lucky seventh
DiaryINDEXpastwill


2007年07月18日(水) 時を翔ける少女 side変わらないもの

アオノ マコト
 蒼野 真

それが私の大切な人の名前。
あの日、あの踏切で死んでしまった私の大事な人。













時を翔ける少女














カーン

カーン


カーン







閉まった踏切の前で少女が立っている。
すると、坂の上から勢いよく降りてくる自転車。
乗っているのはショートカットの髪の女の子。
しかし、様子がおかしい。
少女は気がついたように振り返り、一歩踏み出す。
あと数十メートルで踏切にたどり着いてしまうというのに
一向にスピードの落ちない女の子の乗る自転車、
少女は手を伸ばし、無造作にその自転車の迎えた。
ものすごいスピードの自転車の籠を掴んで
その行動はまるで自転車を止めるかのようだった。
回りの踏切待ちの人も
そして当の自転車に乗っている女の子でさえも
その少女の行動に目を見開いた。

ギーギィギィ

数十秒後、自転車が変な音をたてて止まった。
少女は籠を掴んだまま、スピードで押された体制で
下を向いたまま、ふぅーっと長く息をついた。
その行動に肩まである黒い髪がゆれる。
少女はゆっくり確認するように一本一本籠から指をはずし、
そして、下げていた顔を上げ、女の子を見た。

「大丈夫?」

その言葉に女の子は慌てたように
大丈夫だと返すと、ありがとうと言った。
少女はその言葉に、
そう、よかった。と微笑んだ。























これでもう、あなたはどこにもいなくなってしまったけど、
私はあなたを 忘れないわ。



2007年07月12日(木) 心臓エレキテル

「やばい。

 きたね。

 これはマジ来たよ!!
 アイディアの神様が私に舞い降りた!!」



「…誇大妄想?」






 ガガーン


















:心臓エレキテル














「違うよ!セッチャン!!
 僕ぁー今、来月の新作のためにネタをねってるんだな!!」

「おうおう、書け書け。ファイオー!!」

「かる????」

「他人事ですから」


「違うよ!!セッちゃん!!!
 君は僕の神様仏様救世主様なんだな☆」

「へぇー…」

「神様は祀らなきゃ。仏様は悟らなきゃ。救世主は讃えなきゃ!!」

「んじゃー公式、公認、下僕 ゲットダゼ!!」


2007年07月08日(日) 誰そ彼の足音 月シリーズ

誰そ彼は?の足音は















闇雲のなかを走り、君は笑った。

「神さまはすべてを救うために
 ただ一人に、すべてを救うその術をさずけた。」

「それが君の力?」

「そう。
 だけど…そのすべてを救わせるのに、
 神様は、私は助けては下さらなかったわ。」


「それは…」

「私はそのすべてに入らないの?
 それだけの存在?
 それとも私はすべてを救うための道具だから、
 道具に救いなんていらないってことの??」

走りながら、彼女は笑った。
それはまるで、その闇夜に紛れそうな儚い笑顔だった。


「ねぇ、助けてよ」

ふいに彼女は呟いた。
彼女は祈るように頭上を見上げ、居もしない神に。


「ねぇ、助けてぇ…」


密やかに、
囁くように、
彼女は声をもらす。
彼女の隣で走る僕は、
風に流されて 聞こえないふりをした。



「ひどいやつだ」

そんな僕の態度に、彼女は目じりを真赤にして
おかしそうに笑った。
僕は何も言えなかった。







結局、彼女を救ったのは神でも、僕でもなかった。

「サクヤ!!」(月のない夜)


ナナナ

My追加