だいぶ前の話。僕の誕生日祝いということで回転寿司に行った。
ひと月前のタクの誕生日の時にもそれだったので本当はもっと違うものが食べたかったのだけれども、既に息子・タク(10才)の頭の中では何ヶ月も前から寿司と決まっていたようで、僕の誕生日を口実に自分の好物を食べる気満々なのであった。何かというと回転寿司なので
「君らは焼肉なんてどうなん?」
と聞いてみた。娘・R(12才)と同級生のオヤジ達と話すと、例外なく子供らが焼肉屋が大好きらしく、ウチと全然違うので不思議に思っていたのである。すると
「うーん、別に」
Rはもともと食が細く、日曜の朝とかほっとくと朝飯に1時間以上かけて食べる。フランス料理のフルコースじゃないっつうの。実は寿司も食べられるネタはごく限られている。それでも文句なく付いてくるのはサーモンとデザートのメロンが好きだかららしい。ていうかメロンなんか流すな寿司屋。Rは焼肉についてもそっけない反応だったのはよく分かる。
「ボクは魚系なの!」
しかしタクは肉より魚が好きなんだと強く主張する。最近特にその傾向が強くなってきた。ホントに肉はあまり好まず、ラーメンのチャーシューですら食べない。魚系男子なんだろうか。ギョギョーとか言い出したらどうしよう。
そんなわけで食べ始める僕ら。嫁は白身中心、Rはサーモンやらタマゴ、僕は旬のおススメものを中心に食べる。おお、今日は寒ブリがうまそうだ。タクは魚系を自称するだけあり、どんどん食べられるネタが増えてきた。
「ねえパパー。大トロっておいしいの?」
「いやーあれは脂っこくてダメダメ」
「そっか。じゃあマグロ」
ふう。出来るだけ舌が肥えるのを防がないとそのうち僕はカンピョウ巻きぐらいしか食べられなくなるだろう。
そんなわけで僕の誕生日についてはほとんど触れられず、腹いっぱい食べた僕ら家族は店を後にした。
「いやー、すっかり寒くなりましたねえ!」
駐車場で誘導していた警備員のおじさんに声を掛けられた。そうですねえとか返事すると
「私、孫が11人いるんですけどね〜」
とか
「だからお年玉の出費がすんごいんですよー」
とかペラペラペラペラ堰を切ったように話し出す。うわああ話したがり警備員だったああ。更にはRとタクに向かって
「ん?君らは双子の女の子かい?」
などと言うもんだから、家に帰った後で
「あのおっさん、まじむかつくんだけど!」
タクは怒り心頭であった。
「まあまあ、暗い夜道でよく見えなかったんだろうよ」
なだめるのに必死な僕。
寿司だけに、タク、お寒ブリ。いやお冠。なんちて。
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今日もアリガトウゴザイマシタ。夜、仕事から帰って来ると子供達は既に寝ている時間帯であった。
晩御飯は子供達が食べ残したすき焼きであった。やったー。すき焼きだー。いただきマンモス、と喜んで食べ始めてみたところ、肉がない。僕は北斗の拳のラオウが死に際に放った名台詞を思い出した。
「わがすき焼きに一片の肉なし!!」
ドゴーン!どうやら子供達に全て食べられてしまったようだ。肉どころか白菜やしらたきすらもない。
「あなたのぶんのお肉はちゃんと取っておいたよ」
などという嫁の名采配もなく、鍋の中に残っている豆腐とえのきをひたすら食べ続けた。あと、ちくわぶ。僕はこのちくわぶという存在が許せない。何故すき焼きに入っているのか。僕は栃木生まれで、栃木にいたころはちくわぶの存在すら知らなかった。嫁は高尾といえど東京人なのでちくわぶをいれる風習で育ったのだろうか。食べてみても味は染みてないしニチャニチャモサモサしているし嫌いである。子供達も苦手だから残っているのではないだろうか。
それにしても、ちょっとは肉の欠片があってもよさそうなものだが、それすら全く見当たらない。誇張なしに文字通り一片の肉なし。子供達、どんだけ貪欲だったんだ。ちょっとはパパに残しておこうよとかいう気持ちはないのか!
再び北斗の拳の名台詞を思い出した。今度はラオウの部下の悪行に怒りを表す南都水鳥拳の使い手・レイの台詞である。
てめえらの血はなに色だー!
とかいっても半分は僕の血なのであった。ブーメランとはまさにこのこと。怒りより情けなさが出てきてしまう。こんな時はこの歌を歌うに限る。スキヤキだけに
うーえーをむーいて、たーべよおおお。
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今日もアリガトウゴザイマシタ。先日、息子・タク(10才)が参加したポケモンカードの大会のことは過去の日記に書いた。
僕は単なる付き添いで、タクがカードバトルしている間は酒を飲んだりしてヒマを潰していたが、ここに足を運んだ者にしか手に入れられないポケモンカードを何枚か手に入れた。
まずは来場者全員にもらえるピカチュウのポケモンカード。これは単なる付き添いで酔っ払いである僕も貰えた。
そしてカードバトルに参加し、勝つとポイントが貯まり、そのポイントにより貰えるポケモンカード。
これはタクのそこそこの活躍によりもらうことが出来、土日2日間の大会で多くの特典カードをゲットすることが出来た。
大会後、そのカードを
「早く売ってきてよ」
とタクが言う。このような会場限定カードはわりと高く売れることを知っているのだ。これも過去の日記に書いたが、参加者全員に貰えるピカチュウのポケモンカードを
「ピカチュウカードを集めてるんですが、カードパックひとつと交換してくれませんか?」
と、そこら中の参加者に声をかけ、回収しようとする輩が何人もいた。僕は声をかけられるたびに
「転売屋には売らないよ」
と追い払ったものである。そう、彼らは転売目的でこの会場限定のカードを集めていたのだ。彼らが交換しようと差し出してくるカードパックはコンビニでも買える160円かそこらのもの。しかし会場限定で貰えるピカチュウカードはすぐさまヤフオクで売ればうまくいけば2,000円ぐらいの値がつくだろうというプレミアグッズなのだ。
ましてやある程度バトルで勝たないと手に入らないカードはもっと高いだろう。
あいにく僕はヤフオクで売るようなめんどいことはしていないが、カードショップに売ればヤフオクほどではないがそこそこいい値段で売れるだろう。なのでタクは売って来いと僕に言うんである。なんて現金な子!
ポケモンカードの売買をしているお店がいくつもあるのは秋葉原だ。じゃあ売りに行くかと腰を上げた土曜日の朝、
「タクも一緒に行く?」
と誘ったら
「は?なんで?めんどい!」
あっさり断られてしまった。まさに「立ってる者は親でも使え」を地で行くおそろしい子!いくら朝立ちしてたからって。
「ふん。じゃあ大人しく留守番しろよ。宿題やれよ。ピアノやれよ」
ばばんばばんばんばんばん、とドリフのような捨て台詞を吐き、子供達を家に残して秋葉原に降り立った。ただ子供の遣いになるのはまっぴら御免なので
子供達に内緒でうまいラーメンを食ってやったぜー!
秋葉原の有名ラーメン店、青島食堂。麺。ムチとして僕好みのもの。汁。生姜の香りが食欲を刺激する。ウンメエエッ!思わず声を上げそうになったほど。完飲。以上レポっす。
へっ。帰ってから子供達に食わせる昼飯はせいぜいカップラーメンだぜ。そんな感じで腹ごしらえした後ポケモンカードショップに向かった。
話はポケモンから逸れるが、カードショップ近辺はメイド喫茶やらメイドマッサージやら、やたらと目移りする可愛いメイド姿の女の子が路上で客引きしている。なので
「メイド喫茶です。よろしくお願いしまーす」
「メイドリフレでーす」
などとお勧誘してくるカワイイ女の子の誘惑から逃げなければならないのである。僕のようなおっさんはホイホイメイドについてってしまいがちなので要注意だ。
ポケモンカードショップが入っているビルも、上下階にメイドマッサージやらメイド耳かきやらが入っている雑居ビルで、ビルの入り口やエレベーターホールなどに貼ってある色っぽいチラシの誘惑を振り払いつつエレベーターで昇りカードショップへ。
ショップの中はだいたい絵に描いた様なオタッキーな老若男女(「女」を除く)で溢れていて、ちょうどショップ主催のカードバトルが行われていた。上下階がメイド系のお店で挟まれているというのにここだけ女っ気がまるでない。たぶん童貞率ほぼ100パーだろう。
こういうマニアたちはすぐその辺にうろついてる女の子には目もくれず、自分の趣味の世界にあるもののみに血眼になる人種だ。僕のような外部者が何を言っても無駄だ。
僕はさっさと店員に売りたい旨を伝えてカードを渡し、査定してもらっている間しばし待つ。
「お待たせしました。7,500円になりますがよろしいでしょうか」
「えっ」
まさかそんなに高く売れるとは思わなかった。この額は僕とタクがポケモンカードバトル大会に行った2日分の交通費と朝飯昼飯代を余裕で上回る。黒字になってしまった。そりゃ転売野郎も目の色変えて回収したがるわけである。
もちろんOKしてお金を受け取って店を出、エレベータが来るのを待ってい間、ポケモンカードバトル恐るべし、たかが遊びなのにこんなにお金が動くとなると、タクの金銭感覚が狂ってしまわないか…などと考えていた。
チン、とエレベータが到着した音がしたので考えを中断し、扉が開いたので入ると、おそらく上の階のメイド系の店の子であろう、とてもカワイイメイドが乗っていた。いい匂いが充満したハコ内で、いつまでも下に着かなければいいのにと思ったがわりとあっけなく1階にチン。どうぞお先に、と譲ると
「ありがとうございますっ」
と元気に出て行った。彼女はこれから路上で客引きをするのだろう。
やっぱりポケモンカードよりモノホンメイドだよ。
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今日もアリガトウゴザイマシタ。