恋文
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2008年05月31日(土) 窓の外には

こんなに 明るいのに
音もなく
降っている 雨

小鳥が 軒下に
やってきて
また 去ってゆく

草むらも
木立も
きらきら
光っている


2008年05月30日(金) 夕立

雨音が止み
薄く暮れた外から
風が
誰かの声を
運んでくる

草の匂いとともに


2008年05月29日(木) これからも

あまた あるけど

ひとひら

あれば
いいかな


2008年05月28日(水) 夢の境

目覚めても まだ
続いているような
気がする

夢の境を
踏み越えて
ゆこうか


2008年05月27日(火) 縺れる

しらないまに
縺れてしまった
髪の先

ぷつりと
切ると

まるで
痛いような
気がする


2008年05月26日(月) 一日

なんの
特別なこともなく
一日が 過ぎる

どこかで
何が あったとしても


2008年05月25日(日) たそがれ

遠くに
向かうだろう

どこまで
行くだろう

たそがれは
柔らかな ひかり

きょうは
おやすみ

また 明日から


2008年05月24日(土) ゆうべ

あ 遠ざかってゆく


飛行機は
どこに いる

残っている

ひかりが
少しづつ

失われてゆく


2008年05月23日(金)

春の
吐息のように
かおる

夕暮れ


2008年05月22日(木)

ほのかに
明るくなる

まるくなって
じっとしている

どこかで
水のおとがする

もう
きょうがはじまる


2008年05月21日(水) 夜へ

きょう一日が 
終わって
暮れてゆく

飛行機が
軌跡をえがいて
渡ってゆく

空のむこう
雲のむこう

まだ 明けない
夜をおもう



2008年05月20日(火) 行きつ戻りつ

行きつ戻りつ
足踏みもして

少しは 前に
進めたかしら


2008年05月19日(月)

ざわざわと
木立がさわぐ

枝が
しなやかに
揺れる

雨を
待っている


2008年05月18日(日)

岩の上を
白く波をたてて
走り

淀みでは
木立を
映している

辿ってゆく
その先は
まだ 見えない






2008年05月17日(土)

雨のなかの
道すがら

ふと 薫る
いのちの
ような


2008年05月16日(金) 曇りの日

雲がでて
ひかりが
なごんだ

少し しめったような
風も いい


2008年05月15日(木) 驟雨

心地よい
軽やかな
おとがする

みどりが
濃くなる


2008年05月14日(水) 夕風

日が傾くと
ふと
ひんやりする

みどりの匂いを
残したまま


2008年05月13日(火) 昼下がり

射るような
光から
目をそらせて

影のなかに
逃げ込む

地面が
白い


2008年05月12日(月) ひずみ

わたし
ちいさな
ひずみ

こんな明るい
ひざしのなか

まぶしくて
目をほそめる


2008年05月11日(日) ひかり

森のこみちをゆく

ひかりが
付き添ってくれる


2008年05月10日(土) かおり

どこからか
香る

花のかおり
草のかおり

からだが
ときめく



2008年05月09日(金) みどり

いつのまに
こんなに
みどりになっていたのだろう

花も どこにも
咲いて

まぶしい


2008年05月08日(木)

ふと
影に 身を寄せる

目の前に

光は
あんまりに
あかるい


2008年05月07日(水) 夕空

水彩絵の具を
溶かしたみたい

さっきまで
あんなに
痛いように
射していた

ひかりが
去ってゆく
あいだ

空を
みている


2008年05月06日(火) 毎日のこと

毎日のことを
している

一日は
そうやって
過ぎてゆく

どんなときでも


2008年05月05日(月) みどり

まぶしい
光のなかに

やわらかな
みどりが揺れる

午後が
ゆっくり
終わる


2008年05月04日(日) 籠の鳥

籠には
うっすら
ひかりが
はいる

どこにも
いかなくても

しずかな
いちにち


2008年05月03日(土) 暮れる

すこしづつ
遠ざかってゆく
ひかりのなか

どこからか
子供の声がする

うっすら
暮れてゆく

思い出が
たちあらわれて

眠くなって
しまう


2008年05月02日(金)

ちいさく
束ねる 髪

欠けたまま
たばねる

もうすぐ
暗くなる

濡れたまま
おもい


2008年05月01日(木) 驟雨

空の一角が
暗くなっているのに

遠くには
うっすらと
夕日が照らしている

突然の
雨のあとに

みどりの匂いが
漂っている


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