる。 ミニ(ナンバーズ3のみ)…下2けたを予想
この日の当籤番号は「704」でした。 まあ、そう当たるもんじゃないよなと、 このときはそんなに落ち混まなかったのですが、 次の抽選日の当籤番号は「387」でした。 つまり、あの「ハナミズキ」の日に、 ストレートでなくボックスで、 しかもせめて次の抽選日にも有効なくじを買っていれば、 400円の投資で13,700円を手中にできていたというわけです。
しかしこれも、「もし」が二つもある時点で、 まだ諦めはつきます。
気を取り直し、いつものように、 自分に多少なりとも関係のある3けたの数字をひねり出し、 今度は5通り、ボックスで買ってみました。 結果は…残念ながら惨敗だったのですが、 たまたまその抽選の翌日、くじ売り場の近くまで行ったので、 また同じ番号で買うことにしました。 これをそのまま買っていれば、 投資額2,000円で17,300円当たりだったのですが、 何を思ったか、 買う直前になって5通りのうちの3通りを取り消し、 2通りのみ1口ずつ買いました。 結果は言うまでもないかもしれませんが、 当然、外れました。 ただし、今度の当籤番号は、実は取り消した3つの中に ちゃんとあったのでした。 つまり、600円をケチったばかりに 17,300円が目の前を走り抜けていったということです。 このときばかりは、 しばし、某巨大掲示板サイトで使われる「落胆のポーズ」で 落ち込みました。
幸運の神様がこの日記を読んでいてくれるのならば、 ぜひお願いしたいことがあります。 今度すれ違うときは、「ここ、ここ」と 前髪をちゃんと指し示してくださいませ。 私はきっと、目の色かえてつかみかかると思います。 ときに、前髪の神様というと、フィル・コリンズみたいな キューピーさんタイプのおっさんを想像しますが、 彼みたいなルックスの赤ん坊も、結構見かけることがありす。 福の神は赤ちゃんかもしれませんね。
2006年05月09日(火) |
真夜中に日記を書くときは(ほぼお笑いネタ) |
今、ケータイの時刻表示を確認したら、 午前2時ではございませんか。
もちろん、家族はとっくに寝ています。
私はどうしたことか、寝られません。
しばらくサボっていた日記でも書いたろかと ログインしたはいいけれど、 真夜中に書く日記の内容なんて、 アホで実りがないものと相場が決まっています。
ということは私は、 このウェブ日記「エンピツ」を借り始めて4年間、 ずっと真夜中のテンションで書いていることなるんですが
**************
スピッツの95年のアルバム「ハチミツ」の中に 「愛のことば」という曲があります。 この歌詞の中で、 「昔あった国の映画で一度見たような道」 という表現が見られたのですが、 1995年に「昔あった国」と表現されるのは、 やっぱり東側のリーダーだったあの国でしょうか。 ……の国の映画で、一度見たような道?
私の頭に浮かんだのは、 カネフスキーでもタルコフスキーでもなく、 怪作「不思議惑星キン・ザ・ザ」 でした。 道というか、砂漠としか表現しようがない場所だったけど、 間抜けなロシア人のおっさんと、グルジア人青年と 変なあいさつするエイリアンと (どっから見てもの酔っぱらいの脇役という風情だったけど) ギシギシ、ミシミシいう宇宙船を気にしなければ、 歌のトーンには合った風景といえなくもなくもないのです。
**************
「クイズ番組「アタック25」の児玉清さん」のモノマネで、 「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」に2度優勝、 さらには2006年R−1ぐらんぷりの覇者になり、 知名度が全国区になりつつある博多華丸さんを見ると、 私は、4年前に死んだ父を思い出します。 のっぽで昭和の男前っぽい相方・大吉さんとともに、 ますますの御活躍を祈念いたします。 いかにも後出しっぽい言い方になりますが、 オンバトに出演していたときからファンだったので、 最近、露出度が上がってきたのは嬉しい限りです。
ところで、もはやあちこちで結構な語り種になっているようですが、 児玉清さんは、「アタック25」収録時、 アタックチャンスに入る前に、 まるで生保の外交レディのように、出場者に飴を配ります。 (ビッキーズみたいに、ばらまいてくれても楽しいのですが) 2、3個適当に解答者席に置くこともあれば、 箱を差し出して「好きなのをどうぞ」と取らせることもあります。 フレイバーは、フルーツにミルク、ハーブといろいろで、 なかなか選びがいがあります。 その素朴で温かな心配りには、素直に感激するものですが、 その場でなめようとすると 「すぐ収録だから、それまでには舐め(食べ)切って」 とおっしゃるのはどうかと思います。 いっそ、解答者全員に飴をくわえさせたまま収録するのは どんなもんでしょうか。 というか、中崎タツヤのまんがで、そんな感じのネタがあったな。 「アタック」は関係なかったけど。
**************
少し前ですが、 M−1グランプリ2005のDVDを買いました。 やれ出来レースだ、順送りだと よからぬ噂も多かった過去4回に比べ、 単純に一番うまい(おもしろい)人たちが勝った回、 という印象が強かったので、 放送が終わった時点で、2005年版は買おうと決めていました。
レンタルと違い、特典映像がたっぷり見られます。 敗者復活のダイジェストが特にありがたいものでした。 このときの敗者復活では、結局千鳥が勝ち上がりましたが、 割と好きなので嬉しかったけれど、いかんせん新味は足りませんね この人たちのネタも見たかったなあという人たちは もちろん、ほかにもたくさんいました。 ざっくばらんに言えば、決勝進出組の○○や××とトレードしたいな、と
○ザ・プラン9 正統派とは言い難いので、優勝は難しいだろうけど、 「コントまがいの漫才」が多い中、 「たとえコントまがいでも、 きちんと漫才としておもしろいからいいの!」 と弁護したくなる人びと。 まだ3人以上のグループが決勝に進んだことがないので、 その点でも2006年に期待します。
○ランディーズ 早速うちの娘が 「プルガリア出身琴欧州ゲーム」に ハマっております。 この回が10年目のラストチャンスだったそうですが、 安心して聞き、笑えるスタイルはお見事でした。
○ロザン あんまりネタを見たことがなかったので、 「噂の高学歴ネタ」がどの程度鼻につくのか、 変な話、ちょっと楽しみだったのですが、 いやあ、おバカでいいなぁ。
○鼻エンジン 坂道ナントカ(最後どんな名前だったか忘れた)の頃より 何かと安定しているっぽい松丘さんと、 物でなく人にツッコんでいる村田さん! 映画「まっすぐいこおぜ」で 樅野さん(元チャイルドマシーン)と 今立さん(エレキコミック)が組んだ即席コンビを、 何となく思い出しました。 いえ、悪い意味でなしに。
○ジャリズム 物すごく致命的かもしれないことを三つ並べれば、 ・渡辺さんは何やってもうまい ・渡辺さんは相方が誰でもきっとうまい ・渡辺さんは多分コントの方が向いてる。 この人たち、 まだトーナメント方式で300万円を争うスタイルだった頃の 「笑いの金メダル」にも出ていたのですね。 見ていたはずなのに、全く覚えていないので、 スベったか、好みでなかったか、 どっちだったかが気になります。 2008年2月、実に2年弱置いての補筆 現在渡辺あつむさんは、「世界のナベアツ」として大人気で、 相方・山下さんのギャグ「OMORO」の普及にも努めて?います M-1の出場権はこの次の年で失効したものの、 今後の活躍が期待されます……って、まるで「追跡・あの人はいま」だな 「笑金」で披露したネタは、元となった大阪時代のものも含め、 YOU TUBEで見ることができましたが、好みじゃなかっただけと発覚。 殊に、大阪での受けようから、当時の2人の人気が窺えます
○青空 仮に女性コンビ枠なる見えない枠があるのならば、 この人たちの方がよかったんじゃないかなぁと思えました。
2006年05月01日(月) |
「かんかん橋をわたって」ファイナル |
最初は一風変わった嫁姑モノかと思っていたら、 途中からSFの様相を呈してきた 「かんかん橋をわたって」(草野誼さん)が終了しました。
集英社の穏健なレディコミ誌「YOU」に 不定期連載されていて、 そのうちテレビドラマ化とかされちゃうんだろうかと読んでいたら、 (もちろん、「あんまりしてほしくない」という気持ちで) 途中から「これはまずかろう」という設定になってきて、 むしろ、ドラマ化するようなチャレンジャーを 待望するようにさえなりました。
ストーリーをかいつまんでいえば、 同じ町内の、橋1本隔てた地区に嫁いだ主人公「萌」が、 優しい夫、見習うべき姑不二子、気弱な舅、使えない小姑と5人、 それなりに楽しく生活していたが、 なぜだが、優しかったはずの不二子が陰湿ないじめを始める。 萌はそれを夫に打ち明けることもできずにいると、 「あなたはこの地区の嫁姑番付4位だ」と 突然見知らぬ女に言われ、 はぁ?何だそりゃとなるが、 同じように嫁姑問題で悩む嫁たちと知り合っていき、 その実態を探っていくうちに、 おぞましい現実に出くわす……てなふうです。
父親の死に目にあえないような嫌がらせをされた萌が、 なんで「4位」という中途半端な順位だったのかは、 終盤で何となくわかるのですが、 まず、輝かしい?「1位嫁」にたどりつくまでが 結構ハードで、 その上、1位嫁出現以降がもうドロドロ状態。 序盤の不二子の嫌がらせがかわいく思えてくるほどです。 (一応、意図があっての嫌がらせだったのですが)
コミックは出ているようなので、 興味のある方はぜひどうぞ。 最初のうちは、萌が自家製の「ゆべし」をつくったり、 マニアックな設定もあるので、 前作(といってよければ)「ガレージママ」みたいな ちょっとコアな蘊蓄が出てくるのかと思っていましたが、 「それどころじゃない」って感じでした。
ただ、全部読み終わって、一番最初に浮かんだ言葉はですね、 「『トゥルーマン・ショー』みたい」でした。 1位嫁の幼なじみに医者がいて、別に問題診療をするでなく、 いかにも責任感ある若先生って風情ではあるのですが、 さまざまな設定を考えていくと、 医師免許を本当に持っていたのかどうかが 疑わしくなるのです。
好みの問題もあるし、賛否両論ありましょうが、 二度と読めない価値ある作品として挙げて 差し支えない気がします。
|