Kyoto Sanga Sketch Book
DiaryINDEXpastwill


2004年09月26日(日) 【福岡戦第36節】〜奥のポストに当たった球〜

ブラウン管に映る本城スタジアムは熱気。
鴨池の大敗で耳について離れなくなった、オブリ達の歌が聞こえてくる。
少ない京都サポーターも九州の試合としては、かなり元気そう。
今日勝つことが昇格争いに踏み止まる条件と言われた、大切な試合。

アナウンサーがうちのエースのゴールが4ヶ月もない事を話題にした。
「チェの分まで守備をしているという事もあるんですがね…」
それもわかっている。でもね…複雑。

■ 前半 ■

立ち上がりは福岡の時間。

しかし、黒部にチャンスが。
CKをゲットした京都。美尾から黒部のヘディングは残念!ポストへ。
しかし跳ね返ったボールはゴールの右側に飛び、
それを冨田が捉え角度のない所からシュート。
相手DFがクリア!それを受けて頭でゴールネットに突き刺したのはやはりチェ。

1−0。京都先制。

今度はカウンターで中央を独走する黒部。
飛び出したGKの前でスッとシュート。
しかし…揺らしたネットはゴールの外側だった。また失敗。

      シュートに失敗した彼に、チェが言い寄り責めている。
      (”フリーの熱田に何故出さない!”と凄い剣幕。少し彼に同情)

次は黒部の前を飛んで行く美尾の低めのクロス。
…が一瞬ズレて間に合わず。彼は4ヶ月間ずっとこれに近い感じ。

今度は福岡から攻められる。強烈なミドル、壁を抜けるFKを浴び、
全てGK平井が止める。

      でも、福岡に以前のようなスピーディなサイド攻撃はあまり…。
      京都の中盤の両サイドが、攻撃よりも守備に力を割いていたからかな。
      (特に、右サイドの冨田の守備の意識はとても高かった。)

追い越す動きが少ない福岡。パスをカットする京都。
足の止まっている福岡選手達の間のスペースを京都選手が動く。
福岡の両サイドを塞ぎ、悩める中盤からボールを奪う。
京都は前三人(チェ、黒部、そして熱田)だけで攻撃を続ける。

DFラインもいつもより低め。
ここでもかなり福岡の両サイドからの突破を警戒。


■ 後半 ■

またも立ち上がりは福岡が押し込んでいる。

しかし左の美尾が大きくサイドチェンジ、右を走るフリーの冨田へ。
アレックスをドリブルしながらかわす冨田。アレックスを振り切りついに前へ!
それに対応すべく熱田が中央に走り込む。
ボールの道筋を彼の右足の踵が捕らえ、ポーンと後ろに蹴り上げる。

ヒールゴール!!

熱田28歳ついに円熟期
であらまほし。
まぁいつもは足引っ張ってるという話もあるわけで。。


京都2−0福岡。

今日こそ期待。
GK平井が相手FW林と交錯して倒れる。
しかしその後、また危険なFKを止めた。
(平井の調子はすこぶる良さそう)

2点差になり、チェの1トップ気味にして全体も微妙に守りに入った時、
福岡のボランチ米田の前方がぽーんと空いていた。
35メートル?のロングレンジシュート。やられた。

福岡1点返す。京都2−1福岡。


福岡がこの得点の勢いに乗り始めた。
選手も交代。なんと福岡は増川・大田の反則190センチ台ツインタワー。
(うちのDF達がジャンプしても、全然彼等の頭に届いてないという…(苦笑))
エジウソンのカウンター!手島がやっとクリア。
アレックスが左サイドを突破する。巨大な前線にクロスを上げる。危機が一杯。

それでも中盤を支配しているのは京都。
美尾からゴール前込み合ったところへボールが放り込まれた。
黒部が敵の間、ついに無理やり体をねじって頭に…!

     …ボールはゴールの奥の右のポストに当たり跳ね返った。
     黒部の跳ね返ったボールをもうあまりに見慣れている。
     (常識に考えれば、十分ゴールだというのに)
     シーンとするアウェイのスタジアム。

またか、と黒部がうつむこうとした。

主審がゴールの笛が響いた。
顔を上げた笑顔の黒部に、選手達が一人一人祝福に抱きにくる。
(4ヶ月ぶりの笑顔はサンガを救ってくれるはず。でなきゃ困る(笑))

京都3−2福岡。

攻守に活躍の冨田が足をつって倒れた。
(足がつるまで走っていたのは、一昨年のレッズ戦以来じゃないでしょうか)

アビスパサポーター達の声が聞こえる。
多分あの鴨池での一戦にいた人達もいるんだろう。
あの時負けた一戦も、今日勝とうとしている一戦も、
価値は同じはずなのに、何かが違うように見える。このまま勝てたら。

残り時間はあまりない。
福岡がロングボールを放り込む。落ち着いてクリアし続ける京都。
(福岡側にはもうあまり戦う意欲が見えなかったような)

3−1。



敵地での京都の勝利。そして黒部の4ヶ月ぶりの得点。
不調時の京都そのままの福岡に勝ち、
昇格争いに踏みとどまった一勝。

4位のまま。


2004年09月04日(土) 【仙台戦第32節】〜混戦から抜けられず

試合の後の仙台スタジアムのざわめきが、今年のJ2の混戦を教えてくれる。
2位から7位まで勝ち点差はわずか4。
今、この2位集団から離れて上に行きたいチームと、
離れて下がってしまいたくないチームの意地がぶつかった。


■前半■

仙台はこの日、出場停止で3トップのうち二人を欠き、
財前に加え若い寿人、萬代を起用していた。
京都はついに勢いのある田原をチェと共にスタメン起用。
精力的に動いているがゴールのない黒部を、ベンチに置いた。

まずは京都がサイドを支配し、京都ペースで試合が始まった。

13分。和裕のFKからチェが得点。−0。
しかし16分。仙台・財前得点。1−


しかし、京都の守備が緩い”中”の方で仙台がボールをもち始める。
シルビィーニョから仙台の若く活きのいい前線にボールが転がされていく。

そして、いつものように手島達がオフサイドトラップに動いた時
2列目からのスルーパスに萬代が抜け出した。
もうそこには京都DFは誰もいない…。すぐにGKと一対一になりあっさり失点。

22分仙台・萬代の得点。1−


この2失点目の萬代の抜け出しがあまりに瞬時になされ、
ボールを持ったときはもうDFラインから4,5メートル近く(?)
離れていたようにまで見えた。

そのせいで、京都の選手たちがほぼ全員で「あれはオフサイドではないか」と詰寄った。
試合は止まってしまった。もう大変なことに。
監督まで立ち上がり、審判か選手たちに何かを言おうと緊迫した表情に。
(実際はその後萩村が”オフサイドではなかったと思う”と。萩が遅れてたような)

個人的には、チェ+黒部の良い相互作用がない事以上に、
好きだった手島+萩村が合わさっても良くならず、足を…や噛み合ってないのが心配。
(まさかシーズン始めの相打ち負傷でお互いうまく行ってないとか←ないない(笑)たぶん(汗))

この失点の心理的影響もあったはず。
これを機に、京都の守備(DFだけでなく)は完全に崩壊。
仙台の中盤はまったくもってフリーに。
佐藤寿人が難なく京都のDFを抜けだした。

39分 仙台・佐藤寿人得点。1−


それからも仙台の中盤の二人からどんどん3トップにボールが出されて、
京都のDFラインは息つく間もなく何度も何度も破られる。
(よく3失点で済んだものだわ…)
京都にとって地獄のような時間帯が続いた。誰も修正できない。

こんなにもハーフタイムを待ち望んだ事はなかったです。
いくらなんでもこりゃないだろ。。

そして前半だけで双方に乱れ飛んだイエローカード、4枚。
(ちなみに後半も3枚追加…)




■後半■

柱谷監督は機能してなかった二人を一気に交代。
キム→石丸
熱田→中山
(石丸がワンボランチ、中払は右アウトサイドに)

この中山の投入で前線に起点が増え、京都が仙台陣に攻め込み始めた。
兄様のコメントでは彼のお陰で中盤のプレッシャーもかかるようになった、と。
(…って中山がU19でいない間はどうすんだよ、たく。)


ペースは一気に京都側に。
右SBの和裕から、そしてCBの萩村からの豪快なボールが、
右に流れた中払に、中央の中山に、そして美尾にとボールが回るようになった。
ずるずる下がり出す仙台のイレブン。

右の中払からのクロスが仙台DF達の前に。田原がいた!

59分 田原のゴール。−3。

こんな風に京都がイケイケモードに入った時、
仙台小原が二枚目のイエローで退場、というラッキーまで。
(仙台は1点差を守るべく財前を根引に代えて守りにはいる)

ついに黒部が投入、
その時の布陣にテレビの中では実況らが絶句。。
柱谷監督は、なんと高さのあるセンターFWを3人並べた。
前半開始から3バック気味になっていたDFもほぼこんな状態に。



 田原  黒部  チェ    
          美尾  中山
           
     三上     石丸    和裕

         萩村    手島   



追う京都、逃げる仙台。ヒートアップする仙台スタジアム。
ゴール裏からスタンドから、仙台の熱いサポーターの声がこだまするように響く。
京都の3トップが動いて、マークをはずそうとする。
仙台がそれを追う。狭いエリアの中でカットされる。
人数をかけて攻める京都、人数をかけて守る仙台。

しかし、京都の薄い守備の間をすり抜けて又佐藤 寿人が走り込む。
そしてそれは、仙台にとって実はわずか7本目のシュートだった。

80分 仙台・佐藤 寿人得点。2−


2点差にされた。万事休す。
…と思ったすぐ後、駆け上がった石丸からスルーパスが。中山!
相手DFに囲まれながらも必死に守り、ゴールに蹴り上げた。

83分 中山得点。−4。


点差はまた1点に。
残り10分。チェや黒部、田原が最後の力を振り絞って動く。
仙台が全員で守る。もう足がついていかない。
しかし、荒っぽい京都のロングボールを跳ね返す。




終了の笛が吹かれた。
仙台スタジアムがまるで優勝したかのように歓声を上げた。
雨に湿った空気の中とは思えないほどの響き声が羨ましい。
こんなに仙台サポーターにとって充実した試合はなかっただろうな。
(圧勝よりもこんな試合の方が、終わった後に心に響くから。)

敗戦。2位から4位に転落。

…ブラウン管を通して見ていただけで汗でびっしょりなってしまった試合でした。

京都サポと一緒に肩を組んで歌っていた仙台サポ達、
今何を思ってそこにいるんだろう。。あれから三年。


miyako |MAILHomePage

↑エンピツ投票ボタン
My追加