非日常かもしれない日々
彼はずぶ濡れでやって来た。
雨の中、バイクに乗ってきた。
あたしは思い切り彼を抱き締める。
今日は、みなとみらいのホテルでランチを食べようって彼が言っていたのに、雨が降っているから止めた。
あたしは彼の為にパスタを茹でる。
寄り添ってビデオを見るあたし達。
本当は今日、心療内科を予約していたのだけど、彼と過ごす時間を取った。
薬よりも彼に頭を撫でてもらう方が効果的。
キスよりもSEXよりも頭を撫でてもらうのが一番、気持ちがいい。
彼の胸の中に顔を埋めて、たまに彼の顔を見ると物凄く優しい目をしている。
「疑い深い性格だ」と彼はあたしを笑う。
彼が向こうに行ってしまったら連絡が来ないんじゃないかとか、本当は騙されてるんじゃないかとか。
「そんな事をして俺に何のメリットがあるの?」
ないなあ。どんなに振ってもあたしからは現金は出てこない(笑)
そう言えば昔、好きな人を疑いすぎて、縁を切られたっけ。
「俺を信じられないなら絶交だ」って言われたっけ。
夕方から彼は仕事に行った。
8時過ぎに急に電話が来る。
1分位、他愛のない会話だけ。
「明日は1日、仕事が入っているけど土曜日は朝から仕事に行かないでね」って彼は言う。
こんなに毎日会っていて、これからが心配。
寂しがり屋のあたし達。
「あたしも浮気していいの?」って言ってみたら
「自分のやりたいようにやれば?」だって。
あたしが絶対に浮気をしないと思っている。
「本当に浮気していいんだ?」って聞いたら
「お前は浮気したって、俺の所に来るんだろ?だからいいよ」だって。
いつも一緒で、いつも抱き合っていて、人前でもベタベタしてて、話も合って、気も合って、いつも夫婦漫才みたいに言い合っていて、こんなに仲がいいのに、どうして離れて暮らさなくちゃならないんだろう・・・
今、あたしに必要なのは薬でも医者でもなく、彼の温もりだけなのに。
彼に頭を撫でられれば、それだけで安心できるのに・・・
遠距離恋愛決定・・・
「遠距離は出来ない」って常に言っていた彼が
「やってみるか・・・」って。
彼曰く
「今までの女とは1週間か2週間にHする位。そのたびに相手は違ったし(おい!)でも、お前とは毎日のようにHしてるよな〜」
あたしも同じように思っていた。
「今まで毎日してたんじゃないの?」
「違うよ。お前が特別だよ!やばいな〜。一人の女と毎日Hするなんてさ。俺が・・・」
「お前とキスしただけでたっちゃうんだよ。」だって。
いつも日本中を移動している彼。
たまたま横浜が長かったけど、愛知なんて田舎だから長いとは思えない。
彼も
「俺は横浜が好きだから、こっちが忙しくなったら戻ってきたいし・・・」
あたしと別れるなんて考えもしないって・・・
とりあえず良かった・・・・
「今までの女は普通の子だったろうけど、あたしは風俗嬢だから毎週、あんたに会いに行くくらいの金は持ってるからね!」って言っておいたし
「どうせ横浜なんて嫌いだし、仮住まいだからついて行ったっていいし、名古屋で働いてもいい」って行っておいた。
彼は横浜では会社の事務所で寝起きしていたが(最近はあたしの家)
「あっちでアパート借りてもいいしね。そしたらお前が来れるし」って。
愛知での仕事が早く終わって横浜に帰ってくるのが一番いいけど・・・
昼過ぎ、彼からの電話で起こされる。
ほどなく彼はやってくる。
いつもとおり、あたしたちは求め合う。
外からは主婦達の井戸端会議や子供達の嬌声が聞こえる昼下がり・・・
その後、あたしたちはデパートで食事とデートした。
そう言えば初めて一緒に買い物をするかもしれない。
「お前は財布は置いていけ。また余計な物買うから」って言われたけど、あたしはCDを3枚も買う。
呆れ顔の彼・・・・
10代のカップルみたいにベタベタ寄り添い歩く・・・
でも仕事に行く時間が迫る。
あたしは彼の手を強く握る・・・・
「仕事サボっちゃおうかな」
「馬鹿、ちゃんと行きなさい」
遅刻していこうかとも悩む。
そんなあたしを見て
「葛藤してるな〜」って笑う彼。
毎日のように会っているのに
「バイバイ」を言うのが辛い・・・
でも仕事の帰り、1時間だけデート。
昨日の日記に書いた「カップル喫茶」(笑)
何かHしてるカップルがいたわ。
そこで商売している女もいた。
あたしはジョッキ2杯も飲んだ。飲みに来たのか?あたしは・・・
明後日、彼は家に来るという。
あたしたちはまだ何も具体的な事は話さない・・・・
彼は言う
「誰が見たって仲良しだよな。俺達」
昨日までの1万円の負けがわからなくなるほど、彼はあたしにキスの嵐。
タクシーに乗る前にもキスをする。
やっぱり取り越し苦労だった。
彼は前と同じで風邪で寝込んでいた。
彼は酷い咳をして酷い鼻声だった。
彼は電車で帰って来てまっすぐに、あたしを迎えに来てくれた。
予定より1日早く帰って来た。
あたしの腕をチェックして
「これ以上やったらゲンコツだからな」って。
あたしは彼が持っていた、スポーツバッグを持つ。
「何か”プチ家出少女”と”ホスト”みたいだよなあ。」って彼。
あたしたちはホストか風俗関係者しかいないような、真夜中の曙町で手を繋いで歩く。
見るからに「風俗嬢」と「ホスト」だ。
あたしは彼に貢いでもいないし、ホスト時代の彼なんて知らないけど。
でも、もしかして彼は来月から愛知に行ってしまうかも。
うどん屋で
「来月は横浜はやばいよ。破産しちゃうよ」
「じゃあ、こっちでホストやんなよ。誘われてるんでしょ?」って私。
「今更、ホストか・・・」
それきり、あたし達はその事についての話を止めた。
いつも通り、あたしたちは抱き合う。
「今度、”カップル喫茶”に行って見ようよ。伊勢佐木町にあるんだよ。行ってみたい」
何て彼は能天気に馬鹿な事を言う。
「ススキノの店なら昔、行った事あるけどHなんて出来ないよ。あんな所」
「でも行ってみたいよ。どんなのか見てみたいよ。行こうよ」って先の話をする彼。
「先にキスをした方が1000円」なんて賭けをして
「どうせ、お前からキスしてくるから、すぐに1000万位貯まるな。そしたらテスタロッサが買える」って笑う彼。
キスしたりされたりで現在、あたしが1万円の負け(笑)
お互い、離れるのが怖くて具体的な話はない。
遠距離?仕事が少なくても彼が残る?あたしがついていく?
それとも・・別れる?
あたしは遠距離でもいい。ついて行ってもいい。
どこでだって生きていける。
彼は、あたしを愛している。
でも彼にはあたしの人生を背負う自信はない・・・・
昨日の夜の8時にメールが着たきり、彼から音沙汰がない。
不安。
先月もこんな事が合って、手首切ってたら、彼はただ風邪で倒れていただけだった。
横浜に帰ってきてからも治らなくて看病したっけ。
今度は何故?
仕事が忙しいのはいつもの事なのに。
今回は何故?
24時間、眠らないで仕事してるのか?
トイレに行ったり寝る時間くらいあるじゃん!
あたしの事なんか忘れたか>
やっぱり女がいるか?
何てまた悪いほうに考える。
急にスクーターで帰って来たりする人なのに、女なんかいるわけないのに・・・
いや、昔の女と「焼けぼっくい」かもしれないし。
あたしは我慢する。
彼にはメールもしない。電話もしない。
明日から仕事だ。
ますます落ち込んでいく。
死んでしまえたらいいのに
彼が今日から地方に出張。
日曜日に帰ってくるらしい。
毎日のように会っているくせに、たった数日、会えないだけで不安になる。
出張とは言え、彼の地元だ。
あたしは彼の事、どこまで知っているのだろうか?
実は地元に奥さんか本命の彼女がいるんじゃないか?とか変な想像をしたり・・・
良く彼には
「お前はいつも自分で勝手に想像して落ち込んでいる」って笑われるけどね。
彼がいなくなった途端、軽い鬱になる。
こんなんで大丈夫なのか?
でも前の彼氏は、あたしが鬱になっても役立たずだった。
彼が駄目だから友達を頼った。
そう考えると、今は幸せなのか?
ただ何度も言うが、彼のような人が、何故、あたしなんかを愛しているのか理解できない。
年上で性格も悪いあたしなんか・・・
騙されてるのか?
いや・・騙されてるんなら金を騙し取られてるな。とっくに(笑)
「面食いの俺がお前を気に入ってるんだから、お前は可愛いんだ」って言ってくれる彼。
「年なんか何で気にするのかな?」って。
ただ、面食いの彼、あたしより若くて可愛い女の子が現れたらどうなるんだ?とか思ったり・・・
それを言うと彼はただ
「馬鹿だなぁ」って笑うけど。
あ〜嫉妬に狂った女は醜い。
■ 20020217 |
2002年02月17日(日) |
「あたしはどんな男が現れたって君しか愛さない自信があるよ」
「俺だって同じだよ」
あたし達の愛の比率はどれ位?
君はわざと、あたしを怒らせて笑う。
「風俗に行ってもいいでしょ?遊ぶだけなんだから」
「お前の店の他の女の子に入ってみたい」
「またホストになっていい?」とか。
ホストクラブなんて行った事ないから、わからないけどヘルスとは違う気がするのだけどね・・・
今までの彼氏が風俗に行っても黙認した。
でも君だけは駄目だと思う。
君はあまりに魅力的すぎる。
ひいき目ではない。
実際、風俗に行く暇なんかない事もわかってはいる。
君の言う事は冗談だってわかってるけどね。
仕事を頑張れって言いながら、実は物凄く面白くない事も知っている。
自分の嫉妬心を隠して、あたしをあおらないで。
どうして君はあたしを愛しているの?
あたしなんかのどこがいいの?
愛されれば愛されるほど、物凄く怖いのだ
彼は日本中、仕事がある所に移動している。
横浜も「仮住まい」だ。
会社の事務所で寝起きしている。
最近は、あたしの家で寝ているが・・・・
今は一応、仕事が切れないから横浜にいる。
でも、いついなくなるかわからない。
今までも、女とは別れているらしい。
「俺って”遠恋”出来ないんだよ」って。
彼も、あたしもバツイチで結婚には懲り懲りだ。
あたしたちは、いつ別れるかわからない。
最初から彼には言われている。
「離れるときが怖い」とも彼は言う。
「俺を信じろ」とか
「信じろって言っても、お前は信じてくれない」って彼は言う。
でも
「いつかは別れる」って言われて、何を信じたらいいの?
でも、あたしは彼を離したくない。
彼以上の人はいない。そう思ったのは初めてだ。
願うだけだ・・・・
まだ先の話。
でも、いつ訪れるかわからない。
いつ別れるかわからないから、彼は少しの時間でも空けば、寝る時間を惜しんで、あたしに会いに来るのだ。
あたしは彼を離したくない・・・・
■ 惚気てるわけではないけど怖い |
2002年02月05日(火) |
誰に聞いても、あたしは羨ましがられる。
彼は顔は普通。体はちょっと鍛えている。背は普通。
スポーツ万能。
お洒落。香水はブルガリ。声は映画の声優みたい。
女に凄くもてるのが不安。
元ホストだけ合って、女性には優しい。
カラオケは物凄く上手い。
中卒だけど、変な大卒より頭がいい。
変わった仕事をしているけど、まともな会社だ。って言うか大手の会社で働いている。
お金もそれなりに持っている。
あたしの借金を返してくれる程は持ってはいないけど、食事代も出してくれるし、家の食料の買出しのときは、さりげなくレジで金も払ってくれる。
ご飯を作るのが大好きで、また、それが美味しい。
携帯のメールはマメに寄越す。
普通の男みたいに、仕事を理由にデートを怠るなんて人じゃない。
彼は普通のリーマンより忙しい。
24時間、仕事をしている事もある。
それでも頼んでいないのに、彼は一生懸命、時間を調節して、あたしに会う時間を作る。
仕事中、少しでも休憩時間があれば、お茶だけでも飲みに行こうと言う。
家まで送ってくれたりする。
あたしから「会いたいよ」って言う必要がない。
殆ど毎日、あたし達は会っている。
あたしが落ち込んでたら飛んで来てくれる。
男友達に何か用事を頼むと
「どうして俺に言わないんだ」って機嫌が悪い。
SEXは強くて上手い。
ずっと頭を撫でながら腕枕してくれる(自分が一人で寝れない)
数え切れないほどキスしてくれる。
ずっと寄り添ってくれる。
「精神病院にも心療内科にも行く必要ないよ。俺がお前の鬱を治すんだから」って彼は言う。
多分、恋人も友達も同僚も含め、こんな
「フェミニスト」はいないだろう。
どうして、あたしなんかを愛してくれるのかわからない。
あたしからじゃなく彼から先に、あたしを好きになってくれた。
他の若い女と付き合っていたのに、そっちを止めて、あたしを選んだ。
「俺、忘れちゃったよ。いつからお前を好きなのかさ。最初から好きだったような気がするけど・・・・」
「俺、誰にも甘えた事がなくって、小さい頃から親も働いていて家にいなくて甘えた事ない。誰かに甘えたい願望が合って、お前だったら甘えさせてくれそうな気がした」って。
今の所、甘える比率は、あたしが9で彼が1だけど(笑)
たった「1」でも彼は女に甘えた事がないと言う。
惚気ているようだけど、実は怖いんだ。
今から彼を失った後の自分の事を考える。
彼ほど、完璧な人はいないから。
彼ほど、抱き締めてくれる人はいないから。
昨日、夕方に彼がやってきた。
それはいいけど、風邪がぶり返したのか、ソファーで唸って寝ている。
具合悪いなら自分の家で寝ていればいいのに、何故かバイクに乗ってやってきた。
おかゆを食べさせたけど、茶碗半分でギブアップ。
夜中は仕事だと言うから、12時には起こしたけど、とてもじゃないけど仕事に行けそうにない。
おでこが熱い。
ベッドに寝かせたけど
「○○は横にいてくれないの?」
あたしは横に寝て暇だから漫画を読みながら、彼の汗を拭いていた。
朝になって大分良くなったらしく、昼から仕事に行ったけどね。
いつもは、あたしのパパみたいな彼だけど
「昨日のお前はお母さんみたいだ」だって。
Arranged +
Written by 樹杏(じゅあん)