恋文
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2011年04月30日(土) 荒れる

ここでは いつも
風が荒れる

髪が
ばらばらと
顔を
ところかまわず
打ちつける

歩みだす
それすら

とどめて


2011年04月29日(金) 日溜り

風凪ぐ
夢に誘う
日溜り


2011年04月28日(木)

風に抗い

風に
押し戻され

真っ直ぐではない
それでも

歩くこと


2011年04月26日(火)

幻のように
夢のように

光と影のあいだ
いつも
咲く花


2011年04月25日(月) つつじ

昨日よりも
少したくさん

花開く


2011年04月24日(日) ラジオ

台所しごとをしながら
聞いている

アイロンをかけながら
聞いている

なんにもしないときも

音がする と

なんだか
安心する


2011年04月23日(土) 春キャベツ

春キャベツを
刻む

罪のような
柔らかさ


2011年04月22日(金) つつじ

つつじの
花が咲く

夕日のなか


2011年04月21日(木) 明日へ

一日を
終わらせること

そうして
眠ること

明日が
やってくる


2011年04月20日(水) 眠りの前に

冷たくなった
足先をあわせ

眠りに落ちる
前の

ひとときを
迎える


2011年04月19日(火) 平穏

なにものにも
おびやかされずに
過ごしたい

ときに
影にも怯えながらも



2011年04月18日(月) 穏やかに

たやすいことばかりでは
ないとしても

穏やかに
過ごせないわけではない

鏡のなかの
自分を見る


2011年04月17日(日) 葉桜

待ち待ちて ことし咲きけり 桃の花 白と聞きつつ 花は紅なり

と、太宰は歌い

この葉桜を
見上げる

空のあお


2011年04月16日(土) 住処

いつも
どこかを
探しているなら

どこに
住処があるだろうと
思えば

今が 
いつも
わたしの住処


2011年04月15日(金) 眠るとも

眠るあいだ
少し
離れていたい

それでも
いつか
現の はざま


2011年04月14日(木) 過ぎる日々

ただ
過ぎてゆくことを
願うあいだ

過ぎてゆく
日々も
確かな毎日


2011年04月13日(水) 帰る場所

風を
知らないままに
過ぎる
長い一日

窓に
隔てられた

帰る場所


2011年04月12日(火) 袋小路

袋小路の
曲がり角

何度も
行き来する


2011年04月11日(月)

風のなかに
雨のなかに
花は

散ってゆくだろう
この
夜に


2011年04月10日(日) ふるさと

菜の花
木蓮
辛夷
連翹

川沿い
歩く道筋

さくら 桜

故郷にいる


2011年04月09日(土)

雨が
風に舞い散って

気づくと
桜は
花開き

雨と
一緒に

舞い散って


2011年04月08日(金)

いつか
開いている
花のなか

揺れる
風のなか


2011年04月07日(木)

根付くには
どれほど
かかるだろう

その前に
漂い 流されて

行ってしまうかも
しれない

また 風が
激しい


2011年04月06日(水) 迷走

夢に
迷走する

少しづつ
侵食される

日常の
裏返し


2011年04月05日(火) いま

いま 過ごすこと

耐えること

楽しむこと

また 明日がくる


2011年04月03日(日) 迷いつつ

なにも
真っ直ぐには
ゆかない

行きつ
戻りつ

ときどき
迷う


2011年04月02日(土) 穏やか

ずっと
静かな
穏やかな
日々であったら
いいのに


2011年04月01日(金)

明日のことが
見えなくても

朝の光は
射してくる


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