+-- ★懐かしいねえ --+ |
「……ねえ、どうしようかあのお兄さん達」 「うー…どうしようかな。私の言うこと聞いてくれると思えないし。レイなら平気じゃないの?」 はーっと溜息をつきながら、少し声を潜めてそう会話する二人。 その視線は…何だか見えない火花が散っているような状態の仲間二人に向けられる。 「僕だってあまり自信ないけど…」 レイと呼ばれた茶髪の少年は、困ったように腕を組んで…静かな争い中の二人に再び視線を向けた。 「少なくとも…アスは、タヤカが言えば止まると思う。でも今はもう実力行使するしかないね」 「…分かったわ。何とかしてみる」 帽子を被り直し、タヤカと呼ばれた金髪の少女は小さく頷いた。
只今、とある街の酒場の中。しばし普通にしていたはずなのに、何か些細なことで年長2人がプチ戦闘モード。 元々性格が違いすぎる二人であるが、今日は調子に乗って酒を飲んだせいで歯止めが利かないのだろう。
しばらくレイとタヤカは、とりあえず辺りを伺いながら静観を決め込んだが、あの険悪な雰囲気は変わらず。 と言うか…アスは杖を今にも振り回しそうで、リルは何故か拳をポキポキと鳴らしている。 酒が入ってるせいだが、周りお構い無しに暴発しそうなのは止めないと近所迷惑である。 「…それじゃあ、やるよ?とりあえず僕も手加減はしておくから…」 「うん。頼むね」 レイとタヤカは小さく深呼吸し、そしてもうすぐ修羅場突入しそうな状態の仲間に向かって飛び掛った。
…30分後。 「もう…二人とも僕らがどうして旅してるのか忘れてないよね?」 口調は穏やかだが何処となく鋭く詰問するような響きが混ざるレイの声に、アスとリルの年長2人は小さく項垂れた。 「…いや、ごめん」 「羽目外しすぎました…」 と、年下の少年に素直に謝る。 タヤカは通りの向こうの酒場…さっきまでいた所に目をやって、小さく溜息をついた。 「酔っ払って暴れるのは止めてね。それじゃモンスターと変わらないわよ私たち」 先程の酒場で…他の客はこの喧嘩の最中、何だか恐ろしいものを見るようにしてたのは多分気のせいだと思いたい。 これでも…一応クリスタルの啓示を受けた戦士なんだけれど。
でも、啓示を受けたのは…選ばれたからとか、特別な力を持っていたとか…そんなんではない。 いや、まあ…きっかけは偶然彼等達が『そこに居た』からであるのだが… 本来ならばその重さを考えたりとかするんだろうけど、何だかこの4人はそう言う意思がない…ように見える。
…いや、考えている。 ちゃんと己の意志があり、それを理解した上で、クリスタルの力を受けた。
確かにまだ子供ではあるが、彼らの生まれ育ちは非常に稀なものである。 特異な才能を持った彼らの『星』は、偶然ではなく…必然として、クリスタルに導かれたのだ。
古代人の血を引く戦士の少年。 天才と呼ばれた大魔導師の息子である白魔導師の少年。 風のクリスタルの力を守る神官の血を引いた黒魔導師の少女。 竜族の力と知恵を宿した魔法戦士の少年。
彼らの存在は、やがて来たる『闇』に打ち勝つ強い意志を持った、『光の戦士』そのものだ。
…まあ、やはりまだ子供だということは否めないけれど。
「…分かった。それは私が責任取るよ。…勿論文句は言わないな?アス」 「仕方ないだろう。…悪いの俺たちだし」 さっきまで険悪だったリルとアスも、酒が抜けてきたのか…幾分落ち着いてきたようだ。 普通にしていれば、別に嫌いと言う訳じゃない…むしろ、大切な仲間である幼馴染であるのだから。 レイとタヤカはその様子に、お互いに顔を見合わせると小さく微笑んだ。
まだ、世界は広がったばかり。 これから進む道は―――険しく悲しく、辛いものもあるだろう。
それでも、彼らは…前向きに進んでいくはずだ。
中途半端なプチ文…いや、これはもう以前に書いていた文の一部です。 昨日の某嬢とのメッセでFF3話が出て…何故か見つけてしまったものです; FF3は完全オリジナルキャラだから、いろいろと妄想(爆)とか膨らむんですけどね。 この辺ちょっとでも知りたい方がいらしたら、そのうちキャラ絵でも描きますよ; …他にもいろいろとやりたいことありますけど。
さて…明日は祖父の一周忌です。 とりあえず…足痺れないように頑張ります(ぇ。 そんなわけで…寝ますか。
…ふう。明日は何時起きで何するんだろう。あまりにも早いということはないと思うんだけど。うーん…
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2005年04月30日(土) |
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