恋文
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2009年08月31日(月) 夏の終わり

気づくと
そんなにも
時は 過ぎている

まだ
佇んでいる
自分の 影


2009年08月30日(日) 過ぎてゆく

過ぎていってしまう

取り残されたような
気持ちで

空を 見る

ひかりが
傾いてゆく

いま そのときにも
なんて まぶしい


2009年08月28日(金) 晩夏

空の色が 重く

風が 冷たくなった

くすんでいる 緑

雲の切れ目から
小さな 青空を
見ている


2009年08月27日(木) なんどでも

夕日があたる
壁が
目に痛い

いちにちが
終わってしまう
また

なんどでも

だから
なんどでも


2009年08月26日(水) 晩夏

もう
行ってしまうんだな

昔に 帰ったみたいな
日々は
終わってしまう

いつのまにか
夜の訪れも

こんなに
早くなってしまった


2009年08月25日(火)

自分らしいこと
とか

自分でありたいこと
とか

まっすぐでは
ないから

少し 冷たくなった
風にあたりながら

通りを
見ていた


2009年08月24日(月) こだわり

それは
嘘では なかった
けれど

ぽつんと
置かれて
しまった

居心地の
悪いもの

どこかに
蹴散らかされて
しまったから

やっと
笑えた


2009年08月23日(日) ひかり

みんな
過ぎ去ってゆく

今は まだ
ひかりのなかに
とどめておこう


2009年08月20日(木) 綿毛

綿毛が
ふんわり
ただよっている

たどりつくのは
石ころの
川原だとしても

ふんわり
きらきら
かがやきながら


2009年08月19日(水) 青空

草が ゆれる

しんと
静まりかえった
午後に

道は 白く続いている

雲もない 
空の下に


2009年08月18日(火) 夏の闇

懐かしいような

音を 聴く

聞こえない 音も

闇の中


2009年08月17日(月) 夏日

遠くは
ひかりに
かすんでいる

部屋のなかは
ひっそりと
影のなか

時計のおとを
聞いている


2009年08月16日(日) 夏の午後

風も ふと
立ち止まる

ひかりは
照りかえり

午後は
静まり返る


2009年08月15日(土)

誰もいない
昼下がり

わたしも
いなくなる

影が
ぽつんと
落ちている


2009年08月14日(金) 待っているあいだ

ラジオからの
ことばが
漂っている

夕日の
照り返しが
影を 縫いつけて

風が とまっている
と おもえば
草が ゆれる

まだ 暮れない


2009年08月13日(木) 夜の声

夜が すこしづつ
早くなる

藍色が
濃くなって

それでも
子供の声が
響いている


2009年08月12日(水)

明るい 
いちにちが
過ぎて

ゆっくり
藍色に
とけてゆく


2009年08月10日(月)

雨のおとだけに
なってしまったみたい

会話も
濡れて 流れる


2009年08月09日(日) ひかり

花も 草も
透きとおる

目のなかに
透きとおる

影も はっきり
のびるけれど

じぶんのかたちも
透きとおって
しまいたい


2009年08月08日(土) 雨音

雨が降っていると
気づかなかった

やがて
雨の音だけに 
なった

雨がやむと
いろんな音が

もどってきた


2009年08月07日(金)

水面が
きらきら
ひかる

水の底にも
ゆらゆら
ひかる

輪になって


2009年08月06日(木) 暮れてゆく

どこからか
洩れ聞こえてくる
かすかな音楽

暮れてゆく
空のいろのように

物音も 声も
いりまじり


2009年08月05日(水) 夏日

むくげが
咲いている
木陰

青い花が
ますます
影のようになる


2009年08月04日(火) 夕暮れ

誰もいない小道

草花が揺れる

屋根のむこう
丘の稜線に

光がしずんでゆく


2009年08月03日(月) どうにか

心配事は
つきないけれど

そうやって
毎日がすぎ

どうにか
なってゆく


2009年08月02日(日) 雨上がり

つややかな
水のにおい
ひんやり と

暗くなった
道だけれど

ぽつり ぽつり
水が ひかる


2009年08月01日(土) 川辺

昼顔が 咲いている

日陰の草花が
ゆっくり 揺れる

岩の間を
ぬってゆく流れ

空が あおくて

気が遠くなりそう


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