恋文
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2010年01月31日(日) ラジオ

あなたは 
いないね

ラジオの
おとだけ

かすかに
きこえて

わたしの
じかんは

もうすぐ
くらい

よるの なか


2010年01月30日(土) スープ

ラジオを聴きながら
台所で ことこと
スープを煮ている

ひとしきり
降っていた雪が
やんだ

ずっと 続けばいい
こんな生活は

きっと
続かないかもしれない

だから
ふんわりスープの
あたたかい湯気に

いまは
くるまっている


2010年01月29日(金) 雪にかわるだろうか

とどまって
いたいだけなのだと
おもう

まだ 雨のおとが
聞こえている

もうすぐ
しん と
静まりかえるだろう


2010年01月28日(木) 雪空

空が見えない

街灯の下の
暗がりで

息が白い


2010年01月27日(水) 茫洋

茫洋とする
時間も
距離も

吹き寄せられて
雪が
くるくる回る


2010年01月26日(火)

傘のなかに
入り込んで

コートの上で
溶ける

渦になって
漂って

歩道の隅で
うずくまる


2010年01月25日(月) ひとり

ひとりで
ゲームをする

ひとりで
負けることもある

勝手も
負けても
ひとり


2010年01月24日(日) 散歩

空は灰色
道を行けば
ところどころ
雪はみぞれになって

ぬかるみも
真っ直ぐ
歩いてゆく

向こうの丘は
まだ白い

陽は
どこに隠れているのかしら




2010年01月23日(土) 世界

パプリカの
緑と赤と
マッシュルーム
たまねぎ
ケチャップもいれて

いっこの
甘酸っぱい世界


2010年01月22日(金) 会話

話せば 話すほどに

遠くなってゆく
自分の姿を

どこからか
見ている


2010年01月21日(木)

そこに
いてもいいと
思いながら

流れてゆく

振り返っても
もう いない


2010年01月20日(水) 毎日

毎日が
同じように
過ぎてゆくと

このまま
ずっと
続いてゆくような
気がする

失われたことも
忘れてしまいそうになり


2010年01月19日(火) 眠る

からだの重さに
馴染む

肌に触れるものに
馴染む

息のひとつと
同じになる


2010年01月18日(月) 朝も夜も

空の色と
影の色と
おなじ

木立は
じっと佇む


2010年01月17日(日) 散歩

小さな 雨が
落ちてくる

風と いっしょに
受けている

融けてしまった
雪の下から

思いがけないほどの
みどり


2010年01月16日(土)

梳いて
摘まんで
結んで
留めて

ちんまり
鏡のなかの
わたし


2010年01月15日(金)

雪の下から
道が現れて
濡れたまま
光を携える

今からまだ
続いている
いつもの道
行き帰りの


2010年01月14日(木) あした

いいこと
わるいこと

考えることは
半分半分

まだ来ない
あした


2010年01月13日(水) 霧雨

街灯の下で
雨粒が 
霧のように舞う

泥の混じった
雪道は柔らかい

傘はいらない

誰も踏み入らない 
ところで
真っ白な雪が
光っている


2010年01月12日(火) 雪道

轍が足元で
崩れる

靴跡も
崩れる

音を
聞きながら
歩いてゆく


2010年01月11日(月)

さらさら
落ちてくる

雪は こずえで
凍えている

灰色の空


2010年01月10日(日)

閉じた扉も
向こう側を思う

そっと
叩いてみよう
開くだろうか

耳をすませて
待ってみる


2010年01月09日(土)

空の色も
屋根の色も
地面の色も
おんなじ

音もなく


2010年01月08日(金)

ことばは
いつか
なめらかに
聞こえる

すこし
取り残されて
ぎこちなく

あげる 声


2010年01月07日(木)

欠けてゆく月が
空に透ける

溶けないままの雪が
ひかっている


2010年01月06日(水) 始まり

いく度もの
始まりを
繰りかえして

近づいているか
知らない

終わりも
しらない

ただ 始める


2010年01月05日(火) 途中

なにもが
変わってゆくだろう

まだ 途中なのだ

明け方に見る
夢のなですら
行方は知らない

まだ 進んでゆく


2010年01月03日(日) 朝の月

あ 空が明るくなったら

白い月が
そのまま 残っている

凍っているみたい


2010年01月02日(土) 髪を切る

切った髪が
うずくまる

軽くなった
だろうか

もう少し
先に 行くため


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