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■蟷螂で候。
2011年11月30日(水)
仕事から帰って来たら、娘・R(8才)がまだ起きていた。

布団に入っていたRががばっと起き上がり、にっと笑う。

「やあ、ただいま」

息子・タク(6才)も布団に潜っていたがもそもそと顔を出した。

「タクもまだ起きてたのか」

「起こされたの!」

「ああ、ごめん」

夢の世界へ行くところを邪魔してしまったようだ。とっとと着替えて添い寝すると、タクは僕の手を握ったまますやすやと寝てしまった。もう片方の手でRと手を繋ごうとしたら、Rの手の甲に何やらマジックで字が書かれている。読んでみると

「カマキリ」

カマキリ?カマキリといえばカマキリ拳法で…って前の日記にも書いたな。

「なんでカマキリって書いてあるの?」

とRに聞いてみたら

「学校でね!カマキリがカマキリを食べられてたの!メスがオスを食べちゃうんだよ!って先生に教わった!」

「はいはい、共食いね」

「頭がとれちゃってて、地面に転がってたの!明日もあるかどうか見るから忘れないように書いておいたの」

「えー。わざわざ明日も確認するのー?」

「うん!」

余程衝撃的に映ったらしい。そういうのって逃げ出すかと思ったら結構好きなんだね…。おそらく先生は教えてないだろうし、僕も教えてないが、カマキリは交尾中だったのだろう。メスに食われる危険を回避しつつまぐわおうとするオス。カマキリのオスはやるのも命がけで大変である。

人間の世界だと「あたしを食べて〜ん」とか「ナオンをパーナンして食っちゃったぜ」とか男が女を「食う」表現が多々あるけれども(かなり死語あり)、カマキリの世界は逆であり更に文字通り食われるんだから、僕なんかまじで無理。

たとえメスから食われるのを逃れられたとしても恐怖でちんこがドリチン状態だろう。そんな危険を冒すくらいなら一生童貞を選ぶ。カマキリの世界での千人斬りとかって、余程のイケメンかつ戦闘能力も高くなければならないんだろう。まさに百戦錬磨。

Rも将来男を貪り食うような魔性の女に…は、ならないような気がするが。Rは気が付いてないかもしれないけれど、頭だけ食い残されたカマキリの雄なんて、まさに僕を象徴しているようではないか。

メスに頭が上がりません。なんちて。

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■Negiccoライブ@光が丘
2011年11月28日(月)
Negicco
新潟のご当地アイドル「Negicco(ねぎっこ)」が近くのショッピングセンターでライブをするというので観に行くことにした。

Negiccoを知ったキッカケはなんだったか忘れたが、曲がよいのでCDやDVDを買って観ていたら娘・R(8才)と息子・タク(6才)もはまってしまい、

「Negiccoが来るよ〜」

と伝えたら

「みにいきたい!おてがみかく!」

Rが便箋に手紙を書き始めた。それを見てタクも真似して書き始める。しかしあまりにも字がヘタクソなので

「キレイな字で書けよ…」

覗き込んで注意したら

「みちゃだめ!」

何を書いたか見せてもらえなかった。しかしなんとかコッソリ覗いてみたところ

「りんごむすめ(青森のご当地アイドル:さんまのからくりTVの「かえうた王」のコーナーでNegiccoを破って優勝した)にまけるな!」

という檄文があって怖くなったが見なかったことにした。

当日会場に着くと、じわじわと人が集まってくる。皆NegiccoTシャツやNegiccoタオルやNegiccoバッジやNegiccoメンバーのサイン入りバッグやらを身に着け、コアなファンの方々であることが分かる。高速道路のサービスエリアの名前が入った袋を持っている人も見受けられ、おそらく本拠地新潟からはるばるやって来たのかと思われる。

待っている間、

「ねえ、今日ガッターやるかなあ?ガッター」

ガッターというお気に入りの曲名を連呼するタク。立派なアイドルオタクだ…。やがて開演時間となりNegiccoが出てくると、

「本物のねぎっこがきたー!」

ふたりともしばらく固まってた。しばらく歌と踊りに魅了されていたふたりであったが、先程のコアなファンの方々の

「なおちゃーん!」

だの

「はい!はい!」

といった合いの手の声がすさまじく、下手すりゃNegiccoの歌声以上の音量で、タクが思わず

「おっさんが一番盛り上がってんじゃねーか!」

と叫んでいたが

「その通りだ!」

お前の数十年後の姿かもしれないではないか。

ライブが終わっての握手会があり、そこでお手紙を渡すことにした。いざ渡す時になるとタクが急にモジモジし始め、

「パパが渡して〜」

と手紙をぶん投げようとするではないか。あのお調子者のタクが照れるとは。さては恋だな(違う)Negiccoの皆さんは

「えー。いいのー?Rちゃん」

などと名前を呼んでくれて優しく受け取ってくれた。ありがたいことである。こうして無事握手もしてもらえたRとタクは、大好きなアイドルと会えた日として、幼き日の記憶として刻み込まれるだろう。

ネギだけに刻み込まれる…。

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■日本尻ーズ
2011年11月27日(日)
「ゲーム大会をします!」

娘・R(8才)と息子・タク(6才)が僕と遊ぶために考えたゲームがある、とずっと前から言っていた。それを披露したのが昨日だったが、

「ルール説明します!ゲームの名前は『たいこどんどん』です!」

子供達が考えた「たいこどんどん」なるゲームは実に奇妙なもので…。タクが四つん這いになってお尻をぷりっと僕の前に差し出した。(もちろん服は着たままではあるが)

「たっくんのお尻がたいこです!」

「えー!」

「あと、紙をRが出しますからその通りにたいこを叩いて下さい」

Rが僕に見せる大きな紙に「りょうほう」「みぎ」「ひだり」と書いてあった。

「みぎ〜」

右のお尻をぺしん。

「ひだり〜」

左のお尻をぺしん。

「りょうほう〜」

両方をぺしん。

…面白いのかコレ???これって、そのまんまイメクラのスパンキングオプションじゃないか。残念ながら僕にそういう趣味はない。ていうかそういうのが大好きで子供達がそのために考えてくれたとしたらそれはそれで怖い。

Rとタクは一体何を考えてこんな遊びを考えたのだろうか。頭の中を見てみたい。

「どうやって考えたんだい?コレ…」

とタクに聞いてみたら

「Rちゃんが考えたからわかんない」

四つん這いになりながら返事。この子は将来人間椅子になり女王様に座っていただくのが何よりの快感とかになったりしないか心配である。Rが考えたというのならRに、ということで聞いてみたら

「あのねー、Rがねー、○×△※…」

ただでさえ説明下手なRが、自分のお花畑脳より生み出されたことの解説をしようとしたものだからますます何を言ってるのかサッパリ分からなかった。

「うーん」

とりあえず僕に突き出されたお尻。とりあずやっとかないとウソだろみたいなノリで

「うりゃ」

とカンチョーしてしまったら

「ぎゃあああ、やめてー」

タクが悶絶してしまったので反省している。結局お尻を叩いているだけで、何がどう面白いのか、どうなったら勝ちなのか、等ルールが全く分からなくて、ただひたすら我が子のケツを叩かなければならないという訳の分からないシチュエイションに困惑してしまった次第である。

まさに尻滅裂。なんちて。

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■早くあなたに解体。
2011年11月26日(土)
近所のとある家の解体工事が始まった。

子供達の通学路の途中にあり、僕も通勤でその道を通るので、子供達と一緒に日毎徐々に解体が進む様子を観察していた。

僕らが通る時は、ちょうど解体業の職人さんがやって来て準備を始めるタイミングなので、実際にぶっ壊すところは見ることは出来ないが、ある日ユンボが登場していたり、次の日壁が半分なくなって、模型ではないリアルな家の断面図が現われたり、子供ならずとも僕でもわりと面白かった。

今朝もちょうど解体業者さんが車から降りて作業に取りかかろうとしていた。それを娘・R(8才)と同級生の女の子が並んで見ている。ふたりは何かヒソヒソと話ながら、それでいてモジモジと恥ずかしそうにしていたので、

「何してるの?」

と近寄ってみたら、ふたりは小さな小さな声で

「せーの、おはようございます…」

どうやら職人さん達に向かって挨拶しているようだった。しかしそばにいる僕でさえようやく聞き取れる、蚊の泣くような声なので、もうガシャガシャと音を立てながら家の中に入って仕事を始めようとしている職人さん達に聞こえるわけがない。

「もっと大きな声で言わないとダメだよ!」

声が小さい!もいっちょ!といかりやばりにけしかけてみたのだが

「え〜」

ふたりともモジモジしてダメであった。これがお調子者の息子・タク(6才)なら

「こんちくわ!」

とか挨拶したりしてすぐフレンドリーになってしまうのだろうけれども。実際、だいぶ前の話だがやはり家を解体しているさまを眺めていたら

「乗ってみるかー」

職人さんにユンボの操縦席に座らせて貰ったそうだ。しかし恥ずかしがりのRと同じような性格のお友達ではちょっとそれ以上のアピールは無理で、モジモジ固まったまま作業の様子を見守っていた。

ただ挨拶しようとする気持ちになったのは、毎日見ている職人さんに親しみを持ったからであろう。僕もそうだっった。僕の場合は大工さんだったが、大工さん達が実家を建てている時、僕も毎日のように行って木の切れっ端とかを貰ったり拾ったりして遊んでいたものである。

タクが将来なりたい職業も大工さんだし、仕事してる職人さんて、頼もしく映るんだよなあ…。

しばらくじーっと見詰めている子供達と僕。っておい、会社と学校間に合わなくなってしまうではないか。

「こら、うっかりしてたけど、そんなに見てるヒマないぞ!遅刻だぞ!」

慌てて子供達のランドセルを引っぱたくと

「えーっ!今何時?」

そうね解体ねー。

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■ウサギとカマキリ。
2011年11月25日(金)
朝の出勤。

僕は娘・R(8才)を含む集団登校の子ども達と一緒に出発し、駅への道と学校への道が分かれるまで歩く。

今朝、全員揃うのを待っていた時のこと。Rが同級生の女の子にこんなことを話していた。

「昨日は○○で遊んで、パパとお風呂に入ったの〜」

するとその女の子は顔をしかめながら

「私もパパとお風呂入った!でもパパと入るのイヤなの!」

ガーン。僕がRに言われたら立ち直れないようなことを言うではないか。この子のパパは優しい普通のおっさん。Rと同じ年の女の子がどういう理由で一緒にお風呂に入るのが嫌いになるのか、Rにイヤと言われる前に是非聞いておかなければなるまい。どうしてイヤなのかな?、と聞いてみようとしたところ

「いやーっ!カマキリだー!」

いつの間にどっから出て来たのか、地面にカマキリがのたのたと歩いているのを見つけ、ことさらに驚いたものだから聞くタイミングを逃してしまった。更に

「おはよー。え、カマキリ?」

いつも一緒に行く6年生の女の子が家から出て来て、ひょいとそのカマキリを持ち上げて、うりうりとその子に近づけてからかっているので余計に聞きづらくなってしまった。

「なんでお父さんとお風呂に入るのイヤなの?」

なんてカマキリを弄ぶおてんばさんとはいえ、思春期真っ只中の6年生女子の前では聞けないではないか。6年生となると…もう一緒に入ってはいない…のかなあ。

カマキリといえばカマキリ拳法、カマキリ拳法といえばラビット関根、すなわち今の関根勤である。関根勤の娘の関根麻里は、

「お父さんと中1まで一緒にお風呂に入ってた」

とインタビューかなんかで答えていた、という記事を見たことがある。中1かあ…。いずれにせよ、もうそんなに残された時間はないわけで、それは覚悟しているのだけれども、いざある日Rに

「もうパパと入るのヤダー」

と死刑宣告されてしまった時、僕は動転のあまり山口百恵の歌を歌うのであろう。

カマッキリカマッキリもう、カマッキリーですかー。

ハラキリもののダジャレになってしまった。

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■泳いで走って。
2011年11月24日(木)
子供達が通うスイミングスクールで競技会があった。

強制ではなく、希望者だけ参加できるので、娘・R(8才)は

「出たくない〜。負けたら悲しいから」

というすごいネガディブな理由で参加を拒否し、一方息子・タク(6才)は

「出たい!」

やる気満々であり、タクひとりの参加となったため、嫁とRと3人でタクの競技を見守った。タクが出るのはクロール12.5メートル。僕はRやタクがスクールで練習している姿をほとんど見たことがなく、夏に一緒に区のプールで泳いだときはとてもそんなに泳げるレベルではなかったので、クロールなんか出来るのか?と思っていたが、

「よーい、スタート!」

始まってみたらすいすいと泳ぐ泳ぐ。フォームもキレイだし速いし我が子ながら舌を巻いてしまった。親がなくても子は育つとはまさにこのことだなあ…。競技自体は始めはりーどしていたものの、後半隣のコースの子が追い上げてきて抜かされたっぽかった。

その時は順位の発表がなかったので分からなかったが、最後の表彰式では「同着1位」ということで(そういうことにしてくれたのかもしれないが)、表彰状を貰って

「いえーい、やったー」

超得意になって大喜びしていた。

「よくやったね」

たいしたもんだ、と僕も素直に褒めた。タクも自信が付いたようでよいことである。Rもタクぐらい前に出て来ればいい…とも思うのだが、これはこれでRの持ち味なのだろう。

競技会は午前中で終わり、午後お昼ご飯を食べた後、家でドタバタしていてまだ暴れ足りないようだったので公園に連れて行った。

Rはなわとびをし、タクは僕とサッカーボールを蹴り合った後

「マラソンだー!」

と公園の周りをぐるぐる走り始める。

「君は知っているか!僕が誰よりも勇気があることを!パパ!こっち来て!」

などと訳の分からないことを大声で口走り僕を呼ぶ。

「なんだ?」

立ち止まっているタクのところに駈け寄ってみると、そこにはみずみずしい犬のうんこが。

「僕は勇気がある!うんこ踏んでいい?」

「ふざけんな!」

自信は付けてもいいが、うんこは付けるものではない。

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■ディズニーランド探訪後編
2011年11月23日(水)
ディズニーランド日記後編。

蒸気機関車(ウェスタンリバー鉄道)は開拓時代のアメリカ西部を走る設定だが、最後にビッグサンダーマウンテンの中に入ると急に趣が変わり、暗い洞窟の中で恐竜に出会うことになる。息子・タク(6才)は怖くなって嫁にしがみつきながら恐る恐る恐竜を眺め、

「今見たものは他の人には内緒ですよ」

とのナレーションを聞いて

「誰にも言っちゃ行けないんだ」

と素直になっていたのが可愛い。その後

「あの恐竜はにせものだよ」

と主張する娘・R(8才)と

「ちがうよ!ほんものだよ!」

と言い争いが始まったが放っておいた。

蒸気機関車を降りた頃にはすっかり暗くなっており、次はバズラトイヤーのなんたらというアトラクションの列に並ぶ覚悟を決めた。待ち時間は110分との表示で、最後尾は建物を余裕ではみ出ていて、僕は路上の列に加わった。全員で待ってることもないので、嫁はRとタクを連れてお土産を見にショップに走って行った。

途端、ものすごい雨がドドドドドと。雷も鳴って

「きゃー!」

傘を持たない人たちが次々と行列から離脱していく。嵐を呼ぶ娘・Rが今日も呼び寄せてしまったのだろうか。僕も傘など持っていなかったのでとっとと逃げたかったのだが、

「これ、Rとタクが楽しみにしてたやつだからなあ…」

パレード用に持ってきたゴザをかぶって何とか列に留まった。しかしゴザなのでどうしても雨水が漏れてくる…。

幸い雨は30分ほどで止み、前回来た時のようにまたもやパレードは中止、ということにはならずラッキーであった。僕が並んでいたアトラクションの列もかなり短くなりラッキー。嫁達は売店にいたため雨に濡れることもなくラッキー。結果的に良いこと尽くしであった。…僕がずぶ濡れとなり寒くて震えていたこと以外は。

夜のパレードについては、僕は当初、

「夜のパレード見て、その後の花火も見るんじゃ帰りが相当遅くなるからやめようぜ。明日は普通にRもタクも学校幼稚園があるんだろう?」

という理由で反対していたのだが、

「私だって帰ったらアイロンがけしなきゃならないけど、せっかくココまで来たんだから見ようよ!」

いつもは早寝早起き主義の嫁がそれを曲げて熱くなっていたので見ることに。ていうか夢の国でアイロンがけとか絶叫しないでくれよ。

嫁がゴリ押しするだけあって、パレードと花火はまさに夢の国のようなキレイな光景で、Rもタクもしばらく目をぱっちりと、口はあんぐりと、魂を吸い取られたような呆けた顔をして眺めていてそれから

「すごーい!」

と絶叫していた。やっぱり見せて良かったのだな…。

僕が一番印象に残ったのは「イッツアスモールワールド」かもしれない。昔見たときは退屈以外の何物でもなかったが、子供が出来てから見るとこうも印象が変わるとは…。なんだか「いいなあ…」と思うようになってしまった。

世界中の子供達が嬉しそうに歌って踊る様子が本当に幸せそうでいい。Rとタクもどこかに紛れて踊ってそうな感じがして…。

ただ、いつも歌を聴いていると、脳内で最初の四小節、「せかいーじゅーう」のところがループして、

「せかいーじゅーう、せかいーじゅーう、ルルルンルンルンルンルーン」

途中から花の子ルンルンのテーマになってしまうのは困ったものである(アラフォー以上の人しか分からん)

帰り際、Rに

「パパ、Rね、カチューシャが欲しいの」

とおねだりされた。周りにはミニーの耳やリボンがついたカチューシャを付けた人がたくさんいて、Rが欲しがるのも無理はない。ここでケチっても無粋だと思い

「買ってあげるからどれがいいか選びな」

とショップに連れて行った。Rに買ってやるのだから

「タクはどうする?何か欲しいのあるかい?」

タクにも買ってやろうとしたら

「僕はここでは買わないから、セブンイレブンでポケモンカード買って」

「えー!」

朝から晩まであれだけディズニー漬けだったのに、それに流されないとはある意味大したものである。

Rとタク
帰り際の様子。

朝から晩にかけてミッキーをボスとするディズニーランドで遊び、帰り道にはコンビニでピカチュウをメインとするポケモンカードを買う。カチューシャと比べると10分の1以下の値段なのだがR以上の喜びようで…。本人が喜んでるならいいか…。今年の僕の誕生日は、日米の有名ネズミに縁がある日となった。

僕の誕生日、11月20日。ハツカだけにネズミに縁があります。なんちて。

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■ディズニーランド探訪前編
2011年11月22日(火)
日曜日は東京ディズニーランドに行った。

金曜日ごろの天気予報では日曜は雨だったので

「行けないかもしれないなー」

予め娘・R(8才)と息子・タク(6才)に断りを入れておくと

「やだ!いきたい!」

珍しくRが強く反発した。台風上陸中に生まれた、嵐を呼ぶ娘・R。以前学校の振り替え休日に嫁と行った時は、夕立が来てパレードが中止になったらしい。しかしRの執念が天に届いたのか、よい天気になった。

朝、目が覚めた時に布団の中からRが

「パパ、お誕生日おめでとう」

と言ってくれた。しかしそれで僕の誕生日イベント終了。あとは家族サービスである。電車に乗って開園時刻に合わせて現地に向かったが、門に並んでから入るまで30分ぐらい待たされた。滅多に並ぶことがない「としまえん」に慣れてしまった僕らにとって、何をするにも行列のディズニーランドは過酷な環境であった。

5年ぶりぐらいであるしファストパスなるものも初めてだし、色々やらかしてしまった僕ら。行列の最後尾はここだな!と猛ダッシュして列に加わろうとしたら単なる折り返し地点で、本当は更に長い列が伸びていて気が遠くなったり。

開園1時間もしていないうちに取ったファストパスが18:30のものだったり。家族4人分のパスを取ったと思ってよく見たら

「お前の券はもう発行してるからもうファストパス出せねーよザマア」

的なことが書いてある紙だったり、間違えて既に発券済みのパスポートで更にファストパスを取ろうとした。すなわちひとり分取れなかったわけで僕が涙を飲んだ)。

ファストパスには「他の施設のパスは○○:○○以降に取れるようになります」と書いてあるのに(1回ファストパスを取ると2時間ぐらい次のファストパスを取ることが出来ない)、それを見逃して他のアトラクションのファストパスに並び、紙が出て来たと思ったら

「お前もう他のファストパス取ってるから出せねーよザマア」

的なことが書いてある紙だけ出て来たり。超時間の無駄。なんか出だしからダメダメである。それでも計画を立て直してRとタクが喜びそうで30〜60分待ちぐらいの乗り物を選んで結構いろんなアトラクションを回ることが出来た。

Rとタクはというと、明らかに普段とは違うテンションでおおはしゃぎ。パレードが始まると

「ミッキーだー!スティッチだー!」

キャラが現われる度に絶叫。あとは並んでいる間にピザだのチュロスだの食べまくり。ディズニーって、ポップコーンひとつ買うだけでももの凄い行列が出来てて、昔のソ連かよと思った。

あるアトラクションで並んでいる時に嫁が

「あっ。あなた、誕生日じゃん。入口で言うの忘れた」

と叫び、

「すいません、この人誕生日なんです!」

ちょうど歩いて来た係員に声をかけた。なんだその「この人痴漢です」みたいな扱い。係員は

「おめでとうございまーす!」

とことさら大きな声とスマイルで「お誕生日おめでとう」と書かれたでっかいシールを取り出し、

「お名前は?」

と聞くので勘弁してくれ、と思ったのだが

「かずきです!」

嫁がしっかりと答えた。僕、自分の名前も言えない出来の悪い子状態。

「かずきの『ず』は『すにてんてん』でよろしいですか?」

「はあ…」

「つにてんてんだと、AV女優になってしまう」

と嫁にこそっと言うと「うそお!」と驚いていた。でっかいお誕生日シールを左胸に貼られた僕は、これ以降至る所で「おめでとうございまーす」と言われるようになった。朝のRのひとことで誕生日イベントは終わったはずなのに、こんなオプションいらない。

また、蒸気機関車に乗っている時に、後ろにエグザイルのグラサンをかけている人みたいにビシッと渋く決まったオヤジがいた。蒸気機関車でエグザイル、まさにチューチュートレイン、とか思ってたら、その人も胸に

「だーくん お誕生日おめでとう」

と書かれたお誕生日シールがあり、僕が子供達と景色を眺めたりして後ろを向いたりすると誕生日オヤジ同士が目が合ってしまう。超恥辱プレイだなあ…と冷や汗が出る思いだったが、

「すいません、写真撮ってもらえます?」

だーくんは別にそうは思ってなかったらしく僕にカメラを渡してきた。横にいた彼女らしき人と、仲睦まじくピッタリ寄り添ってパチリ。

誕生日デートにディズニーランドかあ…なんか遠い昔の出来事みたいだな…と懐かしみつつカメラを返した。エグザイル風彼氏のだーくんと彼女。

夜はおっぱいをチューチュートレインなんだろうなあ…。


後半へ続く(ちびまる子風に)

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■練馬アニメカーニバル。
2011年11月21日(月)
土曜日、雨の中、としまえんに行って来た。

練馬アニメカーニバルというイベントが行なわれるためである。僕のお目当ては練馬区公式キャラクター、

ねり丸
「ねり丸」である。この日アニメが初公開され、着ぐるみもやって来るというので僕は見たくて見たくてしょうがなく、雨に降られるのを分かっていても決行した次第。

10時の始まりに合わせて行くと、ねり丸のアニメブースは僕らが一番乗りで、他には誰もいなかった。なんかめちゃくちゃ楽しみにしてきたのがモロバレで恥ずかしい。それでも娘・R(8才)と息子・タク(6才)を一緒に連れて来たので

「ほら、ねり丸だよ〜」

子供達が楽しみにしてきた、というフリをしていたらRとタクも

ねり丸
「ねり丸カワイイ〜」

と本気で見始めたので思惑通り。すると区の広報だというカメラを抱えた男性が

「お子さんの写真を撮らせていただいてもよろしいでしょうか。広報に掲載するかもしれないんですが…」

と話しかけてきたので

「どうぞどうぞ!」

ふたつ返事でOKしてしまった。

Rとタク
報道陣(といっても2人ぐらい)に囲まれるRとタク。

タクも「いえーい。有名人になれるー」と喜んでいた一方で、Rは「恥ずかしいかも」と照れていた。ふたりの性格が如実に。

そしてねり丸の着ぐるみはどこで見れたかというと、練馬アニメカーニバルの開会式であった。

ねり丸
志村豊志郎・練馬区長による挨拶中なのに、その後ろでこっそりおどけているねり丸が!まさに「志村後ろー!」状態。

念願のアニメと着ぐるみを見ることが出来、冒頭の画像にあるクリアファイルも貰ってしまったので大満足だったが、他にもねり丸が描かれたセル画の色塗り体験にRが挑戦した。

R
係のおばさん達が親切丁寧にやり方を教えてくれる。その手際がよいので、そうか、この方々は熟練のアニメーターなのだ、と気が付いて

「今でもやられてるんですか?」

と聞いてみたら

「いえ、今はもう全部コンピューターになってしまいました」

もうやっていないのだという。Rがやってるこの手作業は、消えゆく運命の技術なんだなあ…と寂しくなりつつ、ちょこっとでも実際に日本のアニメ文化を支えて来た方々を見ることが出来て胸が熱くなった。

天候は時間が経つにつれどんどん雨足が強くなってきた。さすがにRとタクをこのまま雨の中に居させるのはかわいそうなので帰ろうかとも思ったが

「ジャングルハウス(屋内アスレチック)に行きたい!」

と言うのでそこで遊ばせ、その隙に

ゼーット!
水木一郎アニソンライブを観に行く。初めて観た感想は顔が…じゃなかった、声がでかい。

その後、再び屋内のアスレチックに戻る。ここは子供だけしか遊べないので僕はヒマ。窓から外の様子を見ているとコスプレをしている人達がたくさん雨宿りをしていた。この日、アニメカーニバルに併せてコスプレデーでもあったのだ。

コスプレデーは、としまえんでは定期的なイベントとなっており、年間パスを持っている僕らも定期的にとしまえんに行くが、3回に1回ぐらいはコスプレデーにぶち当たる。だから初めのうちは遊園地にコスプレ、というのがすごいインパクトがあって、

「あっ!プリキュアがいる!」

とかRもタクも驚いていたものだけれども、今では

「あっ!あそこにゴセイジャーのコスプレがいる!」

と僕が驚いて子供達に言っても

「は?だから何?」

子供達の方が慣れっこになってしまった。雨が強いのでコスプレの人達も雨がしのげる限られた場所で撮影をするしかなかったようだ。せっかくこの日のために準備をしてきたであろうが気の毒に。

前回か前々回にとしまえんに来た時もコスプレデーで、仮面ライダーWの主人公・左翔太郎のコスプレをした人がいたんである。すれ違った時にびっくりして

「あっ翔太郎!」

と叫んでしまったら

「よっ」

みたいな感じで翔太郎の仕草を真似て挨拶してくれたんだけど、わりと下手であった。コスプレの人なので、衣装やルックスを真似するのは本業だけれども、演技となると管轄外の
ようである。

練馬だけに大根役者ってか。

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■月火水木金正日。
2011年11月19日(土)
金曜日現在、週末の天気予報を見てみたら土日共ほぼ雨のようである。

土曜日はとしまえん、日曜日はディズニーランドと、遊園地尽くしの予定を立てていた僕らであったが

「こりゃダメかもね」

かもねかもねそうかもね、癖になっちゃうかもね、と歌ってみたところ

「えー!やーだ!いきたい!」

娘・R(8才)がパニックになって叫ぶ。

「だって雨だから何も乗れないよ」

と説得すると

「え、でも屋内のはできるじゃん。すぺまんとか」

嫁がめんどくさいツッコミを入れる。だーかーらー、そりゃできるだろうけどフル稼働してない時に行ったって面白くないじゃん。パレードもないし、傘差しながらなんて鬱陶しすぎて激イヤ。それにしても「すぺまん」ってみだらな響きだなあ…。

「とにかく雨だったらナシだよ…」

と落ち着かせようとすると

「じゃあケーキはいつ食べるのさ!」

今度はタクが食ってかかる。そう、日曜日はケーキも食べようという話も確かにした。ここで話の原点を思い出して欲しい。、なんで遊園地に行けて、ケーキが食べられるか、君達は忘れていないか。

そう、僕の誕生日だからである。しかしこの子達はそれをポックリ忘れてしまっている。その大前提をないがしろにして、遊園地だケーキだと自分達の快楽のみを追求するさまは、年末になると大工の息子の誕生日祝いに便乗して聖夜という名のセイント性夜でエロまっしぐらになるカップルと同じではないか。

さて、結局天気次第になるのだけれどもどうなることやら。めんどいので、ホント昨日の日記に書いた通りドナルドダックよりフェラルドディック、としまえんより金津園、すぺまんより手マンの方がいいなあ…。

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■M.C.舞浜ー。
2011年11月18日(金)
以前、娘・R(8才)と息子・タク(6才)がディズニーランドに行きたいというので連れて行く予定を立てたら、その前日に別のところで力の限り遊びまくってしまったため、疲れ過ぎて行くのをやめた、ということを書いたことがある。

で、延期して今度の日曜日に行くことになったのだけれども、その日は僕の誕生日なのであった。誕生日といえば、子供達は僕に手紙を書いてくれたり何かしら手作りのプレゼントをしてくれていた。

この年になると、欲しいものなんて手に入れられる物はとっくに手に入れているし、手に入れられない物は途方もなくカネがかかる物か、手に入れようとすると手が後ろに回ってしまう物ばかりである。

だから子供達のプライスレスなプレゼントが嬉しい。今年も何か一生懸命作ってくれるのかなー、と期待をしていたら嫁から恐ろしいことを聞いた。

「Rが言ってたんだけど、『パパの誕生日にディズニーランドに行くから、パパの誕生日プレゼントはディズニーランド行くことでいいの』だって」

なにー!

「R、ホントなの?」

「うん」

Rは「嬉しいでしょ?」といった感じの満面の笑みで答えた。ディズニーランドに一番行きたがっているのは子供達なのに。どうしても行きたいっていうから連れて行くのに。その日がたまたま僕の誕生日だったってだけなのに、いつの間にか僕が行きたいから行くんだ、みたいにすり替わっている。…おそろしい子!

そんなこと言ったって安くない入場料を払うのも僕だし、高かろうまずかろうの食事にもお金を払うのも僕だし、ファストパスをゲットするために猛ダッシュするのも僕だし。これがプレゼントだなんて…おそろしい子!

どうせ遊園地に行くなら、ディズニーランドよりとしまえんがいい。近いし年間パスあるからタダで入れるし、並ばなくていいし。

それにRやタクはミッキーとかドナルドとかプーさんを見たいのだろうが、僕はどうせだったら土日のとしまえんで行なわれるイベントにやって来るという、練馬のゆるキャラ「ねり丸」(詳細は→こちら)の方がカワイイので一度着ぐるみを見てみたいんだけどなあ…。

「Rちゃんはディズニーランド行くのは嬉しい?」

聞くまでもないことを一応聞いてみたら

「ちょー楽しみー」

自分がこんなに楽しみなんだから、パパもそうに違いないと、純粋な心で思っているのだろうなあ…。ま、君達が喜ぶ姿が一番のプレゼントには違いないんだけどね…。とキレイめにまとめようと思ったが、やっぱりおっさんとしては夢の国ディズニーランドよりハメの国ソー○ランド。ミッキーマウスよりヌッキーマウス、ドナルドダックより

ふぇらるどDUCK
ふぇらるどダックなのである。

昔、歌舞伎町がこういうお店の宝庫だった頃に撮ったんだけど、もうないだろうなあ…。

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■アド街大山。
2011年11月16日(水)
こないだの「アド街」で大山という街が紹介されていた。

ちなみに東京には小山という街もあり、いずれも庶民的で賑わいのある、毒蝮三太夫が好んで徘徊してそうな長いアーケード商店街がある。さらにちなみに小山は栃木にもあり、東京は「こやま」であり栃木は「おやま」である。おやーまゆーえんちー。

大山はウチからもわりと近く、自転車を貸してもらえる交通公園があり、娘・R(8才)と息子・タク(6才)はそこで遊ぶのが大好きなのでよく連れて行く。お腹が空いたら安くてガッツリ食える店がいっぱいあるし、嫁がわりと気に入っているサンドウィッチの店で買って公園で食べたりもしている。

ミーハーな僕は、知ってる店も出るかなー、と思いビデオを撮っておいたのを日曜日に見てみた。見始めると嫁もいつの間にか隣に座っている。そして

「あ、ここ知ってる!」

自分が行ったことがあるお店や場所が出る度に嬉しそうに言う。おのれ、僕以上のミーハーではないか。そして嫁が好きなサンドウィッチの店や、その隣のメンチカツがウリの肉屋さんなども紹介されていて、

「ここで買ったことあるよね!」

Rとタクもすぐ分かったようだ。こういう街を紹介する番組はいい。住んでいる街やよく行く街を熟知した気になっていても、全然知らなかった一面が紹介されたりするのが新たな発見になって良い。

大好きだったアイドルが脱いでみたら未知の裸体がうおおおお!というのに似ている。全然違う気もする。

そのサンドウィッチの店も実は24時間営業で、夜中はタクシーの運ちゃんがひっきりなしに買っていくのだ…なんてことが紹介されていて僕らが全然知らないことであった。

「こういうのって、やっぱテレビに出た次の日って客がすごいのかな?」

テレビ離れがどうのと言われていてもそういう影響力は未だネットなんかとは桁違いに強いだろう、なんてことを話ながら見終わった。

次の日の夜、嫁が

「いやー、今日、大山のあのサンドウィッチの店行ってさー。子供達を公園で遊ばせたついでに…」

「行ったのかよ!」

ついでに、ってまずサンドウィッチありきなんだろうが!家事が忙しい忙しいといつも言ってるくせにそういうところは僕以上にミーハーなんだよなあ。

「凄い混んでた!となりのメンチカツの肉屋も!長い行列が出来てたよ!」

「やっぱり買いたくなっちゃうよね…」

「でもね、ばんばん売れてくから作るヒマもないのかもしれないけど、いつもより具が少なかったよ…クリームの層も薄いし…」

「えー…それって典型的なダメパターンじゃん」

せっかく客が押すな押すなと来ているのだから、おいしいサンドウィッチをアピールし、新規客を開拓するチャンスなのに、一見客には「こんなものか」と思われ、常連客には「サービスが落ちた」と離れられ、いいところがないではないか。

…なんて見てもいないのに勝手なことをベラベラと。ウチの街もよくアド街とかもやさまみたいな散策系番組が来て放送されることがあるが、好きな店がそんなことになったらやだなあ。サンドウィッチだけに口を挟みたくなったのであった。

嫁はサンドウィッチが好きだが、僕はサンド(のメシより)エッチが好きである。

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■ハイスクール!(私立は)御免組
2011年11月15日(火)
息子・タク(6才)が唐突に言った。

「高校って好きなところ選べるの?」

「そうだよー。小学校と中学校は決まってるけどね!」

と嫁が答えていた。わが家族、義務教育期間中に「私立」という選択肢はない。もう公立のみ。高校だって公立にして欲しい。だってお金ないもん。僕も高校受験の時

「頼むから高校は県立に行ってくれ」

くれぐれも頼むぜ、といった感じで親に言い聞かされたのを思い出したが、今になってその気持ちが痛いほど分かる。コスト的な意味で。それに我が故郷栃木は田舎なので県立志向が強く、各地域のトップ高は必ず県立で、しかも未だに男子高女子高という昔ながらの体制。だから皆とりあえず始めは県立を目指す。

しかしここ東京は都立より頭のいい私立がわんさか。もしタクが開成とか麻布とか行きたいとかいいだしたらどうしよう…と不安になったが、よく考えればタクがそういうトップクラスの高校を目指す成績になってから悩めばいいことであった。

「タク、好きなところを選べるのと、行けるのは別だからな。頭が良くないと好きなところに合格できないぞ!」

と、まず檄を飛ばしてみたところ

「高校は分からないけど、小学校と中学校はRちゃんと一緒なんだね〜」

と娘・R(8才)に抱き付いてゴロゴロと甘えるのであった。親の話聞けよ、この甘え上手の愛され上手め。

「あのな、小学校は面接とか試験ないけど、高校では悪い子は落とされるんだぞ!」

「あら、小学校も面接あるよ」

横から嫁が訂正を入れた。

「え、あんの?」

「うん。今度タクも行くのよ。入学前の健康診断と面接。Rの時も親と離れて先生と子供だけで面接したんだよ」

くそう、今まで知らなかった。言われてみれば学校側からすればそりゃどんな子が入ってくるか事前に見ておきたいよなあ。

しかし私立の小学校とか考えたこともなかったけど、お受験用の幼稚園は嫁が授業を見学した時のことを聞いたことがある。

「福沢諭吉の言葉。天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」

とかみんなで暗唱していたそうだ。そんな子供やだなあ。超得意顔で山手線の駅を全部言うガキみたいだ。

そんなお受験幼稚園を経た私立小学生は、学力のみならずしつけのレベルも違う気がする。まず挨拶から厳しく叩き込まれるに違いない。

シリツ、礼。なんちて。

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■仕事フルサンデー
2011年11月14日(月)
日曜日、会社に行かなければならなかった。

「今日パパ会社なんだよ」

朝、娘・R(8才)と息子・タク(6才)に説明すると

「えっ日曜日だからお休みじゃないの?」

と非常にガッカリした顔をされた。

「ホントは会社お休みなんだけど、パパは行かなきゃいけないんだよー。ごめんねー」

申し訳なく子どもたちに謝るとタクの質問攻撃が始まった。

「パパだけ仕事なの?」

「なんで他の人は休みなのにパパだけ仕事なの?」

「仕事おわんないの?」

「仕事がおそいの?」

「あ、そっか、居残りみたいなものか」

うわああああああ!ものすごい畳み掛けられた上に勝手に納得されてしまった。言葉のひとつひとつがナイフみたいに飛んできてグサグサ刺さるんだけど。しかも

「僕はそんな居残りくらうみたいなヘマはしなけどね」

と澄ました顔をしているのがなんとも。しかしこちらとしてはぐうの音も出ない。

「うわあああん!いってきまあす!」

もう半べそで家を飛び出したら

「パパがんばってね」

窓からRが手を振ってくれた。

「ありがとう」

ううう…R、君は天使だ。その言葉を支えに頑張るよ。

タクの容赦ないツッコミとRの情けに、休日出勤の前に失禁してしまいそうな朝であった。

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■あなたも忍者、わたしも忍者、目潰し投げて、ドロンドロン。
2011年11月13日(日)
「忍者赤坂」というレストランに行った。マック赤坂ではない。

名前は「赤坂」であるが、正式な住所は千代田区永田町である。練馬区という23区カーストでは最下層に属する区に住む僕は、千代田区という23区中最も偉そうな区に赴くと緊張するものである。

忍者赤坂
入口はこのように会員制スワッピングクラブのように怪しい。中で何かもの凄いエロなことが行なわれているようなおどろおどろしさがある。一緒に行ったのはネット友達の美紀ちゃんと内藤君の女子ふたり。

予約してあったので入口でその旨を伝えると、忍者がどんでん返しの壁から出て来て

「ご案内申し上げます。私、忍者のサルと申します」

サルと名乗る忍びの者が先導役を務め、隠し扉あり、隠し橋ありの通路を経て「霧隠」と名の付いた個室まで案内してくれた。

料理や飲み物を担当してくれたのは美女くのいちで、南海キャンディーズのしずちゃんを途方もなく可愛くした感じ。それを美紀ちゃん内藤君に話したら

「それ、いいことなんですか?」

とツッコミを受けたが褒め言葉である。

小泉元首相や外国の要人も訪れるというこの店、僕らの個室にも黒壁に白い字のサインがあったので、誰かと聞いてみたら

「ヤワラちゃんご家族です」

とのことであまり嬉しくなかった。料理の方は忍者っぽいものからそうでないものまでさまざま。ただ

忍者赤坂
手裏剣のクラッカーのようなものがあったり、くのいちが

「臨兵闘者皆陳烈在前!」

と印を結んでその場で火をボンと起こしてサザエを焼いてくれたり、忍者エフェクトがそこかしこに。

メインディッシは魚料理をチョイス。そのメインディッシュが出て来たあたりのタイミングで、別の男忍者がやって来て何故かテーブルマジックを披露してくれた。

食べながらふたりが行った海外旅行の話を聞く。

「私達が行くとその国が大変なことになるんですよ。ギリシャとかトルコとか」

「今イタリアとか行ったらトドメ刺しに行くようなものだね。デスブログみたいだねー。」

「さげまん旅行です」

美紀ちゃんが言ったそのフレーズに興奮を覚えた。

また、内藤君が大学時代にイグアナになったという話を聞く。イグアナって、菅野美穂か(古いなあ)、と思ったら、

「合宿で酔っ払って、トイレまで這って行ったらその姿をイグアナだ、と言われて」

菅野美穂どころかタモリだった。女の子なのに。

さて、この個室の名前は「霧隠」であるので、真田の忍びか、と思って

「何流ですか」

とくのいちの女の子に聞いてみたら

「赤坂流です」

しれっと返された。何度も同じこと聞かれてるんだろうなあ。折りしもこの場所は永田町だし、

「政府の影働きを務めることもございます」

なんて設定も面白いかも。いや、忍びは絶対クライアントを明かさないのでそれを客に言うことはあり得ないか。

デザートとコーヒーが出て、忍びの忍びによるおもてなし終了。最後に店を出たところで巻物を広げて

忍者赤坂
「良いことがいっぱいありますように」

とのメッセージを送ってくれた。本当に、美紀ちゃんにも内藤君にも、この忍びの者にも良いことがいっぱいありますように。

「裁判の『無罪』みたいだね」

などと話ながらお開きにしたのであった。

いや、おハイソな永田町なので、「敗訴」か。

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■アーリー・イン・ザ・モーニング。
2011年11月11日(金)
どうしても残業できない日があって、その代わりに早出をすべく、朝超早くに

「ストレート、まっすぐだねー♪」

ケータイのPerfumeの着メロが鳴るよう設定し、起きた。それでも僕より早く起きて台所に立っている嫁はミラーオブワイフ(嫁の鑑)である。

「んがー」

もぞもぞと娘・R(8才)と息子・タク(6才)も起きてしまったが、

「まだ寝てていいんだよ」

と頭をなでて、支度して家を出た。

で、残業できない日であるので夜とっとと帰って来るとまだ子供達は起きていた。しかしなにやらテンションがおかしい。人の話を全然聞かないし、なんか怒り出すし。

「今日起きたのが早すぎたから、もう眠くておかしくなってるのよ…」

と嫁。まだ寝てていい、と僕が言ったところで、もうふたりとも目が覚めてしまって二度寝せずそのまま起きてしまったという。

「そーだよ!パパがケータイならすから!」

嫁の言葉に乗っかってタクがプリプリと怒る。ええええ。そりゃ鳴らしたけど僕、悪者扱いなのー。僕だってもっと寝てたかったけど仕事だからやむを得ずなのにー。

これがダメならものすごい豪邸を買って、ケータイが鳴ったぐらいじゃ他の家の者に聞こえないような離れた部屋で誰にも気付かれないよう寝起きしするしかないではないか。そんな家買えないけど。買えたとしてもそれじゃただの別居じゃないか。、

はっ。そうか。Perfumeの新曲が出たから着メロ変えなきゃな…ってそういう問題じゃない。

「パパだって仕事なんだから許してくれよー」

僕は早起きの正当性を主張しつつ

「着メロがダメなら嫁、君が優しく起こしてくれ。新婚初夜の翌朝のように」

と嫁にお願いしたら

「はあ?なんでいつも誰よりも早く起きて必死にご飯作ってる私が、普段ガーガー安眠しまくってるあなたを優しく起こさなきゃいけないわけ?」

嫁の早朝の悶々とした逆鱗に触れてしまったようだ。朝、文字通り寝た子を起こし、夜嫁に対しても寝た子を起こしてしまった。

僕が早朝目を覚まそうとしている間に、嫁の方はとっくに愛が醒めてしまっていたのね、

少なくともトイレは自分で出来るぞ。

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■君達男の子。へいへい。
2011年11月10日(木)
あれは土曜日か日曜日か、休日の学校の開放図書室に行った時のことじゃった。

娘・R(8才)と息子・タク(6才)はそれぞれ借りた本を抱えてテクテク歩いていると

「あ、りょーた君だ。同じクラスなんだよ」

学校の中庭で飛び跳ねている男の子をRが見つけた。

「やあ!」

りょーた君は大きな声でこちらに挨拶する。利発そうで、目がクリクリしているイケメンだ。こんな男の子がRと同じクラスにいるなんて危険だわ!

図書室に入ると

「あ、リコちゃーん」

今度は同じクラスの女の子がいて、本を借りようとしているところだった。

「その本、Rも借りてたな」

などと話すとニコニコ嬉しそうに笑う可愛い子。Rとタクも本の返却と貸し出しを済ませ、リコちゃんと一緒に図書室を出ると、りょーた君の他にもうひとり、クラスメイトの男の子がいた。

水道のホースを伸ばし、何も植わってない花壇の土に水をかけて泥団子を作っていた。

「勝手にそんなことしてたらやばくない?」

僕はこの子は知っていたので声をかけると

「んはっ?」

びっくりしたように僕に顔を向けた。泥のはねっ返りがおでこや頬につきまくりである。どんだけ夢中だったんだ。

「そーだよーだめなんだよー」

「ホントお馬鹿なんだから」

後ろからRとリコちゃんも注意しまくる。この時のRは、「ちょっと男子!」みたいにブチ切れる女子にありがちな

「クソ真面目女子がバカ男子を見下す顔」

をしていた。家ではそんな顔見たことないのに、学校ではそんな表情を見せてるんだなあ…。野良犬みたいに暴れる男の子を、

「ホント男子って幼稚でしょうがないわよね」

と見下した表情の女の子。小学生の男女間って21世紀になっても変わらないのだなあ。

そして最初に出会ったりょーた君は相変わらず飛び跳ねていた。歩いたり止まったりすることがない!まるで「真夏の夜の夢」のパックを演じた北島マヤのような。よしきた、おいきた、それご覧の通り。ダッタン人の矢よりも速く。

この子達を見ていると西原理恵子のマンガに出て来るお馬鹿系男子そのまんまである。タクなんてずいぶん大人しい方なんだなあ…。

「僕ね!犬を三匹も飼ってるんだ!」

りょーた君は自慢気に話す。

「へえ。すごいね。どんな犬なの?」

「えっとねー!チワワと、チワワと、犬!」

そういう言い方されると3匹目が非常に気になるじゃないか。ビーフとポークと肉、みたいな。この子達の通学路の電柱などに、かなりの確率で犬のうんこが放置されているので、りょーた君はそんな飼い主にならないで欲しいものである。

また、それを聞いたRとタクは当然。

「いーなー。パパ、うちも飼おうよ」

と僕にせがんでくるわけで。3匹も犬を飼える家なんて、お高いんでしょう?

そんなの無理であるからして、負け犬なら毎日家にいるのでそれでガマンするがよい。

少なくともトイレは自分で出来るぞ。

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■オヤジIN児童館。
2011年11月09日(水)
大学の学祭でイマイチ楽しめなかったため、電車で光が丘の児童館に行った僕と子供達。

児童館の中に入った途端、Rとタクは爆竹のようにすっ飛んで行った。体育室でRはゴムボールを投げながら、タクはいつどこにでも持って行くタオルを振り回しながら駆けずり回っている。なるほど、暴れたかったのだなあ…。

さて、子供達は好き勝手に暴れているので、残された僕はすることがなくてヒマかというと、そうでもない。この児童館の図書室に手塚治虫全集があるので、僕はここに来る度にそれを貪り読むことにしているのだ。

今日もまだ読んでいない手塚マンガを子供達に混じって読んでいたら

「パパ!ずっとマンガ読んでないでいっしょにサッカーのゲームやってよ!」

いきなりタクに怒鳴られてしまった。どうやらいつの間にか体育室から移動して、Rと一緒にサッカーゲーム(棒に選手が付いていてガチャガチャやるやつ)をやっていたらしいのだが、Rが飽きて止めてしまったので僕を呼びに来たらしい。

「もう帰る時間だから遊ぶの終わりにしなさい!」

とお母さんに怒鳴られて渋々帰り仕度する子供はよくいるが、逆に子供に怒鳴られる親は見たことがない。そんな親がいたらその親の顔が見たい。ああそうだよ僕ががそうですよ。みんなに注目されてこっぱずかしかった。

しばらくテーブルゲームで遊んだ後、今度は一輪車の練習。

「Rちゃん、学校でやってるからじょうずなんだよ!」

と得意気なのでどんなに上手いのかと思ったら

「パパ押さえてて〜」

全然自走できる状態ではなかった。どこが上手なんだ…。

「パパはうまかったぞ。見せてやろうか」

僕も小学生の頃、学校が一輪車を狂ったように推奨していたので、よく校庭で乗り回していたので超得意気に乗ってみたら思いっきりコケて大笑いされた。何十年も乗ってなかったからなあ…わりとショックだった。

そんな感じで遊んでいたら午後4時30分。今の季節はこの時刻に「良い子は早く帰れ」的な放送が流れるんである。

「Rも宿題の日記があるからもう帰ろうね」

ということで帰ることにした。電車に乗って、降りて改札を出たところで…

「パパ、タオルどこ?」

タクがとぼけた声と顔で、持参していたタオルはどこだという。

「はあ?また忘れたのか!」

タクはいつもタオルをふんふんする癖があるので、どこにいくにもタオル持参。それだけにもう過去何十回と色んな所に忘れている。その都度探して取りに行く手間といったら…。

嫁だとしっかりしているので、帰る前に「タオルちゃんと持った?」と嫁チェックが入るので未然に防げるのだろうが、僕の場合、まず自分の持ち物すら忘れやすいので子供の持ち物まで気が回らないことが多い。

児童館のみならず、公園、としまえん、路上、レストラン…。至る所でタオルを忘れている。自分で管理できないのならいい加減タオルを卒業して欲しい…。一度出た駅の改札をまた入る。ああ、余計な往復電車賃とRの宿題の時間が…。

もう僕もうんざりで匙とタオルを投げたい気分である。

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■動物。英語で言うとアニモー。アニモーはAnymore。
2011年11月08日(火)
なんだかバタバタしていて2日も日記をおサボり申し上げてしまった。

土曜日は近所の武蔵大学の学祭に行っていた。去年も行っていたのだが、移動動物園が来ていて、いろんな動物をさわれたり抱っこできたりして娘・R(8才)も息子・タク(6才)も大喜びだったのである。

去年の日記は→ここをクリック

今年も動物が来ているということで、ふたりとも行きたがるだろうなあ…と思い

「行きたい?」

と聞いてみたら

「いきたい!」

Rは予想通り食らいついて来たが、タクは

「えー。べつにいきたくないー。児童館のほうがいいー」

意外と醒めていた。去年動物のウンコが手についてことがトラウマになっているのであろうか。しかしRがあまりにも行きたがるので児童館はその後に行こう、とタクを説得して開始時間に合わせて大学に向かった。

着いてみると既に入場待ちの長い行列が出来ていた。僕らのような親子連れがわんさか。そして、すわ、女子大生もたくさんいるではないか。そうだよなあ。せっかく大学に来たんだから、おっさんとしてはウンコ臭い動物よりもしょんべん臭い小娘(フレッシュ〔死語〕なギャルとほぼ同義語の褒め言葉である)を見ていた方がいい。

「いや〜っ、アルパカ〜。かわいい〜」

去年はいなかった目玉動物、アルパカにスマホやケータイを向ける女子大生達もたくさん並んでいた。アルパカ大人気。女子大生と合コンをしたいと思ったら下手に中途半端なイケメンを揃えるよりもアルパカを連れて来た方が食い付きがよさそうである。

Rもタクもこの見慣れない動物には驚いて

「パパ、アルパカってなんの仲間?」

と急に質問をふられ、

「え?えーと、ヒツジ?」

なんか超適当に答えてしまった。絶対間違ってると思う。

ただ、始めはワクワクしていたのだが、去年と比べるとアルパカ以外の動物の少なさや、時間制限の縛りなどがあり、だいぶ自由度が制限されショボいことが分かってきてしまった。

去年は待たされることなく好きなだけいることができたのに、今年は入場制限アリでしかも入ったら10分で交代。

去年は子牛や羊がその辺をのそのそ歩いていて触ることが出来たのに今年はいない。アルパカとヤギはいるけれども、柵で覆われた中にいて隔離されてしまっている。

などなど、無料なので贅沢は言えないのだが、あまり乗り気じゃなかったタクはともかく、Rは特にウサギやハムスターを抱っこすることを楽しみにしていて、実際出来たのだけれども、すぐ交代するように言われてしまい、

「去年はいっぱいできたのに…」

しょんぼりとした悲しそうな顔になってしまった。

R
この時は超嬉しそうだったのに。

「今年は人がいっぱいいるから仕方ないさ。それと去年はたくさん人間の相手をして動物さん達が疲れちゃったから今年はこうしているのかもよ」

などと慰めて、もう終わりにすることにした。また並ぶにしてもすごい待つだろうし…。

タク
アルパカとタク。

動物園のコーナーを離れ、食べ物の屋台が並ぶ構内を歩いていると

「おなかすいたよう」

とタク。動物園が期待はずれだったので、なんか食べたいモノを買ってやろうか、と考えていると

「チュリトスはいかが〜」

とか

「チョコバナナおいしいですよ〜」

と美人女子大生の売り子達が、屋台から声を掛けて巧みに子供達を誘惑してくる。

「えーどうしよっかなー」

何故か僕がひっかかり、どれか買う気になっていると

「チュリトスがいい!」

Rとタクは珍しく意見が合い、チュリトスに決定。「どの味にしますか〜」なんて言われて決めている時に

「去年も買ったんだよ〜」

などとタクが調子良く女子大生に言い、「えっ?!」と驚かせていた。そういえば…と僕はタクに言われるまで忘れていた。僕も忘れていた去年のことを覚えているなんて大したものである。ウチの子、記憶いいんすよ、ははは、

…と、アルパカ見た後は親パカになってしまった。

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■貼れ貼れユカイ。
2011年11月05日(土)
我が家には様々な貼り紙が壁に掲示されていて、その全てが娘・R(8才)と息子・タク(6才)の仕業である。

「きょうの ひざし またあした」

などと書かれている、意味不明なR自作の歌の歌詞や、

「ラブようちえん、11/5オープンです」

妄想上でRが運営している幼稚園の告知や、

「あたらしいポケモンをかんがえてください。しめきりは11/20まで」

業務連絡みたいなものまで様々である。普段、タクは「タクぞう」と呼ばれていることが多いので、

「タクゾーン:タオルふんふんポケモン、ってのはどうだ」

と僕が言ってみたところ

「なにそれ、やだー!」

とか言われつつも次の日にはその「タクゾーン」なるポケモンの絵や必殺技の設定が描かれ、隣に貼られていた。

このようにどんどん増殖する我が家の貼り紙に、僕もなんとなく対抗心を覚え、

Perfume
こないだPerfumeのCDを買った時にもらったポスターを貼ってみたら、

「パパ、まだパフューム好きなの?」

タクに妙に醒めたことを言われてしまった。「まだ」ってなんだ「まだ」って。誤解して欲しくないのは、僕は決してアイドルオタクというわけではなく、Perfumeの楽曲は、僕が昔から大好きだったテクノやハウスといったクラブミュージックと引けを取らない優れたレベルにある質の高いモノであり(以下略)。


ちなみに最近はNegicco(ねぎっこ)という新潟のご当地アイドルも好きである。こちらの楽曲も陳腐なアイドルソングではなく(以下略)。

Rもタクも、ポケモンとか仮面ライダーにはまる前はDVD見せろとかうるさかったくせに。Rが幼稚園の年中の時に、お遊戯会に使われる曲がPerfumeだったので大喜びしたものである。なので

「君たちだってまだ好きだろう」

と答えると

「じゃー山田先生にも言っておくよ!パパもパフューム好きだからって!」

そのお遊戯会の時にPerfumeの曲をセレクトし、自らもPerfumeになりたい、と園児達に公言しているという山田先生に言いふらすという。

「そんなこと恥ずかしいから止めろ!」

止めろと言ったところでタクは絶対言うに違いないが、とりあえず強い口調で止めてみると

「Rが年中の時にもう言っちゃってるよ。先生笑ってたし」

Rが得意気に横から口を挟んだ。そうだった。既に年中のお遊戯会の時に言っていたのだった。

「あとねー。『パパはいつもたっくんのことをタクゾーってよぶんだよ』って言ったらやっぱり笑ってた」

ああ、子供達の軽い口のせいで、またかかないでよい恥をかいてしまった…。

なんでそういうどうでもいい情報ばかりを先生にダダ漏らしするのか。先生といっても山田先生はまだ女子大生と言ってもいいぐらい若くて可愛いんである。アイドル好きオヤジとか思われてるとか最悪である。

そんなわけで、ポスターは貼りつつ恥を上塗りしてしまったという話だったとさ。

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■日芸
2011年11月04日(金)
昨日の日記の通り、今日は祝日であったが子供達が疲れているため家でゴロゴロする、と決めた日であった。

しかし

「やっぱりなんかして遊びたい〜」

息子・タク(6才)が言い出し、娘・R(8才)と家の中で暴れ出したので、ちょうど近所で開催されていた日芸の大学祭に行ってみた。

キャンパスに入ったところで学祭スタッフらしき女子大生が駈け寄ってきてRとタクに風船をくれた。うーむ、なかなか近隣住民の扱いに慣れている。また、

「スタンプラリーやってまーす」

と学祭のパンフレットを貰った。そこにはスタンプラリーの台紙が添付されており、それを見ただけで

「スタンプを探そう!」

Rとタクの目の色が変わった。君達こういうの大好きだよね…。さすが芸術学部だけあって、写真や造作物、映画、ミニFM放送といったアートな展示ばかり。僕はそれらを見て回ったり、ミスコンとかカワイイ女子大生を眺めたりしたかったのだが(こっちが本命)

「はやくこっちに行こう!スタンプがあるかもしれない!」

とタクがとっとと先に歩いて行くかと思えば

「たっくん先に行かないで!Rが見つけるの!」

Rも対抗心ムキ出しで追いかける。人がたくさんいる中、ふたりを見失わないように追いかけるのが精一杯で、じっと展示や女子大生を眺めるヒマなんてなかった。

こうして大学内を駆けずり回ってスタンプをコンプリートしたRとタクはようやく落ち着いたようで、周りを見る余裕が出て来た。特撮部なるサークルが制作したヒーローものの映画を観てみたり。

僕はコスプレした女子大生が踊っている姿をじーっと見ていたら近所の奥さんにばったり遭遇して気まずくなったり。

卒業してしまうと大学の中のことは別世界のように見えてしまう。なんだかみんなやりたいことを思いっきりやっているようでいいなあ…。僕も昔は大学こそ違え、あの中にいたんだよなあ…などと思うとなんだか切なくなってしまった。

祝日が明けて明日から、またいつもの生活が始まる…。

スタンプだけに、判で押したような…。

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■東京ディスディニーランド
2011年11月03日(木)
「11月3日はディズニーランドに行くんだよ!」

「えー!」

10月の終わりに娘・R(8才)と息子・タク(6才)からそんな話を聞かされてびっくりした。

「誰と?」

「家族で!」

「えー!」

ていうか僕、家長のつもりだったが決定権はないのか。ただのうんこ製造機能付きATMとしか見られていない可能性があり、若干鬱になった。嫁によると、子供達は11月3日も休みだし、その前に11月1日も休みなのだという。Rの学校は創立記念日でタクの幼稚園はなんかの振替休日だとのこと。

「飛び石連休だから、どっか行きたい」

という趣旨でのようである。しかも3日のディズニーだけではなく

「1日は『アソボーノ』に行くんだよ!」

アソボーノという、東京ドームシティにある室内遊戯施設に行くのだという。ここは土日祝日だと1時間単位でお金を取られるのだが、平日だと時間無制限なのでお得なのである。それは嫁が連れて行くとしてどーでもいいのだが、

「3日にディズニーかあ。混んでるよねえ…」

僕にとってのディズニーランドは、高い料金を払うと長時間並ぶ苦行を受けることが出来、忍耐力を養える修行場のようなところである。昔、ハドソンソフトが出したゲームで、ディズニーランドをもじった「デゼニランド」というのがあったが、とにかくカネが出るし、簿ランドを取り仕切ってるボスネズミの声はマイケルジャクソンみたいに甲高いし正直あんまり行きたくない。

「1日にディズニーに行けばいいじゃん!」

平日だから多少空いているだろうし、君らで行ってくればいいのに、と嫁に言ったところ

「えー。ディズニーを私ひとりで子供ふたり連れて行くのはツライ」

とのこと。嫁が子供達と並んでいる間に僕が別の乗り物のファストパスを取りに行く、といった戦略ができないし、嫁自身も楽しみたいし、等々つらつらと語り出しおった。

「じゃあ行きますか」

もう子供達は行くってことで頭が固まってるし、覚悟を決めるしかなかった。それが10月31日の話だった。

ところが翌日の11月1日。嫁と子供達は昼間アソボーノに行ったらしいのだが、オープンから閉店時間まで力の限り遊びまくったため

「疲れたから3日のディズニーは行かなくていい」

「なんだそりゃー!」

ということになってしまった。僕が夜仕事から帰って来た時、Rもタクもなんだかぐったりしていて

「3日はおうちでゴロゴロしてるー」」

すっかり年寄りみたいなヘロヘロっぷり。しかしディズニーに行くこと自体は諦めてないらしく

「11月20日のパパの誕生日に行くことにした!」

「えー!」

何故か僕の誕生日がターゲットにされ、これもまた決定事項らしい。本当に僕に決定権はないのだなあ…。僕の誕生日なのだから、僕がやりたいこと、行きたいところを選びたいモノだが…。

ディズニーランドよりもこっそり石鹸ランドに行きたいものである。

ファストパスよりフィストファック。なんちて。

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■ちびR子ちゃん。
2011年11月02日(水)
「Rね、すずきさおりちゃん(仮名)のお姉ちゃんのこと、あんまり好きじゃないの」

滅多に人のことを悪く言わない娘・R(8才)が口を尖らせて話す。珍しいことだと思った。すずきさおりちゃんとはRと同じクラスの女の子。授業参観や運動会などで僕のようなヤバげなおっさんにもニコニコと話しかけてくるので覚えている。

さおりちゃんはそんな感じで明るくて良い子だと思うのだが、そのお姉ちゃんはそうでもないのだろうか。

「なんで好きじゃないの?」

と会話に乗っかってみたら

「あのね、Rのことを『おっちょこちょい』って言うのよ!」

「えー。Rがおっちょこちょい…か」

どちらかというとRはおっちょこちょいより「どん臭い」というイメージなのだが…。早い者勝ちのお菓子を素早くダッシュしてゲットしたけど落っことしてしまうおっちょこちょいより、人を押しのけて前に出ることが出来ず貰い損ねるタイプ。

しかし学校では僕の知らないRのおっちょこちょいな面があって、さおりちゃんのお姉ちゃんはそれを見ているのであろうか。

「あとね、Rのことを『チビちゃん』っても言うのよ!」

「あはは」

それは事実だからしょうがあるまい。学年1のチビちゃんだからなあ。しかし「おっちょこちょい」に「チビちゃん」か…。そしてそれを怒るR。なんだかまるで

真澄とマヤ
速水真澄と北島マヤみたいだ(「ガラスの仮面」を知らない人は名作なので今すぐ読もう)。

「ひょっとして、意地悪で言ってるんじゃなくてRのことを可愛がってるのかもよ?」

プリプリしているRをそうなだめてみると

「そうかなあ…」

なかなか納得できないようであったが、そんな様子のRもカワイイ。さおりちゃんのお姉ちゃんがどんだけ年上か知らないが、Rを「チビちゃん」と呼んで可愛がっているのではないだろうか。

僕もチビだったので「チビ」と呼ばれるのが嫌なのはよく分かる。だから僕はRには言わないが…。そんなチビな僕はチビのまま大人になり、エッチになったため、エンピツのような人間になった。

すなわち体の一部の芯が硬いエッチビーである。

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