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■ メモ−指定
「やめてっ。やめてってば!」 「いやだ」 「嫌いになるからね」 「どうぞどうぞ。そんな嘘、おれには通用しないからさ、いくらでも言ってよ」 「どうして嘘だってわかるのよ」 「抵抗する力が弱いもん」
……ぐっと、あたしはそこで思わずだまった。鋭い、鋭すぎて可愛くない。あいかわらず憎らしい。どうして、こんな奴を好きだって思うんだろう。だから、嫌だと思っているのに、どこか体は反比例する。
「……ん、やっ」 「んー気持ちいい」
うしろから抱きすくめられ、身動きが取れない。立ちすくんだまま、前に伸びてくる手を、必死で抑えていた。 このあたしたちの立ち方は、彼にとっては絶好の体勢だ。すべりこませやすく、手が届き易い。 おかげで、両方同時にきた。 寝る用のTシャツはだぶだぶで、すっと入ってきた手は、すぐさま目的地に到達した。あいにく、これ一枚しか着ていない。 下はチャック付きのズボンだったのに、いつのまにかそれは解かれていて、布の下にもう手が入っていた。いきなり、敏感なところを刺激する。
「んっやっ…まって」 「まてない」
制止するあたしの手を、まるで無い物のように気にせず、彼は手を動かしつづけた。やめてもおうと、今度は力いっぱい彼の手を握ろうろするのに、力がでない。一瞬の彼の動きで、あたしの体からはほとんどの力が抜けてしまった。 制止するては、ただ彼の手に添えているだけになる。
「このかっこういいね、味わいやすい」 「あっ」
今度は手だけじゃない。口までもが、あたしをいじめる。 首筋に、軽く吸い付いてきた。
「しばらく、こうしてようよ」
またあたしは、このままなのか。
2003年06月30日(月)
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