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■幸せの黒いネズミ…東京ディズニーランド。
2013年08月30日(金)
日曜日にディズニーランドそばのホテルに泊まり、月曜の朝、早起きしてランドに向かった僕ら家族。

開園まであと1時間以上もあるというのに既にたくさんの人が並んでいて、更に僕らが並んだ後ろにもどんどん長い列が出来ていく。平日だから多少は空いてるかな、なんて呑気なことを考えていたが、学生は夏休みだからか全然関係なかった。

R
開園15分前の様子と娘・R(10才)。

ただそれでも僕らとしては、過去ディズニーランドで遊んだうち、一番早く到着したので、開園してからその恩恵に気付くことになった。

開園してすぐさま、僕は息子・タク(7才)の希望であるバズのなんたらのファストパスを取ってみたところ、9:25という早い時間に入場可能なパスをゲットできたし、

嫁は嫁自身の希望でプーさんのハニーハントに並んだところ、待ち時間20分ですんなり入れたし。で、出て来たらもう110分待ちになっているし。9:25過ぎにはもう1回ファストパスが取れたし、スタートダッシュって大切なんだなあ…と。

今までダラダラと出かけて適当な時間に到着という、計画性も気合いもまるでない僕らだったので、今更目から鱗の状態であった。

一応ディズニーランドに来たのはRへの誕生日プレゼントなので、

「Rが一番観たいのはなんだい?」

と聞いてみたら

「イッツアスモールワールドと夜のキラキラのパレード」

さすがメルヘン少女R。言うことも好みもカワイイ。スモールワールドではいろんな国の民族衣装を着た子供達が出てくるので、

「どこの国の子供か教えて?」

と言われたのであれはオランダ、あそこはスペインなどと教えてやった。実は半分以上分からなくて適当な国名を言ってたのは内緒だ。

清掃の様子
清掃キャストによる落ち葉アート。一部うっかりRが破壊。

スモールワールドが終わると

「ミッキーに会いたい」

と唐突に言い出したので、ここに来れば必ず会えるというネズミの巣、じゃなかったミッキーの家に並ぶ。隣はミニーの家だとのことで

「別居してるんだね」

「表向きはあんなラブラブなのに、所詮はビジネスパートナー程度の関係なのか」

「実はあんまり仲が良くない漫才コンビみたいだね」

待ってる間ヒマなのでそんなことを嫁と話していた。

僕らとミッキーR
ミッキーと写真。僕だけ新潟のアイドル・Negiccoの決めポーズ、「こんにちネギネギ」してるのは内緒だ。…ったけど後で嫁にばれた。

待っている時間がほとんどなので、多少は子供達を暴れさせた方がいいだろう、ということでカヌーに乗ってみることにした。

「カッコイイお兄さんが先頭で漕いでくれる!」

嫁がイケメンキャストを期待してワクワクしていたのだが、実際僕らの担当になった人は野球少年のような、よく日に焼けたボウズ頭のメガネ君であった。

「なんでよ!」

嫁がキッと僕をにらんでいたのが怖かった。いや僕に言われても。僕が嫁のお尻をお触りした時の怒りの表情と同じだ。

カヌーの後はイカダでトム・ソーヤー島に渡って探検。

「パパ!化石があるよ!」

タク
洞窟の壁に化石を発見したタク。

「それはたぶん三葉虫っていう大昔の虫の化石だね」

「ミッキーの化石も探してみるよ!」

「ねえよ!」

そんなこと言ってると、ディズニーの刺客に消されソーヤー。

島から戻って来てから今度はジャングルクルーズ。喋りが面白い船長さんが案内してくれる、と評判なので

「今度こそイケメンの船長さんが来てくれる…!」

再びワクワクしていた嫁だったが、実際はなんと女性の船長さん。嫁がまた僕をキッとにらむ。いや僕ケツ触ってないです…。

「あのゴリラとワニはいつもケンカしてるんです…私を取り合って。おほほほほ」

とか、結構テンション高くて面白かったのでいいじゃないか。

嫁がイケメンキャスト狙いなら僕は美人キャストだ、とばかりに、

ディズニープリンセス
パレードでは美人しか写真を撮らない僕。ネズミやアヒルの着ぐるみなぞいちいち撮ってられっか。

ティンカーベル
しかしこのティンカーベルは、ちゃんと空飛べるんかってぐらい背中にお肉が付いていた。あとなんとなく前田敦子に似ていた…。

夢の国だけあって楽しい時間はあっという間に過ぎて行き、暗くなってくるとだんだんタクがご機嫌斜めになってきた。どうやら眠くなってきたらしい。まだまだ小学2年生、思いっきり早起きしていたから無理もない。

ちょうどRの最大の楽しみのひとつ、エレクトリカルパレードを観るためにシートを敷いて場所取りをするところだったので、

「ココに寝てろ」

とシートの上に寝っ転がらせたら本当にあっという間に寝てしまった。しかもパレードが始まってから起こしても全然起きないし。夢の国にて更に夢を見るなんて、ある意味メルヘンかも。

エレクトリカルパレード
見逃したタクのために夜のパレードはちゃんと主要キャラを撮った。ちなみに僕の好みのミッキーの衣装は、上はどうでもいいが、足は黒タイツの方が好きだ。黒タイツ越しに伺える女性的な脚線にそこはかとないエロさを感じ取れるからだ。

パレードが終わり、お城の前でやってた本日最後のショーを見終わってからディズニーランドを後にした。寝たままのタクをおんぶして…。

「今度はディズニーシーに行こうよ」

と嫁が言う。僕も含めてウチの家族はシーに行ったことがない。なのに今回もランドにしたのはRの希望だったからだ。

「だって、ワタシ、この年になっても行ったことがないんで!」

嫁は繰り返し熱く語る。気持ちはよく分かったが、その未経験を強調するさまがまるで、

「オレ、この年になってもまだやったことがないんで!」

という未だ童貞のオッサンのような口調でちょっとだけキモかったり。ディズニーシーだけに、

シー(ロート)童貞ってか。

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■サメを触ってサメザメ。
2013年08月28日(水)
日曜日は朝イチからディズニーランドに行き、浦安のホテルに泊まって帰って来る予定であった。

しかし前日の土曜日の夜、天気予報を見たところ日曜日は雨だとのことで、

「月曜日に延期!」

としたところ、それまで遠足の前日のようにはしゃぎまくっていた僕以外の家族全員のテンションがストーンと落ちてしまった。

「あー…明日行きたかったな…」

いじける娘・R(10才)と息子・タク(7才)、そして嫁。僕だって苦渋の決断だったんだい。そんなわけで朝は生き甲斐を失った世捨て人のようにモソモソと起きて、とりあえずホテルのチェックイン出来る時間に間に合うような感じで、とりあえず出掛けることにした。雨は降っているが

「そうだ、水族館に行こうか」

浦安の川を挟んだ隣、葛西臨海公園にある水族館に行くことにした。今日ディズニーに行けなかった喪失感を少しでも埋めるために僕も必死だ。

「うん!」

子供達もようやく笑顔を見せたが

「ダイオウイカいる?」

「いねえよ!」

「えー」

ディズニーの代わりとしてなので、求められるハードルが相当高かった。

葛西臨海公園に着くと、警察署と消防署が合同で何やら啓蒙イベントをやっていた。パトカーやら白バイやら消防車などが来てて、動きはしないが乗ってみることが出来るとのこと。

「パパ!ママ!パトカー乗ろう!」

すさかずタクが目を輝かせたが、あまりパトカーにいい思い出がない僕らは

「いや…君だけ乗ってこい」

とタクだけ行かせようとしたのだが、

「なんでよ!乗れるんだよ!」

タクは一緒に乗りたがる。

「いや、乗ったことあるし…」

ついうっかり本当のことを言ってしまうと、

「え!いつ!」

「若い頃…若気の至りで…」

「わきげのイタリアってなに!」

どんな空耳アワーだよ。

「まあ、若い頃間違ったことをしてしまった、ってことさ…」

ということでタクだけパトカーやら白バイに乗らせてもらった。嫁も何故か白バイだけまたがっていた。Rはそういうのは恥ずかしがってやらないため、僕と見ていた。

Rとタク
さて、肝心の水族館も子供達にとっては面白かったらしく、中でもサメやエイに触れるコーナーでは、最初はおっかなびっくり背中を撫で、

「いやー、エイ、ぬるぬるするー」

と言いながらも徐々に慣れてきて熱心に追い掛けて触っていた。勿論僕も触ったけれども、僕を含め、サメを触った大人達は

「あ、サメ肌」

必ずこのひとことを言っていたのが面白かった。ザラザラゴワゴワな感じである。

マグロカツカレー
お昼。マグロカツカレー。泳いでるマグロの姿がおいしそうだったので、つい…。

また、ある水槽をみていたところ、解説員が寄ってきて

カニらしい
この赤いシミのような模様があるのは、岩石のようで実はカニなんですよ」

と説明してくれた。

「ええっ!カニには見えないですね!」

「実は私を含めスタッフ誰も動いてるところを見たことがないんですが…」

ホントはタダの石じゃないんか(とは聞けなかった)。

そんな感じで夕方まで水族館を見学し、ホテルにチェックインした。しばらく部屋の中やロビーなどを探検し、楽しそうだったが

「ディズニーでいっぱい遊んでからお泊まりしたかったな…」

Rがボソッと言うので、ああ、今日一日、はしゃいでいたようでも、やっぱりディズニーに行けなかったことをずっと引き摺っていたんだな…とガックリしてしまったのであった。一応なんとか水族館に行ってフォローしようとしたんだけどなあ…。

水族館からの敗北感。なんちて。

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■ディズニーに行くディスティニー。
2013年08月25日(日)
日曜日はディズニーランドに行き、夜はホテルにお泊まりする予定であった。

これは娘・R(10才)の

「お誕生日のプレゼントは、お泊まりしてディズニーランド行きたい」

という強い希望によるものである。

そのため土曜日はお出かけに備えて準備。Rと息子・タク(7才)に、夏休みの宿題である自由研究を完成させろ、と嫁が檄を飛ばす。

嫁が買い物に行っている間、レポート用に必要な実験の様子を撮った画像をプリントアウトしたり

「これどうしたらいいの〜」

とオロオロしているタクの手助けをしてやったりしていたが、帰って来た嫁に

「まだそんだけしかやってないの!そんなんじゃ明日行けないよ!」

嫁が想定していた進捗状況とはまるで違ったらしく、イライラをぶちかまされた。

「あなたも家にいるだけなんだからちゃんと見てやってよ!」

僕にもとばっちりが飛んで来て、こ、これは、怒りのスプラッシュマウンテンや〜。

勉強が一段落したので、今度はお出かけの用意。持って行くものを準備しなさいと子供達に言うと、Rは

「コレで行きたい」

とキャリーバッグをゴロゴロ引っ張り出してきた。

「そんなデカイの必要ないだろ。それずっと引きずってディズニー回る気か?」

即座に却下しようとしたのだが、嫁によると、昨日嫁が子供達が電車に乗った時に、キャリーバッグの上にお土産か何かが入ったディズニーリゾートの袋を乗せて転がしている、明らかにディズニー帰りのお姉さん達がいたのだそうだ。

それを見たRが、お姉さん達のディズニーお出かけスタイルに憧れてしまったらしい。デカイだの邪魔だのは関係ないのだ。僕はやめようよ、と止めようとしたのだが、形から入るRのこだわりは強く、なかなかウンと言ってくれない。風俗で欠かさず体操着ブルマプレイをオプション注文するオヤジのようなこだわりだ。

「まあまあ、Rの誕生日プレゼントだし、Rのやりたいようにしようよ」

更に嫁も意外にもRの肩を持つではないか。普段子供達のワガママには厳しいのに、こだわりには理解を示す。今度体操着ブルマ着てもらおう。

普段、タクはポケモンカード買ってー、とか何かとチョロチョロとワガママを言うのだけれどもRは滅多に言わない。ただ、数は少ないけどたまに言うワガママの規模がデカいのだ。

ディズニーランドに行くということで、子供達はワクワクしてるのは当然なのだが、実は嫁も

「あーワクワクする。バズの高得点取れる裏技があるんだってー」

とか密かに興奮していて、

「朝イチダッシュでプーのハニーハントのファストパス取ってこい」

僕に無慈悲な指示を飛ばす。ファストパスじゃなくてフィストファックならイイッスよ。そんなわけで家族みんなが浮かれまくりつつ晩飯を食べていると、サーッと雨が降ってきた。ちょうどテレビでは天気予報が始まると

「明日は雨でしょう」

ガーン。昨日の予報では降らないって話だったのに…。

「雨ならしょうがないな。明日はやめにして、あさってにしよう」

と決めたところ嫁も子供達も一斉にショボーン。

「あした早起きして行きたかったな…」

特にRは泣きそうなぐらい落ち込んでいた。許せ娘よ。決断した僕も辛いのだ。一応明後日の天気予報は「曇り時々晴れ」になっているが、明日の天気予報だって1日で内容がコロッと変わっているし、不安は残っているが…。ゲリラ豪雨も多いし、不安定な状態なのだろうか。

晴れているのに雨が降っていることを「狐の嫁入り」と言うが、ディズニーリゾートで降られると「ネズミの嫁入り」って言われたりして。同名の童話があるけど…。ミッキーとミニーがペアでのパレード中だとそういう趣もあるかも。

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■息子だけリターン。
2013年08月23日(金)
仕事から帰って来ると、

「パパ、おかえりー!」

息子・タク(7才)の声がした。おかしい。娘・R(10才)とタクは明日まで嫁実家にお泊りに行ってるはずではなかったか。

声が聞こえた風呂場の扉を開けると、タクが嫁とはしゃいでいた。

「帰りたい、って泣きながら電話があったから迎えに行って来ました!」

嫁が苦笑いで説明する。なんで帰りたくなったかというと、

「夜、寝る時、怖くて眠れなかったから」

らしい。よく行く栃木の僕の実家と比べて勝手が違ったらしい。慣れてないし、嫁の実家は栃木より広いし、嫁母が添い寝してくれることはくれるのだが、見たいテレビがあると容赦なく行ってしまうらしい。

Rは別に平気なのでガーガー寝てしまい、ひとりシクシク泣きながら寝ようとしても眠れなく、嫁母に泣きついて

「眠れるおまじない」

とかを教えてもらってようやく寝たとか。で、

「もう帰りたい」

たった一晩でギブアップして、嫁に助けの電話をして来たのだという。

お調子者で怖いもの知らずのようで、やはりこういうところはまだ7才である。それに比べてRはさすがにお姉ちゃんである。何も考えてない可能性も高いが。今日はRだけひとりでお泊りしているとのことだ。

「パパ〜」

ウチが恋しくなったタクは僕にも甘えて来た。

「そんなに怖かったか?」

「うん。寝る部屋が怖かった」

「今日も明日もいれば、おじいちゃんおばあちゃんにいろいろかわいがってもらえたのに」

「でも栃木のおばあちゃんはポケモンカード買ってくれるけど、絶対買ってくれないからいいよ」

「おいこら」

僕の母は甘甘なので、ついタクにチマチマとしたポケモン関連のモノを買ってしまうのだが、嫁の母はタクのおねだりなど全く耳を貸さないのだ。

もし買ってもらえるのなら布団にかじり付いてでもガマンして怖さを克服したんだろうなあ…。

「やっぱりおうちが一番眠れるね」

旅行した後の「やっぱり我が家が一番」みたいな常套句を言って、タクは僕に甘えながらコロンと寝た。

実は日曜日はホテルでお泊まりなんだけど、それを言ったらどんな反応するかなあ…。

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■沈黙の嫁。
2013年08月22日(木)
先週、栃木の実家にお泊りしていた娘・R(10才)と息子・タク(7才)は、今度は嫁の実家にお泊りに行った。嫁が送って行って、その日のうちに戻って来た。

その日から、なんとなーくウチの空気が重かった。静かなんである。声かけても生返事だし、ゴハンくれ、と言っても

「はいよ」

ぶっきらぼうに野良犬にエサやるような感じでよこすし。翌朝になっても

「おはよう」

「…」

それは変わらなかった。僕、何か悪いことしただろうか。昨日の昼はNegiccoのライブ観に行っちゃったからだろうか、そして夜は嫁が夜なべして家事をしているのにとっととガーガー寝て、更に今も嫁より思いっきり遅く起きたからだろうか。こうして書くと結構ひどいことしてる僕であり、シカトされても妥当なような。

「じゃあ行ってきます」

って言ってもなんの言葉も返してくれないんだろうなあ、と思いつつ、とりあえず声だけかけて靴を履くと、

べしべしべしべし。

嫁が僕の背中を棒のようなもので叩いている!

「なななななんだ!」

良く見たらその棒のようなものは、「交通安全」やら僕の名前やらが書かれたお札であった。

「お父さんがね、送ってくれたの。これをあなたの体に触れさせた後、護摩焚きするんだって」

「そ、それはどうも…」

ああよかった、バールのようなもので殴りかかって来たんじゃなくて…。てか、やっぱり後ろから無言でバシバシやられるのって、モノが何であれ怖いと思うんだよね…。

怖い嫁は心臓に悪いので、いつも平和な嫁でいて欲しい。

コレがホントの家内安全。なんちて。

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■しあわせのくつ。
2013年08月19日(月)
息子・タク(7才)の靴が壊れまくってあと1足しかない、ということで、西友の靴売り場に買いに行くことにした。

タクがこれまでお気に入りだったのは某メーカーの○足という運動靴であったが、これがダメになりやすいのである。タクも

「もう○足ヤダ」

と言いだして、じゃあ違うのにすんべ、と以前ナイキの靴を買ってみたことがあった。それ以来タクはナイキを気に入ったらしい。今残っている1足もそのナイキである。だからこの日も靴屋に入ってみると

「○足はダメだね。ナイキに限るよ」

まるで落語の「目黒のサンマ」のような知ったか口調で得意気に喋るのであった。ただ残念なことにこの店にはナイキの在庫があまりなかった。というか、タクが履いているナイキと同じものとその色違いしかなかったのだ。

「えー、ナイキがいいよう、ナイキー」

他の店に行くとかめんどいし、すっかりナイキ信者になってしまったタクを説得するのは…別のメーカーのカッコイイシューズを…ということで

「アシックスのシューズもいいぞ」

と見せてやった。

「えー、なにそれー」

タクは一瞬ダサイ物を見るような目でそれを一瞥したが、僕に言わせればとんでもない。アシックスは、僕が小学生の頃、めちゃくちゃ流行したのである。ボストンとかミシガンとかネヴァダとか、アメリカの地名にちなんだ商品名の多彩なシューズがあって、僕ら小学生男子共は競って履いたものである。

もちろんアディダス派やプーマ派などもいたが、かわいそうなのは穴澤君という友達であった。彼の母親がバッタもんの靴を買ってきてしまうのである。

アディダスを買ってきてと言っても「アディドス」だったり、プーマがいいと言っても「パンサー」だったり、アシックスかと思ったらトレードマークのラインが1本足りなかったり。

当時はお母さんがどれが本物か分からなくて、ついバッタもんを買って来ちゃうのだ、と思っていたが今思い返すともしかしたらワザと安いニセモノを買っていただけなのかもしれない…。

今はそんなバッタもんは売ってないし、親からアシックス買ってやるって言ってやってんだからありがたく思え、とタクにアシックス最強伝説をネチネチ言い聞かせていたら

「じゃあこの赤いのー」

とようやく決心したようだ。タクは最近赤い運動靴がお気に入りのようだ。

「試しに履いてみな」

サイズが合うかどうか試着させると、

「ちょっと歩いてみてもいい?」

というのでイイよ、と答えると娘・R(10才)と一緒にギャハハハハハーと走り去ってしまった。

「ふざけんな!走るんじゃねえ!」

追い掛けようとしたがあっという間にふたりは売り場の奥の方に行ってしまい、見失った。

赤い靴、履いてた、男の子…。異人さんとかいないのに、行っちゃった…。

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■サインはK.P.P.
2013年08月17日(土)
栃木の実家に泊まりに行っている娘・R(9才)と息子・タク(7才)を迎えに、嫁が旅立っていった。


きゃりーぱみゅぱみゅのサインを持って。

なんでそんなことになったかというと…話は子供達を送って行った時に遡る。夜、実家の隣に住んでいる女の子、モモちゃん(仮名)とそのお母さんと一緒に庭でバーベキューをしたんである。

食べながらワイワイ話していると、明日はカラオケでも行くかね、ということを母が言い出した。Rとタクは歌うのが好きなんである。ただ僕も嫁もカラオケ嫌いなので、栃木に来た時だけ母がたまに連れて行くことがあるのだ。すると

「私もカラオケ好きー!」

モモちゃんもこの話題に食らい付いてきた。お母さんによると時々行くらしい。

「どんなお歌を歌うの?」

と聞いてみたら

「きゃりーぱみゅぱみゅ!」

モモちゃんはとにかく、かりーぴゃ、じゃなかった、きゃりーぱむ、じゃなかったきゃりーぱみゅぱみゅの大ファンなんだそうだ。噛まずに言えるほどに。

歌もほとんど知っているらしく、カラオケで歌いまくるらしい。モモちゃんはホントに好きなんだよ、と言わんばかり、にんじゃりばんばん、とかつーけまつーけま、とか次々に歌い出した。

するとそれを聞いたタクが

「ウチにきゃりぱみゅのサインあるよ!」

と得意気に言い出すではないか。そう、ウチにはある。渋谷のTUTAYAできゃりーぱみゅぱみゅのデビューシングルを買ったら握手会の券が付いてきて、その時に握手させてもらって、

きゃりーぱみゅぱみゅR
サインときゃりー監修のつけまつげをもらったんである。もう3年も前か…。

そりゃ大ファンのモモちゃんだから

「いいなあ!ほしい!」

眼をキラキラ輝かせてしまうのは当然である。その眼差しと共に僕の腕をガンガン引っ張るものだから、

「じゃ、じゃああげるよ」

と僕はあっさり言ってしまった。

「ええっいいんですか、そんな大切な物を」

お母さんは遠慮がちに言うが

「別に飾ってあるだけですし、いいですよ」

このお母さんには言えないが、今はNegiccoというアイドルが本命なので、それでモモちゃんが喜んでくれるならその方がいいだろうと思ったのだった。

「迎えに来る時は嫁が来ますからその時持たせますよ」

ということで話が終わった…かと思ったら、

「あとねえ、ウチには『とちおとめ25』(栃木のご当地アイドル)のサインがあるよ!知ってる?」

タクが得意気にベラベラと喋る。

「いやあ、名前だけは知ってるけど見たことはないかなあ…」

とお母さん。さすが地元栃木だけあって知名度はそこそこあるんだな…ってタク、それ以上喋るんじゃねえ。

「じゃあネギッコ知ってる?ネギッコのサインもあるんだよ!」

「し、知らないなあ…」

「タク!もういいから!」

まったくこいつは余計なことを舌を炭火で焼いてやろうか。お母さんドン引きだよ。アイドルの追っかけだってことがばれてしまうだろ。

そんなわけで子供達を迎えに行く嫁に、きゃりーぱみゅぱみゅのサインを持たせた。で、昨日帰ってきた。

「ひさしぶり」

僕にベッタリへばりついてにおいをかぐRと共に、

「モモちゃん喜んでたよ」

と嫁が話してくれた。で、お母さんから

「こんなレアっぽい物をいいんですか?」

ということでお礼のお土産を渡された。逆に恐縮されてしまったようだがそんなことはない。

僕はサインよりボインが好きなのである。

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■ふたりの世界 - I Think We're Alone Now
2013年08月14日(水)
娘・R(9才)と息子・タク(7才)は栃木の実家に泊まっているので、嫁とふたりきりになってしまった。

子供達がいないと、狭い貧乏長屋でも広くガランと感じでしまうもので、また、子供達の声がないと異様な静けさを感じてしまうもので。嫁と特に話すこともなく、沈黙沈黙アンド沈黙。

熱帯夜の暑く重い空気と、沈黙が続くことによる重い空気とがダブルで積み重なり、木星の重力並みの圧迫感に耐え切れなくなった僕は、沈黙を破るためつい嫁のお尻を触ってしまった。すると

「さわんじゃねえ!」

清原も日焼けが吹っ飛び真っ白になって逃げ出すレベルのドスの効いた声で僕を睨み付けた。おっかねえ。僕がお嫁さんにしたいなって思って一緒になったカワイイ人はどこにいったんだよう。見あたらないよう。そりゃコッチのセリフだ、と言われるんだろうけど。

触らぬ神に祟り無し、触らぬ嫁に孕み無し、という昔の諺通り、触らぬが吉、ということで嫁と距離を開けてまたひとり沈黙沈黙。ひとりちんちんもくもく。

しばらくすると嫁が寝る体勢に入ったので僕も寝るか…と床に就くと、嫁が壁にへばり付いて寝ていた。もともと嫁は、寝る部屋のはじっこに寝ていて、隣のタクの寝相が悪く、よく壁際に押し込まれて寝ていることがある。だけど

「今日はタクがいないから、そんなはじっこじゃなくてもいいじゃないか」

僕とくっついて寝ようぜ、というエロ心があったので嫁を僕の布団の方に引っ張ると

「ああああっ、壁がないとダメ!壁にくっついてないと落ち着かないの!」

壁から離されて手と足をバタバタさせているではないか。そしてすぐ僕を振り切ってまた壁際にベッタリとくっついた。抱き枕ならぬ抱き壁なのか。それにしても、

「キミ、今、アニエスベーみたいだぞ…」

へばり付き具合がヤモリみたいなんである。僕のエロ心はとっくに吹っ飛んでいた。だって、さすがにヤモリに欲情する人はいないと思うんだ…。嫁の名前は、実はミユキというんだけれども…。

今後はヤモリミユキって呼ぶことにする。

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■父帰る。すぐ戻る。
2013年08月13日(火)
迎え盆も送り盆も休めないので、

「せめて孫達だけでも栃木にいられないかね」

と栃木の母が言っていた。お盆は父の墓に行って迎えに行き、また送りに行くのだけれども、

「お母さんひとりでお迎えに行くのは寂しいんだよね…」

とのことで。僕も嫁も心苦しかったので、日曜日、僕が栃木の実家まで娘・R(9才)と息子・タク(7才)を連れて行った。ふたりを送り盆の日まで母に預けるのだ。

Rもタクもおばあちゃん大好きなので、行きの電車の中でもテンションが高かったが、1時間も電車に揺られていると、さすがに眠くなってきたようでボーッとしていた。僕、タク、Rの順に座っていたら、

「ねえ、たっくんと席かわって?」

Rは僕の隣に座りたいのだ、ということで席をチェンジ。すると僕の腕にくるくるとRがダッコちゃんのように両腕を巻き付けてきて

「こうすると眠れるの」

と言ってスヤスヤとおやすみしてしまった。Rはいつもこのように僕にへばりついて寝ているので、この体勢が一番落ち着くらしい。可愛いなあ…と思っていたが、今日からしばらく一緒に寝られないんだな…と気付いて急に寂しくなったり。

実家に着くと、駅まで母が迎えに来てくれて

「おばあちゃーん!」

親子三代感動の再会。すぐさま佐野ラーメンの美味い店に行って、プールに行って泳いで、夕方から隣に住むタクと同い年の女の子とそのお母さんとバーベキューし、夜は花火…と、夏っぽいイベントを立て続けに一気にこなしてしまった。

そのタクと同い年の女の子というのが、Rとタクが来るのをとても楽しみにしていたらしく、今日もいつ来るかいつ来るかと首を長くして待っていたらしい。

今日のことは予め母から伝えられていたわけだが、別にそうでない時も、週末になると

「たっくんいる?」

と訪ねてきたりするらしい。土日は必ずこっちに来る、と思い込んでいるようだ。何ヶ月かに1回、たまーに会う程度なのだけれども、そんなに楽しみなものなのだろうか。確かに再会してものの5分ですぐ打ち解けて一緒に大暴れし、

「ダンスするから見て!」

と僕らを無理矢理観客にさせ、エグザイルのグルグル回るヤツを3人で息ピッタリでやってたりしている姿を見ると、波長が合うのかな、とも思う。向こうのお母さん、腹抱えて笑っていた。すいません、ウチ、こんなんで…。

バーベキューでみんなで焼いた肉を食べながら

「ボクのこと好きな女の子、5人いるんだ〜。ラブレターももらったよ」

最近のタクがよく披露する自慢ネタ、オレはこんだけモテるんだぜ的な話をココでも披露する。だんだんイヤなヤツになりつつある。そういう話をしても、大体は

「あっそ」

程度で流されるのが常だが、その女の子はお母さんと目を合わせて戸惑ったような視線をチラチラと交わしていた。もしかしたらこの子も…?

花火も終わり、女の子&お母さんも

「また明日遊ぼうね」

と帰って行った。

「じゃ、僕もそろそろ帰るので、子供達をよろしく」

母に子供達を託し帰ろうとすると

「え、パパ帰っちゃうの?」

「何回もそう言ってるだろうがあああ!」

今の今まで僕も一緒に泊まるものだと思っていたらしい。何度も説明したのに。

隣の女の子はRとタクに会うのを楽しみにしていたけれども、Rとタクは僕の弟に会いたいとずっと言っていた。弟は元々実家住まいの車通勤だったのだけれども、近頃都内に転勤になってしまい実家を離れている。ただメーカー系の会社だからお盆は休みのハズだから戻ってくるよね、ぐらいの意識でいたのだけれども、全く帰って来る様子がないらしい。

「女でもできたんかね」

と母。だったらいいんだけど。早くRとタクのいとこ作ってくれ。案の定Rとタクは

「え、いないの!」

相当ガッカリしていた。しかし再会できた相手もいる。

花咲けミー
それがこのぬいぐるみ。「ミー」という名前で、弟のものだ。実家に帰る度にタクが余りにも気に入ってしまい実家にいる間ずっと離したがらないので、弟も

「じゃあしばらく貸してあげるよ」

ということで借りて東京に持って来てしまったほどだ。で、何ヶ月か借りっぱになっていたので、最近返したのだけれども、その時

「さよなら…」

タクは大泣きして別れを悲しんだものである。それが今日、弟の部屋で

「ミー!会いたかったよ!」

遠恋かってぐらいの熱烈感動な再会を果たしたのである。隣の女の子にもそういうリアクションしろよ!

タクだけでなく、母も嬉しそうだったのだけれども。出来るだけ顔を出すようにはしたいのだが…。僕らの顔を見ると本当に嬉しそうなので…。

盆と子と孫がいっぺんに来たような喜びようで…、あ、実際来たのか。

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■にぶんのいち成人。
2013年08月10日(土)
8月8日の夜は娘・R(9才)の誕生日イブだった。

「9才最後の日だね」

なんとなくセンチメンタルになった僕は、寝る前にRの写真を撮った。

「ボクも!」

無論息子・タク(7才)も一緒に。翌朝、

「Rちゃん、オタンジョウビオメデトー!」

予め名前や誕生日を入力しておいた目覚まし時計がはピーバースデーのファンファーレと共に怒鳴りまくる。

「Rちゃん、オタンジョウビオメデトー!」

「Rちゃん、オタンジョウビオメデトー!」

…てか、起きろよ!Rは2分ぐらいの間、目覚ましのアラームがループしまくっているのにもかかわらず寝続け、

「早く止めろ!」

ブチ切れたタクによってようやく目を覚ました。

「はい、10才の誕生日おめでとう」

Rの誕生日のプレゼントは下旬にディズニーリゾートに泊まりがけで行くことなので、この日は特に何をやるわけではなく、僕も普通に仕事に行って普通に10時頃帰ってきた。そしたら

「パパだ!お帰り!」

「まだ起きてたの?」

嫁と子供達が布団で川の字になっていたがまだ目が爛々と光っていた。

「あのねー、今日はRが10才の記念日だから、うまれた時からのビデオを見てたの」

と嬉しそうなR。

「そしたらいつの間にかこんな時間になってしまいました…」

嫁はとにかく眠そうな顔をしている。

「ちっちゃい頃のボク可愛かったなあー」

Rの記念日とは関係なく、小さい頃の自分を自画自賛するタク。こんな場面だった、とか、ああ、そんなこともあったね、とかしばらく喋ってたらあっという間に11時近くに。それでも嫁は

「そうだ、10才になった記念のビデオを撮ろうか」

普段だったらこんな時間に起きていようものなら天とお尻が割れるぐらい怒りまくりなくせに、今夜に限っては夜更かし推奨だ。嫁は昔から記念日が好きなのである。

超眠い、とかいいながらビデオカメラをRに向けると

「ボクも!」

昨晩と同じようにタクもRの隣に。

「今日はRちゃんの10才の誕生日でーす」

などと嫁がナレーションも入れる。

「将来は何になりたいかな?」

と聞くと

「ケーキ屋さん…」

ちょっとテレながら答える。タクも横でボクにも聞いてくれとばかりにソワソワしているので、

「たっくんは何になりたいの?」

と話を振ってやると

「旅人!」

おおー。スナフキンか。

「どの辺を旅したいのかな?」

「東京と神奈川!あと栃木!」

「近!」

それ旅じゃない。通勤もしくは帰省や。そんなこんなで撮影を終えた後もRとタクは盛り上がってキャアキャアやってるし。もう本当に遅い時間になってしまった。嫁なんてもう寝落ちしてるし。

「はいはい、今度こそ本当に寝ようね。明日起きられないぞ!」

10才じゃなくてもう寝な才になってしまったとさ。

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■スメル男。
2013年08月09日(金)
このブログではもう何度も書かれているやりとり…。

僕が仕事から帰って来ると、

「においをかげー!」

娘・R(9才)と息子・タク(7才)が麻薬犬のように飛んできて鼻をクンカクンカして僕のにおいをかぐ。そして

「パパのにおいだ!本物です」

本物だと認定されるとようやくウチの中に入ることを許される。どうやら僕に化けた何者かが入ってくることを想定しているようだ。しかし最近は

「パパのにおいじゃない!ニセモノだー!」

とタクに言われてなかなか入れてもらえないのである。においが違うって言われても、どうしようもないじゃないか。なんだろう、においが違うって。死臭でも漂っているのだろうか。え、僕、死ぬの?

いや、死臭って相当キツイのでそれは冗談として、加齢臭がますます濃くなったとか…とか、いずれにしてもダークな考えにしか行かないので軽く落ち込みつつも、先が見えてきた人生、せめて子供には優しく接しようと、

「タクはいつもの通り少年のにおいだね」

と頭を撫でてやると

「うん、やっぱりパパもいつものパパだよ!」

タクは急に猫撫で声になって手のひら返しをした。いい加減な嗅覚だなあ。

「じゃあRはどんなにおいなの?」

そのやりとりを見ていたRが自分はどうなのかと聞いてきたので

「Rは…かわいいにおいだよ」

「そっかー!じゃあママは?」

嫁?嫁は…年相応のおばさんのにおいかな…などと言うと身もフタもないので

「ママは…女の子のにおいだよ」

と答えておいた。するとタクが

「ママ!きいて!女の子のにおいがするって!」

台所で洗い物をしていた嫁に怒鳴って聞かせるではないか。よし、僕のリップサービスをしかと伝えてくれ…と内心ほくそ笑んでいたのだが、

「誰が?」

と嫁が聞いてきたのに対し、タクは

「パパが!」

とか返事してしまった。タクは「ママは女の子のにおいがするってパパが言ってた」と言いたかったのだろうけど…。

「おいこら、それじゃパパが女のにおいをさせてるみたいじゃないか!」

「はあ?」

嫁が胡散臭い顔をこっちに向けたのも無理はない…。いやいやこれこれこういうわけで…と必死に弁明したのだが、嫁は顔をこちらに向けず皿を洗っていた。

今後、においをかがれて本物だと認定されてもウチの中に入れてもらえなかったりして。

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■息子ポケモン娘ヤダモン。
2013年08月07日(水)
日曜日、息子・タク(7才)が

「ポケモンスタンプラリーやりたい!」

と叫んだ。JRの電車に乗って駅に置かれたスタンプを押していくアレである。どんよりした天気だしいいか、と思って娘・R(9才)も連れて行こうとしたら

「やりたくなーい」

Rはめんどいからイヤだという。考えてみればアレをやっているのってタクぐらいの年の男の子が圧倒的で、鉄道オタクテイストが入っているので女の子にはあまりウケないのかもしれない。

ちょうどRのお友達から「あそぼ」と電話がかかってきたため、じゃあ僕とタクで行ってくるか、ということで嫁とRを置いてレッツラゴー。

まず池袋駅でスタンプシートをゲットして、路線図とにらめっこして、どの駅にどのポケモンのスタンプが置いてあるかを確認する。

僕はできるだけ効率よく多くのスタンプをゲットするか、というルートだけを考えていたが、タクは

「ボクこのポケモンが好きだからちょっと遠いけど行っていい?」

こういう風に行きたい、という好み重視の案を出す。そう、単にスタンプラリーを楽しむより、駅や路線を覚えるとか、ルートを自分で考えるとか、そういう地理的感覚を少しでも身に付けて欲しくて連れて来たのだ。だから

「今乗っているのは京浜東北線っていうんだよ。田端で山手線に乗り換えだよ」

などと路線や駅の名前をこまめに出してタクに覚えさせようとしたのだけれども

「あっそ」

右から左であんまり鉄オタ的興味はないんだな、これが。ポケモンネタを絡めれば聞く耳持ってくれるかな、と思い

「京浜東北線は水色だから水ポケモンだね。山手線は黄緑色だから草ポケモンだ」

とか言ったら

「うそつけ」

と怒られてしまった。路線を教えたら怒られてすいま線ってやかましいわ。

タク

スタンプを探している間、タクは結構ウキウキワクワクしていた。勿論タク以外にもスタンプシートを持った子供はちょっと周りを見ただけで何人も電車に乗っていて。とある目的駅に着いた時、たまたまドアの前のタクの横に同じような男の子が並んで立っった。タクもその子もライバル意識が芽生えたのか、ドアが開くとすぐに

「オレが先だ」

と言わんばかりにふたりとも飛び出して走って行ってしまい、

「走るな!」

思わず叫んでしまったりしたこともあり。

こういう時、モンスターボール(ポケモンを捕まえる時に投げ付けるボール)を投げ付けて「我が子ゲットだぜ」ってやれたら楽なのになあ。

またとある駅のホームを歩いていたら、向こうからもの凄く可愛い女の子が歩いて来た。どっかで見たような…まさか…しばらく見惚れていたら、タクの小学校の超美人の音楽の先生じゃないか、と思い出した時には既にすれ違ってしまっていた。

声掛けようかな、と思ったけれども、僕は何度か挨拶をして喋ったこともあるが向こうはまず覚えていまい、と気後れしてしまったので

「タク!お前、行ってこい!得意のボクカワイイアピールしながらセンセーって言って捕まえてこい!」

タクを行かせようとしたところ

「えーやだよー」

僕もタクも美女には弱いのであった。

こういう時、モンスターボールを投げ付けて(ポケモンを捕まえる時に投げ付けるボール)「美女ゲットだぜ」って(以下略)。

スタンプポイントは24カ所あったが、全部回るのは時間もお金もかかるのし、6カ所集めただけで景品がもらえるので、都区内乗り降り自由のキップを買って12カ所回ることが出来た。僕がもらった景品はRへのお土産だ。

ただ、うっかりしたことがあって、京浜東北線では赤羽駅とその隣の川口駅が連続してスタンプ設置駅だったので、赤羽でスタンプを押した後、

「よし、次は川口だ。ひと駅ですぐスタンプゲットできるぞ」

と喜んで行ったら改札で

「乗り越し精算してください」

と警告されてしまった。そう、赤羽駅は京浜東北線の東京最北の駅で、次の川口駅から埼玉県であり、都区内キップの範囲外なのである。キップの範囲ギリギリアウトのところにスタンプを置くとは、JRのワナに違いない。

スタンプというワナに誘導するためのエサに見事食い付いてしまった動物の気分である。赤羽〜川口間のキップを改めて買う悔しさよ。

練馬とはいえ一応都区内に住む僕でさえ引っ掛かってしまうのだから、もっと遠方からスタンプラリーにチャレンジする人などは更に高確率でワナにはまってしまうのではないだろうか。

JRは「イナカモン、ゲットだぜ」とか言ってたりして。

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■いたばし花火大会。
2013年08月04日(日)
板橋の花火大会に行って来た。

ここは去年も行ったのだけれども、息子・タク(7才)が観ている途中で

「飽きた。帰りたい」

とか思いっきり興醒めなことを言っていたので、今年は観るつもりはなかったのだった。しかし

「Rは今年も観たいの!」

という娘・R(9才)の熱望と

「今年はたぶん飽きないから!」

タクのあまり当てにならなそうなお願いによりレッツラゴー。池袋から埼京線に乗り換えると既に激混み。ただ通勤ラッシュと違い、浴衣の女の子が多いため、

「浴衣満員ムラムラ電車」

みたいな企画物AVのような独特な雰囲気である。浮間舟渡駅で降りると、駅前のスーパーマルエツが食べ物や飲み物を売っている。テキヤとかよりここで買うのが安くて美味しくてオトクなのだ。なのでヤキソバやら焼き鳥やらとうもろこしやらジュースやらを買い込む。

会場の荒川の土手に着いて場所を確保し、腰を落ち着けるとRとタクが思ったよりガツガツ食い始めたので、

「足りないからそこの屋台で買おうか…」

ということでテキ屋じゃなくて花火主催者側的な人達がやってる屋台の唐揚げと餃子とヤキソバを買って食べさせたら

「う…なにこれー!」

これがことごとくRもタクも吐き出す程のまずさで。全部塗料みたいな臭いがひどい。油が悪いのだろうか。もうあそこでは買わん!マルエツサイコー!

花火が始まると今年は本当に飽きなかったようで、タクは大はしゃぎであった。もののあはれを理解し始めたのだろうか。

タク

「花火を手で掴みたい!」

ヤケドするぞお前。

Rとタク
Rはタクとは対照的に静かにウットリと鑑賞していたが、あまりに静かすぎて、寝てるんじゃないだろかと思って

「R」

と呼んでみると

「ん?」

鼻の穴に指を突っ込んでハナクソホジホジの真っ最中であった。しかも両穴。ダブルハナクソほじほじ。スッパマンか。

「せっかくカワイイ浴衣着てるんだからやめなさい!」

いくつになっても治らないこの癖。嫁も花火を堪能していたようで

「うわー鳥肌立っちゃったー」

とか言いながら焼き鳥食っているものだから、そーっと写真を撮ってやったら

「あ、今の油断してたから顔作ってなかった!今のナシ!」

もの凄い勢いで画像を消されそうになった。プレビューしてみたら、確かにでぶやがうっまそうに食ってる時の、顔面土砂崩れの表情によく似ていた。

花火は去年と同様、ポケモンの花火も出たりしてふたりとも大喜び。

ポケモン花火
モンスターボール花火。

ポケモン花火
ピカチュウ花火。去年と同じで、西原理恵子が描き殴った感じ。

「たのしかったー」

「またみたいー」

と大変ご満悦だったようで、飽きることなく最後まで花火に食らい付いていた。

帰りの電車はまたギュウギュウで、もう子供達にとっては遅い時間帯だったこともあり、

「ねむいようー」

「おふろはいらないでねたいようー」

眠くなってしまって神経が逆立っており、ちょっとでも触れただけで

「Rちゃん、さわんな!」

「しょうがないでしょ!ちょっとぐらいで」

いきなりケンカが勃発する勢いになってしまっていた。

花火の後に火花が散るってか。

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■ハートのエースが出てきたり出て来なかったり。
2013年08月03日(土)
夜8時頃、家に帰ってきたら

「本物のパパかどうかニオイチェックします!」

娘・R(9才)と息子・タク(7才)が飛び出してきて鼻をふんふんさせる。麻薬犬かお前ら。

「ニセモノです!ニオイが違います!」

いつもはOKといわれるのに今日に限って。女の人のニオイとか付けてないのに。ニオイが違うと言われてもどうしようもないので子供達を振り払って家に入ったら

「トランプやろ」

と言う。

「もう寝る時間なのに」

遅いからいかんだろ、と思ったが、

「もうやること全部やったからいーの」

とRが言う。いーのいーの、ぶらいあんいーの。更に嫁が説明するには

「宿題もお風呂も晩ご飯も、今日は全部早く済ませたから、9時までトランプやろうねって言ってたのよ。そしたらあなたが帰って来ちゃったから」

まるで僕が邪魔者扱いな言い草だった。

「じゃあ3人でやればー」

僕は絶対やらないぜフォーエバー、とヘソを曲げてとっとと風呂入って寝るべと、着替えようとすると

「パパとスピードとババ抜きと神経衰弱と七並べやりたい〜」

Rがすがってきたので参加することにした。子供相手とはいえ真剣勝負、嫁も僕も容赦なくRとタクを叩きのめしてしまった。ふたりの負けた時の反応は正反対で、タクは

「うわーん!ちくしょー!やられたー!」

負けると大声を上げてマジギレしたりいじけてしまうので

「いじけたり泣いたりするともうやってやんないぞ」

と僕や嫁、そしてRにも怒られる。その点Rは大人しいのだが、さすがに悔しいことは悔しいらしく、僕にこてんぱんにボロ負けすると

「…」

布団の中に埋もれて無言で泣いているようだった。

「そろそろ9時だから終わりにすんべ」

白熱の闘いが続いたが残念なことにタイムアップ。まだまだやりたがるタクをなだめながらとっとと歯を磨いて布団に入って寝る。

「早く寝ないと明日寝坊するぞー」

静まりかえった部屋に、誰かが放ったオナラの音でクスクス。

トランプのあとはオナラプ。だった。

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■聞かずの散髪。
2013年08月02日(金)
髪が伸びたなー、と思っていたら息子・タク(7才)も伸びていた。

「夏だからまたボウズにしてやろうか」

毎年、タクは夏になると頭が野良犬のようなニオイになるので、小さい頃は僕がバリカンで丸坊主にしていたのだ。うまく坊主頭を仕上げると、キレイな天然芝の野球場を完成させたみたいで達成感があるので好きだ。

「やだ」

しかしタクは小学校に上がってからは坊主頭はイヤだという。いっちょまえにカッコつけているようだ。

「じゃあパパとふたりで床屋に行って来なさいな」

そんなわけで嫁に「とっとと行って来い」と嫁に追い出された。タクの手を引いて行ったのは高級千円床屋。まずタクを理容椅子に座らせて、

「横と後ろはかりあげにしちゃって下さい」

もともとボウズにするつもりだったので短くしてくれ、と理容師に伝えたところ

「かりあげやだ!」

またもやタクからイヤだとの声が。からあげは好きなくせに。結局、

「じゃあ、かりあげにならないくらいの短めで…前髪はまゆげかかるぐらいで…耳は出しちゃっていいです…」

それ普通のボッチャン刈りじゃん、みたいな注文で落ち着いた。で、僕も切ってもらっていたところ、タクが先に終わって

「お父さん、いかがですか」

と仕上げを見せに来た。

「うん、いいですね。サッパリしてよかったね」

クリクリのボッチャン刈りになったタクは

「うへへ」

本人も満足そうだった。

「パパが終わるまで待ってて」

そう伝えるとタクは順番待ちの席に座り、本棚からドラゴンボールのマンガを取って貪るように読み始めた。数分後、僕も終わった後

「パパも終わったから帰るぞー」

と言ってもなかなかマンガから目と手を離さなくて…。

「じゃあひとりで帰ってこい」

置いていくフリをして店を出ると、しぶしぶマンガを本棚に戻して着いて来た。

「ねえ、よく見たら前髪短すぎじゃない?オデコ広すぎになっちゃってるよ」

家に帰ってからタクは改めて自分の姿を鏡で眺め、いっちょまえにそんなダメ出しをする。

「いーんだよ、それぐらいで、カワイイよ」

「やだー、やっぱり短いー」

「お前はさっきからヤダヤダとしか言ってねえなあ!」

「だってー」

「切っちゃった髪は戻らないよ」

それでもっつうのなら、ドラゴンボール集めてこい、ってか。

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