lucky seventh
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2006年06月26日(月)

生あるものよ。

おののけ!!
おそれよ!!

我は恐怖の体現にして、王であるぞ!!












深い森の中で、女はさ迷い歩いていた。
口からは時折ため息を吐き、その背にうんざりとした空気を漂わせる。
それもそうだろう。
この現状は女にとって不本意極まりないなのだから。

「あぁ、ウザイザウザイ。マジウザイ…」

剣呑に吊り上った目には殺意が宿っている。
森の主である動物達はその空気に怯え、身を隠してしまっている。
今や、女だけがこの森を獣ように徘徊している。
この森を縄張りとすら熊や虎ですらもその殺気に当てられてしまい
尻尾を巻いて逃げ出した。
しかし、世の中には不幸にもそういった気配を感知できない生き物がいる。
我が物顔で歩き、自分こそがこの世界の君臨者であるかのように
振舞う生き物、そう人間だ。
哀れにも女の前に現れた人間は、出会い頭に鉄拳を食らうのだった。


2006年06月24日(土) センセンたる恐怖 :設定。

負けた…

アタシは負けたんだ!!

だが、しかーし

オ・カ・シ・イぞっと!!

普通負けって言ったら、
こう何てーか人生観?が変わるような衝撃を受けると聞き及んだ。
でもって、すべてを打ち砕かれたような
夢も、希望も潰えたー!!みたいなカンジになるらしい。
で、再起不能とか挫折とか苦悩とかもう二度と立ち上がれない…
アタシ…アタシ!!みたいなことになるって聞いたのに!!

なのに…なのに

衝撃どころか落ち込みすらしてねぇー。
えぇ、なしてぇ!??












恐れること挫けることといった心を知らない。
それ故に命知らずで無謀極まりないことも平気でやってのける。
センセンたる恐怖と呼ばれ、そして恐怖の大魔王である存在。
今だ嘗て暴力の前に屈することのない人間を見てきたため
力こそすべてと思っている。
(普通の人間であったころ、テレビで政治家の乱闘を見た時、
為政者ですら最後は力で訴えるんだと思ったから。
しかし、本人にとってその暴力的な力はあくまで目的のための
手段でしかなくそれ以外の利用価値はないとも思っている。)


2006年06月21日(水) レッド・アラーム  

「    !!」

笑った目の前の女に男は瞠目する。

「お前は誰だ?」

純然たる疑問と疑惑を持ってして、
見知らぬ女に男は問うた。











レッド・アラーム −めざめの刻。











落ち着かない。
そんな面持ちで、男は目の前で微笑む女をちろちろと盗み見る。
傍目から見て明らかに挙動不審なのだが、男はそんな自分の態度に
気が付かないのか、とにかく必死でこの場をどうにかしようと
思っているがみえみえだった。
女もまたそんな男の動作を気にした風もなく完璧な笑顔で
見つめているため、その心のうちで何を思っているのかうかがい知れないが。

昼下がりのざわめきの中、
机一枚挟んで奇妙な空間を作り出し、男と女は対面していた。

机の上には運ばれてきたばっかりの暖かいご飯が湯気を上げている。
食欲を誘う匂いに、しきりに男の胃が空腹を訴えかけているが、
しかし、男は手を伸ばす気もしなかった。
目が覚めて、目の前に見知らぬ女が笑っていた。
目覚めるきっかけの第一声は、その見知らぬ女の声だということは
うすぼんやりした男の意識の中では何となく理解していた。
それが見知らぬともいえ普通の女だったら、
自分はまた酔った勢いで禄でもないことをしたんんだろうと納得ができた。
そして、自分に引っかかるなんて運のないやつだと男は思って笑えたが、
その女は明らかにおかしかった。
まずその出で立ちだ。
第一、そういった時の女は大抵横であられもない格好をして寝ているのだが、
その女は現実ではとんとお目にかかれないような和風と中華風を織り交ぜたような
衣装に、現在なら絶対銃刀法違反で逮捕されるぞと言いたくなるような凶器
を腰に帯刀して大平原で寝転ぶ男の顔を覗き込んでいたのだ。
男はおおいに慌てた。

「ここはどこだ?」
「お前は誰だ?」

笑った女は、男の質問に答えることはなく。
とにかく男に立つように促し、おれよあれよと言う間に
男は女に連れて行かれた。
それが今現在だ。

「おい、お前いきなり連れて来て何なんだ?
 とっと質問に答えろ。」

男は苛立つ気持ちを押さえつけ、女を睨みつけながら言った。
すると、今まで笑顔だった女が、笑顔なのは変わりないが
何だか少し困ったように笑っているのに、男は気が付いた。

「おい?」

男はその女の態度に虚をつかれた。
苛立った気がそがれ、どことなく怒っていた顔にとまどいの色を浮かべ
女を見た。
女はそんな男の変化に、女はほんの瞬きのする間に不思議そうな色を浮かべ、
そして、その色が消えた瞬間、真剣な色で男に視線を合わせ
口を開いた。


「βθα-ωπζλ」


そこでやっと男は、
おかしいのは女ではないのだということに気が付いた。


2006年06月15日(木) すずめと私。

すずめは目つきが悪い。
すずめは口が悪い。
すぐに手が出て、足も出る。
いじめっ子で、鬼畜でサドで怖いけど
でもほんのちょっと、ちょこっとだけ優しかったりもする。













ずずめと私。
 其の1:雀の機嫌が悪い日。










「バカ」

「アホ」

「ドジにマヌケのコンコンチキが。」

目の前で仁王立ちして、怒ってるのは
天上天下唯我独尊、自分崇拝者で自分至上主義の ずずめ。

「…」

「……」

「………グス(泣)」

目の前で正座して、こってりぎゅっとしぼられてるのは
薄幸少女で短命そうな、私。

「泣くな、ウスノロ」

すずめは不機嫌そうに私に言った。

「泣いてないもん。」

すずめの前にいると自分がちっさく感じて、
さらに下を向いてしまった。
ここで顔をあげたら絶対、哄笑されるんだ。

「じゃぁ、その声はなんだ。そして面をあげろ。」

私のそんな確信を無視して、
すずめは私の髪をグイっと掴んで上に向かせる。
女の子に向かって何するんだ!!
叫びたかったけど、そんなこと言ったら後が怖いので言わない。

「…」

「聞こえないのかこのヤロー」

ずずめの真っ黒な目と目が合う。
何も言わない私をすずめは不機嫌そうに見下(みお)ろしていた。
何だか見下(みお)ろされているというより
見下(みくだ)されているようで、すずめのそんな何時のも態度に
何時もの如くカッとなって、私は頭に血が上ってしまった。
それが悪かった。
何時ものパターンだ。
王道だ。

「ヤローじゃないもん」

ついつい反抗してしまった。
その瞬間、すずめはニヤリと笑った。
すずめのサドスイッチをまた押してしまったのだ。
まるで捕食者だ。
きっと私は食べられるんだ。
今なら食べられる動物の気持ちが痛いほどわかる。
所詮私は草食動物、肉食動物には適わないんだ…。

こんちくしょう!!すずめの癖に!!!

「屁理屈こねるな。」


ずずめに笑顔で両の頬を引っ張られた。

痛ヒ…


2006年06月14日(水) 主と家臣の会話。其の1、腹黒参謀編。

「主!!私の何がいけなったと言うのですか!!」

「えぇい!!自分の胸に手を当てて聞いてみろ!!」

「私(わたくし)に非はありません(きっぱり)」

「(えぇ、この人即答しやがりましたよ!!??)」

「あぁーそれなのに主、貴方は私を捨て置くと仰るのですか!!」

「うん。」

「(ガーン)」



「ぎゃー来るなあぁぁ!!」

「酷い…主、私は貴方をためを思って…(ぐす)」

「毒を盛ることがかよ!!」

「主がお疲れのようでしかたら(きっぱり)」

「(えぇ、言い切られた!??)って、問答無用で盛る奴がいるか!!!」

「主のためです。」

「死ぬかと思ったよ!!!?殺されるかと思ったヨ。」

「大丈夫です。プロですから!(超笑顔)」

「いやいやいや。死に掛けたから」

「あれぽっちの毒では死には至りません。」

「三日三晩臥せってたから」

「それは、御労しゅうございました。
 次はもう少し軽くいきたいと思います。」

「…(家出しようかな…)。」


2006年06月09日(金) バラはイバラの中へ…

隠してしまおう。
誰にも見つからないように
誰にも傷つけられないように
バラをイバラの中に
バラはイバラの中へ…


2006年06月08日(木) 阿修羅道 花が綻ぶ=笑

ふと、気が付いた。
知らず、知らずの内に僕が笑っているのは
君が嬉しそうに笑っているのを見たからなんだと。

そんな些細な幸せがこれ以上にない幸福だと気が付いたのは、
どれだけなくした後だったのだろうか?
君はもう隣にいなくて、
君といたことがどれだけ幸せだったかなんて
あの時は僕は気が付こうともしなかったんだ。


笑い顔。
夕暮れ時。
耳をすませば聞こえてくるの虫の音、
風にそよぐは自分のざんばらな髪。

けれど笑えなかった。
笑っているけど、それは笑顔とは程遠い張り付いただけのような表情。

「泣きたいってこう言う気持ち?」

胸がしめつけられるだけ、
痛い
痛い
痛い
何も感じない。
感動すら
感嘆すら
もう、この心は感じやない。
あんなにも色鮮やかで、愛おしかった世界が
もう、何一つ掴み取ることはできないんだ。

首を傾げて、張り付いただけのような表情で笑ったふりをする。

心に隙間風吹いたように寒さを感じた。
冷えていくのは指先だけでなく。私自身だった。


「愛してる」

私が紡ぐとなんて平べったい言葉なんだろう。


2006年06月07日(水) 阿修羅道

あのころ、僕らは善意よりも圧倒的な悪意を恐れた。
悪意の前に、善意は何よりも弱く、脆く、そして儚く
僕の心は簡単に耐えられなくなった。
善意は捻じ曲がって僕の心に映り、
悪意だけが真っ直ぐに僕の心に響いた。
だから、それがすべてだと思った。
悪意を恐れていたのに、僕にはそれだけが真実のように信じてしまった。
信じて、信じきれなくなってしまったくせに…

「あぁ、哀しいの?」

首を振った。

「あぁ、苦しいの?」

違うと、何度も。

「ただもう、哀しいだけ。」


言って、それからただ笑うだけ。
影を負って、泣く変わりに笑った。

笑えはしない。
もう、笑えはしない。
この笑顔だってもう、まやかしに過ぎない。
けれど、それ以外に何を浮かべればいいの?
愛したかった。
愛されたかった。
微笑んで、心から微笑み合いたかった。

でも…
もう、誰もいない。
たった一人で残された。
それ以外を捨て去った。

「鬼になろう。」

思いついたように笑う。
空っぽだけど、それでも生きようと決めたから。
それが自分にとっての一番の罰かもしれない。
それが自分にとっての一番の罰を見つけられるかもしれない。

己を信じず、
誰も信じず、
けれど、誰かのために
それを自分のために。
愛を知りもしないその口で愛を語り
愛を失った言葉を愛のために紡ぎ続けよう。
人でありながら、鬼となり。
鬼の心を人としての行いで覆い隠してしまおう。


あぁ、許されるならば死にたかった。
けれど、それはただの甘えで
僕はただ、まだ行き続けようと思うことでしか生きる術を知らなかった。

生きるために他の命を奪い
生きているから他の命を奪った。
それを否定しても、それを止めることが出来ず、
争うことでしか己が見えなかった自分は何と愚かだったのだろう…。


ナナナ

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