lucky seventh
DiaryINDEXpastwill


2005年07月29日(金) (仮)砂の記憶 遠雷の章

わたしには生まれ前の記憶がある。

所謂、前世の記憶というやつだ。
















砂の記憶



















その記憶は物心つく頃にはもう、わたしの一部として
魂の中に刻まれたものとして存在していた。
それはあまりにも悲しい、遠い日の思い出のようで
その記憶を夢に見ては、泣いた。


 思い出すのは、空へとはなった慟哭、
 あの一面の青空の中で、確かにあたしはすべてを失った。


  理不尽な世に殺されて、
  大人たちに黙殺されたあの日のあたし達。
  自分という存在がこれほどまでに小さかったのかと
  手を、血が出るほど握りしめた。

  知らなくっていいことを知って
  あたしは、一つ大人の階段を昇る。


夢の中のわたしはいつも死にそうな目をして生きていた。
すべてを失った日からずっと、アンビバレント。


 白い部屋の中で、時がまるで止まったように
 あたしはそこから出てくることを拒んだ。

  誰もいない。
  笑いあった思い出はもう、思い出としか存在しない。
  あたしの手は罪に汚れたまま…


そしていつも、最後は自分をここまで追い込んだ大人への軽蔑。
そして無力な子供である自分への 言い訳とそれを許さぬ自分への侮蔑。

いつか大人になってわたしはこんな大人になってしまうのか?
嘆きがあたしを追い詰めていった。






2005年07月23日(土) 多角形ロジック デコボコデコ

「あ、もしもし!
 オレオレオレ!!ってオレオレ詐欺じゃないからなー!」

ってか着歴に名前でてるし…。
少女は内心そう思いつつも、
つい電話を取ってしまった自分を軽く後悔した。

「今からマックしようぜ!奢るよvV」


それは何の予定もない自分を見越しての、確信的なお誘いだった。




「このメガネが!!!」
叫んだ男に対して、
「なに?それ、眼鏡に対する冒涜? 殴るよ。(にっこり)」
向かい座る男は虫も殺せないような微笑み付きで、のたまいやがった。

ほんの数分前までは、和やか(?)ムードで人生相談をしていたはずだった。
むしろ、人生相談してたと言うよりかは愚痴になって
結局はそん愚痴に対して男は俺様主義の主張にはじまり自分自慢になっていた。



でもね、取り合えず言わせろ。
メガネはお前だろ!(しかも色眼鏡)
そして、お前はメガネじゃないだろーに。
叫んだ男共に対して、それを傍観していた少女は内心で突っ込んだ。


取り合えず、男の財布を持って席から立ち上がった。

なんてったって奢りだ。
期間限定シェイクだって飲み放題だ!!

少女はささやかな幸せに浸りながらレジに向かって歩みだした。
隣の前後で起こっている事柄なんぞ少女にとっては大事の前の小事であった。

「歩きが千鳥足だよ」
「やっすい幸せだよなー」

それを男二人はいつのまにか微笑ましそうに見ていたのを少女は知らない。


2005年07月14日(木) ・革命前夜・エキストラエクストラ

生きることとは 
なんて尊くも、残酷 なんだろ?
















・革命前夜・












であった。
寄せ集めのような 僕ら。

運命だと思った。

やすい 言葉、たやすい 言葉、
それでもそうだといいと、心から願ったそんな出会い。

幸せだった。

短くも、儚い日々。
それはこれからの人生を生きていけると、思えるほどの思いの心を生んだ。
この思いを抱いて 心に刻んで死んでいける自分は何て幸せなんだろう。
けれど、それは残された君を茨の道に残しておくこと。

届かない距離
離れていく距離

君のために用意された舞台で、
君は踊る。
たった一人で、お芝居を続けなくちゃならない。
君のような花形スターにはなれなかった。
舞台を蹴落とされた僕ら、君は一人で舞台に立ち続ける。
だけど忘れてはいけない、一人でなんて舞台はできない。
いつしか綻び行く 物語り。


夢は 夢は皆とずっと笑っていられること。

素敵だね。

うん、素敵。


ずっと、ずっと…


叶わないなんて知らなかった願い。
これからの先もと 交わした約束だったはずの言の葉。

願いなんてたやすく破られることを忘れていた。
こんな風に思い知らせるのなら、たとえ出会わなくとも 良かった。
高望みだったの だろうか?
ぶん不相応の願いだったのだろうか?

願った。

一緒にいられたら と。

いもしない神や仏に。
それが間違いだったのだろうか?
願ったから、また取り上げられてしまったのだろうか?

神や仏は 奪うことしかしてくれないと言うことを忘れていた。
バカな 自分。
願っても叶わないと知っていたはずなのに…

すべてを否定しよう。
出会わなければ 紡げなかったとしても、それでも否定しよう。
捻じ曲げるほどの思いで。








ただ、君を 僕らは思っていた。
ソウルメイト 君は魂の同士。


2005年07月13日(水) ・革命・

もはや そこにはもう、達成感も満足感もありはしない。
ただ、なし終えねばならない。
そんな使命感と強迫観念があるだけ…
















革命 <零>










心なんて捨ててしまえればよかった。
けれど、心があるからこそこの世が尊いものなんだと思えた。

愛した思いも
憎んだ心も

今、思うとすべてが色鮮やかで
もう失ってしまったものばかりだった。
ただ覚えているだけ、隣にいるだけで微笑める幸せ、
殺したいと、消えてしまいと叫んだ激情は、もう甦りはしない。
忘れるよりも残酷に、すべてを失った。

愛した思いも
憎んだ心も


ただ、覚えているだけ。

ただ、知っているだけ。




すべてを失い過ぎた。
    ドウシテ 自分だけ失わなければナラナカッタ?










公開処刑

反逆者


架せられた名

それでいい


やっと、終わる。





伸ばされる手、

聞こえる叫び、  −ドウシテ?と、言う幼い声。



処刑台に向かって伸ばされる。
かつての仲間の生き残った仲間の、姿。
違う。
本当の意味での仲間は失ってしまった彼らだけ。
イラナイ。
彼ら以外は違う。
きっと、彼らは知らない。
軍主として讃えるあの子たちには分かりはしないだろう。
だから、夢だけをあげる。
この本心を知って、知らないで。
失望しないで、思う心に 失望する。自分の心。
見捨てないで、思う心に 見捨ててやる。自分の心。

二律背反 アンビバレント


口をただ吊り上げてあいつらを見る。
心も、誓いも、思いあげられないから、英雄としての自分を残して。



だけど、届かない。
すべてが届かない。


あぁ、きっと分からないだろう。




結局人は、自分以外の思いなんて分からない。
だって、自分の心でさえ分からないのだから…




愛した思いも
憎んだ心も

自分が自分をかたちどった始まりのあの日々も、
もうすべてが変わってしまった。失ってしまった。

ここにあるのは何だろう?
抜け殻となった骸だけ。
魂だけは もうずっと昔のあの日に添い遂げていた。

死んでしまっていたんだ。


2005年07月10日(日) 閉塞シェルター

「罪悪感って感じたりしないの?」

ふいに少女は舐めていたチュッパチャップスを口からだして、聞いた。
目を向けると、日がじりじりとあたる階段に座りながら、
数秒前までは大人しくじっと地面で蠢く蟻を見ていたはずなのに、こちらの方を見ていた。
厭きたのだろうか?
今度は何だか自分が観察されているような感じがして、
その視線が妙に嫌だった。

半ば、無視するように顔を背けると少女はもう一度言ってきた。

「罪悪感って感じたりしないの?」

にごった瞳が細められるのを感じた。
見なくたって分かる、少女はいつでも笑い、同じようにしか笑わないから。

そして俺は、この少女の死んだ目と、作り物めいた笑いが何よりも気持ちが悪かった。













:閉塞シェルター












罪悪感ってナンだろう?
そもそも人間は生まれながらにして世界という存在に対して、
後ろめたさというものを感じているんじゃないかと思っている。
俺たちはこの世界に不要だ。
なぜなら、俺たちはこの世界を壊すことしかできないからだ。

かの人は言っていた。
人は生まれながらに悪であると、
たゆみない努力と修養によって善の状態に達することができると。

ならばきっと、俺は悪のままでいい。
そしていつかきっと、善と言うものが存在するのならば滅されるのだ。

それでいい。
壊す前にぜひ滅ぼしてくれ。





暗い帳の中で、そこにはいつの間にか人が集まっていた。
集めたわけでもない、ただひっそりと噂だけが歩いていき、
それに心惹かれた人々が集まってきた。

曰く、
ここは夢なのだそうだ。

何をしてもいい。無法地帯。
ただし、いつか覚めることを忘れられない。
そんな場所。


「ねぇ、暇してる?」

ナンパのような台詞にビクッと肩を震わせ振り向くと、
からかうように笑う、馴染みの顔が笑っていた。

「リアか…」

安心したように呟くと、
リアはいつのもように隣の席に腰をかけると
ニィーっと楽しそうに唇を吊り上げ、肩をこのこのーっとドツイてきた。

「聞いたぞー聞いたぞぉー♪」

「なんだよ?」

その言葉に嫌な予感がしつつ、ついつい聞いてしまった。
すると、待ってましたとばかりにリアは言った。


ナナナ

My追加