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■肩乗り娘。
2015年03月31日(火)
僕が家で机上のパソコンをいじっていると、わりと高い確率で娘・R(11才)がやって来る。

で、僕が座っている椅子の背もたれと僕の背中の間に無理矢理ぐいぐいと割り込んでくるんである。背中にひっつき虫状態。

「なんでいつもそんな狭いところに入ってくるんだよ!」

「ここが落ち着くの」

すみっコぐらしかよ!

また、椅子ではなく床に座っている時にも娘・R(11才)は現れる。膝の上に座ってくるのはどこの子供でもやることだろうが、うちのRはそれだけではなく、肩の上に乗ってくるんである。僕の両肩にそれぞれ左右の足の弁慶の泣き所あたりを乗っけてくるので、僕の肩の上で正座しているような感じになる。

「Rちゃん、なんでそんなところに乗るの」

「ここがいいの」

「降りて」

「やだ」

何がいいのか知らないがやたらと肩の上に止まるので、前世は鳥かなんかであろうかと疑ってしまった。椅子の背もたれと背中の間に割り込んでくるのは椅子に座っている時だけ、というのは当たり前であるが、その他の2パターン、膝の上に座るパターンと肩の上に登るパターンの違いはなんなのであろうか…と考えてしまった。

特に肩の上に登る奇行は一体何を意味するのか…普通に膝の上に乗ってくれないかな…と思っていたのだが、その謎はあっさり解けた。

Rは、僕がアグラをかいている時は膝の上に乗り、僕が正座をしている時は肩に乗って来るのであった。正座している時の膝の上は座りが悪いのかしらん。

…などとつらつらと娘が乗っかって来る事情を書いたわけだけれども、嫌だから書いたわけではない。むしろ嬉しいのだ。これからだんだん難しい年頃になって、写真を撮らせてくれなくなったりとだんだん距離を取られることも起こりつつあるこの状況で、Rから寄って来るのは、Rが何を考えて僕の肩の上が心地よいのかサッパリ分からないが、それはそれとして嬉しいものである。

ただいつまでも父の肩に乗っていられるわけでもなく…。

乗るのなら 父の肩より玉の輿。なんちて。

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■子供の制服論。
2015年03月26日(木)
部屋であぐらをかいていたら娘・R(11才)が膝の上に乗って来た。そしてなんだか名前がたくさん書いてある学校からのお知らせの紙を広げて読み始めた。

「なんだいそれは」

「明日は6年生の卒業式なんだよ。お手伝い係が書いてあるの」

「ふーん」

Rはどっかの教室を片付ける係だとか。いろんな子の名前が書いてあるので

「この子知ってる、この子は知らん」

「この子は幼稚園から一緒だよ!」

「パパあんま喋ったことない子は知らん」

そんな話になった。Rと同学年の子はもう5年、幼稚園も一緒だとしたら8年前から、少なくとも授業参観で顔を見ているはずなのだが、覚えているのはほんの一握りの子だけで。近所の子とかRと仲が良い子とか親父仲間の子とか、授業参観でいつも怒られてる問題児とか、あとは通報されるかもしれないけど、美形の女の子とか、どうしても何かが目立つ子に限られてしまう。

「そうか。今の6年生が卒業したら、次は君達なんだなあ〜」

いつまでもちびっ子だと思ってたら来年の春は君らは制服を着ているわけか…としみじみしてしまい、膝に圧し掛かるRの重さを身に染みて感じていたところ

「でも制服ダサいんだよな〜」

Rが女の子らしい愚痴をこぼした。

「確かにね…」

今年度からRと仲良かった近所の女の子たちが中学生になったのだが、もっさりしたブレザー&弓道部の袴みたいなスカートで、余りにもダサくてビックリしたものだ。数十年前の僕の故郷栃木の中学校よりダサい。だからといって今から私立なんか行かせられない。うちにはそんな金はないしRも受験できる頭脳がない。

確かに、僕もオッサンなので可愛い制服は大好きである。しかしそれはあくまで観賞用女子中高生についてのことであり、我が子のことになると話は別である。

「あんまり制服が可愛いと変なオッサンが寄って来るから、そういう意味ではダサい方が安心で好きだよ」

とRをなだめようとしたら

「でも、あれはないよ!」

頭がお花畑のRでも許せないほどのダサさであるようだ。うん、確かに。ただそれだからこそ変態除けとして期待できるんだけどさ。

「あーあ、幼稚園の方の制服の方がよっぽど可愛かったよ…」

Rはいつまでも愚痴る。そういえば幼稚園の制服はエンブレムが付いた金ボタンジャケットと膝上のチェックのスカートでなかなか可愛かった。

「うーん、アレを中学生が着ても…けっこういけるね」

「でしょ!」

そんな感じで盛り上がっていたところに息子・タク(9才)が乱入してきて

「男の制服も幼稚園の方がいいよ!」

と主張してきたが

「お前…幼稚園の制服は半ズボンだったろ」

「あ」

すね毛もっさりの男子中学生が半ズボンでゾロゾロと登校していく姿はおじさんあんまり見たくないなあ…。

とにかくダサくてもいいから制服を着れるよう、残りの小学校生活をしっかり過ごし、卒業してもらいたいものである。

パパは失業しないようにがんばる。

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■息子ポケモン親バカモン。
2015年03月24日(火)
息子・タク(9才)が

「ねえ、今度のポケモンカード大会はいつやるの」

と聞いてきた。最近はクリスマスプレゼントに買ってやった妖怪ウォッチのゲームに夢中だったので、ポケモンカードは既に飽きたろうと思っていたが考えが甘かった。

カードゲームは金とヒマの両方がないとダメなのである。カードは次から次へと新種が発売されて、どんどん強いのが出てくるのでこないだまで強かったカードがカミクズになるのでいちいち買い足さなければいけない。しかし160円ぐらいで5枚入っているカードパックの中身はランダムなので、何十パック買ったところで欲しいカードが手に入る保証はどこにもない。ほとんどがゴミのような役に立たないカードであり、有用なのはほんの数種類なので性質が悪い。

お目当てのカードを確実に買うためにはカードを売ったり買ったりできるカードショップもあるのだが、強いカードはプレミアが付いていて高い。そしてそういったカードたちのうちどれとどれを、またどれを何枚入れるか…などと戦略を練らなくてはならない。こうしてカードバトルで定められた60枚のデッキ(カードバトルのために組み立てられたカードセット)を作るのにえらい金と手間がかかってしまうのである。

カードバトルをやっている子供達はたくさんいるが、強い子はほぼ親もドはまりしている。僕は全く面白いとは思わないのではまる気はない。DSのソフト1本買い与えた方がよほど楽である。

現状、タクは4ヶ月ほど妖怪ウォッチにはまっていてカードは全くやっていない。その間にカードの環境は全く変わってきてしまって浦島太郎に近い。相手は最新の戦闘機で攻撃してくるのに対し、タクは未だウホウホ石をぶん投げる程度なのである。

「5月に大会があるみたいだけど…お前なにもカードいじってないじゃん。このままじゃタク、勝てないよ。行っても意味ないよ」

と厳しく言ったら枕に涙を濡らしつつシクシクといじけてしまった。口で言っても分からないみたいなので

「じゃあ土曜日に近所のおもちゃ屋でカードバトルイベントがあるけど行くか?小学生以下限定のイベントだって」

「行く」

「でもまず勝てると思うなよ。今みんながどんなデッキを使っているか、それを見るために行くんだ」

僕の言葉なんかよりよほど残酷にズタボロにされるであろう、と言い聞かせて行くことにした。

で、土曜日のイベントの時間に合わせ、おもちゃ屋に行ってみた。なんとすんごい人だかりである。子供が20人ぐらいいるであろうか。そしてその親達。

「あ、どーもー。おーたっくんたちもいた」

近所のポケモン友達親子も来た。この親子は結構ガチでやっているので強い。

「すごい人がいますね」

と挨拶すると

「今日のバトルで勝つと5月の大会の予選を有利に抜けられる権利がもらえるんですよ」

「なるほど」

「あそこにいる女の子は世界4位です」

「はー?」

世界4位の子がわざわざこんな練馬の小汚いおもちゃ屋に来るとは、どんだけその権利とやらが有用なのだろうか。

とにかくタクも参加の受付をし、参加者が揃ったところでおもちゃ屋のオッサンがトーナメント表を発表し、タクは会場の中に入って行った。会場といってもおもちゃ屋の店の奥にあるめちゃくちゃ狭い部屋である。10人も入ればいっぱいになってしまうので、窓から覗いてみたらタクと目が合った。

よ、と手を上げるとタクはチッと舌打ちをして

「見るな!」

シッシッと追い払うではないか!うわーん。

「我が家では 子供ポケモン 親ノケモン」

を地でやられてしまったよー!貴重な土曜の休日の半分をつぶして子供に付き合わされた挙句、ゲームが始まったら用無しにされ、場末のおもちゃ屋の脇の路地裏で時間をつぶしている僕。まったくもってクソだ。こんなクソなカードゲームにいったい何の価値があろうというのか!

タクはあっさり負けた。いつものいじけモードに突入するかと思ったがわりとサバサバしており、いつの間にか3DSで妖怪ウォッチをやり始め、やはり同じのを持って来てた子と通信対戦をおっぱじめ、そちらは逆に相手をボコボコにしていた。

「おとーさん、負けちゃったよ!このデッキ、全然うまくいかない!」

世界大会4位の子もあっさり負けたようで父親に噛みついていた。やはりこれぐらいの子供は自分で考えてデッキを構築するのではなく、親が考案しているのだろう。僕はカードゲームに魅力を感じていない。むしろやめさせたいのだから。せっかくサッカーチームに入ったのだから、

「カードよりサッカー上手くなった方がモテるよ〜モテちゃうよ〜モッテモテだよ〜」

と囁いているのになかなか手ごわいタクである。

帰り道、

「今日やってみてどうだった?やっぱ5月の大会は出るの?」

と一応聞いてみたら

「当たり前でしょ!」

出場する意思は動かないようだった。

悪いことに5月の大会の場所は幕張メッセなんである。遠すぎる!

マクハリメッセ。カネモカカリマッセ。

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■倍返しどころじゃなかったホワイトデー。
2015年03月17日(火)
土曜日の午前中、ウチのチャイムがピンポンとなったので、宗教の類だったらやだなーと思いつつ出てみたら娘・R(11才)の同級生の男の子だった。

いきなり話は脱線するが、昔ひとり暮らしをしていた時によく勧誘に来ていた宗教はエホバの証人で、超絶美形のハワイ人だったり、すんごい可愛い中学生ぐらいの女の子を連れたお母さんだったりと精鋭部隊が送り込まれてくるので、入信したらこんな子とエホバれちゃうのかしら、と邪な気持ちがムクムクと生まれ、断るのが大変だった。僕のバベルの塔がもう出エジプトとかやかましいわ。

また、栃木にいたころによくチラシが入っていたのは「霊波の光」で、その教団は千葉県野田市に広大な敷地と立派な本部施設がある。驚くべきことに、なんとその施設内にドムドムバーガーも入っているというのだ。是非行ってみたい。信者じゃなくても入れるのかどうか、そこだけ興味がある。

話を戻すと、Rの同級生の男の子が訪ねてきた。この子のお父さんは僕と同じくオッサンソフトボールチームのメンバーなのでよく知っている。酒が入るとよく語るんだけど、

「やっぱさー、ユニフォームにゆるキャラプリントしようぜ!パンダとか!」

「だからそこでユニフォームにゆるキャラのプリントだよ!優勝するたびに一個プリント!パンダとか!」

などと同じネタを5回も6回もループするので有名だ。

「お、○○くん、どうしたの?」

○○くんは緊張してるっぽくぎこちない表情で

「あ、Rちゃんいますか…」

「Rー。○○くんだよー」

Rを呼ぶと○○君は

「これ…」

ラッピングされた何かをRに渡した。んまあ!そういえば今日はホワイトデーであったことよ…とかトボけていても僕はアサイチに嫁とRと息子・タク(9才)にあげたんだけど。

「…じゃ」

○○君はとっとと帰ろうとするので

「ちょとまてちょとまて!R 、ちゃんとお礼言え!」

ついラッスンゴレライ調に言うと

「…ありがと」

「…うん」

バタン。はにかんだふたりの顔を遮るように扉は閉まった。あれ、僕、お邪魔虫か知らん。

「つーかR!男にはバレンタインチョコあげてないって言ってたじゃん!」

我に返ってとブチ切れるとRにブチ切れると

「言ったじゃん!」

逆切れするR。

「言ってねーよ!」

いくら老化したボケブレインでも、そんな大事なことを聞いていたとしたら忘れるはずはない!、と引かなかったら

「あれ、そうだっけ」

Rがテヘペロになった。おいこら。

Rの話によると、バレンタインデーには仲良い女の子とふたりで友チョコを配るため友達の女の子の家を回っていた。それは僕も当時聞いたことである。しかし、回っている途中に○○君と偶然道端で出会い、Rと一緒に回っていた女の子が

「○○君にもあげようよ」

と言ったことにより、自分用のおやつとして持っていた

「さくさくパンダをあげたの」

ということなのであった。

「ああ、よくコンビニで100円で売ってるやつだよね」

そんなのをあげただけでお返しをもらってしまうなんで…と恐縮したらそんなどころではなかった。

「ちがうよ。もっとちっちゃいやつ。これだよ」

さくさくパンダ
ちょうど現物があったのでRが持って来たのは、ファミリーパック250円に入っていた6袋のうちのひと袋だった!めちゃくちゃしょぼいじゃないか…。

ホワイトデー
それでもらってしまったのがコレ。手作りのチョコレートケーキに入浴剤。そしてすみっコぐらしのハンカチ。きっとお母さんが一生懸命考えてくれたりケーキを作ってくれたりしたんだろうなあ…逆に申し訳なくなってきた。Rはすみっコぐらしが大好きなのでポイントが高い。一方でお父さんはきっと

「さくさくパンダもらったの?やっぱさー、ユニフォームにパンダのゆるキャラだよ!」

とか酔っぱらって同じネタしか言ってないのだろうけど。

「エビでタイ釣り過ぎたろお前」

もしかしたら○○君はRのことを好きなのかもしれないと言おうと思ったけど微妙な年ごろなので避けた。

「うん」

とだけRは答えた。やはりちょっと恥ずかしそうであった。

Rが産まれた頃は

「娘に近付く男は全て斬る!」

すべて会心の一撃で斬ってやる、と「お父さんは心配症」の佐々木光太郎ばりに気合いが入っていたが、さすがに今はそれはない。ぼーっとしてて頭がお花畑のRの相手になる男は相当大変だ、ということがだんだん分かって来たからである。

だから○○君と将来ラブラブになっても僕は文句は言わない。ちょっと2週間ぐらい酒浸りになるぐらいで踏ん切りが付くであろう。だからRはRの幸せを掴んでほしい。僕からアドバイスできることはただひとつ。

「やっぱパンダのゆるキャラをさー」

酔っ払い舅のしつこいネタループだけは注意せよ。

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■はっぱ踏み踏み。
2015年03月03日(火)
子供達の小学校でインフルエンザが流行っている。

息子・タク(9才)は流行に先駆け、2週間ほど前にとっととA型にかかってしまったが、それ以降複数の学年で学級閉鎖、ひどいケースだと学年ごと閉鎖になっておりすさまじい有様である。

僕ら家族は全員インフルエンザの予防接種を受けたのだが、受けたからといって100パー安全というわけではないらしい…。インフルエンザにもA型とかB型とかいろいろ種類があり、予防接種の中身は

「今年はコレが流行るんじゃないか…」

という言わばヤマカンを元にワクチンをブレンドした内容を予防接種するため、B型が来ると思ったらA型でした、みたいな大ハズレをかますともあるのだという。

そんなわけでタクはA型にかかり1週間ほど休んでいたが、今度は娘・R(11才)のクラスが学級閉鎖になってしまった。R自身はなんともなくピンピンしているのだが学校はお休みである。そのため、朝、普段なら登校準備している時間帯ではあったがRはまだスヤスヤと寝床で寝ていたところ、Rの寝床をまたごうとしたタクが寝床の中にいるRを思いっきり踏んづけたかなんかで

「謝りなさい!」

と嫁に怒られていた。ちなみに僕はRより爆睡していておりあんまり状況を把握していなかったので、

「何怒ってんだよ」

と呑気に寝起きざまぶっこいてたら

「タクが!Rを!ぞんざいに!」

なんで、私が、東大に!みたいな勢いで嫁が説明してくれた。Rがまだガーガーがーがー寝ているところを、タクがRをうっかり思いっきり踏んでしまってRも起きてしまったらしい。

「いたーい!」

というRの悲鳴で僕も目覚めたわけだ。タクが踏んだのは頭もしくは顔、ガチで踏んだらヤバ過ぎなところをやってしまったらしく、いくらうっかりでもヤバいだろってことで「気を付けろ!謝れ」と嫁の逆鱗に触れたらしい。

「…ごめんなさい」

ことの重大さに気づいたタクはしゅーんと謝っていた。

「ま、気を付けたまえ」

嫁が真っ先に激怒してしまった手前、後追いでとってつけたような説教をする僕であったが、あー、そろそろ広い家を買うべきかなあ…とか心がチクチク痛むのであった。一方、Rにも

「どうしたんだ?」

と説明を求めたのだが、Rは

「たっくんがRをふめんだいにしたの。痛かったの」

と応えた。

「譜面台?」

「うん。ふめんだい」

「それって…踏み台のこと?」

「あ、そうだった(てへぺろ)」

Rは未だに語彙がぼボキャブラ天国並みのところがあって…まあ。「譜面台」って言葉自体は音楽をやってなきゃ出て来ない言葉だし、そういった意味ではちょっとお嬢様っぽいかな…と辛うじて自分の心を納得させたのであった。

まあ子供達はアムロがガイアにしたように、一向に踏み台にして構わないのではあるが…。

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