まーくん的日常...まーくん

 

 

マジメ男の不倫 - 2004年11月15日(月)

不倫というものは、いい加減な性格の男だけがするものかというと、必ずしもそうではない。
ふだんは誰からも模範的な父親、夫、社会人だと思われているような真面目人間も、けっこうハマったりする。
ここがなんとも、興味深い。

僕の知り合いでも、そういうタイプの男が何人かいる。

40才に近いH君。
彼は入社した時点で学生時代からの恋人がすでに妊娠していて、わずか2か月で結婚してしまった男性。
見た目も、中身も、さわやかを絵に描いたような男だが、実は人妻と不倫したことがあるという。
それも男たらしで有名な肉感的な女性と。
その話を聞いたとき僕は、さすがに絶句してしまったものだ。

40代半ばのT君。
彼も誠実でソフトな雰囲気。わりと無口だが、それゆえに女性の信頼は厚いタイプ。
入社まもない頃は「結婚したい男性ナンバーワン」的存在だったのに、一年目で大学時代の同級生と結婚してしまって、独身女性連中を大いにがっかりさせたものだ。
このT君も、結婚十数年目にして、7〜8才下の後輩女性(こちらは独身)とわりなき仲になってしまい、周囲を大いに驚かせた。

彼らに共通するのは、ひじょうに早婚であったということだ。
学生時代から付き合っていた恋人がいて、就職したらすぐに結婚している。
子供も、現在の世間の標準から見れば、かなり早い時期に生まれている。
したがって、社会人になってから、ほとんど遊びらしい遊びをしていない。

そういう男性も、結婚して十年近くたつと、いわゆる倦怠期を迎える。
子供も学校に上がり、さほど手がかからなくなっているし、妻もPTAだのカルチャースクールだのといった活動で忙しい。

とりあえず安定した日常。でも、どこかものたりない。
「ワクワク」とか「ドキドキ」といった感覚を忘れて久しい。

そんな中で、偶然目の前に現れた、妻とは違うタイプの女性に、ときめいてしまったりするのも、さほど不思議はないことだろう。

幸い、というべきか、彼らは会社の人々には勘付かれてしまったものの、自分の妻には不倫の事実を悟られずに済んだようで、いまも平和な家庭生活を送っている。

そのへんが、彼らなりの面目という気がする。
平気で何度も不倫を繰り返したり、ついつい自分の不倫を得意気に喋って、周りの反感をかったりするような、いいかげんな連中とは違う。

不倫はもちろんしないに越したことはない。
が、どんなマジメな人間も、たまには時ならぬ恋におちることもある。
道をふみはずすこともあるだろう。
人間なんだから。

が、最低限、家庭を崩壊させるようなことは、しないのが、彼らなりのルール。
妻や子を悲しませるようなことは、絶対しないのである。

もちろん所詮は不倫、ほめられたことではないにせよ、そのへんのケジメが出来ていれば、まあ神も許してくれるような気がする。
逆にいうと、そのくらいのことが出来ないようでは、不倫なんかする資格はまったくない、そういう気がするね。


...

男における勝ち組 - 2004年11月06日(土)

「負け犬の遠吠え」なる本がベストセラーになったこともあって、「勝ち組」「負け組」という言葉が頻繁に聞かれる今日この頃です。
女性においては、「独身・子無し」=「負け組」というのが定説化してきた感がありますが、では男性における勝ち組とは何なのか、負け組とはどんな人々をいうのでしょうか。
ちょっと考えてみたいと思います。

世の中の大半をしめる、「既婚・子供あり」という男性連中、これが果たして勝ち組かというと、僕にはどうもそうとは思えません。
というのは、そういった男性たちの大半は、自分のお金も時間も、すべて妻子を養うために押さえられてしまい、自由のかけらもないからです。
なんとか人並みであろうとしたばかりに、奴隷の人生を送らざるをえなくなった、そういうふうにさえ見えます。

いや、別に本人が幸福でさえあれば、問題はないのですが…。
大半の既婚男性が、結婚生活を重荷に感じているように見えるのも事実です。

ではその対極に位置する「独身・子供なし」が勝ち組なのかというと、そうも思えません。
独身者は既婚者と違い、実に勝手気ままな生活を送ることが可能です。
何十人、何百人もの女性と付き合っても、誰も非難しません。
それは、独身だからです。

でも、ツケは最後に回ってきます。
家族らしいものもなく、孤独な老後を送ることを、独身者はある程度覚悟せざるをえません。

「結婚の最大の長所は、実は妻を持つことではなく、自分を死ぬまで慕ってくれる子供を持つことだ」
そう誰かが言っていたのを聞いたことがあります。

そこが、何十人もの恋人を取替えて付き合うこととの最大の違い、僕もそう思います。

奥さんがその男性によせる愛情は、数年しかもたないかもしれません。
しょせん、他人同士ですから。

しかし、親子の情愛はまた別格です。
ことに、父親にとって愛娘は、永遠にプラトニックな関係の恋人のようなものです。

だから、こうじゃないかと思います。
本当の勝ち組の男性とは、
「娘がいて、彼女が一生そばにいて慕ってくれる男性」
ではないかと。
案外、「死別またはバツイチ、娘あり」、そう、榛野なな恵が書く漫画「Papa told me」の信吉パパのようなひとこそが、もっともうらやむべき男性なのではないかと思います。

生涯独身であった小津安二郎監督も、そういう人生にだけはどこか憧憬を持っていて、それをしばしば作品の中で描いていました。
男はやはり、そういう「永遠に自分の娘」のような存在を、本質的に求めているのかもしれません。


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