即興詩。即ち書きだめ。

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2002年06月14日(金)


さよならよりもまたねが良い




箱の側面が開いた
長い廊下の向こうに
小さな個室で談笑が賑わう

一歩先は
ともすれば孤島
もしくは

記憶に残すことを強要できない
嘆願で植えつけた鮮やかな華の種はすぐに
咲くこともなく重い鍵がかけられるのだ


こうして僕たちは
それと気づかず最後の時を迎えた
驚くほど穏やかに 朗らかに









* * * *







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2002年06月10日(月)


背中も知らない



想う度溢れる涙をどうか笑わないで下さい。
私は抑える意志すら持ち合わせていないのです。


まだ背中も知らないあなたの
声は意外と低くて太い
独特な間に引き込まれて
私は言葉を見失う

かなしく、かなしくなったときに
手を差し伸べられる位置にいたのは
3歩先で可愛く笑うウェーブヘア



欠けた穴を補充する為の恋愛はしていない


塞き止められない感情をどうか咎めないで下さい。
何もかもを越える力など欲してはいないのです。






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2002年06月07日(金)


サイキック




誰かの物差しを
この胸に巣食わせることだけは避けたい


喜怒哀楽が翼を手に入れる前に
何としても対等な立ち位置を


あの子が最近夢中になってる
サイキックな世界は
支離滅裂の渦巻きと変わらないのじゃないか


紙一重、
何処かで踏み切りを間違えた、
振り返らなくていいよ、
どうせ背後には誰もいない





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2002年06月06日(木)


症候群



お前が
鳴いても
籠から出してくれる人なんていないよ

ずいぶん髭を伸ばしたね

血で
自己主張してご覧
あまりの鮮やかさに
リポーターが興奮した

黙っていても
詩は
書けるだろ

その口が詠うのはさながら誰かの影法師


そういう風に
扉を開けばいいのさ






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2002年06月02日(日)


ねじれる、イメージ



改札へ向かう階段
曲がるあの刹那の
苦しい動悸は

いつまでも忘れられない
悲しい詩に似ているのだ
おそらく

なのだ


駅を出ても
真正面を向いてはいけない
きっと魅せられてしまうから
夏の日の衝撃に



僕はもうすぐ言葉を紡がなくなる
あぁ君に
僕の大好きなフレーズを教えてあげよう
階段を上ったら
4番線を振り返らずにおいで





* * * *







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2002年06月01日(土)


走。




たとえば今日の次に来る景色が
何の変化も見出せないものだとしても

お願いだから
あの子のところへ走っていったりしないでね



ふと気づいて振り返る
猫の鳴き声、上手くなったでしょう



所有権?

辞書を引いてご覧
載ってやしないから






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