lucky seventh
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2007年10月29日(月) |
月のない夜、冬のらせん 月シリーズ |
キミは誰?
右目に眼帯をつけた少女が呟く。 自分と同じでありながら金色とは違う 琥珀の瞳が両目にはまっている少女とも少年ともつかない 人。
私? 私は
のばされた腕が、向けられた手の人差し指が
私だよ。
トン と、胸元に突きつけられた。
瞬間、二人は笑う。
あぁ、そうか。
一人は納得したように
うん。そうなんだよ。
一人はあらかじめ知っていたかのように。
それは予定調和 すべてが決まっていたこと。
出会うはずのない二人の出会い なぜなら、二人は同じ魂もつ者同 けして出会うことはない それは記憶、それは螺旋、
さくや
少女は呼ぶ。 自分は知っている なぜなら、自分はかつての彼女だから。
なぁに、ふゆら?
彼女は笑ってこたえた。 彼女は知っていた。 なぜなら、少女ははての自分だから。
悲しみに狂う愛、くるうじゃないか…
ねぇ、何でだろうね?
上手くいかなすぎて、
はがゆくて、
僕は消えてしまいたいよ。
空が堕ちてくる。
「ばいばい」
何気ない動作で、笑って君は言った。
「ばいばい」
泣けばいいのに。 僕はそこまで考えてやめた。 それはしてはいけない事だと急に思い出したから。 あぁ、同様していたんだ。 気付かない間、掌に込めた力をそっとぬく。 爪が食い込んでるや。 思って、笑って君を見た。
「わたし、行くよ」
君は笑って、僕に背を向けた。 一歩 また一歩 君が遠ざかって、遠ざかる君を大人たちが隠してゆく。
「ありがとうな」
投げかけた言葉に、遠くの君が一瞬揺れて だけど、歩みは止まらない。
「またな」
その言葉に振り向かず 手を挙げて君は応えた。
本当は、走って君を抱きしめて…
ナナナ
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