恋文
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2012年05月31日(木) 夢みる

違った生活に
憧れてみる

曇り空のような
不確かな

夢を見てみる


2012年05月30日(水) 連続

まるで
ばらばらな
カケラみたいな
わたし

つながれば
ただ ひとつの
わたし


2012年05月29日(火) 雨の夕暮れ

公園のベンチ
誰もいない

軒下の猫
雨宿り

声をかけても
そしらぬ顔


2012年05月28日(月) 球根

朝 花咲く
その時のため
眠る球根


2012年05月27日(日) 路傍

日向を歩く
道端には
いろいろな草花

風は
甘い匂いがした


2012年05月26日(土) バラ

明るい陽射しのした
バラも光っている

風が香りを
運んできた


2012年05月25日(金) 毎日

いま ここでは
息を するように

毎日が
淡々と 過ぎる


2012年05月24日(木) はざま

夢と夢のあいだに
落ち込んでしまうと
どうやって
目覚めようかとおもう


2012年05月23日(水) 一日

まだ終わらない
一日は
何度も
繰り返す

階段を
上ったり
降りたり

それだけのこと


2012年05月22日(火) 雨風のなか

しぶきのなかを
歩いている

どこもかしこも
灰色

からだが
重くなる


2012年05月21日(月)

風が
冷たくなった

街灯のひかりも
澄んでいる


2012年05月20日(日) 指先

えびの皮を剥く

残酷なひとに
なっている


2012年05月19日(土) 散歩

みずが流れて
ひかりが踊って

鳥たちの
さえずりを
聞いている

みどりの
においのなか


2012年05月18日(金) 家路

夕焼けの空だけれど
誰かしら傘をさしている

ひらひら雨粒が
舞っている

雲の縁はきらきら
ひかっている

家路をいそぐ足も
はやくなる


2012年05月17日(木)

風が荒れている

どこかに
行ってしまいそうな
気持ちになる


2012年05月16日(水) 夕日

山と雲が
ひとつのかたち
夕日が
縁取って

ゆっくり
ながれてゆく


2012年05月15日(火) みどり

みどりは
さらに
みどりになる

音もなく
降る雨のした


2012年05月14日(月) 倦怠

霞がかった
山並みを眺める

風が
木々を揺らしている
昼下がり


2012年05月13日(日) 夕暮れ

群青色の
空の下を歩く

風は
すこし 冷たい

はやく
家に帰ろう


2012年05月12日(土) 明かり

この空は
暗いけれど

向こうの山裾に
ぽっかりと
明るいひかり
降りてきている


2012年05月11日(金) 生活

夕暮れの歩道を
急ぎ足で
歩いてゆく

知らないひとの
知らない生活

少し 重ね合わせてみる


2012年05月09日(水) 翳り

日の傾きと
雲の翳りと

向こうの山も
見えなくなった


2012年05月08日(火) 夜の灯

町の灯が
ゆらゆら
揺れているような

夜の湿った空気

あすは
雨になるだろう


2012年05月07日(月) お昼前

野の花を 揺らす
風も 暖かい


2012年05月06日(日) 一日の長さ

一日は
いつも
同じ長さなのだろうか

いぶかりつつ
迎える 夜


2012年05月05日(土) 好きよ

一人は 嫌い
二人も 嫌い
みんなも 嫌い

そんなときもあるのよ

誰か でも

好きになって


2012年05月04日(金) とげとげ

きもちのなかの
小さな
とげとげが
おさまらないので
なにも
話したくない


2012年05月03日(木) 雨の日

山も雲もいっしょ
青い色になって

雨の帳の
向こう


2012年05月01日(火) 心地いい

夢は
心地いいのだけれど

現も
ときには、心地いい

真ん中で
ふわりと
それが 心地いい


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