恋文
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2010年05月31日(月) 止まる

止まっている
そのあいだ

少し
ひらいた
隙間から

外を
眺めるのが
いい


2010年05月30日(日) つながり

つながりが
わたしを
世界に
引き留めておいてくれる

雨のなかに
息をする
あいだ
ものを思っている


2010年05月29日(土) 失うことを考えると

失うような
気がする

それは
わたしの
全部ではないのに

きっと

からだが
みんな
ひっくり返るようだ


2010年05月28日(金) 夢でもない

夢が
あんまり
長く続くと

わたしは
どっちに
生きているんだろう

帰りたくなくても
帰ってくる
どこか


2010年05月27日(木) 夢と夢

夢のなかの
夢と

現実のなかの
夢と

出会っている
薄あかりの中


2010年05月26日(水) 遠いところ

物事は
起こるだろう

そうして
過ぎてゆく

わたしの
いないところで

わたしは ただ
知るだろう

ここでの
わたしの一歩は

届くだろうか


2010年05月25日(火)

どこかに
まぎれてしまいそうな

わたしは
ひとつの
粒になっている


2010年05月24日(月) そろり

逃げる先が
あるのなら

裸足で
駆け出すだろう

きょうも
そろりと

一歩を
踏み出す


2010年05月23日(日) どこか

誰も知らない
時間のなかに
行きたいと
思う

誰も彼も
わたしを
忘れてくれるだろう

どこに
行こうかな


2010年05月22日(土)

我を忘れて
そのまま
傷ついてゆく

どこにも
たどりつけなかった


2010年05月20日(木) 眠り

眠れないほどの
悪いことは
起こっていない

一日が
終わると

眠りにむかう
たのしみ


2010年05月19日(水)

流されそうになる
一日が過ぎて

じぶんを
引きとどめておく


2010年05月18日(火) みどりの中

風がとまっている

みどりの中に
置き去りの
ひかり


2010年05月17日(月) 一日の終わりに

光は
まだ空にとどまっている

ブラインドのすきまから
暮れてゆく

こころは
どこかにいる


2010年05月16日(日)

花の色
花のかおり

ゆっくり
時間がすぎる

このまま
立ち止まっていたい


2010年05月15日(土) 海と空

菜の花と 麦の
海を渡って
空とのあわいを
目指す

近づきながら
遠ざかる


2010年05月14日(金) 雨の降りそうな

灰色の空
だけれど

緑のなかは
花の香り

降ってもいい

ゆっくり
水の匂いに
なろう


2010年05月12日(水) 夜の時間

夜の時間を
喜ぶ

ほっと
一人でいる

それから
人恋しい


2010年05月11日(火) 失わないこと

熱のなかにいるとき
ふと
正気でない
自分をおもう

失わないこと


2010年05月10日(月) 雨のかおり

みどりが
濡れる

足元から
立ち上がり

頭の上に
降ってくる

雨の
かおり


2010年05月09日(日)

一日の終わり
息を

吸って
吐いて

吸って
吐く

一日の
始まりと
終わりの

形のように


2010年05月08日(土) 待つ

待つのは
たのしい

待つのは
つらい

振り子のように
揺れて

空の色が
かわってゆく


2010年05月07日(金) 一緒に

どこにだって
さまよえる

とおくに
とんでみせる

いつも
わたしが 
いっしょ


2010年05月06日(木) 雨のなか

誰もが
雨のなか

傘のなかに
顔を隠し

あるいは

傘もなしに
走り去る

みんな
灰色の
影になる


2010年05月05日(水)

夢は
教えてくれているのだろうか

わたしの かたち
わたしの ゆくえ

汗ばんだまま
朝を 迎える


2010年05月04日(火) たわむ

花の重みで
枝がたわむ

風に吹かれて
ゆっくりたわむ

たわんだまま
雨のなか


2010年05月03日(月) 薄暮れ

曇り空も
そのままでいい

薄暮れの
ひかりを

窓から透かす


2010年05月02日(日) 匂い

みどりの匂い
雨の匂い
花の匂い

みんな
わたしのなかに
しみわたる


2010年05月01日(土) 雨の日

音を
聴いている

水に
なってしまおう


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