恋文
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2012年04月30日(月)

風は
纏わるように
湿っている

若葉のみどりが
まっすぐに
立っている

それにしても
なんて 花たちは
咲いている


2012年04月29日(日) 一日

逃げてゆくように
行ってしまう


2012年04月28日(土) 夜の散歩

わずかな
街灯の光のなか
ぼんぼりのように

まるい
八重桜

見上げて歩く


2012年04月27日(金) 雨ばかり

雨ばかり
咲き始めの
サツキに
降り注ぐ


2012年04月26日(木) 眠り

家の中の音も
外の音も
混ざり合って

眠れない

いつか
眠っている


2012年04月25日(水)

遠い海を
おもいながら
風の音を聞く

曇り空のした


2012年04月24日(火)

静かな部屋に
ラジオの音
時計の音

わずかな音を
追わずとも
追っている


2012年04月23日(月) 雨の町

雨で煙った町
光がにじんで
窓にうつる


2012年04月22日(日) 雨だけれど

雨が降るのだけれど

なんだか嬉しい

春の雨だから


2012年04月21日(土) 小鳥

小鳥が
誰かを探している

それが悲しいと
いうのだろうか

小さく 啼いて
また 飛び立つ

だから 声を
聴いている

腕に止まったね


2012年04月20日(金)

いつのまにか
雨になっている

濡れた舗道を
光らせて

風も流れてゆく


2012年04月19日(木) 帰る

帰ってくる

吐息

静かに

眠ろう


2012年04月18日(水) 深夜

夢もみない
眠りのなかで

きっと
誰かと
遭っている


2012年04月17日(火) ひんやり

雨上がりは
ひんやりとして
秋のよう

どこかに
隠れた
春の空


2012年04月15日(日) ピアノ

娘の弾くピアノは

やっぱり
娘の音だった

その音を聴きながら

とおくに行きたいのか
近くにいたいのか

ぼんやりしながら

しあわせに
聴いていたのよ


2012年04月12日(木) 都会

数えられないものを
目の当たりにしているような
めまいのなか


2012年04月11日(水)

避けても
雨のなか

街灯の光も
映る


2012年04月10日(火) 街角

空から
鳥の声が
降ってくる

仰ぎ見る
灰青色の空


2012年04月09日(月)

花が咲いても
さみしい

暖かい陽射しのなか
冷たい風がふく


2012年04月08日(日) 花曇

風は花を散らし
曇り空を
駆け抜けて


2012年04月07日(土)

花冷え
花曇り

花は 風にゆれて

空の隙間に
少し 青空


2012年04月06日(金) 桜の雨

なんだか
柔らかい

桜の雨


2012年04月05日(木)

街中には
花といった花は
ないのだけれど

ふと 香ってくる

春は 春


2012年04月04日(水) ため息

疲れてくると
恨みがましくなる
自分がとまらない
ため息のなか


2012年04月03日(火)

風も雨も
追い立てるように
吼えるので
夜の闇が
ますます
濃くなった


2012年04月02日(月) 春風

ひとりづつ
さみしい

春風の 
夕暮れ


2012年04月01日(日)

月はどこに
行ったのかしら

まだ咲かない
細い木の枝の先


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