白い原稿用紙

DiaryINDEX過去未来


2003年06月28日(土) 消えた掲示板

お知らせした
生原稿店頭販売の報告BBSですけれど
報告ログが ごっそり消えているようです。
どういう事故なのかわかりません。

漫画家の方々も
あちらこちらで動いていますが
動いているのは漫画家側だけでは
ないのかもしれませんね。

ネット上で
あまり手の内を明かしてしまう情報を流すのは
得策ではないかもしれませんし、
下手をすると
弁護士さんや、捜査して下さっている方の足を
引っ張ってしまう事にもなるかもしれません。

漫画家側の動きが
あちら(どちらかわかりませんが)の筒抜け
という状態を
少し心配しております。

私は部外者なので
ほとんど情報らしい情報は持っていないのですけれど
気を付けて
口を慎もうと思っております。

解決の糸口は
どこに逃げてしまったんでしょう〜?


2003年06月26日(木) 善意と好意の掲示板

おそらく
すごい勢いで漫画家同士の連絡網が飛び交っているわ。

漫画家には
ごく一部に共同体が存在するけれど
労働組合のようなものはないし
事実上 作るのは不可能に近いのですのよ。
フリーの世界は漫画家に限らずそうではないかしら。

それでも知り合いや友だち
今 皆がなんとか連絡を取ろうとしています。
被害者の人たちに。

井出先生の掲示板に
(ほんとの意味での)善意の方々が作って下さった
掲示板の報告がありました。
今現在 店頭に出ている生原稿の情報です。

http://www.e-pala.com/bbs2/mkkao/mkkao.cgi?mandara
漫画家のみなさ〜ん。
この好意に甘えて気を付けてチェックをいたしましょう。

キャリアの長い漫画家ほど
過去の原稿は山のようにあるので
それをチェックするのは簡単じゃありませんのよ。
いろんな所で描いている
フリーの漫画家も簡単じゃないの。
返してもらってない原稿が
あちこちに散らばってるから。

「長期戦になりそうだね」
と言うささやきが聞こえます。

実はこの長期戦というのに
漫画家はとても弱いものなのよ。

一旦 仕事の修羅場に入ったら
他の事はいっさいぶっとんでしまうからです。
実際
睡眠 食事は言うにおよばず、
トイレに行く暇すらなくて
膀胱炎が蔓延してしまうような業種なのですもの。

同じ理由で
「急を要する戦い」にも弱いんですの。
仕事中に「昔の原稿をチェックしろ」と言われても
トイレに行く暇すら以下同文。

昔の原稿がどんなに大切でも
今生まれようとしている子を放り出すのは無理です。

こうして解決の時期を逃してしまったトラブルが
きっと今までたくさんあったと思うわ。

現に今回の被害者漫画家さんの中でも
今現在、トイレに行く暇がなくて
まったく動けない人がいるのです。

もうトイレの話はいいかしら。

あたくしも
ネームを仕上げなければいけません。
このネームと言うのもまた動いてはいけない時期。
外界を一切シャットアウトして
妄想の世界にどっぷりダイビングするように
自分を追い詰めなければいけないので。

つくづく
動きが鈍くなる業種です。

こういう時
上に貼った掲示板のような
読者さんたちの好意をいただける事は
本当に嬉しい事です。
その気持ちだけでも頑張れる漫画家が
たくさんいると思います。

ありがとうございます!


2003年06月25日(水) 不思議の専門店

渡辺やよい先生のサイトの日記にて
すでに売られてしまった生原稿のリストが
発表されています。
「日々是無事」です。
http://www02.so-net.ne.jp/~yayoi/

このリストを見ただけでも
これだけの原稿が持ち込まれて
不審に思わない『専門店』があるのですね。
たくさんの漫画家の原稿
それがひとつの出版社のもの。
それでもおかしいともおもわない『専門店』
知らなかったと言張れる
「善意の第三者」である『専門店』

大島やすいち先生の奥様のサイトの日記「ひとり言」でも
詳しい経緯が書かれています。
なくなった原稿が売られていたかどうかがわからないため
一段と動きがとれなくなっているそうです。
なにか情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら
メールなどで教えてあげて下さい。
http://www.k-reiko.jp/

漫画関係でない多くの方に
生原稿が漫画家にとってどういうものか
説明するのは ほんとうに難しいですのよ。
確かに よく子供に例えますが、誤解も呼びやすいです。
なんなくわかって下さる方もいらっしゃいますが
どうしてもピンとこない方も。

多くの人がわかりやすいのは
ひとつは
「原稿がある限り、いつかまた本になって
その原稿が利益を生む可能性がある」財産としての理解。
もうひとつは
「日本が世界に誇れる文化のひとつ」という
文化的価値としての理解。

世の中が認める名作であれば
上の二つでわかりやすいと思いますが、
はずれてしまったら?

どこの誰も認めない作品の生原稿には
価値がないと言われて終わっちゃうのかしら?

今回に限らず、
名のある漫画家も 名もない漫画家も
実は同じ思いで
原稿が帰ってくるように願っているんだと思います。

たとえば
なくなったお母さんが大事にしていた
形見の品。
ある人の形見は安物のブローチで
ある人の形見は高価なダイヤのブローチ。
確かに金銭的価値は違います。

けれど 
どちらの人にとっても
この世でただひとつの
かけがえのない物であるという思いは
同じものだと思うの。

ダイヤの形見ブローチを持っている人も
それが「ダイヤ」だから大事なのではないのです。

その人にとって
お金ではかれない価値があるもの、
というのが この世にはありますわよね。

今回
まんだらけの社長が目安箱でおっしゃっていた
「松本零士先生方式」というのがなんなのか
気になっていましたが
ひとつ これかしらと思う情報がありました。
http://www.ag.wakwak.com/~lay/aniota/

松本零士先生は ご自分でオークションに出向き
ご自分の原稿を落札されたり
落札者と直接交渉なさったりしたそうです。

それが 日本の漫画文化を担っている
「漫画専門古書店」のおやじ……じゃなくて、
あるじが
「漫画家の皆さんは感情的になっているから
受け入れられないでしょうね」とおっしゃる
『一番良い方法』なのでしょうか。

感情的じゃない人まで
感情的になっちゃいそうな気がするのは
あたくしの気のせいでしょうか?

もしそれがダイヤのブローチなら
売り値も高価になるでしょう。
その高額の品物を落とすだけの財力がないなら
諦めろ、と。
安物だったとしても
その値段すら払えないような身分だったら
それも諦めろ、と。

「作者本人が返して欲しいと言ったものは
お返ししています」とおっしゃっていましたが
売り値で買ってもらう事を 返す とは
普通言いません、社長。
それは 売る と言うのよ。
もし 買い取りした値段を作者に払ってもらうのなら
まだ「返した」という言葉は使えます。

あたくしは 今
かけがえのない形見を取られてしまった立場の
漫画家としての気持ち と
今回の被害にあわれた先生方のファンとして
その作品群をもう見られないのかと言うくやしさ と
ふたつの理由でアタマに来ているので
とっても疲れます。

御本人たちの疲労もいかばかりかと思います。



2003年06月23日(月) 事実はいくつ

何かトラブルがあって
当事者達の言い分がすれ違う時
ほんとに 真実を知るのは難しいものなのね、
といつも痛感いたしますわね。

まんだらけの社長さんが
コメントを更新なさいました。
http://www.mandarake.co.jp/boss/
目安箱です。

ある大きな漫画家さんの団体と
その会員さんの生原稿が持ち込まれた時は
連絡するというお約束を取り交わしたとのことですが。

その事は聞き及んでおりました。
そして、一度も連絡はなかったということが
今回の被害者大島やすいち先生の奥様
川島れいこ先生の公式サイトの日記にて
書かれております。
あたくしが聞いたのも「連絡は一度もなかった」
というものでした。
でもそれは伝聞で、
部外者のあたくしに真偽はわかりません。

連絡がちゃんと行き届いていなかったのでしょうか?

たったふたりの人間でさえ
争う時にはそれぞれの事実があります。
人間と言うモノは不思議なモノですわねえ。
同じ言葉を聞いても 受け取り方が違うのですから。
どちらも嘘をついていなくても
事実が2つあるのです。
あらん 不思議。

でも社長!(いやん、どっかの国のポン引きみたい)
ひとつだけつっこませて下さい。

何度もしつこく返して下さいと編集部にお願いしても
返してもらえなかった漫画家さん達、
まだ再録したいから、もう少し預からせて下さいと
仕事上の事として懇願され、信じた漫画家さん達も
ひっくるめて
「漫画家の怠慢」

大きな漫画家団体と約束をかわし、
たった一度、連絡がうまくいかなかったため
その約束をお流れにしてしまった社長は
怠慢ではないのですね?


まんだらけに商品を持ち込まれるお客さまのほとんどが
善意のお客さまです、
そのお客さまに迷惑をかけたくありませんとおっしゃる
社長のお気持ち、よくわかります。

原稿を返してくれと言っも
「もう少し預からせて下さい」とおっしゃる
出版社のほとんどが善意の出版社です。
その出版社に喧嘩を売りたくない
漫画家の気持ちは察しては頂けませぬか。

あたくしは端くれとは言え漫画家なので
つい漫画家の立場からモノを言ってしまいます。

物事を公平に見るのは
ほんとうに並みの人間には難しい事ですわよね。

けれどたとえば
泥棒に入られて
「カギをかけなかったやつが悪い」
と言うのは
泥棒に入られた被害者が反省を込めて
自分を納得させるために使う言葉であって
加害者や第三者がそれを言うのは筋が違います。
悪いのは泥棒です。

以前、あたくしが友人と暮らしていた時
お風呂へ行って、家に帰って来たら
知らない酔っ払いがこたつでくつろいでいました。
いつでも友人やそのまた友だちが出入りしていた
その頃
あたくしはうっかり顔を忘れてしまった知り合いかと
お名前を聞いたけれど
(そうとう間抜けな話だとその時も今も思います)
わけのわからない事を叫んでいるだけなので
交番に走って おまわりさんにお願いしました。
すぐに飛んで来て連行して下さいましたが
その時、
「私がカギをかけていなかったのが悪いんです、
ごめんなさい」とあやまりました。
おまわりさんは
「カギをかけていたかいなかったかは問題じゃない
人に家に勝手に上がり込むのが悪いんだよ」
とおっしゃって下さいました。
これからはかけたほうがいいけど、
悪い事をしたのは あなたじゃない、
間違えないで と何度も。
ちなみにその酔っ払いはどこかのお家と間違えたようで
「訴えないであげてくれないかな」という
優しいおまわりさんの言葉に従って
厳重注意で帰って頂きました。

自業自得という意見もございましょうが
その言葉は
最初に悪い事をした人間が
ひどいめにあう時に使う言葉で
ちょっとマヌケな人にぶつけるには
語彙がきつすぎます。
確かにあたくしはぶつけられてもいたしかたないほど
間が抜けているとは思いますけど。

一方的に
ものすごくひどい事をして来た人と
和解しようとした時
「水に流しましょう」と
そのイカレポンチがおっしゃったら
殴り倒したくなるのを
思いとどまれるかどうか自信がありません。

あらん。
なんだか問題がだんだんずれていくかしら。


ところで今回の件
編集さん方の間にも
静かに波紋を投げかけているようです。

原稿返却の件で電話をした編集部の方に
「生原稿は本来漫画家のものなんだから
コミックスになったらすぐ返してもらうようにしなさい」
と優しく説教されちゃった漫画家がおります。

うちのだんなですけど。

小さな事からこつこつと。
あたくしも未返却の原稿を追い掛けようと思います。
ある程度の立場と度胸のある漫画家なら
今がチャンスだと思います。
こういう事件があったから、と説明して
理解して下さる編集さんになら 言えます。

あたくしは立場はないけど度胸だけでやってきました。
こういう話題をいつまでもサイトに書く漫画家として
うるさい奴と敬遠される覚悟も
決めた上で書いています。
たいした立場がないからできる事でもあります(^^;)

何かが出来そうな漫画家が
できる事をやっていく、
ということで
何も言えない漫画家さんを
これから守れる事になるかもしれません。

なるといいな。


2003年06月22日(日) ヲタク心につけこまないで

まずお詫びを。

このサイトは
見ての通りのおきら〜〜くな遊び場で
世の中どんなにせちがらくても
ここにいらして下さった時は
のんびりなごんで頂きたいと思っていたのに
なごめない話題が続いてしまう事に。

ごめんなさいまし。

これは
読者の皆様へのSOSです。
業界や法律のいろいろな事情はあっても
一番強いのは
漫画を愛して、買って読んで下さる
読者ちゃん達の力だとあたくしは考えています。

とりあえず今 たったひとつ、

「漫画の生原稿の所有権は漫画家のもの」

という認識を
皆様に常識的に知って頂く事が出来たら 
と思います。
読者の為に書く色紙やサインは
もちろん
正当にそれを手にしたその方のものですが。

今 問題になっている
古書店「まんだらけ」の社長さんが
今回の問題に 公式にコメントを出されました。
http://www.mandarake.co.jp/boss/

このページの目安箱です
社長さんとしても
出向いていらした弁護士さんの態度に
同じ人間同士として
お腹立ちの部分もおありでしょうが
すっきりと受け入れられない主張が
あちらこちらにあります。

かいつまんで気になった箇所を要約すると
「原稿の流出は漫画家の怠慢」
「そんなに大事な原稿ならなぜ出版社に預けたままなのか
信頼して預けたと言うのなら どうされても文句は言えない」

文句ぐらい言わせて下さい。

「作家さんが直接言ってくれればお返しするし
今までもそうして来ました」
との事です。

そうはおっしゃっていますが
あたくしは渡辺やよいさんの日記で
直接言って どのような対応をされたかを
読んでおります。
大家の弘兼憲史先生が弁護士を差し向けると
そのおっしゃりようですか
とつっこみました。
モニタに向かってつっこんでも
しょうがないんですけれど(TT)

「漫画家は 先生、先生と呼ばれ続けて
感覚がどうにかなってしまっている」
とおっしゃいますが。

今回の件でいろいろ情報を聞きましたが
こういう生原稿の所有権をはっきりさせようと
動いた方達はいらっしゃるのです。
でもどれも壁にぶちあたってしまったのは
やはりいろいろな事情。
立場的に意見を言える大家であれば
忙しさのあまり 話がこじれると仕事に差し障り
長くかかわっていられなくなります。

意見を言えるほどの強い立場でない作家なら
仕事づきあいを切られて終わりです。

出版社も それでなくても忙しいのです。
今までの慣例以上の手間のかかる事を
わざわざやりたいと思わないでしょう。
その事情もわかるから
漫画家の方が身を引いて来た事情もあるのです。
まんだらけ社長のおっしゃるように
感覚がどうかしてしまったわけではないと思います。

そういう編集部と漫画家との
信頼関係でなりたってきた部分を
この事件はたたき壊したのです。
正式に文書にしないのが悪いというむきもございましょうし
できればそれが一番なのですが
どんな仕事にも たとえ契約書になくても
仕事上の信頼関係というものはあると思います。

漫画家 という仕事は
基本が一匹狼的です。
群れてもうまく行かないと言う言い伝えもあります。
立場に不満があるのなら
文句が言えるくらい売れればいい。
それが掟。
それぞれが自分の立場を自分で守るしかないのです。
その厳しい掟を胸に
どの漫画家も頑張っているのです。

でも最低限
漫画家の上下関係なく
漫画原稿がその漫画家のものであるという事ぐらい
認められてもバチはあたらないかと思います。
現に大半の常識的な編集さんは
そのことを御存じでそれなりの対応をして下さるのです。

ひとにぎりの困ったちゃんのために
たくさんのマトモな人たちが困ってしまうのです。
漫画家だけでありません。
たくさんの良識的な編集さんも困るのです。


友人の漫画家と
この件について一緒に怒っていた時。
「でもでも 宮崎駿さんの原画が目の前で売っていたら
きっと買っちゃう!」
と友人(^^;)
「そんでもって御本人にタダで返して
ハクの色紙を描いてもらうのっ」
コラコラ ヲイヲイ。
ああ、でも その案 素敵
と思ってしまったあたくしもリッパなオタク。

スタジオジブリでも
宮崎さんの原画が盗まれ、
『某古本マンガ専門店』で売られていたという事実が 
ジブリ公式サイトの日記に書かれています。
抗議しても「持ち込んだ人の情報がなくなった」と言う事で
うやむやにされたとお怒りでした。
原画の行方はいまだにわからないそうです。

友人はまた怒る。
「ひどいっ!
皆 盗みに入りたいのを我慢してるのにっっ!」
友よ。
そんなに我慢してたのね。
エラいわ。そのまま自制心を保ってね。

いえ でも 盗みは論外として
目の前で大好きな作家さんの原稿が売っていたら
あたくしだって我慢できるかしら。

オタク心につけ込まないで下さい。
誘惑に負けたオタクがいるために
オタク全部が悪く思われたらたまりません。

実際
冗談でも言わないとやってられないくらい
頭に血が登っちゃったりするのですのよ、
この事件。



オタク文化を担って来たリーダーとしての誇りをお持ちだと
公式サイトの文章「まんだらけ魂」から感じられます。
さすが まんだらけだ と思える
模範となる態度を見たいのです。


2003年06月21日(土) 他人事ではすみませんでした

この日記なんだかシリアスなお話が続くので
軽い日記でもつけるかと思っていたのですが。

掲示板にてお名前を上げた今回の
原稿流出事件。

倒産して、原稿の流出先となった「さくら出版」
その経緯を
アップして下さった漫画家さんがいらっしゃいます。

実はこのサイトさんも、
以前からこっそりと通っていたサイトさんです。
とりマイアってばボ−イズに限らず
H系をきっちり描かれる方にひかれる習性がありますので(^^;)

桜井美音子先生サイト

http://homepage2.nifty.com/mineco/index.html


この経緯を読んで 血の気が引き
その後 今度は体中を血が駆け回って
とっても新陳代謝がよくなり、美容によかったかも。

冗談を言ってる場合ではなくて。

ここに書かれている
原稿を返さない事で有名だという
さくら出版編集部「最後の編集長」

数日前 書きましたが
あたくしも原稿料未払い原稿未返却の
被害にあったことがあります。

その張本人でした。

驚きました。
あの時も他の作家さんと連絡を取り合って
なんとか本人をつかまえようとしましたが
雲隠れされたままだったのです。

生きていらっしゃったのですね。
同じ業界で 堂々と。
(のうのうと、と書きたいところを押さえました。
あら もう書いてるかしら)
当時は、
つぶれた会社の責任者がいちばん辛いのだと思って
深追いはしませんでした。
個人的になんどもお話した人ですし、
これからの生活もあたくし達以上に大変だろうと思って。
若かったわ。
まさか同じ事をわざとのようにくり返す方だとは。

以前にも書きましたが
こういう事があまり表に出て騒がれないのは
漫画家という人種が
過ぎた事にこだわるより
前向きに次の新作を、と思う事が
原因のひとつだと思って下さい。

作品を書く上で邪魔になるような
煩わしい事はさっさと忘れて次に進みたいのです。
原稿料未払いがどんなにキツくても
それで新作が滞れば 
自分の被害は拡大するばかりですから。
それに原稿料未払いと言う事は
弁護士費用まで払えない作家さんがいるのも事実
悲しい事実です。

あたくしにも原稿料未払いはあったかもしれませんが
煩わしい事はさっさと忘れる性癖のため
それがいくらぐらいだったかも
覚えてすらおりません。
原稿未返却はしっかりこうして覚えておりますが。
生活的には未払いはとてもキツイですけど
心情的には生原稿未返却の方が
漫画家にとってはずっとキツイのです。
最低、原稿を返して下されば
未払いは泣いて諦められるのです。
決して許容しているわけではないですけれども。


あたくしの時は その編集長、
いくら言っても原稿を返して頂けないので
やはりそこで描いていた友人の漫画家と
「いついつ取りに行きますから探しておいて下さい」
と宣言して(見つからない、と言われていました)
車で取りに行きました。
車じゃないと重すぎる量だったのでした。
その時は一部だけを返して頂きました。
「見つからない分はまた今度」と言って。

編集長本人ではなく、その時の担当さんでした。

債権者に踏まれてゴミと化しているかも……
と思っていましたが
もしかしたら
どこかで生きているのかもしれませんわね。
あたくしの原稿達も。

桜井先生の経緯によると その方は
生原稿を返さないので有名だったとかで。
つまり前にも書いた 極一部の、
「原稿は編集部のもの、原稿料を払ったんだから」という
考え方のとても珍しい編集さんだったようです。
でも あたくしが強硬に言って
一部でも返して頂けたと言うことは。
あたくしがあまりにもうるさかったからでしょうか。

今回頂いたメールで教えてもらったのですが
出版社がつぶれた時
債権者は早い者勝ちです。
さっさと現場に言って現物を押さえた者の勝ちだそうです。
こういう場合、漫画家も債権者なのです。
ある出版社がつぶれた時の事、
生原稿が 漫画家でない債権者に押さえられ、
やっぱり流出した事があったそうです。
そして日本の法律に従って
「先に押さえた債権者の勝ち」という結論が
出てしまったそうです。

漫画の生原稿は出版社のものではない
なんていう事は考慮されなかったようです。
そういう公式文書でもないと
やはりどうしようもないと言う事でしょうかしら。

今回の「さくら出版発 まんだらけ経由」
生原稿流出事件は
あたくしは部外者でしたが
いまさらどうしようもないほど遠い昔
いつの間にやら被害にあっていたかもしれないという
お間抜けこの上ない事実の発覚でした。

今は脱力している暇はないので
今のお仕事に誠心誠意 かからせて頂きます!



2003年06月20日(金) 訂正

ああ そうか
そうよね。

と思う所があったので昨日の日記を訂正〜〜

あたくしが書いた原稿返却の事情。
これは誤解を恐れず言うならば
フリーで あちこちの出版社、
小さな出版社だったり
編集プロダクションと呼ばれる下請け会社と 
たくさん仕事している漫画家の事情です。

雑誌掲載時の契約書がないのはどちらも同じですが。

「原稿 引き上げるわよ」というセリフが
編集部にむかっての殺し文句になるような
きっちりとした立場を確立している漫画家さんには
関係のない事情でした。

あたくしの狭い世界で話をしていた事を
友人とやりとりしてて気がつきましたわ。

思えば
主にH漫画業界に多いお話しです。

健全な漫画を
大会社でやっている友人と話さなければ
気がつかないとは情けないわ。

なるべく大きな視野でものを見るように
心掛けているつもりでもこのていたらく。

いろんな立場の人間が居て
いろんな世界のルールがあるのね。

でもどの世界だろうと
人の物を盗んで売り捌いてもいいというルールは
ないと思いますわ。
できれば
盗品だと本人が主張している物も
売ってはいけないルールも作って下さいませぬか。
一時凍結程度だとしても。


2003年06月19日(木) 原稿返却

前回 日記に書いた漫画家さんのところへ
いやんなメールが来たそうです。

「原稿の管理をちゃんとやらなかった自分が悪いのに
騒ぐな」
というような内容の。

御本人も書いておられますが
この世界の慣習として
原稿を返して下さい、というのは
相当な度胸と覚悟が必要とされます。

契約書がほとんど取り交わされないこの業界
かなりの部分、信頼関係で成り立っております。
すでに雑誌に載った原稿が
すぐに作家に返されないのは
わりと普通の事なのですのよ。

その後コミックスにするとか
めったにないけど
いざと言う時の穴埋めに使うとか。
(他の漫画家さん、
あるいは本人が急病で原稿を描けなかった時とかです)
そういう時の為にも
原稿は編集部が管理するのが
ごく普通のことなのです。
もちろん、その事も契約書があるわけでなく
暗黙の了解 というところですけれども。

それで たとえば
さっさと編集部が返して来た時……
それはかなりの場合
「もうこの原稿は使いません。コミックスにもなりません」
と言う事だと判断する漫画家さんは多いです。

逆に漫画家の方から
「原稿を返して下さい」と言った場合……
へたをするとそれは
漫画家からその編集部への絶縁状と
受け取られかねないのです。

雑誌に掲載した編集部ではなく
よその編集部からコミックスが出るという場合
お願いして返して頂きます。
まっとうな編集部であれば そういう場合は
気持ちよく(思う所はありましょうが)
返して下さいます。

返しません、と言っている編集部に
どうしても返して下さいと言う場合は
本気の絶縁状の覚悟を
ほとんどの漫画家はしているはずです。
つまりその編集部との仕事は失くす覚悟の
背水の陣です。

稀に どんな原稿も絶対に返しません
という主義の出版社も存在します。
そのことでけんかになった例も
いくつか見ております。

「原稿管理をちゃんとしなかった漫画家が悪い」

一口にこう言えない事情があるのです。

今回の漫画家さんの場合
もうその出版社はつぶれていて
原稿を取りかえす手立てがなかったのです。
それで責められるのはあまりにも気の毒。

かくいうあたくしも
編集プロダクションがつぶれて
回収出来なかった原稿がかなりあります。
責任者も逃げていて
他の編集さんとは連絡が取れず
回収する手立てはもうありません。

「興味の無い人にとってはただの紙切れ」
と警察の方がおっしゃった通り
その原稿は
債権者に踏まれて散らばって
ほんとの紙屑になっているかもしれません。

これを
お金と時間を使って捜しまわるより
その労力を
新作にまわそうという漫画家さんが多いのです。

その原稿はあきらめて。

でもそれが自分の知らない所で売られていたというのは
話が別です。ええ、全然。

死んだと諦めていた子供が
生きていたとわかれば
取りかえそうと力を尽くすのは
ごく当たり前の事です。

くどいようですが
その原稿に
商品価値があるかどうかの問題ではなくて。


さて。
今はなき編集部から
今日原稿が届きました。

これは問題の絶縁状ではなく
コミックスにする分の原稿の
直しをいれるためのものです。

たいていの漫画家は
この段階で一度手放した原稿と再会いたします。
そしてこの状態で原稿と再会できることは
とても幸せなことです。

とんでもない目にあっている同業者が
たくさんいるのに
自分が幸せでは申し訳ないのですけれど
目の前の仕事を精一杯やることが
今の自分にできる事 と心得て 
頑張りたいと思う所存でございます。


2003年06月17日(火) 漫画描きにとっての原画

まず ほとんどの漫画描きにとって
とても悲しい事件が起こっているようです。

いつも見に行っていたとある漫画家さんの日記。
事は漫画界全体におよぶお話。

編集部から未返却だったご自分の漫画の原稿が
まるごと なんと30本以上
漫画専門古本屋にて売られていたのだそうよ。
(その編集部はかなり前に倒産してもうないそうです)

一本、32ページなら32ページ
まるごと いくら、と。

読者さんからの知らせで
問題の古本屋に
「それは盗品だから売らないで下さい」と言っても
とりあって下さらなかったそうです。
「まず警察に行って盗難届をどうぞ」

そして 警察に駆け込んだ時
盗難届さえ出させてくれなかったそうです。
そして ある警察官はこう言ったと。

「あなたにとってそれは財産かも知れないけど
興味ない人にとってはただの紙切れですからね」

それをおっしゃるなら
美術品のたぐいだってそうじゃないの?
極端な話 紙幣だってそうじゃないの?

もちろん名のある芸術家と
名もない自称芸術家の作品とに
値段における
価値の違いがあるのはあたりまえのこと。
でもそれがその本人のものであり、
盗んだら犯罪、と言う事は同じではないかしら?

世界一といわれるほど漫画文化が進んでいる
この日本のお話で こうなのね。
知ってたけど。

漫画家の地位と言うのは
ある一部の大御所を除いて驚くほど低いのね。

その、日記の漫画家さんは
漫画家がこれ以上なめられないために
今 懸命に戦おうとしていらっしゃいます。

これは
あたくしがラフ画をばらまこうとしているのと
わけが違うのです。

わけが違うけれど
あたくしがやろうとしていることが
この事件を解決しようとする事の
足を引っ張ったりは
ちょっとでもしないだろうかと
心配になったのも事実です。

原画 特に漫画原稿というものを
手放す作家はまずいません。
たとえそれが もうコミックスにもなり
これ以上は商品として価値がない
と言う事になってもです。
原稿というものは漫画家にとって
特別なものなのです。
世界にただひとつの手作りの品ですしね。

ごくまれに
原稿を売る漫画家さんもいらっしゃいますが
漫画家の中で語り継がれちゃうくらい
珍しい事なのです。

それが たくさんの漫画家の
大量の作品が一ケ所で売られてるなんて
ありえないことなのです。

出回った経緯がはっきりしているのでなければ
買わないで下さい。
それは盗品の可能性がとても高いのです。

漫画家としては
警察がとりあってくれず
売っているお店もとりあってくれないのなら
自分の子供が目の前で叩き売られていても
できる事は
その値段でその子を買い戻す事だけなのです。

なんだか
誘拐された子供を取りかえそうと
警察に駆け込んだら
「身代金をはらえば?」と言われたような気分です。

警察が動けないのも
それなりの理由があるでしょう。

漫画の原稿を出版社に渡す時
契約書というものは まず発生しません。
信用取り引き 口約束で
「何月に何ページお願いします」というだけなのです。
この御時世に 信じられない話ですけど
それがこの世界の慣例なのです。
コミックスになる時、はじめて契約書が出て参りますが
それもない出版社も珍しくはありません。

世の中ではたぶん
もしかしたらごく一部の編集さんでさえ、
原稿料は原稿を買い取った値段だと
認識している事が多いみたいです。

そうではなく
その原稿を印刷して出版する権利を
やりとりしているのです。

あたくしもプロの編集さんとではなく
漫画の出版をしたことのない団体のお仕事も
けっこうしてきましたが、
原稿そのものを買い取ったのだと思っている方は
やはり多いようでした。

原稿そのものと 著作権は
その作家のものなのです。

けれど契約書が存在しない場合
警察にそれをどう証明できるでしょうか。
大手の出版社や大漫画家さんたちが
声をそろえて
「それがこの世界の常識なんだ〜」と
叫ぶしかないのでしょうか。
ないのかも。


あたくしは かたずをのんで
この事件の行方を見守っています。
たくさんの漫画家さんもそうだと思います。

あたくしが今回やらかそうとしてる
ラフ画を差し上げますという企画ですが。

漫画家が原稿を手放す事など
まずありえません!という主張をするには
説得力のない所業かもしれませんが
これは「漫画原稿」ではありません。
完成した「漫画原稿」が他にあるからこそ
できる事です。

先に言っておいちゃいますが
始めから売る目的で
申し込みするのは勘弁してやって下さい。
あたくしのラフ画なんざ売れるシロモノではありません。
あたくしの作品を愛して喜んで下さる読者ちゃんとの
コミニュケーションのひとつとして企画しました。
ほとんどの方は
それをわかって申し込んで下さっていると思います。
けれど
ごく一部の好意でない方もいらっしゃるかもしれません。

でもね
そのごく一部の あるかないかわからない
「好意じゃない思い」の危険性の為に
これをやめようとは思いません。
1人の困ったちゃんのために
10人の良い子ちゃんがつまらない思いをする、
というのは あたくし的には納得がいかないのです。
好意を持っていない人より
好意を持って下さっている人の方を大事にしたいのは
人情というものでございます。

こういう事を書く事自体が
「あたくしを疑っている?」と
申し込んで下さった、
あるいは申し込もうとしている
読者ちゃん達を不愉快にさせると思います。

そうではないとわかって下さいまし。

読者ちゃん達と一緒におもしろがりたいのです。

今回 ラフ画をお送りする方々には
これが あたくし本人から出たモノであると
証明するサインをつけます。
大袈裟で、はずかしいですけど
万が一にも 盗品だとか
ゴミ箱からあさったものであるとか
思われないように。(そういう事件もあったそうです)

ああ、なんだか
ほんのお遊びのつもりのものが
大袈裟になってしまったようで
ほんとに恥ずかしいんですけれど
ほんのお遊びが ナニカの火種になるようなことは
ぜひとも避けたいので。

今回、
自分の原稿を売りさばかれてしまい
もうたぶん2度と手元にはもどらないであろう
漫画家さんたちの心労を思うに
漫画家が気楽に原画を手放すものと
誤解を与える事のないようにとの願いからです。


2003年06月13日(金) 漫画業界七不思議のひとつ

えーと。
只今 不眠耐久レース30時間を
かるくぶっちぎりましたところで
頭とかお手々とか腰とか
いろいろ壊れていますので
怪し気な事を書いても気になさらないで。

今日 ホラーのお仕事が終わり
無事にお渡しいたしました。

どんなに余裕を持って始めても
最後の日には かならず
こういう徹夜状態に追い込まれるというのは
おそらく 漫画界のなんでだろう音頭。
業界七不思議のひとつね。

あとの6つが何かとか
今のあたくしに聞かないであげてちょうだい。
壊れてるから。

壊れているんだけど
いろいろ精神がハイになっているので
すぐには眠れないのもお約束。

そういう時は こうやって
頭を使わない作業、
ネットの波間にふわふわと、
肉体の限界が訪れて
バタンキューとなるまで
漂い続けるのが常なのでございます。

あらん。
いつも頭を使わないで日記を書いているのが
ばれちゃったわ。
……ってとっくにばれてるわね。

それにしても なんですわね。
やっぱり漫画を描くのっておもしろいわ。
これ以上ないくらい おもしろいわ。
結構長くやってきたけど
まだ全然飽きないわ。
飽きるほど極めてないからだけど。
ちょっと飽きたかしら、と思う事もあったけど
気のせいだったわ。

これで思い通りの絵がすいすいと描けるなら
きっともっとおもしろいのよね。
これだけ続けて来たのにまだ
発展途上のあたくしっていったい。

描いてみたい話に絵がついていかないのよん。
いつも絵に足を引っ張られる気がするわ。
ちょっと真剣に絵を勉強しなおそうかしら。
と言ってもデッサン教室にかようわけでもなく
自習なんですけども。

とか言いながら
次のネームに入るまで、きっとあたくしは
ドールのヘッドにお絵描きするつもりなのね。
おほほ。
ドールはいいわねえ。
最初からデッサン取れてるんですもの。

あらん。
あたくしってばナニ お人形に絡んでるのかしら。

このまま日記を書き続けていたら
誰にインネンつけるかわからなくて危険だから
このへんでやめておこうかしら。

一眠りしたら
軽くサイトを更新したいと思います。

おやすみなさいませ〜ん。


2003年06月06日(金) ドールの恩返し

鼻歌まじりにお仕事を始めて
はっと気がついたわ。

今回のお仕事は
サイズがとっても小さいんだったわっ!

つい何も考えず
いつも通りの原稿用紙でやってしまったわっ。
取り返しがつかないほど
進めてしまってからでなくて
ほんとによかったわっっ。

気をとりなおして
小さいサイズの原稿用紙を用意。
したはいいけど これよりまだ小さいわ。

普通 マンガの原稿用紙は
市販のものに2種類あります。
B4のものとA4のもの。
B4が「プロ 投稿用サイズ」と名付けられ、
A4のものは「同人誌サイズ」と呼ばれております。
使い道は主にその名の通り。

でもあたくしは
同人誌用だろうが
出来上がる本がどんなに小さかろうが
B4で描いていますの。
縮小率がでかい方がアラが目立たないのよ〜。

でも今回は出来上がりがB6で
原稿はその1.2倍。
同人誌サイズよりさらに小さいわ。

と言う事は
市販の、枠線が印刷してある原稿用紙を
使えないって言う事なのね。

そういう時は
昔懐かしい手法にて
枠線のサイズを取る事になります。

一枚の紙にサイズをはかった線を描き、
その下に何枚も原稿用紙を重ねて
サイズの目印に穴を開けるのです。
あとでその穴を頼りに線を引いて行きます。

昔、まだ枠線が印刷された紙がなかった頃は
みんなそうやってサイズを取っていたのです。

今でも市販の紙質が合わない作家さんは
その手法で好みの紙に枠線をとっております。
あたくしは横着なので
好みの紙に枠線を印刷して頂いちゃっているのですが。

以前はこの
「紙に穴を開け、一枚一枚線を引く」という作業が
ちょうどお習字の前に墨をするように
作業前の精神統一と準備運動になったものでした。

その懐かしい作業を久しぶりにいたしましたが
昔と違う 今日のあたくし。

この穴を開けるというのが
けっこう大変。
あまりたくさん紙を重ね過ぎると
紙がずれたり、
千枚通しとか目打ちで開けるのですけれど
穴が大きくなりすぎて
mm単位で狂ってしまいますのよ。
それに たくさんの紙に一気に開けるには
かなりの力も必要なので
非力なオナゴには苦しいものがあるのよ。

なのでせいぜい10毎単位で開けるんですけれど
横着者のあたくしは
一気に24枚(今回のページ数)開けられないものかと。

さて。
そこで取り出したのが
ドール用に買った工具。

生まれて今まで知らなかった
ピンバイスという穴開け工具。
ねじ回しの穴開け版のようなこの機具は
力いらずで
堅いものに0.何mmと言う小さな穴を
どこまでも同じ大きさであける事ができる
優れもの。
(どこまでもといっても工具の長さまでですけれど)

この中途半端な堅さと柔らかさの
紙の束に これで穴があけられるかしら。
試してみる価値は大アリね。

まず手持ちの一番細い、0,3mmでやってみる。

…………折れちゃったわ……。

おのれ それでは
もうちょっと丈夫そうな0.5mmで。

これは 気持ちいいくらい
最後まですっきり貫通してくれたわ。

24枚の最後までかわらぬ小ささの穴。
とっても気持ちよく枠線を引き終えました。

こんなところで
ドール趣味が役に立つとは。

そういえば、このドール趣味は
漫画用のデッサン人形にしようと思って買って
ずっぽりハマってしまったんでしたっけ。

今 ドール用に買った工具が漫画に役に立って
恩返しされたような 
意趣返しされたような。
なんだか よくわかんなけど
複雑に お得な気持ちよ。

久しぶりのホラー漫画。
楽しんですすめる事にいたします。


2003年06月05日(木) やってもーた

やってしまいましたわ。

心ある友人達から
「決してやってはいけない」と
助言されていたことを。。

だって だって
我慢出来なかったの〜〜

何をやってもーたかというと
安物の簡易ミシンを買ってしまったのん。

どれくらい安いかというと
ズバリ1980円。ウルトラスーパー超絶安物。
ええ、おもちゃですとも。

でもおもちゃの大きさのミシンが
どうしても欲しかったのよ〜
そう、1/6の大きさのが。
それほど小さくはないんだけれど
お人形の服を縫うには
いかにもちょうどよさそうな大きさ。
いえ、小ささ。

他になんっにも出来なくていい。
まっすぐ縫えさえすれば。

店頭で試し縫いは出来なかったし
ひどい縫い目かもしれないわ。
一回使っただけで壊れるかもしれないし。
縫ってみたらがたがたで
使い物にならないかもしれないわ。
でも 
どうしても試してみないことには
気がすまなかったんだから 
それでもいいわ。

あたくしはもともと
すべてにおいてそういうやつ。
自分で痛い目にあってみないとわからないのよ。
それでも きっと痛い目に合うわ、
と覚悟が出来ているのといないのとじゃ
痛さがぜんぜん違うので
助言をくれる友人達の気持ちは
けっして無駄ではないのです。
(ここで言い訳)

ミシンの前で迷う事十数分。
結局買って参りましたのよ。
雨の中、買いに行ったんだし。

単三電池4本で動くそれは
悲壮な決意をこめて買ったにしては
拍子抜けするくらい
けっこうまともに動くではありませんか。

縫い目の細かさを調整できないので
ステッチするには目が荒すぎるけど
手縫いで縫うよりははるかに綺麗だわ。

でも押え金が大きくて大雑把なつくりなため、
細かい所を縫うには
かなりの熟練を必要としそうだわ。

とにかく試しにちょっと使ってみた分には
思ったよりずっと使えそうですのよ。
数日で壊れるなんてことがなければ。

買って帰ってから
ネットで使い心地を検索。
買う前にやればいいのに。
どの方も 期待していない分、
けっこう役立っているとおっしゃってましたわ。

このあと当分は
ミシンなど使っている暇はなく
ちゃんと使ってみた御報告は
かなり後になりそうですけど。

これから
爆裂お仕事モードに入りますので
サイト更新等
少々 滞るかと思いますが
生きて働いている証拠ですので
御心配なさらないで下さいませ〜。


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