埼玉大学入り口の正面にある「丸亀製麺」でうどんを食べました。丸亀製麺は株式会社トリドールの運営する「うどん」レストランです。
株式会社「トリドール」のホームページ
前から大変混んでいるので気になっていました。関東の「うどん」といえば藤棚うどんのような濃いスープですが、四国讃岐のうどんは全く違います。前の仕事で高松に出張したことがあり、高松の人に美味しいうどんを紹介してもらったことから、関東で本場の讃岐うどんが食べたくて仕方が無かったのです。
四国出身の人が何と言うか分かりませんが、丸亀製麺のうどんは美味しかったです。メニューの基本は「釜タマ、釜上げ、ぶっかけ」でしょう。新鮮な「うどん」をその場で茹でるので美味しいはずです。以下はホームページのキャッチフレーズです。
「本物のうどんのおいしさを、セルフ形式で提供する讃岐うどん専門店です。厳選した小麦粉を使用し、各店舗に製麺機を設置し、「打ちたて」、「茹でたて」を実現しています。また、オープンキッチンを採用し、お客様の目の前で調理を行うなど、「できたて感」、「手づくり感」、「安心感」を感じていただける臨場感あふれる店舗です。トッピングの天ぷらや>おむすびもできたてにこだわり、組み合わせ自由なメニューをご用意しています。」
「うどん」を打つ所を見せる店は珍しくありませんが、茹でるところ、食器を洗うところまで客に見せる方式は大胆で新鮮です。客から全てが見渡せるので従業員の所作のひとつひとつが「見世物」になります。既に全国に281店舗あるそうですが、このような地方文化を全国区に仕上げるノウハウは凄いと思いますし、日本の地方文化・食文化の奥深さを感じます。あまり無理な店舗展開をせずに味・サービスに拘って欲しいと思います。
2009年09月22日(火) |
チューリッヒ歌劇場「カルメン」 |
NHKのBS放送を録画しておいた「チューリッヒ歌劇場」の「カルメン」を観ました。カルメンは先先週に浦和市民オペラを観たばかりで、物足りない部分が沢山あったので非常に興味を持って観ました。配役・演奏は以下の通りで、カルメンは現在最高のメゾのひとりの「カサロヴァ」です。指揮は2010からウィーン国立歌劇場に決まっている「メスト」です。若手の有望株ですが私は若いメストのテンポになかなかついていけません。
カルメン (ロマの女) : ヴェッセリーナ・カサロヴァ ミカエラ (ホセのいいなずけ) : イサベル・レイ フラスキータ (カルメンの友だち): セン・グオ ドン・ホセ (竜騎兵の伍長) : ヨナス・カウフマン エスカミーリョ (闘牛士) : ミケーレ・ペルトゥージ スニーガ (竜騎兵の隊長) : モーガン・ムーディ モラーレス (竜騎兵の士官) : クレシミル・ストラジャナッツ ダンカイロ (密輸入者) : ハビエル・カマレナ レメンダード (密輸入者) : ガブリエル・ベルムデス
合 唱: チューリヒ歌劇場合唱団、チューリヒ歌劇場 児童・少年合唱団 管弦楽: チューリヒ歌劇場管弦楽団 指 揮: フランツ・ウェルザー・メスト 美術 : フォルカー・ヒンター・マイヤー 衣装 : スー・ビューラー 照明 : マルティン・ゲプハルト 演出 : マティアス・ハルトマン (収録: 2008年6月26日,28日, 7月1日 チューリヒ歌劇場 (スイス))
まず演出ですが非常に現代的でした。一幕「タバコ工場の門前」はパラソルが置かれて一応警備隊の詰所的な場所を示しているだけ、ニ幕の「酒場リリアス・パスティア」はエスカミーリョが登るテーブルとホセが座るための椅子が中心。第三幕では舞台後方に大きな「月」が設置され、4幕のセビリアの闘牛場は舞台右奥に大きな「木」が設置されるだけでした。面白かったのは、4幕で闘牛士が登場する場面で、闘牛士を追う聴衆の目線と動きだけで表現していました。難を言うと舞台全体が傾斜しているため、歌手が歌いずらそうな感じがしたことです。
歌手では、カルメンのカサロヴァとホセのヨナス・カウフマンに感心しました。カサロヴァのカルメンには批判的な評価もありますが私は大納得でした。「カルメンがなぜホセを誘惑しそして簡単に裏切ってしまうのか。本当にホセを愛したのか」。今回のカサロヴァの演技には相当程度共感する事ができました。カサロバの一幕のハバネラは非常に抑えた歌唱で、カルメンが単に情熱的で妖気を発散する女性ではなく、人間的に複雑な存在であることを示していました。その演出はホセのキャラクター付けによって成功していたようです。ホセは大きな眼鏡をかけて(妻によるとスーパーマンの普通の時の格好とのこと)弱弱しい印象を与えます。お母さんからの手紙を読む雰囲気は「マザコン」そのもの。しかし良く見ると二枚目で真面目で一途なホセにカルメンが惹かれていきます。
ニ幕で期待するのは何と行っても闘牛士のエスカミーリョ。しかし、ミケーレ・ペルトゥージの演ずる闘牛士は、押し出しは良いものの、少し「メタボ」気味。あれでは牛には勝てない。カルメンが惚れるほどの「オーラ」もありません。そのことによって4幕でのカルメンがホセを待つことにも繋がっていて結果オーライでした。
3幕から4幕では、マザコンのホセが母危篤の情報に接して盗賊団を抜けてミカエラと共に帰省するものの、再びセビリアの闘牛場に現れてカルメンに言い寄り、最後にカルメンを刺し殺してしまうのですが、ヨナス・カウフマンは上手に演じていたと思います。二枚目でマザコンの駄目男のホセですが、ニ幕では上官に、そして3幕ではエスカミーリョに決闘を挑むし、本気になると「怖い」気質を持っているのです。カルメンはホセの正体を知って「死」を覚悟しました。
フラスキータ、メルセデス、ダンカイロ、レメンダードなどの脇も歌唱力があり重唱は素晴らしい出来栄えでした。難を言うと「メスト」のテンポです。歌手には好評かもしれませんが、もう少し落ち着いたテンポでやって欲しかった(特に3幕)。
2009年09月12日(土) |
さいたまシティオペラ「カルメン」 |
さいたまシティオペラの公演があることを知り、土曜日で色々やりたいことがあったので頑張って済ませ、後午6時からのさいたま文化センター大ホールで聞いてきました。昨年のさいたまシティオペラは「ピアノ伴奏版のコシファントゥッテ」でしたが、今年は25周年記念ということで大掛かりで、オーケストラ伴奏の「カルメン」を取り上げました。
A席の当日券が何枚か残っていたので2階席にしました。ところがこれが大失敗。私達の前の席の方(2人)が、転落防止用の手摺で舞台が見え難いのか、前に乗り出したり頻繁に頭を動かしたりします。なかなかオペラに集中できないので3幕から一階席の最前列に移りました。当日券A席の残りは少なかったのですが、実際には結構空席がありました。
さてオペラですが、なかなか「これが最高」という演技に出会えません。海外の有名な歌劇場(非常に高価)を観ないこともありますが、DVDやテレビ放送に関しても同じことが言えます。たぶんオペラ配役の「性格付け」が非常に難しいからだと思います。「ドン・ホセ」は「かなり頼りない部分を残すつつ、結構一途な二枚目」のキャラクターが必要です。「カレーラス」がぴったり。カルメンは「惹きつける魅力をもちつつ、正直で、頑固」であることが必要とされます。エスカミーリョは兎に角「強く、二枚目で、華やかさ」が必要です。この役にはまる歌手を探すことが難しいのでしょう。
今日の公演では、ホセの「大野徹也」さんが圧倒的に存在感がありました。幕が進むに連れて声が出てきました。3幕・4幕のアリアは素晴らしかったです。非常に真面目な「ホセ」を上手に演じていました。その真面目で一途なホセと対象的であるべきエスカミーリョは少し存在感が薄かった。酒場「リリアス・パスティア」で歌われる「闘牛士の歌」における目線の悪さは気になりました。カルメンは存在感があって、かなりの怪しい雰囲気を出していました。しかし「子音」の発生がはっきりしないので、せっかく日本語で演じているのに、台詞が聞き取れない場面が多くありました。
舞台作り、衣装とも良く作られていて、古典的な演出だからだと思いますが、非常に安定した舞台だった思います。オーケストラの弦楽器がもう少し音が出て打楽器・金管楽器が華やかな音を聞かせて欲しかったです。最初の序曲のシンバルはとても印象的なのですが、そこがどんな音を出すのかで、舞台への期待感が膨らみます。フィレンツェ歌劇場オケの打楽器軍の上手さを思い出しました。
会場には結構着飾った観客が目立ちました。「さいたま」でこういう文化が残っていることは良いことだと思います。
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