lucky seventh
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2003年12月17日(水) マーチをかなでて

空との境界線の中で、子どもが歌を謡っていた。
いつまでも。
どこまでも。
途切れることのないように、うたう。

子どもは人形だった。
だから、誰のためにも、自分のためにも
子どもは生きていることはなかった。
人を愛することのできないどもは、
人を憎むことのできない子どもは、
人をひととも思えない、人でなし。


子どもは生まれたままに死んでいた。



第一話
『こうして子どもは世界に生まれる』





1983 12/1
「おめでとうございます。」

この日、はじめて子どもの存在が子どもを生むことになる女性に伝えられた。
女性の名前はオルカ、とても穏やかでその姿はまるで野に咲く花のように
ほっそりとたおやかな女性だった。


オルカの胸は嬉しさでいっぱいになった。
結婚してからも中々子供が出来ず、5年目にしてやっと望んでいた
知らせを聞けたのだ。
オルカは病院から出ると、すぐに近くの公衆電話にかけよった。
喜び、赤くなったほてった頬に冷たい冬の外気がふれる、
財布から小銭をとりだし、はやる心を抑えて受話器をにぎった。
もちろん、相手は決まっている。
なんども覚えた番号を、間違いないように慎重に押した。



「はい、ウズミです。」



聞こえた声に、オルカは幸せそうに微笑んだ。


「もしもし?私です。オルカです。」
嬉しいニュースがあるんです…






こうして、子どもの物語は始まった。
そうして、子どもの物語は終わった。




ただ、いとおしく、こいしい
世界は常に表裏一体をかなでる。。。


2003年12月15日(月) 青色吐息

まるで真夜中にいるように、私のココロはふるえている。
毛布にくるまり、まるで胎児のようにちぢまる。
人工的な闇の中、真冬の世界は無音を内包する。
唯一自分の吐息だけが、温かく、見えない色をなす。
ただそこに、私の小さな世界があった。
誰にも、何にも、干渉されることはなく、
ただ痛いほどに、優しい時間だけがとめどなく、
とぎれることはなく、流れる。凪がれる。

私が大きな世界から唯一逃れることができたのは、
私がこの小さな世界にいる時だけだった。


恐かった。
恐い。恐い。
年を重ねていくごとに逃れることはできなくなってゆく。
闇にのまれる。
私が二つにわれる。
引き裂かれる。


狂ってしまえれば、どんなに楽なのだろう?
縋ることができれば、どんなに楽なのだろう?

けれど私はどちらも選択することはできない、
愚かに自分に押しつぶされるのをまつのだ。


明けることない真夜中であれ。
真夜中のなかで永遠にふるえろ。
ふるえが止まった時、それは毛布に抱かれた胎児の最期。




ねぇ、まだ吐息は聞こえている?


2003年12月10日(水) 12/6(土)に見た夢

暗い夢の中で何度も謝っていた。
心の中で何度も何度も、
ごめんなさい。
ごめんなさい。

そらは暗く厚いくもに覆われている。
はだしで田んぼの中を走る。

一刻も早く戻らなければ……

あそこに居場所なんてなかったけれど、
それでも走った。

兄さまに弟に、後継ぎに不足はない。
出来の悪い私(わたくし)などいらないのに、
それでも他に居場所がなくて、
必死で走った。

浅猫(あさねこ)にまで見捨てられたら生きていけない。

言わなければ伝わらないことの方が多い世界。
それでも、私は伝えることを恐れた。
それなのに、伝わらないのならば消えてしまいたかった。

ごめんなさい。
ごめんなさい。
ごめんなさい。

家について引き戸を開ける、少しさきの玄関に見える。
浅猫の見下ろす眼差しがどうしようもなく痛かった。
とうとう、いらなくなったんだと思った。




人はなぜ、人を思わないと生きていけないのだろう?





闇が心が包んだ。
光を映さない瞳から涙だけがぽろぽろとこぼれる。


2003年12月08日(月) 大人達の作る未来に子供達はいない。

大人は自分の未来をつくる。
そこには子供の未来はいない。
自分のために一生懸命で、今日も政治家達は未来の日本のためにと、
今日も政治家達は未来の世界のためにと、心にもないことを言う。

伝わらない
聞こえない

大人の意見は都合のよい言い分ばかり、
大人の正論は都合のよい言い訳ばかり。

自分のためだけに、自分の未来のために、

どうぞ、ご自由に

私たちのいない未来を作って下さい。


2003年12月06日(土)

心臓が鷲掴まれたように痛かった。
まるで蜘蛛の巣がからみついたように引きつって、
あぁ、そろそろガタがきたんだな。
19才、という若い身空で何ともバカみたいなことを考えた。





心がイタイよ





いつも言い聞かせていた。
(大丈夫、まだ大丈夫。)
ほかに言い訳なんて知らなくて、
ほかに言い聞かすすべなんて分からなくて、

重ねて
束ねて


2003年12月05日(金) 自衛隊派遣

自衛隊を派遣するか、しないか?
ニ択じゃなくて
自衛隊いがいの人を派遣する。
どうしてほかを言わないの?


ナナナ

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