恋文
DiaryINDEXpastwill


2008年10月31日(金) 秋祭りの夜に

トンネルを
抜けだしたように

きらびやかな
ひかりが
入ってくる

窓は くもって

騒がしく
乗り込んでくる
人々を見やる

濡れた窓を ぬぐうと
くらい路面に

ひかりが
落ちていた


2008年10月30日(木)

雪がふる

季節が
ふつうに
移り変わるように

なにも
おなじまま
とどまっていない


2008年10月29日(水) 夜の音

夜には
たくさんの音が
聞こえる

ときおり
パイプの とおいところで
水がながれ

風のように
空気は 動いてゆく

どこかで なにかが
崩れて
突き当たり

そうして 今日は
絶え間なく つづく
雨の音


2008年10月28日(火) 静かな雨

窓の外には
大きな木

木の向こうには
灰色の空

きょうの雨は
とても静かに 
降る

窓から見える
濡れた舗道


2008年10月27日(月) 秋のお祭り

雨のなかに
色とりどりの
電飾がひかる

しずくの伝う
窓のむこうに
にじんで

思い出のように
流れてゆく




2008年10月26日(日) 秋の日

まっすぐ
木は 立っていて

葉は もう 落ちてゆく

空から ひかりは
おりてくる

枝には まだ
葉が 透きとおっている


2008年10月25日(土)

朝は
霧のなかにいる

覚めなくていい
もう少し

あとで
そとに出よう

身にまとう 霧は
薄くなるだろうか


2008年10月24日(金)

朝が 暗いから
ずっと
暗いように
思ってしまう

いつのまにか
空が 青く
なっているのにね


2008年10月23日(木)

目覚めたばかりの 街
灰色の空

通りの先が
かすんで

黙って
歩く


2008年10月22日(水)

傘をさしていても
いつしか
濡れてゆく

滲んだ
街灯のひかりのよう


2008年10月21日(火) 早い朝

まだ残る 緑も
明けない 空のした
夜のつづきに
眠っている

灯りが 通り過ぎて
地面の草が
ほんのり ひかる


2008年10月20日(月)

いちにちが
はじまる

だれもが
それぞれに
じぶんの
時をもつ

まじわり
はなれ
また
かさなり

いくすじもの
ながれのように


2008年10月19日(日) 秋日

光も 影も
まじりあって

木漏れ陽が
まぶしい

みんな
とりどりの
色に なり

行くさきに
あふれている


2008年10月18日(土) ひかり

丘の上の 林から
ひかりは
降りてくる

木の葉の
色になって

目の前に
白い道が
続いている


2008年10月17日(金)

焚き火の
においがする

どこかで
落ち葉を焼いている

彼岸花の
赤い色を
思った


2008年10月16日(木) 夕暮れ

舗道を埋めた
落ち葉も

木の枝に
揺れる葉も

空のいろに
とけこんでゆく


2008年10月15日(水) 夢で

目覚めても
もう一度
逢いにゆくよ

目を閉じる


2008年10月14日(火)

落ち葉のつもった
舗道を歩く

いちにちの 
はじまりと

いちにちの
おわり

どこにいても
時は過ぎる


2008年10月13日(月) 懐かしい

懐かしいような
夢をみる

とけ込んで
しまいそう


2008年10月12日(日) 飛行機雲

色づいた木立の上
空を 切り取って
伸びてゆく

届かない
彼方へ


2008年10月11日(土) 普遍

暖かい いちにち
落ち葉を 踏んで

川は しずか
白鳥が やってきて

どこにも いかない
なんにも かわらない


2008年10月10日(金) 秋の暮れ

消えてゆく ひかりは
懐かしい

もう 誰もあるいていない
小道の 向こう


2008年10月09日(木) 怖い

見えないから
知らないから

推し量れない
ものが 
こわい


2008年10月08日(水) 独楽

動き続けている
あいだが いい

独楽のよう


2008年10月07日(火) 森へ

木漏れ日が
漂うように
揺れる

ぼんやり
行きどころのない
気持ちを
抱えて


2008年10月06日(月)

葉っぱの 影を
踏んでゆく

光も 影も
まざって

道が ずっと
むこうまで

続いている


2008年10月05日(日)

虹の下を
くぐろうと
しているあいだに

遠くに
きてしまった


2008年10月03日(金) 目印

たどってきた
みちすじに
おいてきた

目印を

また たどってみる


2008年10月02日(木)

灰色のトンネルを
抜けてゆくように

朝靄を
とおりすぎる

薔薇の花は
もうしぼんで
うなだれている


2008年10月01日(水)

叩きつけるような
雨が 降るように

風も 同じように
吹く

木も草も たわみ

髪を打ちしだいて
駆けてゆく


かや |MAILHomePage

My追加