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2004年02月29日(日)
ラグビー日本選手権4回戦─吉永に握手してもらうの巻

◆ラグビー日本選手権4回戦
<対ワールド戦・観戦記>

今日は勝つというより、年齢も体も上の社会人相手に、どこまでやれるかという感じで見ていた。それでも先制点を取ったし、しばらくはリードしていたので、もしかしたら勝つかも・・・とは思ったが、結果は予想通り。しかし、普通なら3回戦で負けるところをここまで来て、しかもかなり優勢な試合運びをしていたから、これでシーズンは終わってしまうが、見ているほうも悔いはない。

こういうスポーツだから、ラフプレーはどこのチームにもあるが、それにしても相手のワールドは、これまでいろんな試合を見た中でも、一番ひどいチームだった。おおっぴらに殴る、蹴る、危険なタックルをするなどなど・・・。はっきり言えば、汚い。身長2メートルもある外人選手に殴られたり蹴られたりしたら、たまったもんじゃない。そもそも社会人のチームは、汚い反則が目立つ。だから社会人ラグビーは人気がないんだろう。

社会人チームには、素晴らしい選手がたくさんいるけれど、汚い反則をする選手がいると、それもチャラだ。ラグビーの場合は、試合後、勝っても負けても両方のチームに拍手を送るのだが、ワールドにはブーイングの嵐だった。スポーツは、やっぱりフェアプレーでなければ、いくら勝っても認められないし、感動もない。

ともあれ、最後の最後にウィングの吉永に握手してもらえたので、今年のシーズンは満足して終了。来年こそは、関東学院に負けるな!


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『シービスケット─あるアメリカ競走馬の伝説』/ローラ・ヒレンブランド
出版社/著者からの内容紹介
ニューヨーク・タイムズベストセラー6週連続第1位となった感動のノンフィクション。
世界恐慌に苦しむ1938年、マスコミをもっともにぎわせたのはルーズベルト大統領でも、ヒトラーでも、ムッソリーニでもなかった。ルー・ゲーリックでもクラーク・ゲイブルでもない。その年、新聞がもっとも大きく紙面を割いたのは、脚の曲がった小さな競走馬だった。馬主は自動車修理工から身を起こした西部の自動車王、チャールズ・ハワード。謎めいた野生馬馴らしの過去を持つ、寡黙な調教師のトム・スミス。片目が不自由な赤毛の騎手、レッド・ポラード。馬の名は、シービスケット。これは、悲劇の名馬と男たちの奇跡の物語である。


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2004年02月28日(土)
ナサニエル・ホーソン 『緋文字』

今月の読書会の課題だった、ホーソン(またはホーソーン)の『緋文字』をやっと読み終えた。以前にも書いたが、訳が小難しくて、ちゃんと読んでいるんだけれど頭に入ってこないという状態で、表面だけを読んだという感じ。何か深いことを言っているんだろうし、またそれを感じなくてはいけないのだろうが、読み終えたというだけで、もういいという感じになっている。

さて、この冒頭に「税関」という序文がついているのだが、これがまた七面倒くさい代物で、ここで詰まっていては先に進まないと思って、全部読み終えてから最後に読んだ。たしかにこれがあるとないとでは、物語の見方も違って来るのだろうが、ここはけして面白いとは言えない。

内容の感想は別に書く場所があるので、ここには書かないが、この序文で、「この話は正真正銘本当の話である」としつこく言っている。こういう、真実の記録に基づいて第三者が書いたものだと説明するような序文をつけるやり方はよくあるが、どれも「本当である」と言えば言うほど、読んでいるほうは嘘だと思うのだから、そんなことわざわざ書かなくたっていいのに・・・と思うのだが、そういう仕掛けが面白いとも言えるのだろう。

ところで、私は常日頃「ネット上に書いている日記は、100%フィクションとは言わないが、100%本当のことではない」と口を極めて言い続けているのだけれど、日記という性格上、やはり全部本気にしている人が多いようだ。以前にも「全部本当のことだと信じていたのに!」と言われたこともあるが、全世界に向けて赤裸々な真実を披露するほど、自慢できる素晴らしい人生は送っていないので、たぶんに誇張や嘘も存在する。全面的に信じられても困る。

そこで思った!「本当のことではない」と言うと、本当のことに思われ、「本当のことである」と言うと、嘘だと思われるのだから、これからは「この日記は正真正銘本当のことである」と言えばいいのかも、と。ホーソンを見習って、冒頭に序文でもつけておこうかな。。。というわけで、「正真正銘本当のこと」を書いているのだから、多少は「ホントかな?」と疑ってもらっても一向に構わない。(^^;


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『緋文字』/ナサニエル ホーソン (著), Natheniel Hawthorne (原著), 福原 麟太郎 (翻訳)
文庫: 343 p ; サイズ(cm): 148 x 105
出版社: 角川書店 ; ISBN: 4042137024 ; 改版 版 (1995/11)
内容(「BOOK」データベースより)
十七世紀のボストン。戒律の厳しい清教徒社会で、一人の女が広場のさらし台に姦通の罪で立たされていた。罪の子を胸に抱いたヘスターは、生涯、その胸に"姦淫"を意味する赤いAの字を縫いつけねばならないといいわたされる…。ヘスター、彼女と姦通して苦悩する若い牧師、裏切られて復讐に燃える夫の三人の姿と心理を鋭く追求し、光と影を交錯させながら人間の悲哀を描いた傑作。
※画像は原書『The Scarlet Letter』 (Dover Thrift Editions)


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2004年02月27日(金)
「ディープ・インパクト」

テレビで「ディープ・インパクト」を観たが、これは劇場でも観ている。劇場で観たときは、さほど感動しなかったのだが、再度観たら、結構ウルウルしてしまう映画だった。

巨大彗星が地球に衝突して、人類が滅亡するという話なのだが、その彗星を爆破しに行く宇宙船の船長が、ロバード・デュバル(「アラバマ物語」のブー<ずっと秘密にしてたのに、ここでばらしてどうする?でも、知ってる人は知っているでしょう)だったとは気がつかなかった。それに、彗星を発見した少年はイライジャ・ウッド(今さら言うまでもないが、「ロード・オブ・ザ・リング」のフロド)だったし。劇場で観た時点で、この子がフロドをやるなんて、思ってもいなかったものね。でも、この映画でもやっぱり、イライジャは最後に山登りしているんだな。(^^;

この映画で感動するというか、ウルウルしてしまうのは、選ばれた人しか生き残れないという状況での、それぞれの別れ。もし、自分が選ばれたとしたら、自分は家族を残して行けるだろうか?その逆は?と考えると、難しい決断だ。

それと、最後に自分たちの身を犠牲にして、地球のダメージを最小限に抑えようとする宇宙飛行士たちの決断。このおかげで、全人類が滅亡することはなくなる。「インデペンデンス・デイ」でもそうだったが、いかに科学が発達しても、最後に人類を救うのは、人間だというわけ。この行動は、まるで日本の特攻隊のようだと考えると、その是非も問われるだろうが、単純に「自己犠牲の精神」と考えると、高潔で美しく、まさにヒーローの行動だ。

「ディープ・インパクト」
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巨大彗星が地球に接近。このままでは、あと1年で衝突してしまう。地球側は宇宙船で彗星の軌道修正計画を発動するとともに、万が一に備えて大型地下避難都市を建設するが、そこに避難できるのは100万人までで、しかも50歳以下という年齢制限もある。人々がパニックに陥っていく中、彗星は刻々と地球に近づいていく…。『ピースメーカー』のミミ・レダー監督が、地球滅亡の危機を壮大なスケールで描いた世紀末超大作。

特定の主人公を設けず、オールスター・キャストのグランドホテル形式で複合的なドラマが繰り広げられていくが、いずれも死に直面しての無常感あふれる悲劇の色合いが濃いのが、アメリカ映画としては異色ではある。崩壊スペクタクルの数々も、それに見合った壮烈な出来栄え。(的田也寸志)


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2004年02月26日(木)
紀伊国屋洋書バーゲン

紀伊国屋の洋書バーゲン初日。
今回はタカシマヤでの開催なので、お買い物券が使えて嬉しい。

私としてはかなり早めのお昼ごろに行ったのに(いつも夕方)、結構混雑していて、ワゴン周りに空きがない状態。外国人が多かった。空いたところを探して見てまわったので、順序良くワゴンを回れず、全部見るのに3時間くらいかかってしまった。

欲しい本があったのだが全然出てなくて、商品補充のたびに見に行っては、がっかり。立ちっぱなしですごく疲れているんだけど、あと1回、もう1回と粘ったものの、ついに欲しい本は出てこなかった。とはいえ、10冊も買えば十分だ。

タカシマヤでやると、ついつい他の売り場も見てしまい、余計な買い物までしてしまって、結局散財になるのだけれど、やっぱりバーゲンは楽しい。とりあえず買い物カゴに入れた本の半分くらいは戻すのだが、今回は、山のように買って行く人が多かったなあ。

今回絶対買うまいと決めていたのは、ハードカバーと大判の本。フランゼンの『The Corrections』みたいに、結局マスマーケットで買いなおす羽目になるからだ。それでも、『ブリジット・ジョーンズの日記』のヘレン・フィールディングの新作『Olivia Joules and the Overactive Imagination』は、小さめのかわいらしいハードカバーだったので、かなり迷ったが、初志貫徹。そのうちPBになるだろうと思って、我慢した。

T.C.ボイルの『T.C.Boyle Stories』のマスマーケット版もあった。これも大きくて重たい大判のPBなのでなかなか読めないのだが、このマスマーケット版は、サイズが小さくなった分、文字がひどく小さくて(あの大きさがこのサイズになったら、これくらい小さくしないと収まらないだろうとは思うが)、目が潰れてしまいそうなのでやめておいた。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『When Zachary Beaver Came to Town』/Kimberly Willis Holt
内容(「MARC」データベースより)
ある日、世界一巨漢の少年が現われて、ぼくの中で何かが大きく変わっていく…。少年たちのひと夏の思い出をせつなく描く、愛と友情の物語。1999年ヤングアダルト部門で全米図書賞受賞。


◆紀伊国屋洋書バーゲン

『A Cup of Comfort』/Colleen Sell(編) \1313-\400
ペーパーバック: 324 p ; 出版社: Adams Media Corp ; ISBN: 158062524X ; (2001/10/01)

『Faking It』/Jannifer Crusie \990-\400
マスマーケット: 412 p ; 出版社: St Martins Pr ; ISBN: 0312983824 ; (2003/04/01)

『White Oleander』/Janet Fitch \1516-\400
ペーパーバック: 446 p ; 出版社: Little Brown & Co ; ISBN: 0316284955 ; Mov Tie-in 版 (2000/05/01)
出版社/著者からの内容紹介
全米ミリオンセラー NYタイムズも絶賛!
母イングリッドは恋人を毒殺して終身刑に。残された12歳の娘アストリッドは里親の家を転々としながら、女となり、撃たれ、飢え、怯える。獄中からも娘を支配しようとするエゴイストの母との対立、幼い魂を傷つけ翻弄する恐怖と愛。その中で美しく成長していく少女の姿を描いた感動の文芸サスペンス巨篇!

『The World Below』/Sue Miller \1342-\400
ペーパーバック: 309 p ; 出版社: Ballantine Books ; ISBN: 0345440765 ; (2002/08/27)
※表紙はこの画像

『Sea Glass』/Anita Shreve \1054-\400
ペーパーバック: 出版社: Little Brown & Co ; ISBN: 0316707821 ; (2002/11/01)
※PBは在庫切れなので、リンクはハードカバーのもの。

『An Accidental Woman』/Barbara Delinsky \1054-\400
マスマーケット: 528 p ; 出版社: Pocket Books ; ISBN: 0743411269 ; (2003/07/01)

『The Corrections』/Jonathan Franzen \1299-\400
ペーパーバック: 592 p ; 出版社: St Martins Pr Special ; ISBN: 0312421273 ; (2002/08/27)
内容(「MARC」データベースより)
老境に入った夫婦は家族の絆の修正(コレクションズ)をクリスマスに託したが…。家族が陥った危難をシニカルに描き出し、現代人にまつわる悲喜劇を紡ぎ出す。全米図書賞に輝いたベストセラー小説の邦訳。
※持っているPBが大判で重たくて読みづらいので、マスマーケット版で再購入。買ったのはFourth Estate社のものだが、リンクはSt Martins社のもの。

『One Step Behind』/Henning Mankell \1480-\400
ペーパーバック: 448 p ; 出版社: Vintage ; ISBN: 0099448874 ; (2003/04/03)
※実物とリンクはUK版だが、画像はUS版。

『The Runaway Jury』/John Grisham \1054-\400
マスマーケット: 560 p ; 出版社: Bantam Books ; ISBN: 0440221471 ; Reprint 版 (1997/03/01)
内容(「BOOK」データベースより)
夫が肺癌で死んだのは、長年の喫煙が原因だ―未亡人はタバコ会社を相手どって訴訟を起こした。結果いかんでは同様の訴訟が頻発する恐れもある。かくして、原告・被告双方の陪審コンサルタントによる各陪審員へのアプローチが開始された。そんななか、選任手続きを巧みにすり抜け、陪審団に入り込んだ一人の青年がいた…知られざる陪審制度の実態を暴く法廷サスペンスの白眉。
※映画「ニューオーリンズ・トライアル」の原作。

『Dreamcatcher』/Stephen King \1054-\400
マスマーケット: 896 p ; 出版社: Pocket Books ; ISBN: 0743467523 ; (2003/03/01)
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昔々。呪われた街、デリー(『It』『Insomnia』の舞台と同じあの街)で、4人の少年が力を合わせ、ある勇敢な行動をとった。そのときは知るよしもなかったが、その行動は少年たちをある意味で変えたのだった。

20年後。かつての少年たちは成人してそれぞれの生活を営み、それぞれの問題を抱えている。お互いにまったく関係を断っていたわけではなく、狩のシーズンになると、4人組はメイン州に集まることになっていた。そして、その年。

彼らのキャンプに見知らぬ人物が迷い込み、右も左もわからぬ意識の中で何かぶつぶつと、「空の光」のことを口走っていた。しかしその支離滅裂なたわごとは、ある不穏なできごとを予知していたことが明らかになり、まもなく4人は、別世界からの生き物との恐ろしい闘いを余儀なくされることになるのだった。 彼らが生き残る唯一の道は、少年時代のあの記憶の中に引きこもることだった。…そして、「ドリームキャッチャー」の中に。

『Bag of Bones』(邦題『骨の袋』)以来の長編だが、これは「記憶」と「勇気」の物語と言える。少年時代の記憶という、この恐るべき領域から物語を語るのはあの『The Stand』(邦題『ザ・スタンド』)以来だし、それよりも「闇の中核」に、ここまでがっぷり四つに組んで戦うのは初めてのことだ。
※映画「ドリームキャッチャー」の原作。


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2004年02月25日(水)
第130回芥川賞受賞二作を読む

第130回芥川賞受賞作、金原ひとみ『蛇にピアス』と、綿矢りさ『蹴りたい背中』を読んだ。両方ともおおまかな印象は同じ。石原慎太郎の選評にあるように、「それにしてもこの現代における青春とは、なんと閉塞的なものなのだろうか」ということが、私が最も感じたことだろうか。

リアルタイムの青春を書くのと、大人になって青春を振り返って書くのとでは、雰囲気も何も全然違ってくるだろうが、読んでいて「若いなあ・・・」と思った。最年少の受賞ということが話題になっているけれども、若さゆえの新鮮さと同時に、若さゆえの気持ち悪さも感じる。

若さゆえの気持ち悪さってなんだろう?うまく言葉にできないのだが(これじゃ芥川賞は絶対無理だ)、昔と今とでは、気持ち悪さの質が違っている。上に書いたように、それは「閉塞感」かもしれない。そういう現代の若者を作ってしまった社会を憂慮しなければいけないんだろうが、現代の若者のこの「閉塞感」は、街を歩いていても感じる。現代の若者には、ピュアとか、イノセントとかいう言葉はあてはまらないのかもしれない。2作者とも、人間の「悪意」というものをしっかり知っている。そういう意味で、若いからといって、幼さは全く感じない。

しかし、どちらにしても暗い。こんなに若いのに、こんなに暗いのかと思うと、暗澹たる思いにとらわれる。個人的には、『蹴りたい背中』のほうが文章がきちんとしている分、いいのかなとも思うが、『蛇にピアス』のような文章は馴染めない。今の若者の言葉で書かれているのだが、品がない。だから、現代の日本文学には興味がわかない。外国文学の翻訳のほうが、ちゃんとした日本語が使われているからだ。現代の日本文学の全てがそうだとは言わないが、これに関しては「芥川賞」という冠がなければ、絶対に読まない小説だ。

『蹴りたい背中』も、仲間はずれになっていく少女の孤独と、オタクな少年の話だが、じめじめしたもどかしさという感じ。やっぱり気持ちが悪い。これにしても、『蛇にピアス』にしても、外国文学にはない雰囲気だ。たとえ同じシチュエーションで書かれたとしても、全然違う雰囲気になると思う。

とはいえ、芥川賞というメジャーな賞を受賞しているのだから、これが日本文学だと言っても差し支えないんだろう。こういう賞は出版社の話題づくりであるとも思うが、そうは言っても天下の芥川賞だ。私はますます日本文学から遠ざかる。あるいは、漱石どまりかもしれない。

ちなみに『蛇にピアス』の金原ひとみは、金原瑞人氏(翻訳家・法政大学教授)の娘だとか。父親のほうは、児童文学(ヤング・アダルト)の翻訳が多いから、「あるところに王女様がいました」的な文章だが、娘のほうは伏字にしなきゃいけないような言葉がぽんぽん。女の子でも「やってらんねーよ!」みたいな言葉遣い。なんだかその父娘のギャップが奇妙。作者と作品の主人公を同一視するのは間違いだと思うが、写真を見ると、いかにもと思ってしまう。実際、けして普通の人生は送っていないようで、お父さんはずいぶん苦労したんだろうなと。(^^;

ところで、この2作に関しては、個別の感想文は書きたくないので書かない。そう思うと、大道珠貴の『しょっぱいドライブ』は、感想を書こうと思えただけ、印象に残ったのかもしれないなとも思う(快でも不快でも、印象に残ればいいのかも)。もっとも、この時の受賞は1作だけだったので、じっくり読めたのだが。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『パーム・ビーチ』(下)/パット・ブース
文庫: 286 p ; サイズ(cm): 16
出版社: 集英社 ; ISBN: 4087601714 ; 下 巻 (1989/11)

『蛇にピアス』/金原 ひとみ (著)
単行本: 124 p ; 出版社: 集英社 ; ISBN: 4087746836 ; (2003/12)
出版社/著者からの内容紹介
ピアスの拡張にハマっていたルイは、「スプリットタン」という二つに分かれた舌を持つ男アマとの出会いをきっかけとして、舌にピアスを入れる。暗い時代を生きる若者の受難と復活の物語。第130回芥川賞受賞作。

『蹴りたい背中』/綿矢 りさ (著)
単行本: 140 p ; サイズ(cm): 182 x 128
出版社: 河出書房新社 ; ISBN: 4309015700 ; (2003/08/26)
出版社/著者からの内容紹介
高校に入ったばかりの蜷川とハツはクラスの余り者同士。やがてハツは、あるアイドルに夢中の蜷川の存在が気になってゆく…いびつな友情? それとも臆病な恋!? 不器用さゆえに孤独な二人の関係を描く、待望の文藝賞受賞第一作。第130回芥川賞受賞。


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2004年02月24日(火)
「ミスティック・リバー」を探して

昨日、日記に書いたので、やっとAmazonから本が届いた。
やっぱり効き目があるのよ、なぜか。(^^;

BOOK・OFFに『ミスティック・リバー』を探しに行ったら、探し物はなくて、原書で持っているものも含めて、また余計なものを買ってしまった。ナボコフは、短編集が欲しかったのだが、『ロリータ』しかないので、とりあえず買っておいた。デイヴィッド・ロッジも『小説の技巧』で『ロリータ』の文章を取り上げているし。『ガールズ・ポーカー・ナイト』は、去年原書を買おうかなと思っていたもの。すでに文庫になってるって、早い!

ついでに『The 25th Hour』の翻訳(『25時』)をざっと見てみたら、日本語でもすんなり入ってこない文章だった。なまじ私の英文の理解力がなかったわけじゃないんだと安心したが、いやいや、それじゃ困るだろう。でもこれに関しては、翻訳がどうこうではなく、原文がそうなので、仕方がない。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『パーム・ビーチ』(上)/パット・ブース
文庫: 313 p ; サイズ(cm): 16
出版社: 集英社 ; ISBN: 4087601706 ; 上 巻 (1989/11)


◆Amazonから

『赤い館の騎士─マリー・アントワネットを救え!』/アレクサンドル・デュマ \2500
単行本: 686 p ; サイズ(cm): 182 x 128
出版社: ブッキング ; ISBN: 483544065X ; (2003/10)
内容(「MARC」データベースより)
1793年フランス革命のさなか、国王ルイ16世はすでに処刑され、王妃アントワネットは囚われの身となっていた。そんな中、王党派による王妃救出計画が密かに進められていた。文豪デュマの隠れた代表作。再刊。

『星を継ぐもの』/ジェイムズ・P・ホーガン \660
文庫: 309 p ; サイズ(cm): 15
出版社: 東京創元社 ; ISBN: 448866301X ; (1980/05)
編集部コメント
月面で発見された、赤い宇宙服をまとった人間の死体。調査の結果、この死体は死語5万年前の人間のものと判明するが……いったいなぜ? オールタイム・ベスト級の名作にして、ホーガンがこのデビュー作一作をもってハードSFの巨匠となった空前の傑作。『ガニメデの優しい巨人』『巨人たちの星』『内なる宇宙』とつづくシリーズも御味読ください。日本SF大会参加者の人気投票で選ばれる星雲賞を受賞。(東京創元社編集部)

『幻想の犬たち』/ジャック・ダン&ガードナー・ドゾワ(編) \781
文庫: 516 p ; サイズ(cm): 148 x 105
出版社: 扶桑社 ; ISBN: 4594028152 ; (1999/12)
内容(「BOOK」データベースより)
犬は、長い年月にわたってわれわれのそばに仕え、時に人間同士以上に人の心を理解して信頼と友情を築きあう、人類の真の友であった。そんな犬をテーマに書かれた膨大な幻想小説のなかから、現代を代表する名作16編を厳選し、この1冊に結集。人間との間に驚くべき絆を結んだ犬、荒廃した破滅後の地球を仲間とともに生き抜く犬、前人未到の宇宙へ飛び出した犬等々、想像力豊かに紡ぎだされる、幻想に満ちた犬たちの世界。大好評『魔法の猫』『不思議な猫たち』の編者が贈る、犬アンソロジーの決定版。


◆BOOK・OFF

『レディたちのフィンバーズ・ホテル』/ダーモット・ボルジャー(編) \100
単行本: 323 p ; サイズ(cm): 182 x 128
出版社: 東京創元社 ; ISBN: 4488016332 ; (2001/03)
内容(「MARC」データベースより)
新装オープンしたホテルは今や話題のスポット。自ら人工受精を試みるキャリアウーマンや、ペントハウスを占領した往年の映画女優が滞在。7人の女性作家の手になる、7人の女性すべての人生を一変させた、狂騒の一夜の物語。

『ハッピー・ハント!』 Red dress ink/サラ・ムリノスキー\100
単行本: 430 p ; サイズ(cm): 19
出版社: ハーレクイン ; ISBN: 4596305013 ; (2003/05)
内容(「MARC」データベースより)
「男にもてあそばれる人生なんて、まっぴらゴメン。」 ジャッキー・ノリス、花のトゥエンティ・サムシング(20ウン歳)、都合のいい女から卒業しました-。おかしくて、せつなくて、小生意気な明るい快作。

『ロリータ』/ウラジミール・ナボコフ \100
文庫: 482 p ; サイズ(cm): 16
出版社: 新潮社 ; ISBN: 4102105018 ; (1984/08)


『ガールズ・ポーカー・ナイト』/ジル・A・デイヴィス \450
文庫: 381 p ; サイズ(cm): 148 x 105
出版社: 文芸春秋 ; ISBN: 4167661314 ; (2003/04)
内容(「BOOK」データベースより)
私の名前はルビー・カポーティ。職業はコラムニスト。そろそろ潮時の恋人あり。性格は負けず嫌い。捨て身で売りこんだNYの新聞社に採用が決まり、新生活がスタートしたものの、上司や同僚、ポーカー仲間の女友達との関係は早くも波乱含み!?現代女性の悩みや生き方、本音をコミカル&シニカルに描き、絶賛されたデビュー作。


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2004年02月23日(月)
まもなく発送されます

土曜日の日記、早稲田のラグビー部の試合の記述の中で、大田尾が主将と書いたが、すでに新しい主将(川上力也)に代わったのか???日本ラグビー協会の記事には川上主将となっているが、早稲田大学ラグビー蹴球部の公式サイトには、副将(ゲームキャプテン)とある。でもよく考えてみたら、川上も四年生だ。これはラグビー協会のほうの間違い。大田尾が出場しなかったので、副将を主将としてしまったのだろう。

さて、Amazon。。。「まもなく発送されます」状態で3日って、どういうこと?そもそも2〜3日以内に発送予定のはずが、そんなのはとっくに過ぎている。多少の遅れは許さないでもないが、明日にでも届くのかと期待させるような表示はやめて欲しい。「まもなく発送されます」状態になってしまうと、キャンセルも変更もできないわけだから、確かに発送される状態で表示するべきでしょう。Amazonの「まもなく」というのは、3日もかかるのか。

事あるごとにAmazonの文句を言っているが、日記に書くとすぐ届いたりするので、一応書いておくのが決まり。でも実際は、ぐうたら生活なので、重たい本を配達してもらえるのは、やっぱり便利だと思っている次第。

けれども、いきなり家に来られるというのが非常に嫌いなため(突然ピンポンと鳴ると心臓が止まりそうになるので、知り合いでも嫌)、こういうのはAmazonくらいしか頼まない。とりあえずAmazonは前もってメールが届くから、それを見ていれば、少なくとも突然ということはないし。だから、他の突然の配達なんかは、「宅急便です!」とか「お荷物です!」とはっきり言ってくれない限りドアを開けない。不在配達票を見て、配達日時を指定してから再配達してもらう。それくらい、突然の来訪というのは嫌。

前に、ネットでDVDを借りることを考えたことがあるのだが、月に5回配達されるのだそうだ。郵便とかならいいが、いつ来るかわからない宅配では、寿命が縮んでしまう!と思ってやめた。しかもAmazonの配達のほかにその回数だ。月のほとんどが待ち暮らしになりそう。実際配達される日は10日にも満たないだろうが、いつ来るのだろう?と毎日のように気になって、待ってしまうだろう。PC部屋にも行けない。

いつも誰かがいる家ならいいが、昼間一人でいる私にとっては、かなりのストレスだ。かといって、こういうネットでのシステムを否定するつもりは毛頭ない。一人でいるところに誰かが来るのが死ぬほど嫌いな私には、ちょっと合わないシステムだなあというだけのこと。玄関のベルを楽しみに感じられる人は、大いに利用すればいいと思う。

というわけで、「まもなく発送されます」とAmazonのアカウントに表示されると、その時から待機モードに入るわけで、じゃあ、出かけられないとか、出かける予定を変更するとか、ピンポンという音に心臓が止まらないように備えなければいけないとか、あれこれ考えるわけで、それが3日にもなると、ストレスもたまりまくるというわけだ。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

J.R.R.トールキン『終わらざりし物語』(下)/クリストファ・トールキン(編)
内容(「MARC」データベースより)
ガンダルフが語る「ホビットの冒険」の裏話、騎士国ローハンの建国譚、黒の乗手の遠征…。トールキンの緻密で雄大な神話世界がよみがえる、「指輪物語」ファン必読の書!


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2004年02月22日(日)
読書で欲求不満

昨日はスコット・スミスの『シンプル・プラン』、今日はHoward Pyleの『The Garden Behind the Moon』を読み終えたが、なんか不満足。『シンプル・プラン』はすごく面白いと聞いていたのだが、今いち乗れなかった。ミステリは読みたかったけれど、こういうのを読みたかったわけじゃないって感じで、時期が悪かったのかなんなのか・・・。

主人公の心理描写はよく書けている(自分が同じ立場になったら、たぶんこうなるんだろうと思える)と感じたが、今読みたかったのは、こういうのじゃなかったんだよねえって感じ。面白くなかったというわけではないが、あてが外れた。どちらにしても、他人の「面白い」は、100%自分にもあてはまるわけではないから、こういうこともあるだろう。それを読むタイミングというのもあるし。

読書会の課題の『緋文字』も訳が小難しくて、すんなり入ってこない。「難しい」のではなく、「小難しい」のだ。この「小」がつくのが厄介。原書を見てみたら、そんなに難解な言葉を使っているわけではないので、むしろ原書で読んだほうがやさしいんじゃないかと思うほど。

ここで青山南先生が言っていた「上手い作家は、やさしい言葉で的確に言い表す」というのを思い出して、作家はごく普通の言葉を使っているのに、訳者が小難しくしちゃってる場合もあるんだなと。で、そういう訳をする人は、だいたい会話部分も変なのだ。がっくりくる。『緋文字』はいくつもの訳があるが、私が読んでいるのは、その中でもハズレだったのかも。この角川の版だけ絶版なのも納得。

で、今月読む予定の本として、トールキンの本が1冊残っているのだが、それはもう面白いとか面白くないとかの次元じゃないので、何かほかに・・・と思って、『When Zachary Beaver Came to Town』(邦訳『ザッカリー・ビーヴァーが町に来た日』)を読み始めてみた。これはいいな。すごく面白いという部類ではないが、なんだか懐かしい感じのする、古き良きアメリカという雰囲気。少年ものは好きだし、主人公の少年も淡々としていていい。「Super Mex」と呼ばれたリー・トレヴィノが全英オープンで優勝した年と書かれてあったから、1971年か1972年の話。こういうことをわざわざ調べるようになったのは、青山先生の授業の名残り。

まだ半分も読んでいないが、これが全米図書賞を受賞したのは、すごくわかるような気がする。面白い本というのは、やっぱり書き出しが違う。これには結構こだわっていて、書き出しが面白くない話は、やっぱり最後までつまらないことが多い。ディヴィッド・ベニオフの『The 25th Hour』は、これも面白いとの評判だったし、映画化もしたが、書き出しが面白くない。犬が道端で死にそうになっているのを主人公が助ける場面で、そのこと自体は衝撃的なのだが、特に心を惹かれない。何度読み直しても入り込めないので、とりあえず中断した。我慢して読み続ければ、面白くなるんだろうか?あとで再度挑戦する予定。ベニオフは、「ゾエトロープ」で読んで、けして嫌いな作家じゃなかったから。

世に出ている本が全部面白いわけじゃないし、自分の感覚は人の感覚とも違うのだから、こういうことはよくあることなのだが、面白くない本が続くと、ちょっとがっかり。欲求不満になる。というわけで、思わず『シャーロック・ホームズ大全』なんかに手が伸びそうになり、堪えるのに必死になっている。

てゆーか、ずーっと「まもなく発送します」状態になっているAmazon!早くデュマの本を発送してよ!


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『The Garden Behind the Moon』/Howard Pyle (著)
マスマーケット: 132 p ; サイズ(cm):
出版社: Tor Books ; ISBN: 0765342421 ; (2002/06/01)



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2004年02月21日(土)
ラグビー日本選手権3回戦

◆ラグビー日本選手権
<早大16年ぶりの社会人戦勝利、次はワールドだ>─サンスポ.com
<早大対コカ・コーラウエストジャパン戦・観戦記>

今日は早大ラグビー部にとって、日本選手権最初の日。花園ラグビー場での試合だったので、観戦に行けなかったが、社会人相手では、学生は分が悪いから、どうなのかな?と思っていたが、おお、勝ってる!19点差からの逆転勝ちは見事。実は主将の太田尾がいなかったらしいのだが、もしかしてほんとに、太田尾がいないほうがいいのでは・・・?と思ってしまう。太田尾は、いないことで存在を感じさせる主将?

関東学院も、1点差でかろうじて勝ったようだ。学生ががんばってくれないと、ラグビー場の観客も増えない。学生で残っているのは、早稲田と関東学院だけだから、どちらにしてもがんばってほしい。来週末は秩父宮だ。絶対に観に行かないと!それが今シーズン最後になるかもしれないし。(^^;


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『シンプル・プラン』/スコット・B・スミス
内容(「BOOK」データベースより)
ある雪の日の夕方、借金を苦にして自殺した両親の墓参りに向かうため、ハンク・ミッチェルは兄とその友人とともに町はずれの道を車で走っていた。途中ひょんなことから、彼らは小型飛行機の残骸とパイロットの死体に出くわす。そこには、440万ドルの現金が詰まった袋が隠されていた。何も危険がなく誰にも害が及ばないことを自らに納得させ、3人はその金を保管し、いずれ自分たちで分けるためのごくシンプルな計画をたてた。だがその時から、ハンクの悪夢ははじまっていたのだった。スティーブン・キング絶賛の天性のストーリー・テラー、衝撃のデビュー作。


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2004年02月20日(金)
コレクション用?

Amazonから本が届く。読むための本ではなく、ほとんどコレクション用といった感じ。(^^;

『The Two Towers』は、最初サルマンの表紙だったが、サルマンの人気がないのか、オーリィ人気にあやかってか、今では映画顔写真バージョンは、全部レゴラスになっている。レゴラスがいいと思っていたものの、こうなってみると、サルマンバージョンも貴重かも。マスマーケット版は、オーダーしたときより安くなっているのでショックだったが。

実は、サウロンが指輪をはめているコンプリートのPBもあるのだが、それもちょっと欲しいと思っている。サウロン&指輪が表紙に使われるのは、これまでにないパターン。うう〜ん・・・いい加減にしなさい!って言われそう。

それと、トロロプの本が1冊。先日『ミスティック・リバー』(だったかな?)の文庫本を書店で見ていたら、トロロプの名前が出てきた。ほおお〜と思っていたのだが、さて、どんなもんでしょう?


〓〓〓 BOOK

◆Amazonから

『The Fellowship of the Ring』(Houghton Mifflin トレード版PB、フロド)/J.R.R.Tolkien \1147
ペーパーバック: 398 p ; 出版社: Houghton Mifflin ; ISBN: 0618346252 ; (2003/09/01)

『The Two Towers』(Houghton Mifflin トレード版PB、レゴラス)/J.R.R.Tolkien \1147
ペーパーバック: 725 p ; 出版社: Houghton Mifflin ; ISBN: 0618346260 ; (2003/09/01)

『The Return of the King』(Houghton Mifflin トレード版PB、アラゴルン)/J.R.R.Tolkien \1147
ペーパーバック: 1137 p ; 出版社: Houghton Mifflin ; ISBN: 0618346279 ; (2003/09/01)


『The Two Towers』(DELL マスマーケット、レゴラスバージョン)/J.R.R.Tolkien \848
マスマーケット: 416 p ; サイズ(cm):
出版社: Ballantine Books ; ISBN: 0345339711 ; Reissue 版 (2001/10)
※以前に買ったのは、サルマンのバージョン

『Return of the King』(DELL マスマーケット、アラゴルン別バージョン)/J.R.R.Tolkien \848
マスマーケット: 512 p ; サイズ(cm):
出版社: Ballantine Books ; ISBN: 0345339738 ; Reissue 版 (1993/05/01)
※アラゴルンのポーズ違い


『The Warden』(Dover Thrift Editions)/Anthony Trollope \500
ペーパーバック: 165 p ; 出版社: Dover Pubns ; ISBN: 048640076X ; Unabridged 版 (1998/04/01)



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2004年02月19日(木)
売れるファンタジー

昨日は徹夜で一睡もしていない上に、4時間近くの映画鑑賞で、目が芯から疲れた。ものすごく早く寝たのだが、早朝に目を覚ましてしまい、かといって音を立てると怒られるので起き出すわけにもいかず、暗がりでじっと本を読んでいたのだが、かえって疲れて、また昼寝をする羽目になった。最近では、昼間のほうがひとり静かにぐっすり眠れるという状態で、夜いくら早く寝ても、熟睡できないみたいだ。

明け方、あまり小難しいものは読みたくないからと、ホーソーンの『緋文字』は脇にどけて、Howard Pyleの『The Garden Behind the Moon』を読んでいたのだが、「指輪」や「ハリポタ」以外のファンタジーはなぜ売れないか、というか、なぜ「指輪」や「ハリポタ」は人気があるのかといったことがわかったような気がした。

「指輪」や「ハリポタ」は、作者がよくよく考えて抜いていて、読者に疑問がわいても、それをはね返せるだけの説得力があるのだが(よほど天邪鬼な読者でない限り)、他のおおかたの作品は、ひとつのイメージ、またはテーマを思いついたら、深く考えもせず、作家の勝手なファンタジーの思い込みだけで書かれているような気がする。

ファンタジーという概念は、作家によっても違うと思うが、時に詩的なものであったり、あるいは宗教的なものであったりする。神とか天使とかということで片付けてしまうものもある。ただたいした意味もなく、不思議な光景のイメージを書き連ねて、ファンタジーですと言っているものもある。そういったものは、何か中途半端で、読後が消化不良になる。非常に不満が残る。

「指輪」などは、その関連本まで考えると、これでもか!というくらいに納得させられる。架空の話ではあるが、真実味があって、説得力がある。例えば、物語に出てくる名剣アンドゥリルが、まるで古代の遺跡の出土品であるかのように大事なものに感じられてくるのだ。「ハリポタ」も、物語の中の些細な小物までよく考えられている。それが商品化されて実際に売っていても、何の違和感もない。

というわけで、ファンタジーとはいえ、とことん考え抜いて作られており、それがリアルに感じられる物語でないと、一般には売れないということじゃないだろうか。夢見心地の言葉の上だけのファンタジーなど、作者の自己満足にすぎないと思う。

そもそも子どもの興味はすぐそれてしまうから、子ども向けと思って安易な気持ちで書くと、つまらない話にしかならない。子どもの頭の中は、大人が考えるよりもずっと早く回転しており、面白いか、面白くないか、瞬時に判断してしまう。子どもは、言葉の上だけのきれい事の物語など、すぐにその深さを感じ取り、我慢して読んだりしない。我慢できるのは、大人になってからだ。それも、せっかく買った本だからもったいないという意識があるため、仕方なく我慢する。

きれい事が並んでいる文章が好きという人もいるだろうから、それはそれでいいのかもしれないが、一般に「売れる」ということを考えたとき、やはり物語の深さは重要だろうと思う。私が面白くないなあと思うファンタジーは、物語に深みがないというのが、だいたいの原因だ。

けれども、『Harry Potter and the Philosopher's Stone』のオーディオブックを聴いていて感じたのだが、「ハリポタ」は、言葉の音感も楽しい。おそらく売れる本というのは、作家が選んだ言葉の音とか、そういったことも関係してくるのだと思う。そういった意味では、翻訳されたときの翻訳者の責任も大きいかもしれない。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

J.R.R.トールキン『終わらざりし物語』(上)/クリストファ・トールキン(編)
内容(「MARC」データベースより)
ヌーメノール王家の祖・トゥオルのエルフの隠れ王国へと至る苦難と不思議の旅路、不屈なるフーリンとその子に降りかかった過酷な運命…。トールキンの緻密で雄大な神話世界がよみがえる、「指輪物語」ファン必読の書!


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2004年02月18日(水)
「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」予告編

映画「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」6/26公開!

出かけたついでに、時間的にちょうどよかったし、レディースデーで1000円だしというわけで、「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」の二回目を観た。「うちのアラゴルン」ともまた観る予定でいたので、これは突発的に決行。欲しいグッズもまだあったし、それがなくならないうちに、と。アラゴルンが王になっていく様子は、何度観てもいい!にしても、先行オールナイトはCMや予告編がなく本編だけだったが、今度は予告に20分。全部で4時間近く座っていたことになる。さすがに今回はお尻が痛くなった。

「王の帰還」本編のほうはすでに感想を書いているのでいいとして、予告編で「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」を観てびっくり!前作でも声変わりとかしていて、成長してるんだなと思ったが、今回はさらに著しく成長していて、ええっ!という感じ。それもハリーやロンだけでなく、生徒全員。子どもから大人になる一過程として、みんな顔が長くなるんだなあ・・・。ハリーのジャージ姿が、うちの下の弟に似ていて苦笑。

前作でのハーマイオニーは、あまり成長している感じはしなかったけれど、今回は背も伸びて、急に大人っぽくなっている。それにしてもこの年齢って、こんなに成長するんだ〜と驚き。

特に ドラコ・マルフォイ!
きれいな美少年だったのに、これも顔が長くなって、おいおい!って感じ。美しい金髪も艶がなくなって、すさんだ学校生活なんじゃないの?と思ってしまう。

それと、注目の ダンブルドア校長 は、一見リチャード・ハリスに似ているが、動くと似てない。うう〜ん、これはまずい!リチャード・ハリスのダンブルドアが良かっただけに、これじゃいかにも別人て感じで(たしかに別人なのだが)、ハリスの死が再び悲しく思えてくる。

今回初登場の シリウス・ブラック も、あまり強烈な個性があるわけではなく、こんなもんでしょうねという感じ。でも、シリウスは、もともといいとこのおぼっちゃんなんだから、もうちょっと品があってもよさそうだけど。

あとは リーマス・ルーピン 。全然イメージ違うでしょう。前作のロックハートもイメージが違ったけれど、これもねえ・・・。「闇の魔術に対する防衛術」の先生って、皆ハズレ?でも、ルーピンは狼男に変身するわけだし、もっと汚らしいおじさんかと思っていた。あとの巻で重要な役を演じるだけに、ここはもっと原作に忠実によく考えてほしかったなあ。ていうか、映画の続編は作られるのか?

などなど言いつつ、とりあえず楽しみにしている。しっかり前売り券(おまけつき)も買ってきた。ところで、原書の6巻目はいつ出るんだろう?ちなみに原作や映画の公開の遅れは、観客動員にはマイナスだと思うけど。。。「LOTR」のほうは、3作しっかり予定がたっていたから、回を追うごとに観客が増えていたが、「ハリポタ」のほうはどうなることか?


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『コーンウォールの聖杯』/スーザン・クーパー
内容(「MARC」データベースより)
ドルウ家の三人の子どもたちは、古い屋敷の屋根裏から七百年前に書かれたアーサー王伝説をめぐる秘密の古文書を発見する。悪と戦いながら「聖杯」を探し出す子どもたちの物語。1972年刊の改訂新版。


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2004年02月17日(火)
ハーラン・エリスン

「新ターミネーター2」シリーズを、惜しみながら読み終えた。いくらでもきりがないほど続いてしまいそうな話なんだけど、やっぱりジョン・コナーが、自分の父親となるカイル・リースを過去に送ったところで終わっておかないとね。映画「T3」とはだいぶ展開が違っているが、これはこれですごく面白かった。

ところでこのシリーズ全作品の献呈謝辞に、「ハーラン・エリスンの全作品に感謝を捧げる」とある。巻末の解説でもこのことに触れており、「作家本人(ハーラン・エリスン)としては非常に論客であり、よく噛み付くことでも有名」とある。

「84年に「ターミネーター」が公開された折には、未来から現代にやってきた兵士というコンセプトに対して「自作アイディアからの盗用」を訴え、実際に訴訟にも勝訴しているという経緯があった。キャメロン(ジェームズ・キャメロン監督)もこれを受け入れ、最初に『T1』がビデオ化された際にはエンド・クレジットに「ハーラン・エリスンの著作に感謝を捧げる」という追加テロップがビデオ挿入された」

なるほど、そういうことがあったのか。というわけで、この「新ターミネーター2」の作者スターリングも、前例を踏まえて、ハーラン・エリスンに感謝を捧げておこうというわけか。

ハーラン・エリスン(Harlan Jay Ellison)は、アメリカでは大人気のSF作家らしいのだが、日本では『世界の中心で愛を叫んだけもの』1冊しか現在は入手できない。他にアンソロジーで『危険なヴィジョン 1』と、『妖魔の宴(うたげ)〈狼男編 1〉』が出ているが、現在は入手不可である(Amazon.co.jp)。

いろいろ見てみると、この人のタイトルのつけ方が独特で面白い。「新ターミネーター2」シリーズの翻訳をした石田享氏が訳している『我が魂はランゲルハンス島沖―北緯38度54分、西経77度00分、13秒にあり』(または『北緯38度54分西経77度00分13秒ランゲルハルス島沖を漂流中』)とか、『“悔い改めよ、ハーレクイン”とチクタクマンはいった』、『俺には口がない、それでも俺は叫ぶ』、『男が椅子に腰をかけ、椅子が男の脚を噛む』などなど、変なタイトルが並ぶ。

解説の品川四郎氏によれば、『少年と犬』(映画もある)というまともな(?)タイトルの作品がお薦めということなのだが、これも短編で、扶桑社ミステリーの『幻想の犬たち』というアンソロジーに入っているようだ。

<MSどす のハーラン・エリスン ファンの部屋>というサイトを見ると、『少年と犬』は、『世界の中心で愛を叫んだけもの』にも入っているようだ。

『幻想の犬たち』/ジャック ダン (編集), ガードナー ドゾワ (編集), Jack Dann (原著), Gardner Dozois (原著), 福島 正実 (翻訳), 安野 玲 (翻訳), 中村 融 (翻訳), 大森 望 (翻訳), 新藤 純子 (翻訳)
文庫: 516 p ; サイズ(cm): 148 x 105
出版社: 扶桑社 ; ISBN: 4594028152 ; (1999/12)

内容(「BOOK」データベースより)
犬は、長い年月にわたってわれわれのそばに仕え、時に人間同士以上に人の心を理解して信頼と友情を築きあう、人類の真の友であった。そんな犬をテーマに書かれた膨大な幻想小説のなかから、現代を代表する名作16編を厳選し、この1冊に結集。人間との間に驚くべき絆を結んだ犬、荒廃した破滅後の地球を仲間とともに生き抜く犬、前人未到の宇宙へ飛び出した犬等々、想像力豊かに紡ぎだされる、幻想に満ちた犬たちの世界。大好評『魔法の猫』『不思議な猫たち』の編者が贈る、犬アンソロジーの決定版。

目次
「死刑宣告」 Auto-Da-Fé デーモン・ナイト(Damon Knight)
「ルーグ」 Roog フィリップ・K・ディック(Philip K. Dick)
「ニューヨーク、犬残酷物語」 Do It for Mama! Concering Dogs, Men & Manhattan :24 Hours of Violence & Tragedy ジェロルド・J・マンディス(Jerrold J. Mudis)Tr:新藤純子
「銀の犬」 The Hounds ケイト・ウィルヘイム(Kate Wilhelm)
「泣き叫ぶ塔」 The Howling Tower フリッツ・ライバー(Fritz Leiber)
「悪魔の恋人」 Demon Lover M・サージェント・マッケイ(M. Sargent Mackay)
「同類たち」 A Few Kindred Spirits ジョン・クリストファー(John Christopher)
「ぼくと犬の物語」 Dogs' Lives マイクル・ビショップ(Michael Bishop)
「おいで、パッツィ !」 Here, Putzi ! フレッチャー・プラット(Fletcher Pratt) & L・スプレイグ・ディ・キャンプ(L. Sprague de Camp)
「逃亡者」 Desertion クリフォード・D・シマック(Clifford D. Simak)
「わたしは愛するものをスペースシャトル・コロンビアに奪われた」 I Lost My Love to the Space Shuttle Columbia ダミアン・ブロデリック(Damien Broderick)Tr:佐田千織(Chiori Sada)
「猛犬の支配者」 The Master of the Hounds アルジス・バドリス(Algis Budrys)
「一芸の犬」 One-Trick Dog ブルース・ボストン(Bruce Boston)Tr:中村 融(Tohru Nakamura)
「最良の友」 Friend's Best Man ジョナサン・キャロル(Jonathan Carroll)
「守護犬」 Wish Hound パット・マーフィー(Pat Murphy)
「少年と犬」 A Boy and His Dog ハーラン・エリスン(Harlan Ellison)


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『新ターミネーター2─最終戦争』(下)/S.M.スターリング
内容(「BOOK」データベースより)
サバイバリストらジャッジメント・デイを生き抜いた人間を指揮し、レジスタンスとしてスカイネットに対抗すべく活動を始めたジョン。だが、依然として状況は過酷だった。スカイネットはターミネーターの開発に専念する一方で、狂信的なラッダイトたちに軍の兵士を装わせ、生き残った人間を避難施設への移住と偽って劣悪な収容所に寄せ集めていた。そこで人為的にコレラを蔓延させ、核戦争に続く第二の人類抹殺計画を進めていたのである。だが、その収容所を脱出した若き看護婦と陸軍兵士がいた。メアリー・シェアとデニス・リース…のちにジョンの父となるカイル・リースをこの世に誕生させることになるふたりである。ふたりはジョンの仲間であるレジスタンス部隊に合流、運命の輪が静かにまわりはじめていた…。


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2004年02月16日(月)
スーザン・クーパー「闇の戦いシリーズ」

2月の目標である「トールキン関連本を読み終える&ジョン・チーヴァーを読み始める」というのを尻目に、そろそろいい加減に読書会の課題本を読まないと!とも思いつつ、気になっていた『コーンウォールの聖杯』を手にとってしまった。これはタイトルからもわかるようにアーサー王の話、と言ってしまうと語弊がある。アーサー王にちなんだ話とするべきだろう。

詳しい内容は「ドルウ家の三人の子どもたちは、古い屋敷の屋根裏から七百年前に書かれたアーサー王伝説をめぐる秘密の古文書を発見する。悪と戦いながら「聖杯」を探し出す子どもたちの物語」(Amazon.co.jp)というわけで、アーサー王が復活するなんてことも書かれていたりするのだが、半分ほど読んだ限りでは、アーサー王は人寄せパンダじゃないかってこと。つまりアーサー王がメインになるという話じゃないどころか、結局アーサー王なんて出てこないんだろうな。

などとはっきりしない事を書いているのは、これはスーザン・クーパーの「闇の戦いシリーズ」(邦訳を含む各巻の詳細はこちら)の第一作目で、このあとまだ4冊も続くので、どういう展開になるのか全然わからないからだ。多くのファンタジーの例にもれず、善と悪の戦いというテーマらしいのだが、たくさんの人に望まれて復刊になったわりには、どうなの?という感じ。

私はアーサー王ものが好きなので、アーサー王という文字が書いてあれば、すぐに手が伸びてしまう。これもかなり期待していたのだが、アーサー王が人寄せパンダだとわかってしまったら、もう面白くないだろう。ストーリーが今いちなのか、翻訳が良くないのか(児童書の翻訳はほんとに難しい。子どもっぽい言葉で書けばいいというものでもない。特に会話部分が問題)、物語の雰囲気もとりたてて心惹かれない。

この先の4巻はどうしよう。原書で読んだら、もっと雰囲気が違うのかなあ。3人のきょうだいが、洋服ダンスをああしたこうしたという設定は、どう見ても「ナルニア」だし、これといって魅力的なキャラクターもいない。冒険のきっかけも気をそそらない。ただ、この先主人公が変わるらしいので、どんな展開になるのか、とりあえず興味はある。

しかしこの本に関しては、最後まで読まないとわからないが、子供向けの粋を出ていないのは明らか。そう思うと、やっぱり「ハリー・ポッター」は違うんだなあ。子ども向けとか大人向けとか全然関係ない。出だしからもう違っている。「ハリー・ポッター」を超えるファンタジーは、なかなか出てこないだろう。もちろん、『指輪物語』は別格だが。

「ハリー・ポッター」も読んでしまえば誰でも書けそうな話だが、なぜ誰も書けないのだろう?ファンタジーなんてと馬鹿にしてはいけない。「誰もが夢中になる」ファンタジーを書くのは、至難の業だと思う。やっぱり「ハリー・ポッター」には魔法がかかっているのかも。


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2004年02月15日(日)
不良でもファーロングがよかった

風邪もすっかり完治したわけではなく、ここ2週間くらいはあまり外にも出ず、ずっとおとなしくしている。今日はうちのアラゴルンもゴルフに出かけたので、ひとり静かに「新ターミネーター2」シリーズを読みふけった。ほんとに面白い、これ。

第三部の「最終戦争」では、映画「T3」を待たずに、すでにジャッジメントデイが起こってしまうのだが、小説のほうのジョン・コナーは、未来のリーダーになるにふさわしく、頭脳明晰で精悍な感じの青年に育っていて、頼もしく思える。

ところが映画「T3」では、ジョン役を演じたニック・シュタールの評判はひどかった。本の解説にも「バカ息子顔」などと書かれていて、立つ瀬がない。でも実際にそういう感じで、未来のリーダーになるとは全然思えない顔なのだからしょうがない。このジョン・コナーの配役で、あの映画はだいぶ面白みが減少しただろう。ジョンの登場の仕方も情けなかった。この小説のように、母親のサラに厳しく育てられていたら、あんな風にはなっていないはず。そういう意味では、映画のストーリーよりも、こちらの小説のほうがずっと面白い。

「T3」を観たときにも書いたが、「T2」でジョン役だったエドワード・ファーロングをそのまま使えばよかったのにとも思うが、彼は素行不良で使えなかったんだって。彼はトルーマン・カポーティ原作の「草の竪琴」にも出ているのに。。。でも、こちらのサイトを見ると、当初は「T3」にも出演予定だったみたいだ。

ちなみに、そもそもシュワちゃんはターミネーター役ではなく、未来から来てジョンの父親になるカイル・リースの役だったらしい。もともとのターミネーター役は、ランス・ヘンリクセン「エイリアン2」のアンドロイド役)で、全然ごつくもドイツ訛りでもなかった。マシンだから、いたって目立たない没個性の存在として予定されていたというのだから、もしそうなっていたら、映画がヒットしかたどうか疑わしい。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『新ターミネーター2─迫りくる嵐』(下)/S.M.スターリング
内容(「BOOK」データベースより)
危機一髪、アリッサの放ったターミネーターの攻撃を打ち砕いたジョンとディーターは、仲間となったシルバーマン博士の助けで逃げてきたサラとコロンビアで再会、新たな戦いに向け、作戦を練る。クレアはT‐1000の素材の原型となる特殊合金を発明、その特許を武器にスカイネット計画を推進するサイバーダイン社に接触、その後ヴィーマイスターらが研究を行っている南極の軍施設に研究員として潜り込んでいた。すぐにその動きを察知したジョンらは、まだ傷の癒えないサラをパラグアイに残し、ジョン、ディーター、ウェンディの3人で南極へと向かう。今度は爆破が目的ではない、スカイネットを誕生させるのだ。ただし、ウェンディの開発した暴走防止プログラムをインストールした形で…。極寒の地の果て、最終決戦がいま始まる。

『新ターミネーター2─最終戦争』(上)/S.M.スターリング
内容(「BOOK」データベースより)
南極の死闘から帰還したジョンとディーターはふたたびサラと合流し、アラスカに潜伏していた。なにもかもが終わったかに見えたが、世界中で車で暴走する奇妙な事故が多発しはじめる。スカイネットの関与を疑うサラだが、ウェンディを失った悲しみの癒えぬジョンは耳を貸そうとしない。だが、やはりスカイネットは生きていた!人類殱滅を目論むラッダイトの人間を操り着々と準備を進めていたのである。くしくも自らの手でその命を吹き込んでしまったことに気づいたジョンはふたたびサラたちとスカイネット打倒に立ち上がる。が、時すでに遅し、ついにジャッジメント・デイは起きてしまう。軍を掌握したスカイネットが核爆弾を投下、人類は激減させられた。果たしてジョンは人類の未来を救えるのか、存亡をかけた最終戦争が始まる…。


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2004年02月14日(土)
バレンタインデー

Books For Valentine's Day
バレンタインデーにちなんだ、ランダムハウスからのセレクト。というわけで、今月はロマンス本でも読もうかと思っていたが、アレックス・シアラーのチョコレートもの(バレンタインの月にちなんで読んでいたのだが)でお腹がいっぱいで、何にせよ甘いものはもういいという感じ。

私はチョコレートが嫌いだが、うちのアラゴルンはチョコレートが大好きで、夕食後に必ずチョコレートを食べないと気がすまない。よってバレンタインデーは、本来の目的はどうであれ、チョコレートをたくさん買ってあげる日ということになっているため、今日もうんざりしながらチョコレートを用意した。

これもまた有名な高いチョコレートなどではだめで、普通にコンビニとかで売っているものがいいらしい。高いものはその価値など関係なく、こういうのはまずいと言って食べないから、買うだけ無駄。そういうわけなので、よくチョコレートをくれる弟のところには、贈答用の高いチョコレートはやめてと言ってあるのだが、これもまた聞き入れてもらえない。好きだと思って贈ってくれるのは重々承知。そういう行為は無にしたくないからこそ、高いのはやめてねといっているのだが、どうやら遠慮して言っていると思われているみたいだ。

箱入り、缶入りの立派なチョコレートをもらうたびに、もったいないなあと思いながら結局捨てる羽目になる。食べ物を捨てると書くと、またお叱りを受けそうだが、実際には、もしかして食べるのかもしれないと思いつつ、もうとことんだめだろうと思うまで、しばらく置いてあるのだ。溶けたり白っぽくなったりして、食べたらお腹が痛くなりそうだと思うくらいまで、ずっと置いてある。ところがうちのアラゴルンは、口に合わないと思うものは、絶対に食べない。くどいようだが、私はチョコレートは嫌いだし。。。


〓〓 BOOK

◆読了した本

『新版・シルマリルの物語』/J.R.R.トールキン
内容(「MARC」データベースより)
唯一なる神「エル」の天地創造、大宝玉「シルマリル」をめぐる争い、不死のエルフ族と有限の命を持つ人間の創世記のドラマ。「指輪物語」に先立つ壮大な神話的世界。上下巻をまとめ、著者トールキンの手紙も収録した新版。


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2004年02月13日(金)
「ドッグヴィル」

今日、Amazonから届いた「Book Plus」の新刊『ドッグヴィル』は、あっという間に読み終えた。表紙にニコール・キッドマンの顔がついているやつ。この人、きつい目といい、薄い唇といい、意地悪なんだろうなあ、性格悪そうだよと前々から思っていた。

『ドッグヴィル』は、そのニコール・キッドマン主演で、昨年映画化された。冒頭は、なんでキッドマンなんだろう?と思っていたが、最後に、なるほどこれはニコール・キッドマンにぴったりだ!と思った。この人やっぱり恐ろしい。

しかし、ノベライゼーションではなく、ちゃんとした小説でじっくり書き込んでくれたら、もっと面白くなるのにと残念でもある。なんだか腑に落ちない、あまり気持ちの良くない話なのだが、だからこそ、人物描写などがもっと丁寧に書き込んであったら、なかなかのものになっただろうにと思う。

それに、最後の展開はキッドマンにぴったりだとは思うが、もっと無垢な感じの女優のほうが意外性があってよかったかも。キッドマンでは、何かあるぞと初めから疑ってしまうから、あっと驚く度合いも少ない。本のほうもキッドマンの顔を思い浮かべずに読んだほうが、面白くなると思う。


2/14(土)TBS「世界ふしぎ発見!」は「王の帰還」をフィーチャー!
「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」消えた王国を探せ!

世界中に散らばるミステリーを紹介するおなじみのクイズ番組「世界ふしぎ発見!」。明日2月14日(土)の放送は、古代文明の一部が残されているというフランス、ブルターニュ地方からミステリーをお届け。蜃気楼に通じるある重要な役割をもつといわれる、巨石や列石が立ち並ぶブルターニュで、蜃気楼によって導かれる古代ヨーロッパの謎と、数々の英雄が生み出された壮大なヨーロッパ神話の源流、そして「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」の消えた謎の王国の秘密に迫ります! 放送は21:00から。お楽しみに!

※番組の内容は予告なく変更される場合があります。予めご了承ください


◆ロードマップで第1部、第2部を簡単解説!
HERALD ONLINE「王の帰還」特別ページにリニューアル・アップ!

第1部、第2部を忘れてしまった人も、観ていない人も、これでOK! 
旅の仲間の道のりと、これまでのストーリーを地図おさらいするコンテンツが、日本ヘラルド映画公式サイト「HERALD ONLINE」の「王の帰還」特別ページ内にリニューアル・オープンしました! 前2作を観たけれど覚えていないという人も、観ていないけど今すぐ話題の「王の帰還」が観たい!という人は、ここをチェック! これまでの旅の道程とストーリーを、地図と写真を照らし合わせながら読みやすくご紹介いたします!

< HERALD ONLINE 「王の帰還」特別ページ >
※ページ内の「ロードマップ」をクリック!


〓〓〓 BOOK

◆Amazonから

『新ターミネーター2─最終戦争』(下)/S.M.スターリング \540
内容(「BOOK」データベースより)
サバイバリストらジャッジメント・デイを生き抜いた人間を指揮し、レジスタンスとしてスカイネットに対抗すべく活動を始めたジョン。だが、依然として状況は過酷だった。スカイネットはターミネーターの開発に専念する一方で、狂信的なラッダイトたちに軍の兵士を装わせ、生き残った人間を避難施設への移住と偽って劣悪な収容所に寄せ集めていた。そこで人為的にコレラを蔓延させ、核戦争に続く第二の人類抹殺計画を進めていたのである。だが、その収容所を脱出した若き看護婦と陸軍兵士がいた。メアリー・シェアとデニス・リース…のちにジョンの父となるカイル・リースをこの世に誕生させることになるふたりである。ふたりはジョンの仲間であるレジスタンス部隊に合流、運命の輪が静かにまわりはじめていた…。

※5巻まではBOOK・OFFで入手できたが、この巻だけみつからなかった。

『ドッグヴィル』(B+)/ラース・フォン・トリアー \1000
カバーより
ロッキー山脈の麓、孤立した町ドッグヴィル。わずか22人が貧しい生活を送っている。ある日、ギャングに追われる若い女グレースが町に迷い込み、医師の息子トムのはからいで彼女をかくまうことに。不審がる住人たちがそのために出した条件とは「2週間でグレースが町の全員に気に入られること」というものだった。


◆読了した本

『ドッグヴィル』(B+)/ラース・フォン・トリアー

『Bootleg』/Alex Shearer
ペーパーバック: 352 p ; サイズ(cm):
出版社: Macmillan Children's Books ; ISBN: 033041562X ; (2003/07/04)

『新ターミネーター2─迫りくる嵐』(上)/S.M.スターリング
内容(「BOOK」データベースより)
未来のスカイネットが送り込んできた新たな刺客、サリーナ・バーンズこと新型ターミネーターI‐950型を死闘の末葬ったサラ、ジョン、ディーターの3人は再度サイバーダイン・システムズ社を爆破、スカイネット計画を阻止した。だが、サラはこの戦いで負傷、ジョンとディーターはひとまずサラをジョーダンに託し、南米へと逃走する。これで戦いは終わったかに見えたが、悪夢はふたたび甦る。サリーナが死ぬ前に残したクローン2体、クレアとアリッサの姉妹がついに目覚め、水面下で活動を開始したのだ。ジョンはネットで知り合ったマサチューセッツ工科大学の学生ウェンディらを仲間に引き入れ、ターミネーターの残したCPUの解析を依頼。ウェンディとの間にはほのかな恋心が芽生えるが、ターミネーターの脅威はすぐそこまで迫っていた…。


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2004年02月12日(木)
私は甘いものが嫌いです!

まだ風邪が完治していないせいか、だるくてだるくて仕方がない。そんなわけで、今日も昼寝をしていたところ、夢の中にスマップが出てきた。で、スマップのコンサートがあるのだが、君は一生懸命やっていないから、仲間に入れないと言う。キムタクと慎吾ちゃんと草薙君がそう言って私を責めるのだが、そもそもなんで私がスマップの仲間になって、コンサートをしなきゃならないのか?

とはいえ、仲間に入れないと言われたことで、とても悲しい気持ちになりながら目が覚めた。「自分は一生懸命やっていない」と日頃自覚しているんだろうなとは思ったが、だからといって、どうしてスマップなんだろう?中居君と吾郎ちゃんは出てこなかったが、キムタクの生意気な態度にむかついた。

ジョン・チーヴァーとバーナード・マラマッドの短編集を読むという今年の密かな目標も、ネット上にページを作っただけで全然進んでいないし・・・とはいうものの、読んだからなに?ネット上にアップしたからどうなの?という暖簾に腕押し状態の虚しさも否定できない。目標をやり遂げたその後のビジョンが見えていないので、はっきりした目標があってこそ、初めて前進できる牡羊座のO型人間としては、今ひとつ気合が入らない。


ところで今月は、アレックス・シアラーの『Bootleg』というチョコレート禁止の話の本を読み始めたのだが、途中で中断していたのでなんとか終わらせようと思ったはいいが、「Bootleg」とは、つまり禁止された品を密造する話で、結局チョコレートがふんだんに出てくる。チョコレートが嫌いな私は、読んでいて気持ちが悪くなってしまって、なかなか先に進まない。

チョコレートなんか禁止になったって、チョコレートが嫌いな私には何の弊害もないので、法を犯して密造までする彼らの気持ちが全く理解できないため、食べられないなんてかわいそう!とは思えず、チョコレートなんてどうだっていいじゃないという感じになっている。チョコレートにはもううんざり。

ちなみに「私は甘いものが嫌いだ」とさんざん言っているにも関わらず、どういうわけか信じてもらえない。誕生日には必ずケーキ、何かのお返しにはチョコレートやクッキーといった具合。他の場合はともかく、誕生日だけは本人だから、せっかくの好意に嫌ともいえず、避けるわけにいかない。誕生日にお酒を飲みながらケーキを食べさせられるなんて、拷問にも等しいと感じているのだが、いつも無理やり詰め込まれる。ロウソクを吹き消すという行為をしなければならないのなら、ケーキなしでロウソクだけでいいからと思う。今後、私に何かくださるという方がいたら、どうかお菓子は勘弁してください。ダイエットとか関係なく、私は甘いものが嫌いなんですってば!


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2004年02月11日(水)
アンソニー・トロロプ

先月読んだベイリー・ホワイトの『ママは決心したよ!』に、何度か登場するイギリスの作家アンソニー・トロロプ(またはトロロープ)。実はここで初めて目にした作家なのだが、ネットで検索してもあまり情報が出てこないし、翻訳本も見つからない。その代わり、Amazon.co.jpで見ただけでも、原書は山ほどある。紀伊国屋の店頭でも5冊くらいあった。

『ママは決心したよ!』の中でも、「トロロプなんて読む人はもういない」とあったから、名前を知っている人も少ないのかもしれない。ネットでも大学の文学部でいくつか研究しているくらいで、個人でトロロプを読んだという情報は出てこない。

こういう状況だと、へそ曲がりの私は、俄然興味がわいてきて、ぜひ読んでみたいと思う。実際読むかどうかはわからないが(どの本も800ページ前後の分厚い本だ)、集めるだけ集めてみたくなってしまう。ベイリー・ホワイトの愛読書であれば、あながちつまらない本でもなさそうだし。ちなみに、『レベッカ』を書いたダフネ・デュ・モーリアも、トロロプやオースティンを愛読していたそうだ。

それに、トロロプが頭痛もちであったというのも親近感を覚える。私も頭痛もちだし、夏目漱石が胃病に悩んでいたように、作家は持病があったほうがなにやら偉そうだ。

トロロプ(またはトロロープ)著作
頭痛もちシリーズ・作家編「Anthony Trollope」


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2004年02月10日(火)
「アンクル・トムの小屋」

ずっと欲しいと思っていた本がある。それはストウ夫人の『アンクル・トムの小屋』だ。これまで不当に評価されてきたが、ようやくこれは名作であるという評価が高まった。で、私が欲しいと思っている本は、新訳の大判の単行本で、分厚くて重たいし、価格も6500円と結構高い。

でも昨日、BOOK・OFFで半額になっているのを見つけた。どうするかなあ・・・と悩み中。原書も持ってはいるんだけれど、他の訳はほとんどが児童向けだし、そうではない旺文社文庫のものはすでに絶版になっている。翻訳でちゃんとしたものを読むには、これしかないのだ。ジョージ・オーウェルも「よい悪書」としながら、これは面白いし、ずっと後生に残るだろうと言っている。つまりB級ではあるが、時代を超えて面白いということだ。

そのB級であるという評価が、昨今では見直されているというわけだから、やはり大人向けの完訳で、しっかり読んでおきたいという気持ちが強い。


「・・・私は、どこがすぐれているかを証明する純粋に文学的な検査法など知らないけれども、『アンクル・トムの小屋』の方が、ヴァージニア・ウルフやジョージ・ムアの全作品よりも、あとまで残ると断言したい」
─ジョージ・オーウェル「よい悪書」


『新訳 アンクル・トムの小屋』/ハリエット・ビーチャー ストウ (著), 小林 憲二 (翻訳), Harriet Beecher Stowe
価格: ¥6,500
単行本: 628 p ; サイズ(cm): 210 x 148
出版社: 明石書店 ; ISBN: 4750310832 ; (1998/10)
内容(「BOOK」データベースより)
この物語のさまざまな描写の目的は、アフリカ人に対する哀れみと共感の心を喚起すること、つまり残酷で不当なシステムの下におかれた彼らの不正と悲しみを示すことにある。なぜそうしなければならないかといえば、彼らがわれわれのあいだに立ち混ざって存在しているからである。このシステムの残酷さと不当さは、彼らの最良の友人たちが、このシステムの下でなお彼らのために試みうるどんな善意の活動も無駄にし、圧殺してしまうほどのものなのである。こうした目的でこの物語を書いてきて、著者として心から言えることだが、自分自身の落ち度からでなく、奴隷制の合法的な諸関係の結果としてさまざまな試練や困難に巻き込まれてしまった人々に対して、私は悪意ある感情など抱けない。著者の経験によれば、しばしばもっとも気高い精神や心の持ち主がこういったことに巻き込まれているのだ。この物語の描写から推測されうるような奴隷制の害悪は、筆舌に尽しがたい全体の半分も言葉になしえていないということを、こうした人たちが一番よく知っている。

内容(「MARC」データベースより)
これまで不当に低く評価されてきた「アンクル・トムの小屋」。合衆国の過去と現在を正しく知るためにこの作品を読むという意味で、最良の新訳。作品と作者の綿密な解説、黒人文化・社会史年表等資料を付す。


さて、今日は「うちのアラゴルン」(映画を観て、あまりにアラゴルン、アラゴルンと言っていたため、ご機嫌斜めの様子なので、しょうがないのでアラゴルンと言ってやろう)の誕生日。好きなものを食べに行こうということになって、大久保の韓国料理店に行った。

韓国料理は私も好きだが、このところダイエットのために年中豆腐チゲを食べているせいで、いい加減唐辛子味には飽きている。唐辛子も大好きなんだけど、ここ何ヶ月もそればっかりという感じだから、わざわざお金を払って食べに行きたいと思うものではないのだが、誕生日の本人がそれがいいというのでしかたがない。

韓国料理も、日本で食べるものは日本人向けに味を変えてあるので、おいしいと思ったことがない(焼肉も含めて)。やたら甘いか、やたらしょっぱいかなのだ。しかも高い。日本で食べる韓国料理の値段は、絶対に納得できない。


ところで昨日BOOK・OFFで、デイヴィッド・ベニオフの『25時』を買ったはいいが、あとで中を開いてみたら、ボールペン(しかも4色ボールペンだ!)であちらこちらにラインがびっしり引いてあって、なんじゃこりゃー!という感じだった。早速店に取り替えてもらいに行ったところ、同じものがないので、返金しますという。

そもそも古本だから、そういう本でも仕方がないとは思うけれども、こちらで売るときには、些細なしみがあったくらいで買い取れませんというのだから(しかも上下巻揃っているのに片方だけ!)、ラインがびっしり引いてあるのはどうなのよ!と思って、たかが100円ではあるけれど、絶対に文句を言ってやる!という感じだった。

新品で買う場合には、装丁も購入動機の大きな要因になるが、古本は装丁などはどうでもいい。必要なのは中身だけ。きれいな状態であるに越したことはないが、稀本以外は装丁がいいからと思って買う本などめったにないわけで、大事な中身が読みにくい状態だったら、話にならないだろう。

特にラインが引いてあったりすると、そこが妙に強調されてしまい、変なところで引っかかってしまう。この人はなぜここにラインを引いたのか?と、全く関係のないことで悩むはめになる。それも1、2箇所ならいいが、最初から最後までびっしり引いてあるとなったら、いくら100円だって嫌だ。

それより何より、わずか3ミリくらいのしみがあっても買い取らないのに、こんなにラインが引いてあっても買い取るのか?と聞いたら、「全部調べていられませんから」と言う。ぱっと開いただけで、赤、青、緑のボールペンの線が目に飛び込んでくるのに、全部調べるもなにもないってのよ。たしかにこちらが中を開いて見なかったのも悪いかもしれないが、まさかこんな本を売っているとは思わないし、しみひとつでも(しつこいようだが)買い取らないのだから、こんなことを見逃すはずがないだろうと思うじゃないの。

それはともかくとしても、BOOK・OFFの本に対する考えって、やっぱりあまり気持ちのいいものではないなといつも思う。言葉は悪いが、「みそもくそも一緒」という感じで、時に非常に腹立たしく感じることがある。100円で買える、あるいは最高でも半額で買えるのは嬉しいと思う反面、とてもむなしい気持ちにもなる。

ベニオフの『25時』に関しては、原書があるんだから、絶対原書で読んでくれよ!と作者が言っているのかも。。。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『新ターミネーター2/未来からの潜入者』(下)/S.M.スターリング
内容(「BOOK」データベースより)
未来のスカイネットから送り込まれた刺客サリーナ(I‐950)は、自宅のラボで製造したT‐101型ターミネーターをパラグアイのコナー邸に送り込む。この深夜の奇襲攻撃からサラを救ったのはあのT‐800そっくりの隣人ディーターだった。極秘対テロ組織の元工作員であるディーターはスーザンの正体がサラであることを見破っていたが、ターミネーターの存在を目の当たりにし、コナー親子とともに戦うことを決意する。一方、サラを兄の敵と思い込むマイルズの弟ジョーダンは、サリーナのアシスタントとしてサイバーダイン社に就職、サラへの復讐の想いを募らせる。今度こそデータのすべてを消去するべく、カリフォルニアのサイバーダイン本社に乗り込むサラ、ジョン、ディーター、迎え撃つサリーナとターミネーターは!?いま新たなる最終戦争が始まる…。


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2004年02月09日(月)
「新ターミネーター2」シリーズ

トールキンの本は大きいし、重たいし・・・で、お風呂で読んだりするのに、「新ターミネーター2」シリーズを読み始めた。お気楽なエンターテインメントと思って全然期待もしていなかったのだが、これが結構面白くて、はまってしまった。

映画「T2」で、溶鉱炉に沈んでいくターミネーター(T-800)に涙していた私だが、「新ターミネーター2」は、その直後から話が始まる。それに、映画を観た人は覚えているだろうが、液体金属ターミネーター(T-1000)にもぎ取られたT-800の腕は、あれからどうなったのか・・・。そう、その腕が残っていたために、コナー親子の願いも空しく、「T3」へと話が繋がり、ジャッジメント・デイはやってきてしまうわけだ。

「T2」から「T3」まで12年ものブランクがあったわけだから、いろいろなストーリーが考えられてもいいわけだが、これまでそんなことを考えてみたこともなかった。このブランクを埋める話が「新ターミネーター2」になるわけだけれど、いろいろ考えれば、話はどうとでも作れるものだなあと感心してしまった。

最も興味深いのは、パラグアイで逃亡生活を送っているコナー親子の隣に越してきた、ディーターというオーストリア人のこと。これがT-800にそっくりだというからおかしい。しかもこちらはターミネーターには何の関係もないただの人間。だったら、なんで、どうして、T-800はディーターにそっくりで、しかもドイツ語訛りの英語を話すのか?その大きな謎が、なかなか解明されないため、どんどん先へ先へと読み進めてしまう。もう単純に面白い!

ちなみに「単純に面白い」と言うのは、私にとっては褒め言葉だ。「単純」という言葉があまり褒めているようには聞こえないため、うっかりそう言ってしまって誤解を招くこともあるのだが、余計なことを考えずにストレートに夢中になれるという意味で、私の中では「単純に面白い」というのは、「すごく面白い」とイコールになっている。ただ、「すごく面白い」と言う場合には、文章が巧みであるとか、感覚的に相通ずるものがあるとか、もっと多くの意味が含まれている場合もあるから、自分自身では使い分けをしているつもり。

普段本を読みながら、ほとんど常に「感想をどう書くか」ということを考えているのだが、「単純に面白い」本の場合は、そういうことも一切なしに、ただストーリーに夢中になれる。この「新ターミネーター2」などは、文学というにはほど遠いだろうが、文学と認められるものの中にも、単純に面白いものは稀にある。そういう本の場合、感想をどう書くかと考えていないので、あとでとっても苦労する羽目に陥るのだが、読書の楽しみとしては、単純に面白い本のほうが、より楽しい。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『新・ターミネーター2/未来からの潜入者』(上)/S.M. スターリング (著), S.M. Stirling (原著), 石田 享 (翻訳)
内容(「BOOK」データベースより)
サイバーダイン爆破から6年。T‐1000と死闘を繰り広げ人類の未来を救ったサラ・コナーと息子ジョンは、その後アメリカ政府にテロリストとして追われ、現在は南米パラグアイでひっそりと逃亡生活を送っていた。名前もサラからスーザンへと変え、運送会社を営む日々は平穏に思えた。が、ある日あのT‐800そっくりの男が隣家に越してくる。一方、カリフォルニアではマイルズの研究が再開されていた。そう、すべてが破壊されたわけではなかったのだ。そしてスカイネットはジョン抹殺のため、未来からさらなる刺客を送り込んできた。I‐950、遺伝子操作を施され、生後すぐにサイボーグ化された女ターミネーター、サリーナである。果たしてサラとジョンはふたたび世界を守ることができるのか?そして謎の隣人の正体とは…。


◆BOOK・OFF

『シンプル・プラン』/スコット・B・スミス \100
文庫: 581 p ; サイズ(cm): 148 x 105
出版社: 扶桑社 ; ISBN: 4594013562 ; (1994/02)
内容(「BOOK」データベースより)
ある雪の日の夕方、借金を苦にして自殺した両親の墓参りに向かうため、ハンク・ミッチェルは兄とその友人とともに町はずれの道を車で走っていた。途中ひょんなことから、彼らは小型飛行機の残骸とパイロットの死体に出くわす。そこには、440万ドルの現金が詰まった袋が隠されていた。何も危険がなく誰にも害が及ばないことを自らに納得させ、3人はその金を保管し、いずれ自分たちで分けるためのごくシンプルな計画をたてた。だがその時から、ハンクの悪夢ははじまっていたのだった。スティーブン・キング絶賛の天性のストーリー・テラー、衝撃のデビュー作。


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2004年02月08日(日)
トールキンの偉大なる世界

映画「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」を観て、また原作を読みたくなった。壮大な物語だから、何度読んでも覚えきれない事柄がたくさんある。しかしトールキン自身が言っているように、この物語は実際には短すぎるのだ。そのため、「追補編」やら「シルマリル・・・」やら、本編を補う物語を読まなくてはならない。

本編以外を無視しても、それはそれで十分楽しめるのだが、一度読み出すと、あれもこれもとなってくる。はっきり言って、それらはあまり読みやすいものではないと思うが、読み始めてしまうと、本編にさらに肉付けが加わって、ただでさえ深い世界が、さらにさらに深くなってくる。

一番驚く(というか、呆れるというか・・・)のは、今に知ったことではないけれども、エルフ語をはじめ、いくつもの言語をトールキンが作ってしまったことだ。私たちがオリジナルであると認識している英語で書かれた本は、中つ国のいろいろな言葉を、「英語に翻訳したもの」ということなのだ。翻訳にあたって、ああしたこうしたということも書かれている。そこまでいくと、もう単なる物語ではなくなって、実際にこういう世界があったのだと思えてくるのがすごい。本当にすごい!

もし物語が分かりにくいとするなら、この言語の部分だろうと思う。つまり、西方の共通語ではこう言うが、エルフ語ではこう言うといったように、同じものを指す場合でも、違う言い方がいくつもあるからだ。そこで迷ったり、全然別のものと勘違いしたりすることも多いだろう。

けれども現在の世界のことを考えても、たったひとつの言語しか使われていないわけではないから、「中つ国」という世界に、いくつもの異なった言語があるのは当然と言えば当然だ。そこまで考えて物語を作った作家は、トールキンをおいて他にはいないだろう。読めば読むほど偉大さが増す作家である。トールキンの世界は、生半可なファンタジーではないと思い知る。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『指輪物語〈追補編〉』/J.R.R. トールキン (著), J.R.R. Tolkien (原著), 瀬田 貞二 (翻訳), 田中 明子 (翻訳)
単行本: 274 p ; サイズ(cm): 210 x 148
出版社: 評論社 ; ISBN: 4566023605 ; 新版 版 追補編 巻 (1992/05)
内容(「BOOK」データベースより)
恐ろしい闇の力を秘める黄金の指輪をめぐり、小さいホビツト族や魔法使い、妖精族たちの果てしない冒険と遍歴が始まる。数々の出会いと別れ、愛と裏切り、哀切な死。全てを呑み込み、空前の指輪大戦争へ―。世界中のヤングを熱狂させた、不滅の傑作ファンタジー。トールキン生誕100年記念出版。


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2004年02月07日(土)
「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」先行オールナイト

◆遂に我がアラゴルンが王に!

というわけで、「王の帰還」を見てきた。3時間25分は長いなあ・・・と思っていたが、身じろぎもせずに見入った。原作とだいぶ違うところもあったけれど、この映画はこれで良しでしょう。

アラゴルンは、架空の人物の中では最も好きなキャラクター。キャラクターが好きなら、その付属物も崇め奉ってしまう。折れたナルシルが鍛え直されて、名剣「アンドゥリル」として現れたときには、身震いがした。その前からすでにアラゴルンが王であることは公言されているのだが、ここで初めて本当に王が還ってきたのだと実感する。原作からアラゴルンの姿を想像することは難しかったが、ヴィゴ・モーテンセンははまっている。ほんとにヴィゴで良かった!という感じ。

難を言えば、アラゴルンが死者の道を行き、死者たちを伴って、船でゴンドールに入って来るとき、アルウェンの作った旗印を掲げていて欲しかった。アルウェンは別の場面で、王の旗印を掲げているのだが、やはりゴンドール入りのときに、霧の向こうから旗印が堂々と現れたら、さらに感激しただろうと思う。

セオデン王の死の場面は原作でも泣くのだが、映画でもやっぱりウルウル。泣く場面などないんじゃないかと思っていたら、私的には泣き所が結構あって、目が真っ赤になってしまった。

ちなみにホラー映画の監督として期待していたのは、大蜘蛛のシェロブだったのだが、これはちょっと期待はずれだった。もっと不気味な気持ち悪さがあっても良かったんじゃないかなあと。

さて、今回の指輪グッズだが、エルフの持っている指輪がないかと思っていたら、なんと「アラゴルンがしている指輪」があって、思わぬ喜び!当然買い!これは本当に欲しかった。でも、こんなの絶対に作らないだろうなと思っていたので、発見したときは大感激。それと、名剣アンドゥリルとゴンドールの旗印のついたダブルネックレス。アンドゥリルもすごく欲しかったので、めちゃくちゃ嬉しい。その他いろいろ・・・で、また散財。(^^;

今回は、前売り券を2枚買ってあるので、もう一度観に行く予定。

ところで『追補編』を読んでわかったのだが、アルウェンは、アラゴルンよりも2690歳も年上だったのだと知って、びっくり!エルフだから年上だろうとは思っていたが、そんなに離れていたとはね!ちなみに指輪戦争時、アラゴルンは86歳だった。

さらにエルフが隠していた3つの指輪は、フロドとビルボを伴って灰色港から船で中つ国を去るときには、エルロンドが「青い石のヴィルヤ」、ガラドリエルが「白い石のネンヤ」、ガンダルフが「赤い石のナルヤ」を持っていたが、そもそもエルロンドのヴィルヤはギル・ガラドが、ガンダルフのナルヤは船大工のキアダンが持っていたものを譲り受けた。

また、映画ではそれが中つ国から出る最後の船だということになっているが、原作ではその後も船は出る。アラゴルンが没したあと、レゴラスとギムリも船に乗って中つ国を去る。ドワーフを伴って行くことには、おそらくガラドリエルの助力があったものと思われる。

などなど、本編だけでは知りえなかった事実(?)が、『追補編』や『シルマリルの物語』『終わらざりし物語』などでわかる。人物、場所、出来事などがたくさん出てきて、まるで歴史書みたいで読むのが大変だと思っていたが、読んでおくとさらに深く楽しめることがわかった。


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2004年02月06日(金)
「ライオンボーイ」

以前、紀伊国屋で立ち読みチェックしていた本(ペーパーバックは5月出版予定になっているが、紀伊国屋ではすでに売っていたので、あまり売れていなければバーゲンに出るかも?)が翻訳されて、映画化もされるようだ。

でもポスト「ハリー・ポッター」って、この間読んだ『Molly Moon's Incredible Book of Hypnotism』も「女の子版ハリー・ポッター」となっていたし、何度もいうようだけど、「ハリー・ポッター」を引き合いに出せばいいっていうもんでもないでしょう。

本の宣伝に、他の有名なタイトルを引き合いに出すと、損するような気がするんだけどなあ。たとえその物語が、それなりに面白かったとしても、「ハリポタと全然違うじゃないか」とか、「なんだ、ハリポタより面白くないじゃん」となって、その本独自の判断が下せなくなってしまう。

出版社の宣伝文句をなんでもかんでも信用するわけじゃないけど、「ハリポタ」とか「ライ麦畑」とか書かれてしまうと、やっぱりどうしたって、どこかで比較してしまうのは避けられない。もっとも、それ以上に面白かったという本もあるわけだが、「ハリポタ」や「ライ麦畑」が先入観として植え付けられてしまうのは嫌だ。

<ライオンボーイ公式サイト>

『ライオンボーイ 消えた両親の謎』/ジズー・コーダー(著)、枝廣 淳子(翻訳)、天野喜孝(絵)
価格: ¥1,900
単行本: 464 p ; 出版社: PHP研究所 ; ISBN: 4569632874 ; (2004/02/02)
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近未来のロンドン。地球は「帝国」の支配を受けていた。ガソリンなどの資源は尽き、車に乗れるのは特権階級の人々だけだ。ある日、チャーリーの両親が忽然と消えた。彼にも敵の魔の手が忍び寄る。ネコたちの情報を頼りに、チャーリーの両親を探す冒険が始まった。

チャーリーは、ネコ語が話せる男の子。両親は誘拐されたと近所のネコに聞かされた。これには近所の不良少年ラフィが関わっているらしい。チャーリーは両親を探し始める。執拗に追うラフィ。川を進むサーカス団の船に乗り込んだチャーリーは、そこでライオンたちに出あう。ライオンはアフリカの平原に戻りたがっていた…。

原作者は、ルイ―ザ・ヤングとその娘イザベル。ペンネームのジズーとは、実は娘が飼うトカゲの名だそうだ。この物語は、ルイーザがイザベルに語り聞かせるために考えたものだという。そのせいか、サーカス団に紛れ込んでの逃避行、船の旅そしてオリエント急行と、子どもがあこがれるものがたっぷりと出てきて、退屈させない。

しかし、この物語の最大の魅力は、主人公チャーリーがネコ語を話せる以外は、ごく普通の少年として描かれていることだろう。独特な文体はどこか舌足らずで、理屈っぽく感じられる向きもあるかもしれない。だが、決してスーパーマンではないチャーリーの心情が丁寧に描かれていて、読者はチャーリーに親近感をもち、次第に物語にひきこまれていくことだろう。3部作の1作目ということだが、2、3作目の展開が期待される。(川瀬道子)

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ポスト「ハリー・ポッター」の座を占めると評判の大冒険ファンタジー1作目ついに邦訳刊行。ドリームワークス映画化!


<原書>
Lionboy/Zizou Corder (著)
U.S. 定価: $15.99
価格: ¥1,443
OFF: ¥255 (15%)
発送可能時期:通常7〜9日以内に発送します。
ハードカバー: 288 p ; 出版社: Penguin USA ; ISBN: 0803729820 ; (2003/12/01)

Lionboy/Zizou Corder (著)
U.K. 定価: £4.99
価格: ¥976
発売予定日は 2004/05/06 です。ただいま予約受付中です。
ペーパーバック: 352 p ; 出版社: Puffin Books ; ISBN: 0141317264 ; (2004/05/06)


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2004年02月05日(木)
マキャモン『少年時代』読了

風邪なので、おとなしくずっと本を読んでいたため、マキャモンの『少年時代』を読了した。下巻は丸1日かからなかった。つまり面白かった!ということ。個人的には、主人公コーリーのお父さんが、古き良き時代の尊敬すべき父親という感じで好き。

マキャモンは初めて読むので、どういう作風か全然未知のものだったのだが、読んでいるうちに、「ああ、これはブラッドベリだ」と思った。その証拠に、巻末の謝辞には、作品を書くにあたって影響があったものとして、レイ・ブラッドベリの名前があがっているし、主人公のコーリーが、クリスマスにブラッドベリの『太陽の黄金の林檎』のペーパーバックをもらい、夢中で読みふけっている場面もある。ブラッドベリほどファンタジックではないが、あの世界にかなり近いものがあると思った。ましてや少年の話であるし、特に夏の最初の日、いきなり翼が生えて、空を飛び回るなんてところは、まさにブラッドベリだ。

また、物語中にはたくさんのコミックが出てくるが、そういう影響もかなり感じる。ということは、マイケル・シェイボンやニール・ゲイマンなどにもどこか似通ったところがあるということかも。

感想の詳細は、あとで「私の読書の記録」にまとめるが、読んでみた印象は、マキャモンは不気味なところもあるけれど、人間の基本的な心の部分で美しいものを描いているように感じた。それに読者を物語の中に引きずりこむ、巧みな文章だと思う。翻訳もひっかかるところがなくて読みやすく、会話部分に全く違和感がなくとても自然だったし(少年ものは会話部分でがっかりすることが多い)、登場する少年たちが妙に子どもっぽくなく(馬鹿騒ぎしない)、変に悪ぶってもいないといったところもいい。ハーパー・リーの『アラバマ物語』と一緒で、主人公は少年だが、書き手(主人公)がすでに大人になって、少年の日々を回想しているというところが、冷静で「子どもっぽくない」文章になっているのだと思う。

感想はたくさんありすぎて、何をどう書いたらいいのかまとまらないのだが、マキャモンはお気に入りに入れてもいい作家だと思う。『魔女は夜ささやく』を買おうかどうしようか、買うなら原書か翻訳か・・・とずっと迷っていたのだけれど、買う方向に向いていることは確か。翻訳も『少年時代』と同じ二宮氏だから、翻訳でもいいかな・・・。でも、この上下巻は高い。(--;

それにしても、本当に南部の話はハズレがない。それも特に「アラバマ」を舞台にしたもの。これはどうしてなのだろう?単に私の好みに合っているというだけかもしれないが。。。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『少年時代』(下)/ロバート・R・マキャモン
内容(「BOOK」データベースより)
初恋、けんか、怪獣に幽霊カー。少年時代は毎日が魔法の連続であり、すべてが輝いて見えた。しかし、そんな日々に影を落とす未解決の殺人事件。不思議な力を持つ自転車を駆って、謎に挑戦するコーリーだが、犯人は意外なところに…?もう一度少年の頃のあの魔法を呼び戻すために読みたい60年代のトム・ソーヤーの物語。


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2004年02月04日(水)
ウィルス侵入

気合が抜けているところに、風邪のウィルスが侵入してきた。しかも折りしも体調不良時期。ウィルスを撃退しようにも、生命のメカニズムをカバーするのだけで精一杯で、ウィルスをやっつけることにまで白血球の手が回らない。というか、体調不良時期だからこそ、ウィルスに狙われたとも言える。というわけで、完璧に風邪を引いた。

今週の土曜日は「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」の先行オールナイトだし、万全の体調でのぞみたいところだが、順を踏んで症状が移行しているところを見ると、一通り風邪の症状を通過しないと治らないようだ。いきなり元気になるということは、ありえないんだろう。せめて映画館に足を運ぶだけでもいから、体力が復帰しますように!ダイエットなんて言ってる場合じゃない。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『少年時代』(上)/ロバート・マキャモン
内容(「BOOK」データベースより)
十二歳のあの頃、世界は魔法に満ちていた―1964年、アメリカ南部の小さな町。そこで暮らす少年コーリーが、ある朝殺人事件を目撃したことから始まる冒険の数々。誰もが経験しながらも、大人になって忘れてしまった少年時代のきらめく日々を、みずみずしいノスタルジーで描く成長小説の傑作。日本冒険小説協会大賞受賞作。


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2004年02月03日(火)
愛することをめぐる不滅の小説

やっと1月分の感想を書き終えた。すでに忘れ去っている記憶を必死で呼び集め、ちょっと風邪気味であるにもかかわらず、朝までかかってアップした。

先月末は、ほぼ1日1冊読了していたので、感想を書く暇がなかった。それというのも、ほとんどが図書館の本なので、とにかく期日までに読まないと!という頭しかなかったから、味わって読むなどという贅沢な読み方はできなかった。感想も返却日までには書き終えないと、これまた困ったことになるし、かなりあせった。

モバイルを使用できなくなったのも痛い。あれこれ取り替えるのも面倒なので、AirH"も解約してしまったから、新しく買い揃えなければモバイルは使えない。というわけで、ちょっと空いた時間に書き込むということができなくなって、非常に不便。でも、その分読書はできるかな?

一番バカバカしいのが「読書メモ」だろう。これはモバイルを使用しているからこそ、気が付いたことをすぐに書き込める便利なメモとなっていたのだけど、なんかその意味がなくなっているような・・・。(^^;

そういえば、今月の読書会の課題本である『緋文字』(私は角川文庫で読む)は、原書の『The Scarlet Letter』のDover版を以前に買ってある。両方読もうかどうしようかと迷い中だが、たぶん翻訳だけで終わるだろうな、と書きながら確信している。

この『緋文字』について、ベイリー・ホワイトの『ママは決心したよ!』にこんなことが書いてあった。「ルイスおじさんはメイがホーソーンの『緋文字』を読んでいるのを見つけたときは、ひったくるようにして取り上げると、性的な意味合いが含まれているページはぜんぶ、のりで貼り合わせてしまった」・・・って、そんな本だったの?ジョン・アップダイクに言わせれば、「愛することをめぐる不滅の小説」ということらしいのだが、子供にはまずい内容なのか?

ちなみに、アップダイクの選んだ「愛することをめぐる不滅の小説」とは、こんなラインナップである。

●『愛すること』(未訳/Loving 1945)/ヘンリー・グリーン(Henry Green)
『ボヴァリー夫人』(岩波文庫上下巻、新潮文庫)/Madame Bovary 1857)/ギュスターヴ・フロベール(Gustave Flaubert)
『クレーヴの奥方』(岩波文庫/La Princesse de Cleves 1678)/ラファイエット夫人(Madame de La Fayette)
『危険な関係』(『世界の文学セレクション36-4』[中央公論新社]/Les liaisons dangereuses 1782)/コデルロス・デ・ラクロ(Choderlos de Laclos)
『緋文字』(岩波、新潮、角川文庫/The Scarlet Letter 1850)/ナサニエル・ホーソーン(Nathaniel Hawthone)



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2004年02月02日(月)
ロバート・マキャモン『少年時代』

以前から薦められていた、ロバート・マキャモンの『少年時代』を読み始めたのだが、これまでマキャモンとパトリック・マグラア(通常こう表記されているのが多いが、柴田元幸氏の表記はマグラー)を勘違いしていて、てっきりホラーものかと思っていた。たしかにちょっとホラーっぽい不気味な雰囲気もなきにしもあらずで、まだ冒頭なのだが、一箇所ぞっとするところがあった。

といっても、幽霊とか心霊現象とかではなく、雀蜂の大群に襲われるところ。教会でミサをしているときに、天井から雀蜂がゾロゾロ出てきて、そこにいた人々を次々と刺すというエピソードなのだが、常日頃、私は雀蜂をとても恐れているので、読んでいて心臓が痛くなるほどだった。教会に集まった善良な人々(いざという時、自分だけさっさと逃げるという人が必ずいるものだ)が、その殺人的な針で容赦なくあちこち刺されるところなど、想像しただけで気を失いそうだった。雀蜂が主人公の指に止まっている部分なんて、ほとんど呼吸が停止して、あやうく脳死状態に陥るところだった。

雀蜂に刺されたことはないが、下手をすれば死に至るほどの毒を持っているというから、絶対に遭遇したくないものだが、以前熱海の花火大会に行ったとき、旅館の庭に雀蜂が何匹か飛んでいたのを見て、恐怖におののいた。

そんなことを考えていたら、隣の家(空家)に蜂の巣があるのを思い出した。昨年のうららかな秋の日に、ふとベランダの窓を開けると、蜂がブンブン飛んでいた。げ!と思って外を見ると、隣の空家の煙突(だかなんだかわからないが)に、大量の蜂が群がっている。そこに巣があるらしいのだ。

幸いにして、それは雀蜂ではなかったので(とはいえ、それを狙って雀蜂が来ることがあるらしい)、そのまま寒くなって姿が見えなくなると同時に忘れていたのだが、あれはまずい!春になってまた活動が活発になり、卵が孵ったりしたら、また数が増えるし、巣はうちのベランダから目と鼻の先だから、窓を開ければ家の中に入ってもくるだろう。洗濯物に隠れているかもしれない。雀蜂でなくとも、「蜂に刺される」と考えただけで、心臓麻痺を起こしそうだ。今のうちに何とかしないと!誰が?・・・私だよね、やっぱり。隣は空家だから、誰に言うこともできないし、アポロ13号は虫が苦手で頼りにならない。私だよ・・・。(--;

マキャモンの小説で、蜂の巣のことを思い出したのが良かったのやら悪かったのやら。。。また嫌な仕事が増えた。飛び始めたらもう危険だから、今のうちに抹殺せねば!→殺蜂計画を練る。


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2004年02月01日(日)
ブックエンド付き「ロード・オブ・ザ・リング」

このところ毎日「ロード・オブ・ザ・リング」の話題だが、そういう時期なので仕方がない。完全朗読版CDを買おうか、買うまいかと迷っていたのだけれど、結局「ブックエンド付きコンプリート版ハードカバー」(また!?・・・っていうか、本はおまけという雰囲気)を買ってしまった。(^^;

ブックエンドは予想していたよりも大きくて、しかもAmazonの箱が本体サイズの2倍もあったので、届いたときは、げげっ!という感じだった。ブックエンドの左右にガンダルフとビルボがいるのだが、ビルボの家の中は、小物も含めて映画とまったく同じ(DVDで確認した)。これは楽しい!なかなか良くできている。例のフィギュア・コレクションも、これくらいちゃんと作ってほしいものだ。

ちなみにビルボはイアン・ホルムに似ているが、ガンダルフはイアン・マッケランには似ていなかったので、ほっと一安心。私の好きな「ジョン・ハウ描くところのガンダルフ」のイメージ。

それにしても、手に入れたはいいが飾る場所がない。広い家に書斎を持つときまで(いつよ?)、残念だがこのままお蔵入りだ。

『終わらざりし物語』は、『Unfinished Tales』の翻訳だが、翻訳するのも大変だけど、膨大な原稿を編集した息子のクリストファも大変だっただろうなと。。。そのおかげで、私たちはこうして楽して読めるわけで、ご苦労様でしたという感じの本。これが翻訳されたのも、映画がヒットしたことが大きいかも。

1部のDVDを観ていて思ったのだが、あの時は3部までとても待てない!と思ったのに、いつの間にかもう「王の帰還」だ。月日のたつのは早い。。。恐ろしい!


〓〓〓 BOOK

◆Amazonから

『Lord of the Rings Book: With Bookends』/J .R. R. Tolkien (著) \7269
ハードカバー: 出版社: Houghton Mifflin ; ISBN: 0618401210 ; Gift 版 (2003/10/20)

『終わらざりし物語』(上)/J・R・R・トールキン (著), クリストファ・トールキン (編集), 山下なるや (翻訳) \2800
単行本: 368 p ; サイズ(cm): 210 x 148
出版社: 河出書房新社 ; ISBN: 4309203965 ; 上 巻 (2003/12/13)
内容(「MARC」データベースより)
ヌーメノール王家の祖・トゥオルのエルフの隠れ王国へと至る苦難と不思議の旅路、不屈なるフーリンとその子に降りかかった過酷な運命…。トールキンの緻密で雄大な神話世界がよみがえる、「指輪物語」ファン必読の書!

『終わらざりし物語』(下)/J・R・R・トールキン (著), クリストファ・トールキン (編集), 山下なるや (翻訳) \2600
単行本: 276 p ; サイズ(cm): 210 x 148
出版社: 河出書房新社 ; ISBN: 4309203973 ; 下 巻 (2003/12/13)
内容(「MARC」データベースより)
ガンダルフが語る「ホビットの冒険」の裏話、騎士国ローハンの建国譚、黒の乗手の遠征…。トールキンの緻密で雄大な神話世界がよみがえる、「指輪物語」ファン必読の書!


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