2005年09月30日(金) |
病院で聴くということ |
お節介解説 (野暮でも親切な文章を心がけるユリノキ) 本日のタイトルは、おわかりになる方には即わかると思いますが、 雑誌「ダ・ヴィンチ」の読者投稿コーナー 「病院で読むということ」のもじりです、が 直接の関係はございません
5年前の7月、2度目の出産を経験しました。 正確に言うと、「2度目の帝王切開」でもありました。
一般論としてのビョーインとか、ブンベンシツとか、 シュジュツシツというものの事情はよくわかりませんが、 私がお世話になった病院では、 分娩室でも手術室でも、音楽が流れていました。 特定ミュージシャンでなく、 ジャンルが同じ曲がランダムに流れていたので、 多分、ゆうせんか何かだと思います。
手術室で腹を切られるため、 マナコイ状態になった私の耳には、麻酔が回る前、 ダイアナ・ロスの「マホガニーのテーマ」が 聞こえてきました。 う〜ん、いいねえ。リラックスできるねえ。 (条件反射でコーヒー飲みたくなるけど) 音楽の持つリラクゼーション効果を狙ったとしたら、 なかなか味な選曲だと思います。
…しかしその後、驚愕の事実を知ることになります。
産後、赤ちゃんのケアやら自分の体に関しての 簡単な講習を受けたのですが、 出産時期が同じくらいだった方と一緒になり、 いろいろと話していたら(その人は分娩室でふつうに出産) 「私、お産っていうと、あの曲思い出しそう…」 「何の曲ですか?」 「郷ひろみの「なかったことにして」」 ???????????????????????????
「あれってゆうせんなんですかね」 「チャンネル、もう少し考えてほしかったなあ」 「手術室は洋楽でしたよ」 「え〜、いいなあ」 (どうでもいいが、何で私は初対面の人にタメ口利かれやすいんだろう 相手の女性の方がどう見ても若そうだったのに)
多分分娩室では、「日常性」みたいなもんを考慮して なじみあるJ−POPのチャンネルに合わせていたんでは、 と推測されます。 その時点で1カ月ほど前に発売された曲を流していたゆうせんにも、 J−POPのチャンネルを選んだ病院側にも、 な〜んの落ち度もない(はずだ)けど、 よりによって「なかったことにして」はないでしょう。
ちなみに、私の消灯後の病室でのお友達は、 相方が貸してくれたMDプレイヤーでしたが、 「エンヤ」「スティング」「スタイルカウンシル」を ヘビーローテーションしてました。 どれもこれも好きだし、聞き易くはあったけれど、 もっと笑えるネタ持ち込んでもよかったかなあと 今になって思います。
「なかったことにして」がお産ソングになった彼女は、 今も郡山のどこかで「♪冗談さ〜」というフレーズを (歌い出しはこんな歌詞だったような…) 5歳になった坊やの顔を見つつ、思い出しているのかなあ。
2005年09月21日(水) |
お気に入り2題(看板に偽り…) |
本日私は、 お気に入りの絵本について、 それから、 お勧めの甘いものについて お話ししたいと思います。 (日本速記協会検定の問題を意識した書き出しですが、 しかし何なんだ。二つのトピックスの関連性のなさは)
最近、週に1、2回は図書館に行っています。 下の娘と私のカードで目いっぱい10冊の絵本を借り、 返却期限は2週間なのですが、 寝る前に2冊読んでしまったりすると、 1週間で読むものがなくなってしまうのでした。 ショッピングセンター内の絵本図書館の借り出しカードも 6枚ほど持っているには持っていますし、 品揃えも渋いし、係の方も感じがいいのですが、 いかんせん、このショッピングセンターが余り近くないので、 娘〈5歳〉&私〈運転免許ナシ〉で結成・活動中の 「コーツージャクシャーズ」にとっては、 容易に行き来できないのが玉にきずです。
そういうわけで、専ら一番近い地域図書館を利用し、 まあそれなりの冊数を読む事ができていますが、 最近のヒットは、次のような作品でした。
こねこのぴっち(ハンス・フィッシャー) 現在出回っているものは(図書館の蔵書も含め) 1987年出版の大型絵本ですが、 かなり小さい頃、読んでもらったなーということを、 月刊「MOE」を立ち読みしていて思い出しました。 冒険心旺盛な子猫「ぴっち」と、 たくさんの動物たちとの交流が楽しい物語です。 冒険心が過ぎて、池にはまって病気になってしまった「ぴっち」を 飼い主のおばあさんが、きっちりと布で包んで世話したり、 全快祝いにみんなでごちそうを食べたりするシーンが こちゃこちゃした線で、にぎやかに描かれています。 本文は、「ピーターラビット」シリーズでもおなじみの 超ベテラン石井桃子さん翻訳。
ダサいぬ(ダン・ヤッカリーノ) その不細工さ、しぐさの野暮ったさから、 「ダサいぬ」と呼ばれ、水槽の金魚にまでバカにされている パグ犬のアルフレッドの物語。 たった一人の真の友人を得ることのすばらしさが、 ポップな絵柄と微笑ましいエピソードで綴られていて、 かわいいだけでなく、胸に迫る物語です。 ちなみに、同じヤッカリーノの作品では、 タコのオズワルドが人気だそうですが(調べるまで知らなかったよ) こいつが、J.F.K暗殺犯と同じ名前のくせに、 まことに愛くるしいのです。
ママったら わたしのなまえを しらないの (スーザン・ウィリアムズ) 私は頭がかたいのか、 例えば「ゆうきくん」という名前の 小さな男の子がいたとして、 その子のお母さんらしき人が、彼を「ゆうくん」と呼んでいたり ……するのは、まだいいのですが、 とにかく、ちゃんと名前があるのに、「あたち」とか「ぼく」とか 呼んだり、 (信じられないかもしれませんが、結構います) 本名の原形をとどめていないような、 たわけたニックネームで呼んでいたりするのを見ると、 てめえでつけた名前くらい、責任持って呼べや!と 説教したい気持ちになることが多々あるのです。 この絵本の主人公・ハンナは、母親が自分のことを 「ひよこちゃん」「かぼちゃちゃん」「わにちゃん」などと呼ぶのが あんまりお気に召さないようで、 「ママったら……」というタイトルのような心境のようです。 ……ああ、そうだよね。 私は特に外では意識して、 ちゃんと名前を呼ぶようにはしていたものの、 娘を「こぶたちゃん」「こざるちゃん」 「マリネズミ(ヤマネ)ちゃん」などと呼ぶことが、 恥ずかしながら、一度や二度じゃなくあります。 自分としては、かなり濃密な親愛の情のつもりなのですが、 「呼ばれる方の身にもなってみろ」って話です。 本を読んでいて、反省しつつも口許が緩みました。 ちなみに、下の娘に一番最初についたあだ名は、 「社長の代理」でした。 これだけで、一体何のことだかわかるのは、 30代後半より上か、古いCMフリークの方でしょう。 詳しくは、こちらをどうぞ
何か必要以上に長くなってしまったので、 「お勧め甘いもの」の紹介は次回に譲ります。 予告させていただきますと、 「峠の力持ち」「岩井屋のあわまんじゅう」など、 みちのく和菓子シリーズで攻めたいと思います。 また読んでいただければ幸いです。
2005年09月04日(日) |
あんたら、毛の先ほども「そんなこと」思っていないでしょ。 |
この日記サイト「エンピツ」にも、 「アクセス解析」というのがあります。 要するに、どちらからいらした方が、 ここを読んでくださっているかということですが、 何が楽しいって、 「どんなキーワードで来てくださった方が多いか」を見ることです。 めったに取り上げませんが、時事ネタを取り上げれば、 それでいらっしゃる方が多くなるし、 割と最近だと、 「たいそうのおにいさん」佐藤弘道さんのCMをマクラに書いたら、 それで検索してきた方が、毎日のようにいらっしゃいました。
それから、 「同じキーワードで、ほかにはどんなサイトがヒットしたのか」 を見て、 そこに飛ぶというのも、楽しみの一つです。 中には(というか、かなりの確率で) ああ、このキーワードなら、 多分こちらのページの方が役に立ったろうなあと 思わせるサイトが、たくさん見つかります。 (書いてて悲しくなってきましたが、事実だしぃ ここにいらしたのも何かの縁なので、ぜひ読んでいってくださいませ)
ここの日記の」の落とし穴は、 二つ以上のキーワードで検索した場合、 それらが同じ文脈で使われておらず、 インデックスにヒットして、ばらばらの日のタイトルの一部に 反応してしまうことも多いってことでしょうか。 つい最近も、そんなことがありまして、 そこから辿っていったら、ある質問サイトを読むことができました。
「質問者」は、 「スーパーで売っている洋服は安っぽくてダサイか」 ということで、回答を求めていました。
ここの日記の7月6日分でも書いたとおり、 私には服のセンスというものがありません。 もしもここの質問サイトに登録していても、 答える資格があったとは思えなかったのですが、 回答者の皆さんの答えは、というと、 「自分が好きで着ているなら、自信を持てばいい」という まあ、回答をもらう前から、一つはそういう答えがあるだろうと 予想が簡単につくものから、 「やっはり高いブランドものには「それだけ」のものがある。 服ぐらいいいものを着たらいい」 という建前なしの意見もありました。
……一部の例外を除けば、 最終的におっしゃっていることは、 「高い安いの問題ではなくて、その人に合っているかどうか」 ということに尽きていました。 でもなあ、さんざん「安物は品質がよろしくない」 などと並べた後に、 「似合っていれば」「その人のスタイルに合っているなら」 と言われても、 要するに、 「安物がお似合いの人は、無理して高いもの着なくても」 と言っているのと同じなのではないかなあと思うのです。
洋服にお金をかけられる人は、どんどんかければいいと思います。 不景気なんだから、「持てる人」がお金を落とすというのは まことにいい傾向だし、 自分を盛り立てるというのは、 生きていく上で結構大切なことだから、 「安物を着ていると、その人自身がお安くなっちゃう」 というのも、一つの見識としては否定しません。 ただ、別に無理やりわかってほしいとも思わないけど 「洋服や化粧品にかけるお金があるなら、○○に投資したい」 「服は安物でもいいけど、それだけは譲れないってものには それなりの金額かけている」 という人も、確実にいるんですわな。 私にはそもそも可処分所得というものが少ないので、 「お金をかけたいポイント」すら、 レンタル・借り出しで済ませているていたらくですが、 今よりもっと自由になるお金があったとしても、 高いブランド服に走ることはないと思います。 大体、家の洗濯機でおちおち洗えないようなものは着たくない すき焼きや焼き肉だって、グラム98円の豚肉でいいし、 化粧の技術に全く自信がないので、ここ10年以上、 仕事で外に出る以外は、ほぼすっぴんで通しています。 そしてお金があったら、そういうところはそのまんまで、 「借り」で済ませていたものを、片っ端から買ってやるんだ!と 意気込んでいます。
安物を身につけている人を、それだけの理由で 「恥ずかしくないのかしら」という目で見る人に対し、 私は、「表面しか見ていないくせに人を軽々しく侮辱することを この人は恥ずかしいと思わないのかしら」と思います。
まあ、ビンボー人のささやかな抵抗です。
そういえば、今思い出したのですが、 バブル期に、ある著名な女性(職業や肩書は忘れました)が 雑誌の対談だったか鼎談だったかで、 「10万円のスーツ来て毎日カレー食べて玉の輿に乗れるなら、 安いもんだ」 という趣旨の発言をしていました。 当時私が買った一番高い服はというと、 5万6,000円のフォーマルスーツを別としたら 某アメカジブランドの3万9,000円のスタジャンで、 スーツなんて、せいぜい1万円で買うものと思っていました。 10万円のスーツ! それも、 「服にお金かけて食べ物に回せなくても」 というニュアンスではなくて、 「せいぜい10万円のスーツでも金持ち男ダマせれば」 という意味合いが濃かった気がします。 ……きっと、「そもそもの金銭感覚が合わない方とは、 会話もまともにできないワ」と思われるんだろうな。
プール通いが悪かったのか、 コンタクトレンズが合わなかったのか、 左目がギンギン痛み出し、これはいかんと思って、 8月31日、近所の眼科に飛び込みました。 目の痛みに伴い、めまいや頭痛もあったため、 脳の病気もちょっと疑ったのですが、 とりあえず、眼科のお医者さんの診断は角膜炎。 軟膏と点眼薬を出してもらい、 眼帯で押さえていたら、 翌日にはほぼ痛みはなくなりました。 それと同時に体調も戻ったので、 とにかく、眼病がすべての原因だったようです。
セクシーで魅力的なものの例えとして、 目病み女に風邪引き男なぞと申しますが、 その病んだ目(潤んで見える、というけれど)を、 無粋なでっかいガーゼで覆っているのですから、 セクシーもへったくれもありません。 百歩譲って、眼帯という非日常的装いが粋なんだとしても、 この顔では、小さい子供に愛想笑いをしながら手を振っても、 子供はドン引き状態になるのがオチです。 (というか、2、3経験しました)
今日もう一度見てもらったら、 眼帯は外されたのですが、 眼底部の傷を見るために瞳孔を広げる薬を点眼したので、 いやもう、帰り道はお日様のまぶしいことまぶしいこと。 瞳孔を開いて美しく見せるために、 ベラドンナの液をさしたという大昔の女たちは、 (今も医療目的では使われているみたいですが) 闇の中でしか息ができなかったろうなあと思います。
平井堅の「瞳を閉じて」という歌が、 ちょっと前バカ売れしていましたが、 今なら、あの歌に正面から突っ込めます。 自分の意志で閉じられるもんなら閉じさせてくれぃ
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