長渕剛 桜島ライブに行こう!
7万5千人を受けとめる舞台を見ましたか? (桜島ライブ7) |
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2004年08月31日(火)
『7万5千人を受けとめる舞台を見ましたか?』−桜島ライブ(7) text 桜島”オール”内藤
A-5ブロックのリストバンド。一度つけたら取れません。
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ようやくグラウンドから解放された僕らは、 長く足止めされたあせりから、 足早に溶岩道路を進んでいきました。
もう、グッズ売り場の様子も目に入りません。 後日聞いたところによると、 グッズ売り場の夕方以降の混雑振りは半端ではなかったとのこと。 グラウンドに足止めを食らったのは、 たぶんそのためだという話でした。 真偽のほどはよくわかりません。
それはそうと、 まだ、この時点で開演まで2時間近く残っているので、 今思えば、そんなにあせる必要はなかったのですが、 なにしろ、予想外のところで止められた。 この先も、会場内に入るまではどこで何があるか、 まったく油断できたものではないと思いました。 はやく、はやく会場に入って、安心したい。 これがこのときの心境でした。
どんなアクシデントがあったとしても、 剛登場に間に合わないという事態は、 けして許容できるものではありません。 1年以上前から、飛行機がどうの、 ホテルがどうのと話し合ってきて、 前日に鹿児島入りしているというのに、 開演に間に合わなかったなんてことになったら、 僕らはこの夏最大の愚か者になってしまう。
そういうわけで、走りたい気持ちではありましたが、 なにしろ道路は人でぎっしり。 このごに及んで、またしても、 列が動かなくなり、立ち止まらざるをえなくなりました。 まだグラウンドから2百メートルくらいしか歩いていないのに。
そうなってくるとあせる気持ちがまた大きくなる。 そんな気持ちに耐え切れない人が、 道路から外れた草むらの中を、 おぼつかない足取りで走っていっていました。
道路は右と左にわかれていました。 僕らは右の道路を歩いていたのですが、 ふと見てみると、 左の方が流れがいいように思えました。 最初は気のせいかと思ったのですが、 確かに左の方が流れているので、 途中から左に移りました。
その理由はすぐにわかりました。 やがてKブロックの表示が出たテントが、 右側の道路に見えてきたからです。 どうやら道路の途中で、チケットチェックが行われており、 ブロック別に色分けされたリストバンドを受け取るのです。 そういう、チケットチェックの第一ポイント、 それがこのテントと思われました。
ということは、右ではそのテントに並ぶ人がいるので、 僕らが目指すAブロックのポイントに早くたどり着くには、 左をずんずん歩いていくのがいいわけです。
確かに、左に移ってからは、快調に流れて行きました。 走るには人の密度があり過ぎましたが、 それでも早足であれば、気持ちよく進めます。 グラウンドで動こうにも動けなかった、 あの時間を考えると、 こうしてずんずん歩いていけることの気持ち良かったこと!
それにしても、やはり2キロの道のりというのは、 けっして短くはありませんでした。 Kブロックのテント・・・Jブロックのテント・・・ このように順番に現れてくるテントですが、 それだけにAブロックのテントが遠く感じました。
立ちっぱなし、歩きっぱなしで足は疲れているし、 Tシャツはフェリーに乗る前からずっとびしょびしょ。 額から延々と流れ続ける汗を、 すでに汗臭くなっているマフラータオルで、 さらにぬぐい続けます。 夜7時半をまわり、辺りは真っ暗です。 しかし、溶岩道路の蛍光灯が、 ずっと道路を照らしているので足下は確かです。
ようやく、ようやく、Aブロックのテントに到着。 チケット管理担当の友人が、 虎の子のAブロックチケットを2枚取り出し、 僕らはそれを見せてリストバンドを受け取りました。 そしてそれをガッチリと手首に巻きつけました。 左手首につけたのですが、やっぱり右にしようかなと思って、 付け替えようと思ったのですが、まったく外れないのです。
そういう構造になっているバンドでした。 取る時はひきちぎるか切るしかないというやつです。 まあいいやと左手首に巻いたまま、 僕らはいよいよ迫りつつある会場にラストスパート!
すると、道路の右側に、幻想的に浮かび上がる、
巨大な建造物に気がつきました。
一心不乱に先に進むことだけを考えて歩いていたため、 僕らの進む先には、会場があって、 そこにはステージがあるのだという基本的なことすら、 このときは意識から抜け落ちていました。
それで、一瞬、
なんで桜島にあんな建造物があるのか?
と、間抜けなことを思ってしまったのですが、 携帯電話でその建造物をカメラに収める人たちの姿を見て、 あっ、と我に帰りました。
それは、ステージセットでした。
過去に、東京ドームや、フジロックなどで、 息を飲むような巨大なステージを見てきました。 マイケルジャクソンや、ローリングストーンズなど、 特に海外の大物アーチストのライブステージは、 スタジアムサイズの巨大なものでした。
しかし、この地方都市鹿児島の、それも桜島に、 (僕らからすると)突如現れたステージセットは、 過去に見たすべての巨大ステージセットのすべてが、 オモチャにしか見えないような、 けた違いの物凄いものでした。
それは、ステージセットという言葉がまったくもって、 不似合いなくらいでした。 とりあえず、「要塞」と呼ぶのが、 イメージとしては近いのかなと思います。 その要塞が、ぽっかりと幻想的に桜島に浮かび上がる。 なんという非日常的なながめなのか・・・。 しばし、ここまでの苦難を忘れた瞬間でした。
その要塞を見ながら感動していた僕らは、 実は会場の入場口のすぐそばまで来ていました。 観光バスが何台か止まっていました。 ツアーの観客を運んでいたバスだと思われました。
バスだとここまで送ってくれるんだ・・・ と、一瞬、強烈にうらやましくなりましたが、 そんな気持ちは、入場口を前にした興奮が、 あっという間に吹き飛ばしました。
ゲートで簡単に荷物チェックを済まして、 リストバンドを見せて、
とうとう、
とうとう、
会場にやってきました!
僕は体中に、ぞくぞくするような震えを感じました。 苦労して会場に到着した感動・・・ のためと言いたいところですが、 そのような感情が沸きあがる前に、 ストレートに僕の感情に訴えてくる光景が目の前にありました。
7万人の大観衆が、大海原のように、 視界いっぱい果てしなく広がっていたのです。
続く
<次回予告> 身震いするほど・・・ではなく、実際、身が震えた大観衆。 桜島まで全国から集まってきた剛ファンたち。 剛の歌が好きな人間が、こんなにもいるなんて・・・。
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2004年08月30日(月)
『足止めの理由を知っていますか?』−桜島ライブ(6) text 桜島”オール”内藤
悪夢のグラウンドでの1時間半。 暑い、息苦しい、動かない、状況が見えない。 日が落ちて行くとともに、ライブまでの時間が迫ってくる・・・。
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世の中一寸先は闇とはよくいったものです。 まさかあんなことになるとは夢にも思わず、 汗だくではありましたが、 ライブへの期待で足取りは重くない。 前日も訪れたグッズ売り場のあたりまで、 歩道は混雑しているものの、 快調なペースで会場に向けて歩いて行きました。
グッズ売り場、今日は混んでいるんだろうな・・・ と思っていると、その直前で道路が封鎖されており、 右側の方に誘導されました。 その方向の突き当たりには、リハーサルの音を聞いた、 行き止まりがある、その方向への誘導です。
きっと、入場待ちの列を作っていたグラウンドを経由して、 会場に向かうんだろう・・・
そう思って坂を登っていくと、 そのグラウンドの手前にあるグラウンドに誘導されました。 グラウンドの一角に人が密集していました。 わけがわからないのですが、とにかくその辺りに行って、 ただ立っていました。
今でもわけがわからないのですが、 いったいぜんたい、なぜ僕らはあのグラウンドに、 いなければならなかったのでしょう?
僕らのまわりにいた人たちは、全員、 会場に向かう人たちでした。 僕らと同じく、何がどうなっているのか、 まったくわかっていないようでした。
うしろを振り返ると、 どんどんと人がグラウンドに入ってきており、 やがてまったく見とおしがきかなくなりました。 要するに、フェリーから降りてきた人たちが、 グラウンドにどんどんと入ってきて、 あっという間にグラウンドを埋め尽くしたのです。
徐々に密集の度合いが高くなり、 暑い上に、人の体温でますます息苦しくなっていました。 まったく身動きが取れないほどに密集度が高まってから、 ほんとうに、嘘のような、信じられないことですが、
それからの30分間に、 僕らが進んだ距離は、 ほんの1メートルほどだったのです。
つまり、3歩しか歩いていない。 すでに時間は7時近く。 人の頭しか見えないので、 僕たちがおそらく進んでいくと思われる、 多くの人が体を向けている方向の先のほうが、 いったいどうなっているのか、 まったくわかりませんでした。
その先もずっと人が詰まっていて進まないのか、 それともなんらかの理由で、 道路が封鎖されているだけなのか、 そうだとしたら、いったい何を待っているのか、 なんの情報もないため、 なおさら、あせりの色が濃くなってきました。
まだ2キロほどの道のりが会場まではあるのです。 30分で3歩では、とうていたどりつくはずがありません。 予定では、7時から郷土芸能が始まっていると思われました。 会場には余裕でつくはずだった7時に、 僕らはなぜかグラウンドで1時間以上、立っているだけでした。
苛立ちを鎮めるために、持って行ったラジオを取り出し、 地元のFM局で7時から1時間放送していた、 剛のスペシャル番組を聴きました。 「さよなら列車」などの剛の懐かしい曲が、 僕らの置かれた状況とはまったく関係のない、 桜島周辺の道路情報などのニュースを挟みながら放送されていました。 近くの人が、
「8時になっても、このままだったら、 全員で暴動を起こしてでも、 突破するしかねえ」
と話していました。 確かに、8時がタイムリミットだと思いました。 そうなったら、やるしかない、と覚悟を決めました。 これだけガッチリ列が動かないということは、 流れが悪くなっているのではなく、 封鎖されているためであることは明白でした。 いったいどの辺りで止めているのか、 この時点ではまったくわかりませんでしたが、 9時のライブ開始に遅れるくらいなら、 どんな理由があろうとも、突破するしかないのです。
ようやく人のかたまりが先に進み出したのは、 7時半を過ぎてからでした。 幸いにも、すんでのところで、僕らは暴力に訴えることなく、 グラウンドを出ることができました。
状況的にはギリギリだったと思います。 本当に解放される直前、僕らはグッズ売り場前のあたりで、 最後の封鎖に会いました。 このとき、最初にグラウンドに誘導されたときに 封鎖されていた大きな道路を、 観客と思われる人たちがすり抜けているところが、 何度も見えました。
これを見て、何人かの観客は、怒声を飛ばしました。
「なんであいつら通ってんねん! ルールを守れ! お前ら(スタッフ)どうして止めねえんだよ!」
さんざん待たされたあげくに、 スタッフTシャツもなにも着ていない人たちが、 自分たちが通されなかったところを、 足早にすりぬけていくのが目の前で見えるのですから、 キレるのも無理はありません。
ひょっとしたらスタッフパスをつけていないだけ・・・ という可能性もあると思い、僕はこらえましたが、 もし、グッズのバッグを抱えて通って行くような、 明らかな観客が通り抜けていったとしたら、 ゼッタイに我慢できなかったと思います。 ルールを無視したやつらが、 ライブのほんの1時間前にやってきて、 明るいうちから身動きできずに耐えていた僕らより、 先に通って行くなんて、到底許すことはできませんから。
このような艱難辛苦に耐え、満員電車のような状態で、 足を何度も何度も踏まれ、 固いクーラーバッグを押しつけられ、 昨日買ったばかりのTシャツに泥をこすりつけられながら、 押し合いへし合い、僕らはグラウンドを出たのです。
もう、へとへとでした。 いろいろと対策を練って体力を温存してきたのに・・・ いや、温存してきてよかったのかもしれません。 そうでなければもっと疲弊していたに違いないから。
ぎっしり詰まった会場までの道を、 詰まっているだけに駆け足で進むわけにはいきませんが、 僕らは足早に会場に向かいました。 まだ1時間ある、と楽観する気分にはなりませんでした。 まだ、チケットを見せるポイントがあり、 そこでも場合によっては混雑があるかもしれないのです。 それに、横浜赤レンガでのライブのときのように、 開演ちょっと前に、剛登場の演出のために、 入場が止められるという苦い過去の経験もありました。 それに会場に入ってからも、ブロックに入るまでは、 なかなか容易ではないと予想されました。 東京ドーム3個分の敷地なのです。 僕らの入るAブロックは、入場口から一番遠い場所にあるのです。
おまけに、あれだけ長時間グラウンドで待たされ、 あまりにも暑くて水をずいぶん飲みました。 ライブの前にトイレにもゼッタイ行きたいし・・・ もう、開始前から幾多の困難が立ちふさがっているような気分です。
それにしても、なぜ、僕らはグラウンドにあれほどの長時間、 待たされつづけたのか? その先にはグッズ売り場があるけれど、 グッズ売り場への入場を制限したいなら、 グッズを買わない観客は通してくれていいはず。 ちょっと止めるならまだ理解できるけど、 1時間半も止めたというのがなんとも不可解で・・・
いずれにしても、 リラックスした気分はまったく消し飛び、 抜き差しならない、ライブ当日の桜島。
「剛が待ってるぞー。 泣くな、泣くな、 たかだかそんなことで!」
ホテルを出るときにかかっていた曲名をもじって、 自分に言い聞かせるように、 友人がつぶやきました・・
続く
<次回予告> ついに会場に到着! かつて見たステージセットのすべてがオモチャに見える、 巨大な要塞が、桜島の暗闇の中に浮かび上がっていました。
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2004年08月28日(土)
『行列に並ぶのは嫌ですか?』−桜島ライブ(5) text 桜島”オール”内藤
会場への入場待ちの列ではありません。 フェリーに乗るために並ぶ人々。
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桜島ライブ前夜、僕らはできるだけ遅くまで眠りませんでした。 剛のベスト(自作)をかけながら、 コーラを飲んで語って、たぶん3時くらいに眠りました。 起床はお昼過ぎでした。
こうした人は、前日に現地入りした人には多かったと思います。 言うまでもなく、オールナイトライブに備えた作戦でした。 ライブは夜始まり、朝まで続く。 だから、できるだけ前日は遅くまで寝て、 ライブ中に眠くなるのを避けようとしていました。 そのための、前日鹿児島入りでした。
さて、問題はこのあとです。 僕は当初、午後2時頃に桜島に向け出発することを考えていました。 フェリーがどのくらい混むかの予想がつかなかったからです。 一方、友人は、
なんと午後5時の出発を主張。
彼の主張の根拠は、 前日グッズを買いに桜島に渡った時のフェリーのキャパシティでした。 3フロアに渡って、人が乗れるところがあり、さらに、 一番下のフロアの自動車を載せるところにも人を入れれば、 一度に500人近く乗るだろう。 6隻のフェリーがピストン輸送するとのことでしたので、 1隻あたり、10往復くらいの運送で、 ピークのときの観客も運べるはず、と言うのです。
なるほど、それは一理ある、と思いました。 車両スペースは、観光バスでも収容できる大きさがあるのです。
それに、5時に出発しても、2時間くらいで到着との読みがありました。 フェリーで1時間待って、会場入り口でどんなに混雑したとしても1時間、 合計2時間の待ち時間、これを超えることはいくらなんでもないだろう。 だから、遅くても7時くらいには到着できるはず。 9時から始まる剛の登場に遅れることはないと考えました。
僕らは、友人の案を採用し、午後5時に出発することにしました。 なにしろ外は歩いているだけで体力を消耗する暑さ。 遅い出発ほど、ライブに向けての体力温存となります。
さて、この日、もう一つの懸念材料に、天気がありました。 鹿児島に来てから、どうも天気があやしくなっていました。 ちょっとの雨は覚悟しないといけないかもしれない。 そんな予報に変わってきていたのです。 僕はカッパを買うべきかどうか、迷っていました。 迷いつつ、僕らは昼食を取るため、 また天文館の繁華街に向かいました。
定食を軽めに食べて、レストランを出ました。 すると、あろうことか、雨が降り出していました。 それも、かなりの強さでした。 雨は、僕らがアーケードに沿って歩いていくあいだも、 どんどん強くなっていました。 アーケードが終わり、 濡れながらでなければ先に進めないところまで来て、 僕らは足止めをくらいました。 走ってホテルに向かったとしたら、 間違いなくずぶ濡れになるような、 文字通りのどしゃ降りだったからです。
昨晩、桜島のグラウンドで入場待ちの列に並んでいた、 あの人たちは、いったいどうしているだろうと思いました。 12時に開場だったはずですので、 もう会場入りしているはず。 きっと、このどしゃ降りに逃げる場所もなく打たれているはず。
会場の地面はどうでしょうか。 泥の海となった会場を想像しました。 それよりもなによりも、この雨は止むのか? いくらなんでもこの強さで降り続けることはないと思いましたが、 ライブ中もしとしとと降り続く予感はぬぐえませんでした。 あと7時間もすればライブが始まるというのに・・・
僕らは、悶々とした思いを抱えながら、30分以上、 強い雨が叩きつける天文館交差点の道路を見ながら、 立ち尽くしていました。
剛の、7万人の観客たちの願いが通じたのか、 やがて徐々に雨は小降りになり、 急速に天気が回復してきました。 とうとう、太陽まで顔を出して、 湿気を含んだムワッとした空気が充満してきました。
僕らは、ホッと胸をなでおろしてホテルに戻りました。 きっと、ライブ前に雨雲が雨を全部放出しておいたのだと思いました。 途中、桜島に持って行く食料を買い込みました。 水を4リットル、カロリーメイトや、グロンサン内服液、 アンパンやクリームパンといった、食べやすいもの、 飲みやすいものを買いました。 カッパを買うのはやめておきました。
それから、食後の休憩を兼ねて、 2時間ほどホテルで剛の曲を聴きながらのんびりと過ごし、 午後4時半に桜島フェリー乗り場に向かいホテルを出ました。
ホテルから徒歩15分でフェリー乗り場に着いたのですが、 僕らはまたフェリー乗り場からずっと離れたところまで、 歩いて行かなければなりませんでした。
思うに、今回の桜島ライブというイベントが、 いつ始まったのか?という質問に答えるとしたら、 おそらく、このフェリーの列に並ぶときからスタート。 そう考えるのが自分では一番納得がいきます。
長渕剛 桜島オールナイトライブ、 長い長いイベント、いよいよ幕開けです。
フェリーに乗ろうとする人たちの列が、 階段をずーっと降りて、 さらに川に沿って列が延々と伸びていき、 その列の最後尾に並ぼうとする人たちの歩く列が、 フェリー乗り場周辺から伸びているのです。
フェリー乗り場が見えなくなるほどに遠くに来て、 やっと列の最後尾に並ぶことができました。 ジリジリと照りつける雨上がりの太陽の下、 ひたすらフェリー乗り場まで列が進むのを待ちました。 日差しが強いので、 日射病を恐れて頭にタオルなどをかけている人がたくさんいました。 僕らもマフラータオルで頭をカバーしながら、 無言で耐え続けました。 野球で言うなら、まだ1回表。 まだ12時間以上も闘いは続くのですから。
フェリー乗り場までやってきてから1時間が経過して、 ようやくフェリーに乗ることができました。
フェリー乗り場に着いて5分後には海に出ていた、 昨日とはまったく状況は変わっていました。 しかし、フェリーの回転率は見事なものでした。 2ヶ所の乗り場に、入れ替わり立ち替わり、 ピストン輸送で回ってくるフェリーに、 次々と観客たちが吸い込まれて行きます。
2ヶ所のうち、1ヶ所では、車両を載せていましたが、 もう1ヶ所では、車両のフロアにも人をぎっしり乗せて、 船が沈むんじゃないかと思うような状態で出航していました。
僕らも車両を乗せないフェリーで桜島に向かいました。 到着したとき、すでに時間は6時です。 前日、僕らを迎えてくれた剛の大看板はなぜか取り外されていました。 予想に過ぎませんが、おそらく記念写真を撮るために、 人の流れが悪くなると考えたのではないかと思います。
さあ、あとは会場に向かうだけです。 まだまだ明るい桜島。歩道いっぱいの人たちと共に、 悪くないペースで歩いて行きました。 暑くてすでにTシャツは汗でびっしょりでした。 ツアーグッズのマフラータオルが大活躍していました。
会場までの道のりは、確か溶岩道路という名前の道を、 2.5キロという距離だったはずです。 多少の道の混雑や、入場時に時間がかかるとしても、 7時にはどうにか会場入りできると思っていました。
それが、まさか、
30分で3歩しか進めない・・・
そんな悪夢のような状況が待っていようとは・・・
続く
<次回予告> 会場への道路が封鎖され、 溶岩グラウンドで、1時間半の足止めを食らう・・・ ぎっしりグラウンドを埋め尽くした観客、見えない状況にあせる心。
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ライブ前夜、はやる気持ちを抑えられますか? (桜島ライブ4) |
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2004年08月27日(金)
『はやる気持ちを抑えられますか?』−桜島ライブ(4) text 桜島”オール”内藤
天文館で、太陽が待ち切れない人たち。ライブ前夜の夜は更けていく・・・
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リハーサルの音がやむと、 シーンと静まり返った桜島でした。
僕と友人は顔を見合わせました。
「どうする?聴く?」と友人。
「・・・・」と僕。
このとき、すごく悩みました。 ライブでやる曲は、やはり当日の楽しみにしておきたい。 すでに聞いてしまった『孤独なハート』は、 ZEPPですでに演奏しているので、 桜島でやるだろうことは薄々わかっていたのでいいのです。 でも、まだ聴いていない曲がこのあと演奏されたら、 明日の楽しみがなくなってしまいます。
悩んでいるうちに、また音が出始めました。 どうやら、僕らが到着した時点で、 『孤独なハート』のリハーサルは終わったようでした。 演奏されていたのは、別の曲でした。 はたして、ZEPPで演奏されていない曲が演奏されてしまいました。
『激愛』でした。
「おーっ、激愛!」
思わず大きな声を出してしまいました。 とりあえず、始まってしまったので、 聴くしかない、と思いました。
その『激愛』は、 まぎれもなく『激愛』なのですが、 観客を入れたライブで歌うときの真剣度を100とすると、 60くらいの感じで歌う『激愛』でした。
バンドとのタイミングを合わしたりといった、 いろんなチェックをしながらの歌唱になるので、 あの、切々と歌う『激愛』とはちょっと違った感じでした。
明るい空の下で、ちょっと軽めの『激愛』。 悪くない・・・というか、けっこう気持ちいい。
「明日は一晩中、ライブなんだから、 ほんの一部くらい聴いても大丈夫じゃない?」
そう言うと、僕と友人は桜島の大地に腰を下ろして、 演奏を止めては繰り返される『激愛』に耳を澄ましました。
だいたい1時間半くらいのあいだ、 そうやって僕らはリハーサルを聞いていました。
『激愛』に続いて『ガンジス』が演奏されました。 友達と剛に関する雑談をしながら、 『ガンジス』の生演奏に耳を傾ける・・・ 目の前に広がるのは桜島の自然と空。 なんという贅沢な時間でしょう。
一番興奮したのは、まさかまさかの選曲の、 あの曲が演奏されたときでした。
『スタンス』です。
このときばかりは、思わず大声で、
「マジで!! うわー、スゴイ! これ、明日めちゃくちゃ盛り上がるよ!」
と言ってしまいました。 『スタンス』はアルバム『Hungry』に収録されている、 すごくカッコいいロックナンバーです。 ライブで聴いたことはこれまでまったくありませんでした。
リハーサルとはいえ、大興奮してしまった『スタンス』。 剛は、この曲をライブのハイライトのひとつとして、 用意しているのだということがやがてわかりました。
なぜかというと・・・・
ものすごく入念に、 リハーサルをしていたからです。
何度も何度も演奏を止めて、指示を出し、 何度も何度も繰り返し演奏し、歌っていました。
このままずっと聴いていたいという気持ちはありました。 でも、たぶん重要な曲が最終調整されている、 ということは十分に感じました。 それだけに、このまま聴き続けたとしたら、 今回最大に楽しみにしている 『Captain of the Ship』 が演奏されてしまう可能性があります。
これをやるのか、やらないのかは、 単なる選曲以上の意味を僕は感じていました。 はたして、翌日これを演奏するのかどうかは、 桜島ライブ最大のビッグクエスチョンだと思っていました。 だからこそ、この日にその結果を知るような事態だけは、 何が何でも避けなければなりません。
「これ以上は、危ないから帰ろう」
そう僕が言うと、友人も、 僕が意図していることを理解したようでした。 心の中で、声はすれど姿は見えない剛にむけて、
(じゃあ、剛、また明日・・・)
とつぶやいて、僕らは腰を上げました。
フェリー乗り場方面に向かう僕らの背中を、 延々と繰り返される『スタンス』をシャウトする、 剛の声が追いかけて来ていました。 それはフェリー乗り場でもかすかに聞くことができました。 剛は夜になってもリハーサルを続けていたそうですので、 あのあともたくさんの曲を歌っていたはず。 それにしても、いったいどのくらい長くやっていたんでしょう? 『スタンス』を・・・。
フェリーに乗り、振り返って島を見ながら思ったのですが、 桜島はなんともきれいな島でした。 こんなきれいということは、 あまり普段は観光客が来ていないのかな・・・と思いました。 ホテルに戻ったときに、桜島がきれいな島だったことを、 ホテルのフロントの人に話しました。
すると、フロントの人は、
「ボランティアの人が島の清掃をしたそうですよ。 長渕剛のコンサートがあるからって。」
と言いました。
ちょっと・・・いや、かなり、嬉しくなりました。 鹿児島のあたたかさを感じました。 おもてなし、という気持ちを久々に感じたのです。
ホテルで一休みした僕たちは、 夕ご飯を食べに、天文館の賑わった通りに出かけました。 もう、陽はすっかり落ちて暗くなっていました。 いたるところにギターを鳴らして剛の唄を歌う人たちがいました。
中でも、アンプも通して、迫力ある演奏をしていた人たちの前では、 20人くらいの人が歌を聞いていました。 『Keep on Fighting』を歌っているのを僕たちも聴きました。 それから、食事を取らなければならないので、 彼らの演奏場所から離れて、レストランを探しました。
天文館には、「白熊」という名前のかき氷や、 僕のすきなハーゲンダッツのお店があったりしたのですが、 冷たいものは万が一お腹を壊すといけないと考え、 無難な和食のレストランを探して、 がっちりエネルギーを補給しました。
そしてレストランを出て、またホテルの方向に戻って行くと、 さきほど演奏していた人たちは、 ますます最高潮で演奏を続けていました。 なんと観客は食事前の3倍くらいに増えていました。 みんなまるで剛のライブを見ているかのように、 一緒に歌っていました。
曲は『桜島』。
「オーオオオオー オーオオオオー」 と声を合わせて歌っていました。 僕らもしばし耳を傾けました。 そして、次の曲は『しあわせになろうよ』。 女の子の悲鳴のような歓声があがりました。 みんなで大合唱していました。
明日が待ち切れない・・・ 桜島ライブ前夜、天文館の街中に、 いつ終わるともしれない演奏と歓声が続いていました。
続く
<次回予告> ついにきた、決戦の日、8月21日。フェリー乗り場の長蛇の列。
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生まれ変わるなら 生きてるうちですか? (桜島ライブ1) |
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2004年08月23日(月)
『生まれ変わるなら 生きてるうちですか?』−桜島ライブ1 text 桜島”オール”内藤
2004年8月21日の桜島、忘れられない場所、時間、記憶・・・
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8月23日午後11時。 今、僕は東京の自宅でパソコンに向かっています。 先ほど、鹿児島から東京へ、そして自宅へと戻ってきたところです。
始まり、そして終わった桜島オールナイトライブ。 今だ、自分の中ではこのイベントを消化しきれていない気がします。 いろんなことが、この2日間にはあり過ぎて・・・ 無我夢中でたどり着き、 無我夢中で憤り、耐え、叫び、歌いました。
今回の桜島ライブは、 たぶん掲示板を見たら、喜怒哀楽、これでもか、 と議論百出、書いてあることと思います。 75000人が、75000とおりの、喜怒哀楽を感じていると思うから。 ちょっと、そういうのは見るのを我慢して、 この桜島回想記を書いてみようと思います。
なぜならば、このイベントには、 僕がこれまで足を運んだことがあるイベントとは、 まったく異なる点、明かに異なる点がひとつあったから。
それは、 『自分』のイベント だったということ。
『自分』、『自分』、『自分』でした。 今、僕もいろんな思いが交錯しているのですが、 確かなことは、自分のイベントだった、ということ。 75000人が参加しているイベントでこう言うのも変ですが、 この桜島ライブが何かと言ったら、それしかない。
僕はイベントに行くのが趣味というくらいの男で、 ほんとうに、何百というイベントに足を運んでいます。 それらの多くはコンサートなのですが、 お金を払って、チケットを買って、 会場に足を運び、何時間かのショーを楽しみます。 それでひとときの愉しみを得て、家に帰る。
趣味なのですから、それでいいのですが、 あくまでも『与えられる楽しみ』です。 自分でつかみとるものではなく、 与えられるエンターテインメント。 それをお金を出して買っている。
ある意味、商品を買っているようなものなので、 構成が悪かったり、レベルが思ったほどでなければ、 なんだよと文句も言いますし、 いいライブであれば、最高だった!と誉める。 楽しかった、楽しくなかった、それが全て。
剛のライブでも、それは同じことだったと思います。 ステージでは、剛が趣向を凝らしたパフォーマンスを見せる。 僕らは、「つよしーっ!」と叫んだり、 お決まりの曲では拳を振り上げたりはしますが、 そういうものはあくまで、演出というもので言い表せる、 アーティストと観客のやり取りに過ぎない。 極論してしまうとそういうことで、やはりこれも、 面白かった、面白くなかった、という世界の話でした。
しかし、今回の桜島ライブは、 趣味として観ている気はまったくしなかった。 パフォーマンスを楽しみに来たという気はまったくしなかった。 演出に参加している気はまったくしなかった。
それは面白いかどうかというものじゃない。 運営がどうのこうのというものじゃない。 演出がどうのこうのというものじゃない。 マナーがどうのこうのというものじゃない。
いろんなことがあって、 怒ったり、ときにはキレそうになったり、 興奮したり、ほろっときたり、 呆然としたり、安堵したり、 まだまだ!と思ったり、 もうダメだ!と思ったり・・・ とてもじゃないが、この混沌とした思いを、 文章にする力はないけれど、 ところどころに矛盾があるかもしれないけれど、 なんとか、できる範囲で、 忘れないうちに書いておきたいと思います。 「桜島に行こう!」日記を完結させようと思います。
とにかく、 言いたいことのひとつは、
『自分』のイベントだった、ということ。 ただの傍観者ではなく、全力を尽くしたということ。
そして、もうひとつは、
このイベントに参加できて、 ほんとうに、ほんとうに、 しあわせでした。 年をとってボケたとしても、 この日のことは、 きっと忘れない。
これが、偽らざる、今の気持ち。
次回から、僕の見てきたこと、 感じてきたことをすべて書きます。
ライブ前日、初上陸した桜島、 まだ完売前のツアーグッズ販売所、 音だけ聞けたリハーサル、 当日午後のどしゃ降りの雨、 フェリーに乗る前の大行列、 1時間半足止めを食ったグラウンド、 3時間かけてたどりついた会場、 身が震えた75000人の大観衆と 巨大な要塞のようなステージセット、 ブロックから溢れた観客たち、 開演から演奏開始まで20分を要したオープニング、 ライブの演出の枠をはるかに超えた 10分にも及ぶ豪華な打ち上げ花火、 ハーレーでKブロック通路から登場した剛、 ZEPPと同じ一曲目『勇気の花』、 ほろっときた『逆流』と 思いのほか早かった『とんぼ』と『勇次』、 トイレまで往復30分の休憩時間、 前方ブロックに侵入する一部の後部ブロックの観客、 剛コールに迎えられることなく再登場する剛、 ゼップで聴けなかった『スタンス』『こおろぎの唄』、 ゼップでやったけど演奏されなかった 『碑』『愛してるのに』『Hold Your Last Chance』、 帰りの混雑を心配し、第2部終了後にブロックを離れた観客、 剛の声がつらくなっていた第3部、 空が白々してきた中での轟音『桜島』、 『何の矛盾もない』を苦心の表情で歌い 期待に応えてラストに持ってきた『Captain of the Ship』、 晴れた空に山頂から顔を見せた朝日、 炎天下に一向に進まない退場の列、 何度かやってきた救急車、 ライブ終了後4時間続いたフェリー待ちの列、 足を引きずりたどり着いたホテル、 何リットルもの汗を吸い込んだTシャツと 12時間に渡り、始終汗をぬぐった ツアーグッズのマフラータオル・・・
濃密な、濃密な、あの日あのときのすべてを、 『自分』のイベントなので、 思う存分、個人的に・・・
続く
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2004年08月19日(木)
『新しい船の舵をとるのは誰ですか?』 text 桜島”オール”内藤
桜島の船着場にライブ前日まで掲げられていた巨大看板。
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◆2004年 桜島オールナイトライブ 直前◆
70年代、80年代、 オールナイトライブと言えば、 ある方の独壇場的雰囲気がありました。
吉田拓郎です。
もちろん僕は、年齢的にも、 そのライブに行った経験があるわけがないのですが、 彼がやった、3度に渡る伝説的オールナイトライブを、 ビデオで見たことがあります。
最初のつま恋で行ったオールナイトライブは、 特に壮絶。 当時の日本のライブ記録となった5万人が集まり、 『人間なんて』の熱狂の凄まじさは、 日本音楽史上に燦然と輝く名場面です。
回を重ねるごとにタフになっていって、 最後の『ワンラストナイトつま恋』では、 最後の曲まで余裕を持って歌っているように見えました。
そんな吉田拓郎も、もうオーバー50。 今は普通のコンサートツアーを、 年に一度10〜20ヶ所くらいやっています。
ところが、 ご存知の人は多いと思いますが、 拓郎は昨年ガンを患い、ツアーをキャンセルしました。 しかし、病気を克服し復活。 延期されていたツアーをやりとげました。 そして、今年、またツアーを始めたのですが、 8月3日、中野サンプラザの公演の途中で、 貧血を起こし、 ステージに倒れ込みました。
このニュースは、拓郎、ステージで倒れる! とのショッキングな見出しで報じられました。
突然ステージに座り込んだ拓郎は、 スタッフに抱えられてステージを降り、 約20分に渡り、ライブは中断。 ガンによる闘病の記憶覚めやらぬこともあって、 客席は騒然となったそうです。
そして、次の山梨公演を、 体調不良からキャンセル!
オールナイトライブの代名詞、 吉田拓郎も、いよいよ健康面が心配になってきてしまった。 不謹慎ながら、ニュースを見た僕は、 あと何回ツアーで見ることができるだろうか・・・ ということも考えてしまいました。
そして、まもなく、 我らが剛が、オールナイトライブに挑みます。
拓郎のオールナイトでは、常にゲストが多数出演していました。 拓郎のライブの途中に、彼らの演奏が入るので、 それなりに休むことは可能でした。 しかし、剛のライブには、今のところ、 ゲストが出演するというニュースはありません。 たった一人(+バンド)で、 8時間とも9時間とも言われている、 真夏のオールナイトライブを敢行することになりそうです。
それにしても、かつての王者、 拓郎が倒れたニュースがあった、その月に、 剛がオールナイトをやるというのは、
あまりにも象徴的すぎる。
一種、運命的なものを感じます。
とにかく、とにかく、ついに、 とうとう、明日、鹿児島へ向けて出発します。
今日も、剛のアルバムをたくさん聴きました。 『Captain of the Ship』を聴くと、 もう、血が騒いで仕方ありません。 ほんとうに、こんなに胸を躍らすイベントに、 参加できることは、この夏一番の幸せです。
間違いなく、 一生忘れられない夏になることでしょう。
予定では、この桜島ライブの詳細レポートを、 書き尽くすまで、たぶん10日間以上に渡って、 書きつづけることになると思います。
ライブに行った人は読むまでもないと思いますが、 残念ながら、今回行けなかった人、 それから、剛のファンではないけど、 このライブに興味がある、という人に、 ぜひ読んでいただきたいと思っています。
それでは、
夏の夜、朝まで、 めいっぱい楽しんできます!
ライブ後につづく
<次回予告 桜島ライブの満身レポート!>
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