白い原稿用紙

DiaryINDEX過去未来


2003年10月30日(木) ボス猫の憂鬱

このところ、1日おきに3時間睡眠
というような生活。

朝から人が来たり
出かけたり 人とあったり 電話が来たり。
でも3時間睡眠の次の日には
12時間も寝てしまったりするから
平均睡眠時間はたっぷり足りてるのに
とっても美容に悪そうな今日この頃。

今日は とにかくたまってる通販や
送らなければならない荷物を送りだすと
さっさと作業。
12時間睡眠の日だったので
起きたのは昼を遥かにまわる頃なのよ。

宅急便屋さんの集配時間の6時までに
なにがなんでも荷物を作らなければっ。

と慌てて作業していると
それでなくてもミスが多いのに
なんだか頭がパニックしちゃって
凡ミスを連発。

同人の通販の場合
宛名カードにはご自分の名前に「様」までつけて
申し込んで頂くのが基本形。
たったその一文字でも、
それを書かないでいいというだけで
通販する方が格段に楽なのよ。
もちろん、自分の名前に「様」とつけるなど
世間一般の常識で言えば
信じられない非常識でしょ。
それを承知で、通販する側の為に
その非常識を読者ちゃんにお願いしてるわけなのね。
もう一歩 踏み込んだ方は
ご自分の名前に『宛』とかつけたあと
それをわざわざ線で消して『様』とつけて下さるの。
どちらも、こちらの手間を少しでも省こうという
御協力と心遣いの世界でございます。

「どうしても自分の名に『様』をつけることができない」
という方にはもちろん強要しておりません。
そっちが一般常識なんですものん。

学生時代、バリバリに同人活動をしていて
自分の名前に「様」をつけるのが常識と思ってしまった人が
社会に出て大顰蹙を買ったと言う
聞くも涙の伝説もございますし。

で、うちにも
「どうしても『様』をつけられないタイプ」の方の
お申し込みがあるわけです。
ちゃんと様をつけたかどうか
確認してますが、見のがしちゃったら
なにとぞ御容赦 平にお願い申し上げます。

今日の通販の確認で、
あわてふためいていたあたくしは
「様」を書こうとして、字をど忘れ。
忘れるかしら 普通、こんな字を。
確か、こう。。。と書いた字は。。

山田花子 株

株買ってどうすんのよ〜〜〜〜っ。
(注;名前は仮名です)

辞書を調べる間でもなく
他の方が書いて下さった字を見ればわかることなのにっ。
6時まであと十数分。
いかに自分が動転してたかと
深呼吸して落ち着こうとしたその時!

外から猫たちの大げんかの声がっ。

あの慣れてない怒りの声は
間違いなく うちのキスケ!

相手はおそらくここらのボス、
ジョニーちゃん!

喧嘩慣れしたガタイも立派なジョニーちゃんに
慣れてないキスケがかなうわけもなく
あたくしは外に飛び出す。

案の定、
塀の上のキスケとその下にジョニーちゃんが。
キスケの方が上にいるにもかかわらず、
断然ジョニーちゃんが優位の体制。

猫たちの喧嘩の声はとってもうるさく
御近所迷惑なので
あたくしは猫の飼い主の義務として
それがよそ様の猫であろうと
仲裁に飛び出す癖があるのよ。
仲裁と言っても
怒りに我を忘れた猫が
人間ごときの説得など聞くはずもなく、
仲裁と言う名目で何をするかと言えば
間に割り込んで ひとりで暴れ狂うという
大変 原始的なやり方ですけれども。

その仲裁を持ってして
あたくしはここらの猫のボスの座を
ほしいままにしているのよ。

そしてライバルが
このジョニーちゃんなわけなのよ。
間に入り込んでどんなにあたくしが
暴れ狂おうが
踊り狂おうが
びくともしないのよ、この日本男児は。
あ、日本男猫かしら。
キスケの方が そのあたくしにビビって
もっと高い裏の塀を乗り越えて逃げて行ったわ。

さて 残されたあたくしとジョニーちゃん。
あたくしがいなくなればジョニーは
すぐにキスケの後を追い
喧嘩を再開するのは必至。

しばらく唸るジョニーちゃんとにらみ合う。
彼に 逃げ出そうという意志はまったく見られない。
さすが誇り高い日本男猫。あっぱれ。
でもここはあたくしのテリトリーなのよっ。
(ちょっと違うような気もするけど)
大きな顔されちゃ困るわっ。

あなたは道ふたつも離れた
あっちの隅のお宅の猫ちゃんじゃないのっ。
(家まで知ってる あたくしって)

もうちょっと脅しをきかそうと
地面を踏みならす。
まだ向かって来る。。
ちょうど伐採中だった木の枝を拾って
ジョニーちゃんの足元のあたりの枯れ葉を
ばさばさと掘り返してみる。

やっとジョニーちゃんが目をそらす。

ゆっくりとゆっくりと
ほんとにゆっくりと目をそらしつつ
後ろを向く体制になる。

これが猫同士の喧嘩の礼儀なのよ。

ボスたる者は
相手が 不利と自覚したと見ると
わざと ちょっと目をそらしてやるの。
そのすきに不利な方は
ボスを刺激しないように
ゆっくりと静かに立ち去るものなのよ。

この礼儀を採用したと言う事は
ジョニーちゃんは
あたくしが人間さまだなんて 
露ほども思っていないと言う事なのね。
め、名誉な事だと思う事にするわ。

けれど!!

あたくしには人間の証拠として
通販の荷物の発送という締め切り時間が迫っているっ。
猫のペースに付き合っている暇はないわっ。

ついあせりで、
一刻も早く
ジョニーちゃんを自分のテリトリーに帰そうと
もういちど地面を叩いてしまったのよ。

ジョニーちゃんの戦意復活!

あらためて毛を逆立て
まっすぐにこっちの目を見て
唸り声をあげてくる。
ああ〜〜ん 
振り出しに戻っちゃったわ〜〜。
最初からやりなおしよ〜。

そうしてやっと
またジョニーちゃんが
しぶしぶ負けを認めたものの
ジョニーちゃんの儀式は長いわ。

まだ体は半分しか後ろを向いていない。
こちらはカサリとも音をたててはいけない。
長い時間が流れ
さしずめ背景は 黒くまだらの
ICトーン S-985というところ。

付近にキスケの姿はもはやない。
締め切り時間は迫っている。

しかたないわ。
これでもまだジョニーちゃんが
すでにいないキスケを追い掛けてまで
どうしてもやりあいたいというなら、
キスケも男の子。
相手してやりなさい、と
心の中で言い残し、
こちらも注意深くゆっくりと
ジョニーちゃんから目を離さず後ろに引く。

なぜって、以前、同じ状況で
あたくしが勝って帰ろうと背中を向けた時、
ジヨニーちゃんは
負けを認めた体制から一変して
後ろから襲い掛かって 
あたくしのアキレス腱に噛み付いたという
前科があるのよ。
その時ばかりは
あたくしってば 猫相手に
声を出して
「この卑怯ものおおおお〜〜〜!」と叫んだものよ。
ジョニーちゃんは噛み付くだけ噛み付いて
すたこら逃げちゃったわ。
あ、
あんまり誇り高い日本男猫とも言えないわね。
負けず嫌いなだけね。
それにしても 
ここまで猫と本気で喧嘩する女もそうはいないわね。
男だっていないか。

でも 
実はこんなジョニーちゃんとあたくしも
二人きりで出会った時は仲良しなのよ。
「あらんジョニーちゃん、元気〜」と声をかけると
(猫に声をかける 妖しい女)
「ごろにゃ〜ん」とか足にすりよって来るのよ。
座り込んで撫でてやると
腹を見せるほどなついているのよ。
でも、いつ豹変して
アキレス腱に噛み付いて来るかわからないので
油断はできないんだけれど。

今日の所は噛み付いて来る事もなく、
あたくしは慌てて通販作業に戻る。
荷物をやっと造り上げたところで
6時2分前。

息を切らしながら電話して名乗ると
係のお兄様、
「ああ、藍さんですね
すみませんが 
もうちょっと早くお電話下さいませんか」

あ〜〜ん
おこられたッ!


2003年10月29日(水) たくさんの楽しい事

あたくしはいったい
ナニから手をつければいいのかしら〜。

今 お仕事もないのに
なぜに毎日こんなにばたばたしてるのでしょう。

とりあえず、明日は
漫画原稿を守る会の返却原稿の件で
ちょっとお出かけ。
この事件で
久しぶりに連絡を取った漫画仲間と会います。
ついでに原稿をひきとりに
……って、逆ですけど。
電話やメールでも
古い友だちと立続けに連絡。
原稿返却の事については
どの作家さんとも話題がとぎれませんのよ。
根強い問題だったのね。。。

この事で一番困るのは
編集部と漫画家の対立構図になってしまう事。
そうじゃない、
それではいけないのよっ。

この事で名前を出して声を上げられないのは
漫画側だけでなく、
良識ある多くの編集さんも同じ。
必ず漫画家に返さなければならない原稿を
もし失くしてしまったら、
責任を負わなければならない義務が出て来るわ。
これは 本当に大変なことだと思う。
今までだって、事故でなくなった原稿は
たくさんあったわ。
でもそれは漫画家も承知して、
事故の物まで激しく責めるということはなかった。
せめて
今回のように、悪質に 故意に、流され、
売られてしまうような事態はなくしたいだけなのよ。
使用済みの原稿は漫画家に返す。
たった それだけの事なの。
それが当たり前になってくれれば、
これから出て来る若い漫画家も
あたりまえに返してもらえるようになる。
法律を動かしたりするより手っ取り早いと思うんだけど
素人考えなんでしょかしら。

でも、この事件でいろんな漫画家さんと話して
今まで知らなかった漫画界の歴史も知りました。
自然と出来たわけじゃない数々のルール。
それはやっぱり、誰か一人の作家さんが
あるいはひとりの編集さんや、
ひとりの漫画を愛する関係者が
声を上げた事から始まって、
今はそれが当たり前になっている事があるのよ。
つまり今の若い漫画家たちは
知らないうちに、
昔の漫画家さんの恩恵に預かっているわけなのよ。
手塚治虫先生が始めたストーリー漫画の様式を
今はそれと知らずに あたりまえに新人が使って
漫画を描いているように。
他にもいろいろな事があったのよ。
いたのよ、パイオニアが。
自分がその事で不利な立場になったとしても
他の作家みんなのために
声を上げた作家さんがいたのよ。
「プロジェクトX」で取り上げて欲しいような苦労が
そこには確かにあったのよ。

「誰にも世話にならず、
自分ひとりの力で漫画を描いて来た」

そのプライドは大事だけど それはないわ。
知らないうちに 
たくさんの先輩方のお世話になってるわ。
漫画を描く作業は一人でできるけど
それを本にして読者に届け、そして原稿料をもらう、
その過程では、いろんな人のお世話になっているのよ。
あ、あたりまえだけど。




今日 電話した作家友だちの一人の
ほほえましいコトバ。
「それがもう、儲けを生まない原稿だとしても
若い頃の原稿を自費出版する老後の楽しみを
残しておいて欲しいよねえ」

あはは。
その頃には、若い頃の自分のよさが見えるかもね(^^;)
今は恥ずかしくて自分で正視できないシロモノだとしても。
漫画家の老後の楽しみのために
原稿は作家のもとに返してあげて下さい……
ってのは関係者の心を打つかしらん。
だめかしらん。



町内会の方は
とりあえずわかる書類作りは
だんなさんのパソでやってもらっていますの。
だって。
あたくしのはMacで、
必要なデータが入ってるフロッピーがウィンドウズ。
あたくしのでは出来ないんだも〜ん。
と、言い訳しておいて。

それから
年内か、来年早いうちには
一時保留になったお引っ越しも決まりそうなのね。
近所なので お引っ越しは楽なんだけど、
荷物の整理はハンパじゃないわ。
今 捨てられる本は山ほど捨ててます。
でもね。
引っ越し先はほんとに近所。
(この町内が気に入ってるので)
実は 引っ越し先のお家より、
資源ゴミの捨て場の方が遠いのよ。
だからって捨てないわけにもいかないんだけれど
なんだかフにオチナイわねえ。。。

引っ越しがすんだら
やっと腰を落ち着けて
次の活動の準備に入れそうね。
次の活動って、お仕事も含めて色々と。

でもお引っ越し前に
ドールイベントが〜〜〜。

なんか楽しい事も苦しい事も
めちゃくちゃに入り組んで、
ついうっかり
全部が楽しい事だと思い込んでる自分がいるわ。
結局 いそがしくバタバタしている事が好きな
貧乏性なのね。
とほほ。


2003年10月27日(月) 3年周期の恐怖

さてまた恐怖の半年間がやってきたわ。

町内会役員の順番がまわって来たのよ(TT)。

前回は、すばらしいくじ運の悪さを
遺憾なく発揮して 怪鳥、
いや、会長になっちゃったわけだけど、
今回はそのくじ運の悪さを回避するため
さっさと皆が厭がる広報に立候補。

どんなにめんどくさい事でも
人から押し付けられたのと
自分で納得してやるのとでは
ストレスの度合いが段違いなのよ。

最初は なんてめんどくさいと思ったけど
このあたりは自治がすごく行き届いてて、
その恩恵にはたっぷり預かっているので
今は やらねばならぬ時にはやりましょうと
大変おおらかな気持ちになっています。
気持ちはおおらかでも
いろいろばたばたと忙しくはなりますけど。

御近所付き合いは大事ですわね。
特にウチのように
飼い猫があちこちに迷惑をかけている身としては
いつでも苦情を受け付けられるように
御近所さんとは親しくしておかないと(^^;)
苦情を言われた事はありませんけど
一度だけ、苦情と言うか。。。。
「お宅の猫ちゃんが、うちのお風呂で泳いでるんですが」
と4件となりのおばあさまが来た事があったわ。
おばあさまっ
それは泳いでるんじゃなくて溺れているのですっ。

っていうかなんで溺れるに事欠いて
人様のお家のお風呂でっ。
せめて自分の家のお風呂でお願いっ。

……と言う事はあったわ。

濡れた体で家の中を逃げ回ったあげく
隅っこで寄らば切ると威嚇している ちょび を
旦那が捕獲。

もちろんあとで菓子折り持ってお詫びに行きましたが、
くだんのおばあさま、

「知らなかったわ〜。猫ちゃんって泳ぐのねえ」

おばあさま、泳ぎません。

とにかく このように
御近所付き合いは必要不可欠なのでした。

そろそろサイトの更新もしたいのに
ちょっとお待ちになってね。
新しい人形達の写真も撮らなければ。
っていうか
イベント用のお人形をいつ作れるの〜〜?


2003年10月25日(土) あと五年の領域

2日続けて
漫画原稿を守る会でのお手伝いに行って来ましたん。
今回、さくら出版の元社長、N編集者から
大量に取り戻した原稿の中に4作、
あたくしの過去の作品もまじっていたのでした。。
ウチの子がとんだご迷惑をかけてしまいました。

2万1千枚を越える生原稿の整理 確認。
それはもう気の遠くなる作業だろうと
そうとう根性と気合いを入れて行ったんですのよ。

ところが 逆に
エネルギーを注入してもらって帰って参りました。

生原稿のパワーはすごいわ。
それが2万を軽く越える量なのよ、お嬢様。

そんな数の生原稿を
一介の漫画家が自由に見られる機会など
普通はありはしませんわよ。
自分で2万枚描かなけりゃ。。。。
……くらくらっ。。。。

分類してある原稿を
さらに封筒をまた全部開けて、
中身の原稿と枚数に間違いがないかどうか
調べて調べて調べまくる。
ほんとにたまにぽつんと間違えて
他の作家のページが紛れ込んでいる事もありましたが
ほんとにちょっとだけ。
今回のさくら出版の返却原稿が
かなりページが抜けていた、ということは
ちょっと事故とは考えにくいわ。
2万枚以上の原稿が、
ちゃんと封筒にページ数通り入っているのに、
どうして大御所先生方の原稿だけ
ごっそり抜けていたのでしょう。
同じ人間が管理していた原稿なのに。
これは素朴な疑問ですわ。

とにかく、まず数人で手分けして
あいうえお順に並んだ段ボールの中の
封筒を確認するわけだけど、
まっ先にあたくしが手をあげ、
「藍まりとっ、『あ』行をやりまするっ!!」
と段ボール3箱を抱き締める。
この中に あたくしの原稿が混じっているのよ。
十年前のものなのよっ。
なんぴとたりともその原稿に手を触れてはならないっ。
羞恥プレイもここまできたら命にかかわる問題なのよっ。

実はお手伝いに行く前の日、
我が家の禁断の押し入れを開けて
封印された過去の作品をおっぴろげたのよ。
今回、返却された原稿を確認するために
当時の本か刷り出しが残っていないかと。

ほんとに命にかかわるかと思ったわよ。
あまりの自分のへたれ具合に。

描いている時は一生懸命だし、
そこそこのものが描けている(はず!)と思い込んでるし
そう思ってないと お金なんかもらえないけど、
そこそこじゃない。
ちっともそこそこじゃなかったわよ〜〜(TT)
もうどうしたらとうろたえるほど。。。
今でも充分未熟だけど
さらに強力に未熟な過去の原稿の数々が。
これを誰かに見られたら死ぬ。
印刷された物ならアキラメもつくけど
生原稿はナマモノですっ。
すでに腐っていますっっっ。
愛しい原稿が帰って来て迎えに行くと言うよりも
これを誰の目にも触れさせてはならぬ!
隠さねばっ!! という強い使命感で
お手伝いのついでに受け取りに行きましたのよ。
決して隠すついでにお手伝いに行ったのでは……

しかしその現場で
同じ思いの作家さんに遭遇。
御自分の原稿を確認し終わったその作家さんに
「これでまた再録とかできるわね」
と先輩作家さんが優しく声をかけた時
「再録とかは考えていないです。
戻ってくればそれで。
未熟な作品ですし、恥ずかしいから」
とお答えになったの。
他の先輩がそれを聞いておっしゃった。

「大丈夫になるわよ、あと5年もたてば」

その場に居た皆は大笑いでした。
「5年立てば居直れるんですか?」
という質問に、その先輩

「今はちょうど過去の自分が下手に見える時なのよ。
もっと時間がたてば、過去の自分の良さが見えて来るの。
今では描けないな、と思う生き生きとした線とか
勢いとか、そういうものが」

素敵です。師匠と呼ばせて下さい。
でも
あたくし、、、
いいかげんそういう時期になってもいい
お年頃のはずなのに。。。。。

なんだかもう。
トーン貼ってる場合じゃないわ、
線なんか問題以前。
デフォルメが下手とかそういうレベルじゃない、
デッサンやりなおせ という次元なんですのよ(TT)

そこにあった山ほどの人様の原稿が
どれもこれも手が届かないほどうまく見える。。

この中にも「見ないで〜」と思っている作家さんは
きっとたくさんいるに違いないわ。
でも、封筒を開けて、
原稿に間違いがないかどうか調べるには
嫌でも見ないといけないの。
ごめんなさい。
これは お手伝いに行けた人の役得なのっ。

確認している中に偶然
好きな作家さんの原稿を見つけて
ほれぼれと眺め倒す。。。。

こんな事、普通はできません。

たとえば編集部に行って、
そこで編集さんが好き作家さんの原稿を
処理していたとしても、
なかなか「見せて下さい」とは言えませんのよ。
ちらちらと盗み見、
その編集さんが懇意な方なら
「見せてもらってもいいでしょうか?」と
おずおずびくびくと尋ねてみる。。。
ちょっと待って、この写植貼り終わったら、
なんて言われようモノなら
おあずけをくらった、腹ぺこの犬のように
よだれをたらさんばかりに
それをじ〜〜と待っちゃったりするのよ。
「よし」が出ると
それはもう
本気で穴が空くと心配されても仕方ないほど
まじまじまじまじまじまじまじと。
慎重にはじっこを挟むように持ち、
絶対に指紋などつけないように
細心の注意を払う犯罪者のように。

アシスタントに行った先の先生の原稿、
親しい友だちの原稿、
普通はそれくらいよ。
人様の生原稿に直にふれられるのは。

はっきりいって
2万1千枚の生原稿のただ中に座り込んで
ものすごく幸せでした。
そのどれもがすごいパワーでした。

一日目に確認は終わらず、作業は持ち越しになりましたけど
終電真際、バイクで、賛同者のひとりである編集さんが
お手伝いにかけつけてくれました。
やり方を説明した後、
あたくしは入れ違いで帰ったんですけど、
次の日聞く所によると
その編集さんの作業がいかに早かったか
驚くばかりだったと。

さすがだわ、と思いましたとも。
原稿を扱う事にかけては漫画家よりはるかにプロです。
「あの人が3人いたら確認は一日で終わっていた」とまで。
あたくし達漫画家は
人様の原稿を扱う時はびくびくものです。
慣れてないから。
それでなくても数を数える作業、
皆 作業中は黙々とやっていたのよ。
29,30,31,とか数えている時
「今 なんどきだい」なんて聞こうものなら
もう大変。
それだけ熱心にやっても
やっぱり編集さんにかなわないみたいん。

この膨大な原稿の山を見た漫画家たちは
ほとんど例外なく絶句して驚きましたけど、
その編集さんは
「なるほど」とつぶやかれただけ。
慣れていらっしゃるのかしら。原稿の山に(^^;)

なんだか しみじみと
やっぱり編集さんは漫画家の頼りになる相棒なのね
と実感してしまいましたわ。

この返却原稿にしても なんだかんだ言って
けっこうきちんと揃っていたのよ。
この原稿を保管していたN編集者、
その同じ人物であるN編集者が 
どうして今回のような事件を起こしたのか。。。
何があってそうなってしまったのかしら。
人生はわからないわ。
でも人生はいつでもやり直しができると
あたくしは信じてるのよ。

この原稿の山の中には
一人の作家さんのデビュー作から、
あるいはデビュー前の投稿作から
揃っているものまでありました。
N編集者が見つけ、育て、
一緒に仕事をしてきたんでしょうに。

あたくしもN編集者と仕事をした初期の頃
ネームの不備を
的確に指摘してくれた事を思い出したわ。
いいかげんに見えるけど、
ちゃんとネームが見られる編集さんなのね
と、あたくしは彼を評価したわ。

人生はわからない。
でも人生はいつでもやり直しが以下同文。

やっと親元に帰る、
2万1千枚以上の原稿にもらったパワーは
半端じゃありませんでした。

とりあえず整理は一段落ですが
これからまた、できるかぎり、
古い知り合いの作家さん達に連絡を取り
原稿返却のお手伝いを続ける予定。

すでに何人かと また会う約束も(^^)♪
思わぬ所で同窓会だわ。
でもやっぱり
昔を懐かしく思い出すどころではなく、
これからの原稿
これからの作品
これからの人生が中心の話題なんだと思いますわ。

早く
過去の自分の良さが見えるところまで
たどりつきたいあたくし。
とほほ。
一生 たどりつけなかったらどうしましょう。
とほほほ。


2003年10月15日(水) にゃんこのご飯

今日出かけて帰って来た時、
お隣さんとばったり会いました。

お隣さんは猫好きで、
我が家の猫達は皆 お世話になっています。

お嬢さんが、猫好きなのにアレルギーで飼えないので
よけい可愛がってくれるのね。
なでたりしてるから「大丈夫?」と聞いたら、
「すぐに手を洗えば大丈夫」と。
そうまでして撫でたいのね(^^;)

うちのチョビは、数カ月周期で
外で暮らしたり、
外へ出かけるどころかこもりきって
膝からはなれなくなったりするんだけど、
このところ外暮しなのん。
ご飯だけ食べに帰って来て
カッカッカッとかっ喰らって
速攻飛び出して行くのね。
外のどこで暮らしているかは
そのお隣さんがいつも報告してくれますの。
今は 裏のお家の塀の上の木の枝の下、
今は さらに向いのガレージのシートの上。と。
お隣さんは交友関係がひろく、
ほとんど知り合いらしく
「この猫はお隣の猫で、野良ではありません。
よろしく」と
頼り無い飼い主に代わって挨拶して下さっていたりも。
すみません
お世話になってますm(_ _)m。

で、今日会った時
そのお隣さんからショックな報告が。

「チョビがね〜野良と間違われてたから
またよく言っておいたんだけど」
「裏のお家のゴミバコをあさっていたの」

ひ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。

それじゃ野良と間違われても仕方ないわっ。
っていうか あさんないでっ。
ひとさまお家のゴミバコをっ。
実は家でも時々ゴミ袋あさってるけどっ。
菱沼さんちのフクちゃんじゃないんだから
(バイ動物のお医者さん)

お隣さん、そのゴミバコの主に
「野良ちゃん出身だから、
昔を懐かしんでいるんでしょう」
と、フォローを入れて下さったとか。
フォローとして有効だったんでしょうか それは。
その奥様も
「野良にしては器量がいいから変だとは思ったの」
器量の善し悪しはあまり関係ないかと。。。
あ、でも可愛ければ拾われるわね。
チョビは器量がいい分
補ってあまりあるほど性格が悪いんだけど。

首輪をすればいいんだけど
知り合いで何匹も
その首輪が何かにひっかかって
首がしまって死んだ猫を知っているので
怖くてできないのよ(TT)
すぐ はずれる首輪も試してみたんだけど
ほんとに すぐはずれるのよ。
一度お出かけしたらすぐ無くして来るわ。

一番いいのは家猫にする事。
でもすでに外のアジを知って育った猫には
難しいわ。
猫の放し飼い禁止になるという話もあるそうですわね。
都会ではそれが一番安全だし
人様に迷惑もかけないわね。

でもここいらは中途半端な田舎
って感じで。。。。
今は御近所さまの好意で
うちの猫達は自由に歩かせてもらっています。

歩かせてもらってはいるけど
ゴミバコあさるのはやめて〜〜〜〜〜。
次のごはんに帰って来たら
こんこんと
説教くらわそうと思っているわ。


2003年10月12日(日) 贈り物の仕方

薄ら風邪をひいて日記をさぼっておりました。

なんとか回復して昨日はやっと
お風呂にも入りさっぱり〜。

なんとなくネットに繋いではいても
ぼ〜っと友だちとネット上でだらだら会話していたりして。

その会話の中で
お風呂に入ったり食事に立つ時は
一言断って席をはずすわけなのね。

あたくしってば どういうわけか
食事で席を立つ事が多いわ。
せっかくだからメニューを叫んでから
席をはずすんだけど、
先日
「たまにはそれを宅急便で送ってやろうとか
思ってもいいのよ?」
と一人暮らしの友人、Mゆみちゃんのリクエストが。

仲間内のひとりに、料理が得意で
誰かの仕事中の修羅場の時に
冷凍した手作りの料理を送ってくれると言う
天使のような趣味を持った人がいるのよ。
天使が料理をするのかどうかは良く知らないけど。
あたくしもよく「広島風お好み焼き五枚セット」とか
送って頂いてるわ。

「Rょう子ちゃんからは最近来ないの?」と聞くと
「先月送ってもらったけどとっくにないわよ(TT)」
そ、そりゃそうね。

そういえばこのところMゆみちゃんには
ひとかたならぬお世話になっていたわ。
だんながMゆみちゃんのブライスに一目惚れしたんだけど
その後、新品のブライスを
山ほどの着替え付きでプレゼントしてくれたのん。
その後もあれこれ送ってくれるし、
イベントに行った時も
だんなのブライスの分まで
お着替えを買ってくれたりするの。
素直に人形が可愛いと思っても
さすがにその着替えまで買いに行く度胸はない
だんなにとって
そのアフターケアはありがたい事この上ないと思うわ。

そんな彼女は
人の手作りのものが人一倍好きなの。
いえ、もう人17倍くらい好きかも(当社比)
手作りの人形なんかも
それはもう作った本人が忘れるくらい長い事
大切にしてくれるし、
手料理なんかは狂喜乱舞。

修羅場中に友だちが
「アシちゃんと食べてね」と持って行った手作りケーキを
アシちゃんに隠して後で一人でこっそりたいらげた事実も
あるとかないとか。
前述のプレゼントの話でわかるように
彼女は断じてケチではないのよ。
イベントではアシちゃん達へのプレゼントを
両手に抱えて帰る事もよくあるわ。

でもそれとこれとは話が別らしいの。

あげる方にとっては
ほんと〜〜〜にあげ甲斐のある人なのよ。

昔っから、
人からなにかプレゼントされた時に
思いっきり喜ぶ彼女は憧れだったものよ。
見ている方まで嬉しくなっちゃうような
ほんとに嬉し気な素直な喜び方が。

あたくしはいじっぱりなもんだから
「欲しい?」と聞かれると
「いらないわよ」と言ってしまう
大変可愛げのない性格だったものだから。

でも今は彼女を見習って
欲しい?と聞かれれば、欲しい物は欲しいと
大声を上げて主張できるようになりましたわ。
大声まであげなくてもいいかしら。
脅迫になりかねないわね。

とにかく
そういうわけでお世話になっている彼女に
ひさしぶりにお返しできる事態なわけだわ。

でもお世話になってるのは旦那なので
彼女が所望しているカレーを作成して送り、
彼女に喜んでもらえる栄誉は
旦那に譲る事にするわね。
あたくしって奥ゆかしいわ。
ちょっと違うかしら。


人になにかをプレゼントして喜んでもらえた時、
送った方はそれ以上のプレゼントを
もらっているのかもしれないわね。

先だってのシュレッダー企画についての
お礼の書き込みやメールやお手紙が
次々と届いております。
なんだかあたくしが思いもしなかったほどの
その喜びの言葉の数々に
誰よりもものすごく得しちゃったのは
あたくしね、と。

プレゼントの難しい所は
喜んでもらえないモノを送っちゃうかもしれない事ね。
でも そこらへんを色々考えながら
送った物が喜んでもらえた時がまた
宝くじにあたったように嬉しいかもっ。


2003年10月05日(日) クレーム

昨日の日記を読んだ旦那からクレームが

「エルフ軍は金だ!エルフの甲冑は金色なんだ!」

はい。申し訳ありません。
金の方だそうです、エルフ軍は。
あたくしの中でエルフのイメージは
勝手に銀なものでつい。
だって銀髪が好きなんだもん。

で、このふたりの人間軍はといえば
只今壊滅状態というか 
一時撤退というか 
負け戦というか。
昨日、長い事 床に屈みこんで
床に目をくっつけるようにしていたので
背中は痛いわ 首の後ろは痛いわ。
まだ いくばくかのハトメを
床の上にまとめたまま。
今日は 熱いお風呂に入ったり
按摩椅子に揉んでもらったり。
しばらくハトメは見るのもいやん状態。
でも 転がってる金銀のハトメはやっぱり綺麗。

うかつに放っておくと
うちの三匹の猫軍が 
またこれを蹴散らしかねないので
とりあえず なんとか片付けるわ。


2003年10月04日(土) 極小の大事故

おとといだったかしら。
イベントで予約購入していた
極小ハトメ打ち機が届いたのよっ。

ノアドロームのサイトで通販できるので
興味ある方は覗いてごらんになって。
なにしろ音がしないので、
夜中でもハトメが打てるのよ〜。

極小用だけど機械はでかいわ。

それが届いたので、実験してみたくて
3つばかり打ってみましたの。
届いた時、友だちが来ていたので
その友だちにも見せるために
階下の居間にハトメを持ち出して
打ってみたわけなのね。
で、そのまま、上の自分の部屋に
戻すのを忘れていたのね。
それは12個の小分けに分かれた小箱が入ってる
手のひらをふたつ、
大きく広げて持てるくらいの大きさの箱。
その12個の小箱に
1.5ミリ 2ミリ 3ミリの極小ハトメが
それぞれ、
金と銀にさらに分かれて入ってたわけなの。

ここがポイント。
入って『た』と過去形ですのよ。

「これ、下に置きっぱなしだったよ、片づけときな」
と我が夫が その箱とでかい機械と、
さらにそれが入っていた箱まで抱えて
階段を登っていらしたのよね。

上まで昇りついたその時。
ふとバランスを崩したと思うと
バシャッ
とにぶい音が。

一番上の重ねていた ハトメの箱が落っこちたのよ。
いちおう蓋はかちっと閉まるタイプだったんだけど
衝撃で開いたわ。

中の小箱には蓋はないの。

よかった。
フローリングで、あまり家具が置いてなくて
しかも昨日 掃除機をかけたばかりのお部屋で。
あらん、めったに掃除機をかけない事が
ここでばれたわね。(とっくにばれてる?)

1.5ミリ 2ミリ 3ミリの
それぞれの金と銀とが混じって転がって広がって
それはとても綺麗。

でも綺麗がってる場合じゃないみたい。
足にささると痛いし。
ほとんど 巻きビシ状態。

「まとめて大箱に入れておいて
使う時に分類するから」
と言っているのに、
おもむろに座り込んで分類を始める我が夫。
これを全部分類し直すのは
一週間はかかるんじゃないかしらん。
一万個はないけど何千個かはあるわよ?

とりあえず手伝いましょうと隣に座ったけど
もともと誰のモノなのこれは(^^;)

最初はたどたどしく分けていたけど
こういう単純作業は いずれコツがわかるものよ。
ハトメを逆さに立てて見ると
0.5ミリの違いも見えて来るのね。

全部をたたせて、床の上で分類して
ある程度たまったら小箱に戻す作業。

ふと見ると
だんなは小箱に戻さずもくもくと床に並べてる。

「この銀のはエルフ軍ね」

「こっちのがオーク軍で、これがウルクハイ」

…………楽しそうね 我が夫よ。
 
「楽しい事でも考えないとやってられない」

その通りね〜〜(^^;)

数時間で 腰の痛さに負け
戦いは明日に持ち越しよ。


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