船 - 2012年11月27日(火) ただ 蒼いばかりの空を飛ぶ飛行機が 空のずっと高いところを 通っているのだけど それがまるで 展望台の上から 広くて凪いでいる どこまでも蒼いばかりの海を行く 小さな船を眺めているような そんな風に錯覚をしたのは やっぱり 空が ただ蒼いばかりだったからかな。 ... 雑木林の家 - 2012年11月24日(土) 娘と出かけていると 前に座る女性の後ろ姿に 何故だか憧憬に似た気持ちを抱いた。 その女性の風体は 特に私のどの時期とも重なってもおらず むしろ私とは程遠いところに存在するような人。 なんなのだろう。 きれいにアートを施された足の指の爪。 派手なエナメルの鋲の打たれたパース。 けだるそうな様子で 向かい側に座る男に話をしている。 私は彼女をみて 何を感じたのだろう。 ふと 記憶の中の一コマが私の思考をとめてしまった。 あれが何だったのかわからない。 人によって それぞれ違うのだろうけれど 私は意識の奥に 雑木林に覆われた一軒の家がある。 そこには 澄んだ冷たい空気が漂っていて 緑深くもあるけれど 木々の間から光も溢れている。 そこに何もかも 楽しかったことを閉じ込めている。 いつでも辿りつけるわけじゃないのだけれど 時々 私が気付いた時には突然 その窓辺にいる。 雑踏の中 喧噪の中 見知らぬ街で。 たしか その家が生まれたのは 私は小学生の時。 思い描いた未来のすべてが私の手の中になくても 私の意識の一部は そこで何かふわふわしたものを糧に 生きている。 私はたぶん捉えられない。 私の実体は そこに有るのだから。 ...
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