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■午前0時の嫁メール
2008年02月29日(金)
今年になってから日付が変わるまで仕事が終わらないことが時々あって。

「大丈夫かい?」

0時を過ぎると嫁から必ずメールが入っている。それを見ると「遅くなる」と予めこちらからもメールを送っておけば良かったといつも思うのだが、そんなことする気力もないほど疲れているのが常である。

昔…新婚ホヤホヤだったころは「帰宅が0時を過ぎる場合は必ず事前に連絡すること」というルールがあった。僕が夜の街でどこぞのギャルとウハウハしているんじゃないか、と気が気でない嫁の提案だった。うっかり怠ると激しく非難されたものである。

しかし結婚してから早幾年、僕がギャルにモテる甲斐性もないボンクラだということがばれ、子供が生まれてからは嫁のラブラブ度も急速に消滅し、僕が夜まぐわいを要求しても

「うざい。外でやって来い」

とまで言うようになったから、そのルールは最早風化したと思い、最近は別にメールしなくてもいいかとタカをくくっていたのである。

今日も午前2時に帰って来たら当然嫁は寝ていた。翌朝起きて、ぼけーっとしていると

「大丈夫かい?」

嫁がメールと同じことを言って僕の顔を覗き込んだ。

「ああ、昨日はすまんね」

もしかして今でも僕が浮気してるんじゃないかと心配しているのだろうか。ということはまだ僕に惚れてんのかゲヘヘ…とまんざらでもない思いに浸っていたら

「0時過ぎると心配なのよね。さらわれちゃったんじゃないかと思って」

そっちの心配か!なにその子供が遅くまで帰ってこないから心配、みたい子供扱い。僕はそこまで甲斐性がないように見えるのか…。

「今日やらせて」

僕はもう大人なんだという意思を示すと

「毎度の月イチ血まみれフェア開催中です」

つれない答えだった。

僕は下半身だけは大丈夫である。

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■お前を雛人形にしてやろうか
2008年02月28日(木)
明かりをつけましょ爆弾にぃー。ドカンと一発はげあたまー。

娘・R(4才)と息子・タク(2才)が雛壇に向かって座り、何やらもそもそ話をしていた。

「すてきでしょ?」

と雛人形を指差すRと

「やだ、こわあい」

と怯えるタク。

「あいすくりーむが食べられますように」

何故か雛壇に手を合わせているRと

「ぱぱ、おばけがいっぱいいるー。やっつけてー」

雛人形達をショッカーのように見るタク。仲良さそうに遊んでる風に見えたがふたりの会話は全然噛み合ってなかった。

タクの気持ちも良く分かる。実は僕も雛人形というか日本人形は苦手で怖い。おそらく寝起きに枕元に雛人形があったら多分泣く。泣いて栃木の実家に帰る。そして僕が子供の頃からある実家のフランス人形のスカートをめくって心を落ち着かせるだろう。

しかしRはやはり女の子。

「おひめさま、すてきねー」(「お姫様」と「お雛様」を混同している)

とウットリしながら雛人形をゴソゴソといじくっていた。何をしているのだろうか…と覗いてみると

三人官女
「うわははははは!」

三人官女のひとりがカレーを持たされていた。

「これ、Rちゃんがやったのか?」

「うん。かれーやさん」

袴姿でカレーを運んできたらそれこそインド人もビックリだろう。思わず10秒ほど大爆笑してしまった…。怖い雛人形もこのようにすれば親しみが湧くというものなのかもしれない。

僕も五人囃子に何かを持たせて…おおそうじゃ、囃子だから楽器が良かろう。5人でバンド編成。派手なギターのおもちゃでも持たせればハードロックバンドの出来上がりである。そして僕が中学生の頃大流行りしていたあのロックナンバーを歌うのだ。

うおーお。りーびんおんなぷれいやー♪

バンド名は勿論

「あかりをつけましょ、ボンジョヴィに」

である。

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■みかんを粗末にする奴は、みかんにやられて死んじまえ
2008年02月27日(水)
ある休日の昼下がり。僕のアレは右曲がり。

「買い物に行って来るから」

嫁が出かける支度を始めた。

「あい。行ってら」

僕は娘・R(4才)と昼寝している息子・タク(2才)がいるので留守番である。

「カップヌードル買ってきてあげるからね。88円だから!」

「あ?ああ、カレーのをよろしく…」

僕がカップヌードルをリクエストしたのは確か数ヶ月も前のことになるが、徹底的に安くならないと買ってくれないようである。

「Rとたっくんにはみかんを買って来てあげるからね〜」

嫁はそう言い残して買い物しようと街まで出かけて行った。さすがに財布は忘れていない。

「ママ、みかん買ってくるって」

「うん、君達大好きだからな」

Rもタクもみかん大好き。まさにみかんの大器よ、としばらくRと遊んでいるとチャイムが鳴った。

「だれかきた!」

とRが浮き足立つ。

「はいはい、パパが出ますよ」

扉を開けると、ついこないだ引っ越して来たお隣さんが立っていた。

「あのーコレよかったら…実家の母がダンボール1箱分送り付けて来て…」

みかんをたくさんもらってしまった。このお方、引越しの挨拶の時はうなぎパイをくれた。そして今日のみかん。ご実家はどこですかと聞かなくても思いっきり分かりやすい。この次はお茶かサッカーボールでも持って来てくれそうな勢いである。

うなぎパイとみかんに対抗するためには、僕も栃木名物レモン牛乳と「とちおとめ」あたりをお返しせねば…と考えたがそれどころではない。お礼を言って扉を閉めたらすぐさま嫁に電話。

「みかん買っちゃったか?実は今お隣さんからもらってしまったよ」

「うそ。もう買っちゃったよ」

「返せないか?」

「えー…」

「20個ぐらいあるんだよ。その上お前が買って来たら食べ切れないだろう」

「そうだけどさあ」

「残ったみかんはそのうち腐って『俺達は腐ったみかんじゃねぇ!』って加藤が暴れ出すから…」

「はいはい分かりました」

やがて帰って来た嫁は、言われたとおり返品したと語った。

「でもなんか知らないけど『え、返品っすかw』ってスーパーの兄ちゃんに笑われたよ」

「別におかしくないじゃんねえ」

「ねえ」

余程貧乏臭く思えたのだろうか。

お土産のカップヌードルは1個だけだった。僕の好物なのでもう2、3個買っても罰は当たらないというのに、ホントに88円分しか買ってくれないとは!スーパーの店員と嫁の態度は

誠にみかんに存じます。

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■父は二度死ぬ
2008年02月26日(火)
家族でどこか店に行って昼飯を食うべという話になった時の話。

「Rちゃん、たっくん、何が食べたい」

娘・R(4才)と息子・タク(2才)に聞いてみると

「お子様焼き!」

「お好み焼きだろ!君達焼かれてもいいんか!」

「えー。じゃあオムライス」

オムライスは子供達のリクエスト率が高いメニューである。お陰で近場でどの店でオムライスが食べられるか詳しくなってしまった。

今回はその中からイタリアンだけれどもオムライスもある店で食べることにした。

「くつ、ぬいでいい?」

「たっくんも、くつ、ぬぐ!」

イタリアンだろうがバタリアンだろうが店に入ると必ず靴を脱ぎたがるRとタクは生粋の日本人。脱いでくつろいだRはメニューをペラペラとめくる。

「じゃあRちゃんがお話してあげますね」

メニューを絵本に見立てて「絵本読みごっこ」をしようと言うのである。いつも嫁や僕がやっていることをRもやってみたくなったのだろう。

「ほー。Rちゃんがお話してくれるのか…いや、だがちょっと待て」

以前「お話してあげる」と言った時に聞いたRのオリジナル物語は、確か僕が死ぬ話ではなかったか。僕は病院で死んで、何故か夜帰って来るという訳の分からない話。

物語の持ちネタが増えていなければまたその話をするはず。ここで死亡確認されてしまうと、死人に口なし。口がないとオムライスが食べられないではないか。だから「待て」と言ったのだが、Rは僕の制止に耳を貸さず

「パパは、しんだ…」

…ああやっぱり。そのプロジェクトXみたいな低くて暗い口調はやめてくれ。しかも店の中で…。タクはまだ「死」の概念が分からないらしく聞いちゃいなかったが、そのうち絶対「パパ死んだ物語」をふたりでステレオ状態で語りかけてくるに決まっている。この子達はそういう姉弟だ。

Rは僕を葬った後、タクと半分ずつに分けたオムライスをペロリと平らげた。

「おいしかったか」

「うん。おいしかった」

「たっくんも、おいしかった!」

ぼ、僕が今死んだらこのオムライス代も払えないんだからね…。

僕にとっては「弔いす」になってしまったとさ。

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■胸騒ぎの餅つき
2008年02月25日(月)
近所の商店街で餅つき大会があったので行って来た。娘・R(4才)も息子・タク(2才)も餅大好きなのである。

商店街のおやじ達が見事な腰付きで餅をスパンスパン付いており、子供達とじっくり見る。きっと夜の腰付きも凄いに違いなく、来てよかったと良かった探しひとつ発見。

そばに用意されたテーブルで付きたての餅をんがんぐ食べた。

タク
鬼瓦権造タク。

空いていた前の席に

「ここいいですかぁ?」

と高校生ぐらいの女の子ふたりがやってきたので

「どうぞどうぞ」

と答えると座って餅をガツガツ食べていた。なんならおじさんの膝の上に座って欲しい。

Rとタクはあんこよりきな粉餅の方が好きである。僕は女子高生の○んこの方が好きだが。

「きな粉餅食べるか?」

と見せてみるともうきな粉餅だけを徹底して食べる。むしろ餅よりきな粉が好き。餅がなくなった後もきな粉をかき集めてペロペロ舐めている。

R
どんだけ粉好きなんだ。きな粉をあらかた舐め尽した後でも

「パパ、こな、こなちょうだい」

と叫ぶ。シャブ中か。ときに餅つけ。いや落ち着け。

「もうそれでおしまいなんだよ」

「こな、こなああああ!」

もうまじで禁断症状。

目の前では先程の女子高生達もきな粉餅を食べていた。空いた皿に大量のきな粉が残っている。あれ、もらえないかなあ…。食べているのが女子高生ではなくオヤジだったら、そんなもん絶対子供達の口に入れたくないと思うのだが、女子高生が食べ残したきな粉…というのはなんとも魅力的であり、子供達に与えても何ら問題はない。むしろ僕が舐めたい。

とはいえ僕が「そのきな粉くれる?」とか言ってしまうとたちまち変態扱いされ、杵で突かれまくるであろう。きな粉。それは魔法のパウダー…と呟いていると

「はい、もうおしまいですよー」

嫁が容赦なく切り上げ、餅つき会場を後にした。

「この子達のきな粉好きは凄いな」

と嫁に言うと

「さっきの向かいの女の子達のきな粉、もらえないかなーって思ったよ」

なんてことを返事するので

「なんだ、同じことを考えていたのか」

ふたりで苦笑。

「パパ、おんぶ〜」

歩き疲れたRが甘える。

「はいはい、それくらいなら…」

お安い御用と僕はRをおぶって歩くのであった。

気は優しくてきな粉餅。

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■練馬レッズ
2008年02月24日(日)
仕事から帰って来ると、息子・タク(2才)の顔が

タク
ギャアアアア。返り血を浴びたような赤。ちょっとそこで3人ばかし殺ってきましたって感じの殺人鬼すなわちマーダー面である。タクと娘・R(4才)はちょうどマーカーを片手にお絵かきの真っ最中。原因は火を見るより明らか。

僕もこんなツラになったことある。あれは高校生の頃…夜ライスチョコを食いまくったため、翌日数学のテスト中において元祖鼻血ブー伝説。答案が血に染まった。

「せ、先生…」

パニくって助けを求めたら

「俺、ティッシュ持ってないよーん」

教師の反応はとても冷たいものであった。逃げるようにトイレに走り、手と顔を洗おうとしたら鏡の中に血まみれのマーダー面の僕が映っていた。タクのこの顔も、血は争えないという話なのか…と考えていたら

「Rちゃんもお顔に色塗ったのよ」

得意気に語るRの顔も返り血マーダー面でギャアアア。Rの顔はタク以上にひどくとてもお見せ出来る状態ではない。特に目の上から眉毛までの間が真っ赤で

京劇
京劇のような顔になっていた。Rの背後からドラの音が聞こえてきそうだ。

「なんで目の上が特に赤いのかな…?」

「うさぎさん〜」

「ああそうねえ、うさぎさんは目が赤いからねえ」

さすがに眼球を塗りまくるほど無鉄砲ではないようだが、もう、バカなんだからっ。ふたりともこんなマーダー面でかくれんぼをしようものなら

「もういいかい、マーダーだよ」

ってやかましいわ。

「かぶれちゃうんじゃないかと思って心配でさー」

嫁も呆れ顔である。

「あーあ…なかなか落ちないぞコレ…」

お風呂で洗ってもなかなか落ちぬ。特にタクの鼻と頬のラクガキが濃く、もういいやその顔で寝ろ、としたら赤い顔のままで寝てしまった。

「明日もこの顔か…」

なんというアホな寝顔であることよ…と眺めていたら

「しょうがないでしょう。でもかわいいわ」

と嫁が笑った。そう言われて見ると確かに多少ヤンチャな可愛い寝顔と見えないこともない。酔っ払いのような赤ら顔だけど。

これも紅顔の美少年というやつなのだろうか。

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■鼻言葉はジュテーム
2008年02月23日(土)
「パパ、おはな〜」

「パパ、はなみどぅー」

娘・R(4才)も息子・タク(2才)も鼻水垂らしまくりの鼻盛り。はいはいとティッシュを出し、拭いてやる。ケツを拭くだけじゃなく鼻水も拭くのが親なのさ。

「私も…」

子供達だけでなく嫁もハナタレであった。しかし嫁は拭いてやらない。

「お前は花粉症じゃないのか」

「風邪だか花粉症だか、何がなんだか…」

鼻の人妻。花の女子高生、花の二区などと比べるとどうしようもないくらいみすぼらしい。

…とバカにしていたら僕も鼻盛りになってしまった。抹茶アイスのような色の鼻水が出て来た時は、ホクロから毛が生えてきた時ぐらいに自分の体がイヤになった。鼻が詰まった時は、小島よしおを見るとよい。

「もう、つまらない」

なんつって。しかし小島を見ても鼻水は止まらず、鼻水と性欲は関係ねえとばかりに嫁を襲おうと思った。僕は鼻盛りにて男盛り。そして願わくば女体盛り。子供達が寝静まった後、嫁も早々と布団に入ろうとするところを捕まえて

「なあ嫁。一緒に汗と鼻水を流そう…」

と鼻の都パリに誘おうとすると

「子供抱えてなかなか医者に行けないから、いっぱい寝て治そうとする私の努力が分からないの?」

と言われてしまった。

「僕も花粉飛ばしたい」

「だからー私は治そうとしてるの。察しろ」

あ、KYってやつ?僕に空気読めと?どうしてもやりたいなら空気嫁(ダッチなワイフ)とでもしてろと?しかしそんな文明の利器ならぬ文明の性器は我が家にはない。僕らの仲を引き裂いた鼻水が憎い。

空気読めない僕と
やる気読めない嫁…。

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■恐怖のR.S.V.P.
2008年02月22日(金)
今日は子供達が寝る前に帰ることが出来た。

「ぱぱ〜」

「おお我が子達よ」

駆け寄る娘・R(4才)と息子・タク(2才)をガッチリと抱く。その感動の再会を

「実はRちゃん怒ってるのよ」

駆け寄らない嫁が不穏なことを言って水を差した。ぶっかけたろか。

「なんで怒ってるの」

「あなたがRちゃんにお手紙書いてあげないから」

ええええええ。

「Rちゃん、そうなのか?」

「うん。Rちゃんおてがみ書いたのにパパおへんじくれないから…」

「お手紙って…どんなお手紙だったっけ?」

黒ヤギさんか僕は。

「きょうあげたでしょ!」

「…ひょっとして朝くれた絵のことかナ?」

「そうよ」

ありゃ手紙じゃねえ、ラクガキだ、字などビタイチ書かれてねえ!と言いたくなるのをぐっと押さえ

「ごめんなー。じゃあお返事書くからなー」

「おてがみくれないといっしょにねてあげない」

そんなご無体な。何日か前の日記にも書いたRの手紙ブーム。あれは一過性のものではなかった。ただ催促されたものの時は既に夜深し。いつまでもじゃれ合って寝る時間が遅くなると嫁の雷が落ちるのは確実なので

「今日はとりあえず寝なさい。朝までに書いてあげるから」

としようとしたが…やはり考え直した。夜中煮詰まって書く手紙ほど恐ろしいものはない。テンションが勝手に高まり、

「僕たち、ずっとずっと一緒だよって誓い合ったよね。
 抱き合ったあの時、君の儚いぬくもりを感じていたよ。
 だけど、ひとりで過ごす夜はいつもいつも寂しくなってしまうよ。
 だから君の寝顔をそっと眺めてしまうんだよね。
 つるつるのほっぺたを、つい撫でてしまうよ。
 君の人生という旅路は、まだ始まったばかりなんだからね」

えてしてこのような浜崎あゆみが乗り移ったとしか思えないような文章を書いてしまうものである。翌朝見直した時の恥ずかしさは、崖から竹馬でダイビングしたくなるほどの破壊力である。だからささっと今書いてしまおう。

「じゃ、ちょっと待っててね」

急いでペンを走らせると

「Rちゃんもみっちゃん(幼稚園の子)におてがみ書くー」

Rも僕の横で手紙を書き始めた。Rの友達のみっちゃん。キッチリカッチリ真面目な子だが、その分ちょっとキツいところがある。タクなどよく怒られている。そんな子である。

なるほど幼稚園で流行ってるからこんなに熱心なのかな…とRの手紙を覗いてみると

「みっちゃんへ。あんまりおこらないでね」

と書かれてあった。親として書き直させたほうがいいのだろうか、とちょっと脂汗が出た。

「ほら、書いたよ」

夕飯は何を食べたの、だのそんな他愛のないことを書いて渡してやると

「きよーうーのーごーはーんーはーなーにーをーたーべーたーかーな」

ひと文字ひと文字をなぞるように読むRと

「ゆめはらのぞみはちゅうがくにねんせい。さんくるみえーるがくえんにかよっています」

朗読するRを真似たいのだが、字が読めないので暗記しているプリキュアの絵本本文を勝手に読み上げるタク。読み終わった後、Rは手紙を枕元に置き

「じゃあパパとねる〜」

僕はようやく一緒に寝られたのであった。しかしこれはたとえ絵のラクガキでも返事を出さなければならないという掟が生まれた瞬間でもあった。ラクガキでも…返事…。

ま、ワルガキよりはいいか。

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■要求ハンズ
2008年02月21日(木)
息子・タク(2才)の手に握り締められているもの。

それはバイキンマンカード。

先週東京タワーに行った際、タワーの股下にあるビルの屋上遊園地で乗ったアンパンマンの汽車。乗る時にお金を入れたら

「カードを取ってね」

とアンパンマンが喋りながらカードがにゅっと出てきたモノである。バイキンマンはタクが好きだからタクにあげたところ、ずっと握り締めたまま離さなくなってしまった。一日中、一週間も握り続けているものだからもう折り目がつきまくり色も落ちてボロボロになっているのに、絶対捨てようとしない。

片手に〜ピストル〜心に〜花束〜♪という沢田研二の歌があったが(古いなあ)、タクは片手にカード、お顔に鼻水である。

今朝、まだ僕が寝ていた6時ごろ、タクがいきなりがばっと起きて

「ばいきんまんのかーどは?ばいきんまんのかーどはあああ?

と泣き叫ぶものだから僕も目が覚めてしまった。既に起きていた嫁が

「昨日公園で遊んでた時になくしちゃったんでしょ!」

と言っていた。ああ、遂になくしちゃったのか…と寝ぼけ頭で思い、僕は寝直した。

翌日、会社から帰って来ると

「ばいきんまんのかーどは?ばいきんまんのかーどはあああ?」

タクが相変わらず叫んでいるので恐ろしい執念であることよ。

「公園でなくしちゃったんでしょう?」

と言うと嫁が

「ほれ」

みすぼらしくもヨレヨレなカードを投げるではないか。

「え、公園でなくしたんじゃなかったのか」

「今日探したのよ。あんまり泣くもんだから…」

そこまでするか。あまりにもバイキンマンのカードは?とタクが悲しむものだから、わざわざ公園で探しまくって遂に見つけたのだという。見付かった時のタクの顔は

「今まで見たことのない、なんとも言えない笑顔…」

だったという。

「ボロボロになろうと関係ないんだね…」

タク(2才)の手に握り締められているもの。

それはタクにしか掴めない彼の夢なのかもしれない。

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■スイーツ(笑)頑張った娘へのご褒美(笑)
2008年02月20日(水)
娘・R(2才)とお風呂に入っている時、ホワイトデーとは何ぞやということを話した。

「Rちゃんはパパとたっくん(2才の息子)にバレンタインデーにチョコレートくれたでしょう?」

「うん」

「チョコをもらった男の子がお菓子をお返しをするのがホワイトデーなんだよ」

「Rちゃんがだいすきなおととのこ(男の子)はパパとたっくんなのよ」

きゃああああああ。チミに胸キュン。次に話そうとしていた言の葉が詰まって出て来ませんわ。

「あ、あのね、Rちゃんはどんなお菓子が欲しいかナ?クッキーとかなんだけど…」

涎を押さえながら必死の思いで言うと

「えっとねー、ちょこくっきーが食べたい!」

なるほどな、というリクエストが帰ってきた。

「たっくんもちょこくっきー!」

タクもRの真似をして答える。スーパーでミスターイトウのチョコハーフラングドシャクッキー(僕の好物)か、秋葉原名物メイドクッキー(メイドは好物)あたりを買ってお茶を濁そうと目論んでいたが、去年の日記を見てみるとなんとケーキを買っているではないか。何気合入れてんだ自分。

全然関係ないが、ミスターイトウと聞くとどうしてもエスパー伊藤といとうせいこうの顔が思い浮かぶのは僕だけであろうか。

さて今年はデパ地下のスイーツ(笑)売り場あたりで物色しようかと考えていたら、ある美味しいものを思い出した。

ロイズのポテトチップチョコである。正確にはクッキーではないが、去年札幌に行った時に買ってみたら美味いのなんの。

札幌では一緒にいた悪いおじさんに連れ回された挙句、最後にススキノのドエロなお店に連れて行かれ、誘ったくせに「自腹で」とか言われ「おごりじゃないのかよ」とツッコミを入れたくなったものである。ツッコミする店だけに。

乗りかかった船ならぬ乗りかかった女体ということで、せめて自腹分だけは楽しんでやろうとしたが、それまで鯨飲していた酒が思いっきり回って来、女体どころではなくなり吐きまくりにて退散。翌日ひどい風邪を引いた。そんな苦い思い出の中の、唯一の甘い思い出がポテトチップチョコなのである。

チョコクッキーのリクエストはそれに決めた。自分の分も含めて大量に買ってやる。但しロイズのお菓子は白い恋人のように基本的には北海道でしか売っていない。ネットで買えることは買えるのだが送料がかかる。あとはデパートあたりで「北海道物産展」みたいな催事がタイミングよく開催されているのを探すか。なかなか手間がかかる。

ホワイトデーのチョコクッキー。それなりに手間暇かけたほうが楽しいということもあるが…。

ちんこ勃起ーならすぐ手元にあるのに。

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■股、会う日まで
2008年02月19日(火)
こんなことを書くと息子・タク(2才)がかわいそうなのだが、多少心配なので書く。

男の大事なシンボルについてである。小さい子のそれは皮がかぶっているので、時々剥いて溜まっている垢を洗ってやらないと病気になる恐れがある、と育児本などに書かれていたので少し気になり、お風呂やおむつを替える時など、たまに剥き剥き洗いをやっていたのである。

嫁にもやらせようとしたが

「私、ちんこの扱い方知らないから無理」

カマトトぶって逃げられてしまっている。

ただタクも黙って洗わせてくれるわけではない。「やーだ、やーだ」と泣いて抵抗を示しす。それでも何とか隙あらばやって来たが、最近はレジスタンスが強まり、手で防御したり腰を引っ込めたりするので、なかなか難易度が高い。

いつしかタクは、僕とお風呂に入る時や着替えさせようという時には

「ちんちん、いたーい」

と僕から逃げるようになってしまったのでこのところやっていない。僕にやられると思って「痛いからやだ」と言っているだけなのだろうか。それとも本当に痛いのだろうか。

本当に痛いなら医者に連れて行かなければならず、嫁に手伝わせてでも剥き剥きして確かめなければならない。しかしあのタクの怯えようはデリケートな部分だけに強攻策を取るとトラウマを残してしまわないかしらん、と判断が難しい。

本来そこまでしなくてもいいことなのかも知れないし、でも現在炎症を起こしてしまっているかもしれない。そう悩んで嫁に聞いてみたところ

「痛いって言ってるのはあなたがいる時だけよ。昨日私とお風呂入った時は『ちんちんびろーん』って伸ばしてたよ」

「はあ?」

…悩むのが馬鹿らしくなってしまった。僕だけ神経質になっていたのかもしれない。

「あなたのお母さんも言ってたけど、あなたのちんこは剥いたことがないってさ」

そ、そんなこと僕をスルーして母に聞くんじゃねええええええ!僕のアレは放任主義だったのか。お陰様で立派に剥けました。男性器だけに、放任主義のタマ物といったところか。

そんなわけでそれ以来、朝着替えさせる度に

「ちんちん、いたぁい」

と逃げようとするタクには

「大丈夫。ウェットティッシュで拭くだけだから、な?」

猫撫で声で捕まえ、ふきふきしながら

「ほら、気持ちいいでしょう」

ソープ嬢になった気分で優しく扱うのであった。

「これからはきちんと自分で皮を剥いて洗うんだぞ」

と言い聞かせたら

「できるわけないでしょう」

嫁の容赦ないツッコミが入ってしまったが…。

僕のアレとタクのソレはまるで別物で、あなたのは恐ろしいと嫁が言う。当たり前である。2才児と同じでたまるか。人のもんを魔物みたいに言うな。タクのは皮に包まれて食べちゃいたいくらい可愛い、と言っていた時の目が半分本気だったので若干引いた。

皮いいベイビー、ってか。

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■愛する娘へ贈る言葉
2008年02月18日(月)
昨日の日記の続きというか、まだまだ続く娘・R(4才)のお手紙攻撃。

「パパ、お手紙書いて〜」

今日も朝も早よから娘に請われるがままレターをライトするミーなのさ。

「パパはラーメンがたべたいなあ」

わりとどうでもいいひとことを書いて渡したら

「もっと書いて」

とダメ出しを食らってしまった。適当なレポート書いたら教授から再提出を食らった大学生の時の思い出が甦る。それではと思い

「Rちゃんとタク(2才の息子)とおそとにあそびにいこう」

朝ご飯食べてプリキュア見たら外に行こうという誘いを書いて再び渡してみた。すると

「もっと書いて」

またダメ出し。どうやら紙一杯に字が埋まるまで許してくれそうにないようだ。じゃあパパ日頃から言いたかったことを書いちゃうからな、と筆を走らせたのが

「トイレはひとりでいきましょう」

このことである。Rは自分でトイレに行けるのだが、僕がいると「パパ、トイレ!」と甘えてしまう。僕がトイレに連れて行き、脱がしてRが終わるまでぼーっと待ち、拭いてやって再び服を着せる…しかも連れて行く時はダッコして、という超お姫様待遇である。

幼年期の成長のため、自分で出来ることは自分でしたほうがいい。トイレで脱ぎ脱ぎ拭き拭きは中学生ぐらいになったらまた喜んでやってやるから…と父の熱き想いを込めて書いた。これで紙も字で埋まったし、文句もなかろうとRに贈った。

「とーいーれーはーひーとーりーでーいーきーまーしょーうー」

思い通り満足したRは、コンピューターの自動音声のようなたどたどしくも変なアクセントで手紙の内容を読んでいた。父の気持ちが伝わっただろうか。

「じゃ、お外に遊びに行こうか」

「いやー。さむいから」

父の想いが…。

「それじゃトイレ行きなさい。おしっこしてないでしょう。お手紙にも書いたでしょう。ひとりで行ってみよう」

「いやー!パパだっこして!」

父の熱き想いが…。結局何も変わることなくRをだっこしてトイレに連れて行き、服を脱がせて便器に乗せて、用を足した後拭いてやり、じゃあパンツを…と履かせようとすると

「まだぬれてるとこあるの!」

お尻の拭き方にもダメ出し!

「自分で拭きなよ」

「いやあんパパふいて」

そんな可愛い顔と可愛いお尻でおねだりしてもこの父は惑わされぬわ!と突っぱねようとしたが

「はい、じゃあ拭いてあげますよ」

惑わされてしまった。Rの桃より可愛いお尻は憎さ余って可愛さ10,000倍。

トイレ独り立ちは今のところいくら言っても書いても無理だと分かった今、次の手紙にはまず自分で拭きましょうね、と書いてみることにしよう、とハードルを下げた僕であった。

これを「拭こうの手紙」といいます。

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■ラブレター・フロム・アナタ
2008年02月17日(日)
私はあなたを愛ウエオ。だから手紙を書きクケコ。

娘・R(4才)にお手紙ブームが起きている。以前は神代文字のような奇妙奇天烈な字だったが最近はだいぶ読みやすいひらがなになってきた。

「おてがみ書いたの。みてみて〜」

とチラシの裏に渡されたものを読むと

「パパ いつも いそ」

"いそ"ってなんだ。

メソ
"めそ"か?

「Rちゃん、いそってなあに?」

「いっしょ!」

なるほどそういうことか。

「パパもおてがみ書いて〜」

僕はRに返事を書かなければならなくなった。このやりとり、何かデジャブを感じる…と思ったらそれもそのはず、Rの名前の由来となった超美少女・Rちゃんともかつてお手紙のやり取りをしていたのである。

近所のゲーセンで知り合ったRちゃんは、ある日僕にチラシの裏に書いた手紙をくれた。それに僕は返事をして、と始まりほぼ1年間続いたのである。その膨大な書簡はかつてヴァチカン宮殿に厳重に保管されていたファティマ第三の予言の如く、今も家の中の奥深くに保管されているが、嫁にはバレバレである。

僕が手紙を渡すとRがそれを読み、また僕に手紙を渡して

「パパもお返事書いて〜」

とまた繰り返し。よしよし、と「Rちゃんかわいいね。だいすきだよ」と書いてまたデジャブ。あああああ初代Rちゃんにも同じこと書いてたあああああ。鼻で笑われたけど…。一文書くたびに過去の甘酸っぱくも苦い思い出が血のように滲み出てくるではありませんか。

「毎日の文通になっちゃうんじゃないの、フフ…」

僕とRのやりとりを見て嫁が不気味な笑みを浮かべた。これは、絶対初代Rちゃんとの文通のことを遠回しに言っている!恐ろしい。なんて恐ろしい因果応報。

「はい、Rちゃん、書いたよ…」

嫁の視線に慄きながらRに手紙を渡したのであった。

嫁にもお手紙を書いた方がいいのだろうか。

フレンチレター(コンドームの意)でも渡してやるか。

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■父を尋ねて30秒
2008年02月16日(土)
朝起きるのが早い息子・タク(2才)と、遅い娘・R(4才)

今日はこれが逆転した。僕は仕事の都合でいつもよりかなり早く起きたのだが、Rも釣られてむっくりと起きた。タクは普段起きる時間になってもまだ寝ていて

「たっくん起きないねー」

とRと話しながらいそいそと準備し、結局タクが起きる前に会社に行ってしまった。

その夜、家に帰って来ると嫁が笑っていた。

「タクが『パパいなーい』って泣いてたよ」

嫁が教えてくれたところによると、タクが起きた時は既に僕はいなかったので、

「パパは〜?」

家の中をうろついて探していたという。僕の部屋に入るとRがおもちゃで遊んでいて

「パパもう行っちゃったよ。はやくおきないとだめなのよ!」

たまたま今日早起きしてただけなのに、ここぞとばかりにお姉ちゃん風を吹かしていた。タクはそれにもめげず、

「トイレにいるかもね〜いるかもね〜」

トイレの中を探したが当然いくら探しても花子さんすらいない。

「いなかったあああああああ!」

遂にどこにもいないと悟り、号泣したのだそうだ。

「あなたが聞いたら喜ぶかなーと思って教えてあげたのよ!」

嫁がうふふふふと笑った。確かに感動したけど、どうしてうちの女どもは男達に対して尊大なのだろう。

Rは僕にベッタリだがタクはどちらかというと

「ママとねるー」

「ママのだっこがいいのー」

などなど、まず嫁にやってもらいたい派なので、そこまでこの父が慕われていたとは…と涙腺が熱くなった。大きくなったら男同士ならではの遊びをしてみたい。時々は悪い遊びも。川原でエロ本探しとかちんちんでチャンバラとか…。

良い日本刀とかけてパパのちんちんと解く。その心はどちらも見事な立ち(太刀)でしょう、ってやかましいわ。

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■チョコレイト・ディスコ
2008年02月15日(金)
昨晩嫁に夜の営みを拒絶され、その悔しさと共に目覚めた朝。

今宵こそは…今宵こそは…ひとつの念に縛られた念縛霊のように頭の中がループしていたら(要するに寝ぼけていたのである)、娘・R(4才)が手渡してくれたものがひとつ。

「はい、パパ」

バレンタイン2008

うおおおおお!これは手作りチョコ!

「ああ、今日はバレンタインデーだったのか…」

すっかり忘れておったことよ。朝イチのチョコ爆撃にすっかり邪念が取り払われてしまった。

「ママとRちゃんで作ったんだよねー」

嫁もしてやったりの顔でニヤニヤと笑っていた。

「Rちゃんは去年も作ってくれたね。ありがとう…」

Rの手紙
しかも熱烈な恋文もセット。必死に解読すると「パパだいすき♥いつもあそぼう なかよくあそぼう」と読める。

「それ、一生懸命考え考え書いてたのよ」

と嫁。もう死んでもいい。いや、Rの花嫁姿を見るまでは死にたくない。いや、Rを嫁になど死んでも行かせない…もう朝っぱらから泣きそうな気持ちになっていたら

「ぶわあああああああああ!」

一足先に号泣している者がいた。息子・タク(2才)である。

「たっくんのちょこは?たっくんのちょこは?ぶわあああああああ」

僕だけチョコを貰っていたので大泣きしたのである。すまん、浮かれるあまり、我が家でもうひとりの男のお前を忘れていたよ…。

「嫁、タクのもあるんだろ?そっち先に出せばいいのに」

「ゴ、ゴメン…」

嫁が慌てて冷蔵庫から僕のと同じようなチョコを出し、Rに持たせてタクに渡すと、あれだけギャンギャン泣き叫んでいたのに

「いえーい」

ものの1秒で満面の笑みのタク。この子のちゃっかり節だけは見習いたいと思う。

「タクもチョコ作ったんだよねー」

と解説する嫁に

「うん。たっくんも、ちょこ、たべたい」

タクはもう食べたい一心のようであった。

「まあこの子は作る量より味見した量の方が多いけど…」

やはりちゃっかり節男。

「じゃあせっかく作ってくれたから、ひとついただこうかな」

「Rちゃんもチョコたべたーい」

「よしよし、みんなで食べよう」

Rはチョコをポリポリとかじる一方で、タクはチョコ1個を丸呑み。うぐうぐ言いながら目を白黒させていた。長良川の鵜か。いつまでもこうして家族達とハートマークに満ち溢れた生活でいたい…と浸っていたのだがちょうど時間となりました。会社に行く時間が来たのでこれにてお開き。

しかしバレンタインイベントはこれだけでは終わらなかった。会社の昼休みに弁当箱を開けてみると

バレンタイン2008
そこにはまたしてもハートマークが。嫁、ノリノリじゃねーか。新婚さんの愛妻弁当だってこんなベタなことはしない。社内で食べるのがものすごく恥ずかしかった。このハートの桜デンブに込められた意味は、

「私の臀部も食べて」

という解釈をして間違いがなかろう。今夜こそはファックインザ嫁ボディ。今宵は今宵こそは今宵こそは…とまたしても思念がループして夜帰宅。きっと嫁は発情モードになって首を長くして待っているに違いない、とそのまま

「バレンタインDAY!破廉恥インDAY!」

と叫んで押し倒したら

「洗濯物たたまなきゃならないから」

発情どころか全く素の嫁であった。あの弁当はなんだったんだ。じらしバレンタインは反対である。うそ。おおげさ。まぎらわしい。

吹けば飛ぶよな洗濯物にすら負けた僕は、それだけ存在価値も軽いということなのだろうか。

バレンタインデー。
嫁がやらせてクレナインデー…。

(3年ぐらい同じオチのような気がする)

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■銀のロマンティック・・・とほほ
2008年02月14日(木)
両足でそれぞれ2冊の本を踏んづけて、ずりずり引き摺りながら歩く娘・R(4才)

「今、なにしてるでしょーか?」

「忍法水ぐもの術?」

「ちがう!すけーと!」

クイズに外れたら娘に怒られたでござる。

「Rちゃん、すけーとする人になりたいの〜」

Rは目をキラキラさせて夢を語った。

「テレビでそういうのやってたのよ」

嫁が言うには教育テレビでフィギュアスケートに挑戦、みたいな番組を見て思いっきり影響を受けてしまったのだという。スケートだったら運動嫌いの僕でもわりと好きである。

初体験は小学校3年生ぐらいの頃。天然リンクと書けば聞こえがよいが、単に田んぼに水張っただけのスケート場に朝連れて行かれ、いきなりリンクに放り込まれて滑って転んでばかりだったが、午後にはいつの間にかはガンガン滑れるようになっていた。

Rと息子・タク(2才)はまだ小さいのでそれは無理だとしても、僕と嫁が手を引いて教えてやればそれなりに出来るようになるのではないか…と思い

「この辺にスケート場あったっけ?」

嫁に聞いてみると近場にあるとの答え。早速ネットで調べてみると

「あ…靴がないわ」

子供達はまだ小さ過ぎて貸靴のサイズが合わないのであった。

「もう少し大きくなってからの方がいいのかな」

と首を捻っていたら、それよりも重要なことを思い出した。嫁、スケートが下手なんである。遠い昔、僕らが大学生だった頃、スケート場でデートしたことがある。横浜屈指のゲイのハッテン場・反町公園の隣にある神奈川スケートリンクで、ヨロヨロと足元がおぼつかない嫁を僕が手を引いて滑ったものである。

嫁は頑張っていたが最後の最後で大ゴケをかまし、

「あなたに尻餅付くところだけは見られたくなかったのに…」

イヤンイヤンと顔を赤らめていたので

「そんな恥ずかしがることないよ」

ジェントルに手を差し伸べてやった青春の日の思ひ出。今だったら置いて帰る。逆にスキーは嫁の方が圧倒的に上手いので、雪山に行った時は僕が屈辱を味わったものである。

尻餅を付くだけで恥ずかしがっていた嫁は、朝、僕に尻を向けながら着替えている。それでいてせっかく向けられているのだからと欲情してかぶり付くと蹴りの反撃を食らうので全く女という生き物は分からぬ。女心と嫁の尻。

話が反れた。

僕が子供達をスケートに連れて行っても、手を引いてやれるのはRかタク、ひとりが限界だと思うのだ。もうひとりは嫁にやってもらうしかないが、この通りの腕前なので期待できない。

「やっぱりもう少し大きくなってからの方がいいのかな…」

Rのやる気がある内に連れて行ってやりたいという気持ちだけが焦る。

「ていうかR、こないだまでバレリーナになりたいって言ってなかったっけ?」

ちょっと前、そんなことを言っていたので、わりと本気でバレエ教室を調べてみたものである。しかしRは

「ばれりーなはもういい!すけーとなの!」

夢を否定したらまた娘に怒られたでござる。夢見る乙女の底力とはまさにこのこと。移ろいやすい乙女の夢であっても、親としてはどこまでも付いて行かねばなりますまい。バレリーナからフィギュアスケートへ。

アン・ドゥ・トロワからアン・ドゥ・ミキへ…。

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■ラブカルチャー
2008年02月13日(水)
息子・タク(2才)が昼寝していたので娘・R(4才)と近所の本屋へ行く。

どうでもいいことだが、この本屋は友達がバイトの面接に受かり、初日にいきなり寝坊をかましたら

「もう来なくていいよ」

速攻クビになったところである。エロ本以上にエロマンガが異常に充実している。それも漫画家とオタクが多いと言われているこの街の特性であり、ある意味カルチャーの発信基地である。僕は娘連れなので当然我慢してエロスコーナーには一切立ち寄らず、ノンエロティックなエリアを物色していたら

「パパ、これおうちにあるよね」

Rが指差す本を見てみると

ガラスの仮面
ガラスの仮面だった。

「そうだね。よく分かったなあ」

表紙などは一切見ていない。この赤い背表紙だけである。家でもRが見ているところでこのマンガを読んだことはない。本当に家の本棚に並んでいる背表紙の記憶だけで分かってしまった。ううむ、幼児の記憶は無駄に凄い。おそろしい子!

本を一冊買い、今度はレコード屋へ。

「パパ、びーぶいでぃーは?」

パンツかよ。

「それを言うならDVDです」

レコードよりCDよりDVDを先に覚えるとはさすが21世紀っ子である。僕がレコードを漁っている間、RはCDコーナーの方へ行ってしまった…と思ったらすぐ戻って来た。一枚のCDを片手に。

「この人はだあれ?」

「え…へヴィメタの人…」

金髪長髪でギターをぶん回しているジャケットのCDを持って来おった。それを元に戻すとまた違うCDを持って来た。

「Rちゃんねえ、このお姉さん可愛いと思うの」

大塚愛
大塚愛だった。僕は知っている。「大塚愛ランド」というデリヘルがあることを…。しかしRには言わない(当たり前だ)

「あはは、そうだね。可愛いね」

しょこたんとどっちがギザカワユスか、しばし真剣に考えてしまったが、Rの目に留まるのはこういうCDなのかと面白く思った。子供と本屋やレコード屋を見て回るのは意外に面白いと気付いた今回の買い物。

重いカルチャーをオモチャーという、と言っていたのはnamcoのCMに出ていた細野晴臣だが、その言葉通り、いつも触れているオモチャーではなくたまには文学・音楽のカルチャーに触れさせてみるのもいいかもしれない。

おそらくはまだ分からないのでオモチャーの方が好きであろうから、ちょっとだけよん。

それはカトチャー。

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■東京毒電波塔
2008年02月12日(火)
世間では3連休だったが、ちょこちょこ仕事したりしてちっともホリデー気分を味わえず窮屈感で潰れそうになっていたため

「どっか行こうぜ。なんか高いとこ行きたい。東京タワーか都庁」

と嫁に意見具申したところ

「はあ?あんたの日記のネタにしたいだけじゃないの?」

なんとも冷たい一言を返されてしまった。一昨日の深夜残業の際、午前3時に帰ってきたにもかかわらず起きて「ごくろうさま」とねぎらいの一言をかけてくれた嫁。あれは冬の夜の幻だったのかもしれない。それでも

「東京タワー行く人〜」

「はーい」

「はーい」

娘・R(4才)と息子・タク(2才)の賛成を得、


僕の陰茎約2,000本分の高さを誇る東京タワーに行って来た。間近で見るとさすがにでかく、

「うわー。おっきいねえ」

子供達のテンションも上がる。

RとタクPerfume
これは東京タワーの真下でPerfumeの「baby cruising love」を踊るR。どうせならピチカートファイブの「東京は夜の7時」をやって欲しかった。

展望台の中では

「パパのかいしゃのビルはどれ?」

「あの遠くに見えるビル。分かるかな?」

「わかんない!どれ?」

「あの赤いビルとグレーのビルの先の…」

東京の大パノラマの中からひとつのビルを説明するのはなかなか難しいものである。嫁ですらようやく分かったのに子供達には尚更である。

「もうめんどいからあの近くのアレでいいよ」

僕は六本木ヒルズ勤務ということになった。わーいヒルズ族。

ひととおり景色を堪能した後、降りてタワーの足元にある東京フットタウンの屋上遊園地へ。

タクR
アンパンマンの汽車に乗ったり子供達にはやはりこっちの方が楽しいようだ。

タク
帰り際に東京タワーを背景に写真をパチリ。この写真、タワーの全景を出来るだけ入れようとして地べたに這うようなローアングルで撮っていたのだが、何故かRがスカートをめくり上げるのである。この画像では分かりづらいかもしれないが、スカートの裾に手を当てている。

これではまるで秋葉原の路上でコスプレギャルを下から覗き上げてパンチラ撮影しているオタクカメコのようではないか。

「Rちゃん、なんでスカートめくるの?」

スカートを下ろしなさいと言うと

「お姫様はこうやってあいさつするの!」

逆に怒られてしまった。ああ、ドレスの裾をちょっと上げてお辞儀するあの仕草ね…。Rはディズニーの白雪姫が大好きなのである。

東京タワーとかけて、お姫様化したRと解く。その心は

クラウザーさん
どちらもお高く止まっているでしょう。

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ベスト10がけっぷちの剣が峰なので盛り返しよろしこ。

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■娘のヘア解禁
2008年02月11日(月)
昨日の休日失禁、もとい休日出勤で見に行けず涙を飲んだ娘・R(4才)の幼稚園での作品展。

嫁が写真を見せてくれたので子供達と一緒に見た。

「あっ星野先生」

Rと一緒に美人の担任が写っていたので心がときめいてメモリアル。しかし彼女の胸にはちゃっかりと抱かれている息子・タク(2才)が。

「タク、お前は園児じゃないだろ」

「甘え上手だから」

と嫁。

「たっくんせんせいすきなの」

とタク。お前は父と違った、母性本能くすぐりによるモテモテ人生を送るがいい。そして僕にも女の子紹介して欲しい。そしたらタクと穴兄弟になったりして。しかも僕が弟。親子にして兄弟とはこれ如何に。

「あ、そうだ。肝心なRの工作は」

それはR達の後ろに写っていた。

「Rちゃん、くるま作ったのよ」

空き箱などを利用して作った、Rの「車」。その車のボディーには、冷やし中華の薄焼き卵のような細長い黄色い紙が何十本もびっしりと貼られていた。

「Rちゃん、この黄色いのはなんですか」

「毛」

「うわあ」

「毛がはえた車が好きなの」

「は…は…は…そうなの」

そんなもんねーよ。敢えて挙げるとすれば

朧車
妖怪「朧車」であろう。普通免許で乗れるのであろうか。しかしRは動物のようにフサフサした車を作りたかったのだという。なんという芸術的センス。

「先生が言ってたんだけど、工作の殆どの時間、ずーっと『毛』を1本1本切ってペタペタ貼ってたんだって」

嫁の話を聞いて、Rの鬼気迫るこだわりを垣間見た気がした。

「Rちゃん…君はアレか、米粒に南無阿弥陀仏とか書いちゃう人?」

「ねえパパ、毛が生えた車がほしいの〜」

こんな難しいおねだりをされたのは初めてだ。かぐや姫かお前は。トヨペットで売ってるかしら。オナペットなら毛がいっぱい写ってるのだが…。

一応検索してみたら、インドの芸術祭に「毛むくじゃらの車」が登場したという。

シロクマ
インドまで行かなければならないのだろうか。インドの山奥出っ歯のハゲあたまんこに毛が生えたぬきの立小便♪

いずれにせよ車なんぞ買えん。

うちは毛の車どころか家計が火の車なのである。

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■労務の休日
2008年02月10日(日)
土曜日は娘・R(4才)の幼稚園で、園児が作った工作物の展示会があると嫁から聞いた。

「会社休みでしょ?行けるよね?」

「うん。多分…」

行けると思うけど、そこはかとなく嫌な予感がし、えてしてそれは当たるものである。前日の金曜日、

「明日来てくれるかな?」

上司から狙ったかのような休日出勤命令にて死の宣告。僕も会社員である。

「…いいとも」

としか答えようがないではないか。せっかく楽しみにしていた土曜日の展示会が…。金曜日のタモだったら「月曜日来てくれるかな?」と言うはずなのに(あ、月曜も祝日だった)

「今日パパお仕事になっちゃったんだ。ごめんなー」

土曜の朝、Rに謝って出勤。12時ぐらいに終わればRの工作を見れるかな…と思いながら頑張った。しかし終わったのは2時であった。

夜中の、2時。

終電がなくなった時は、道路に雪が積もっていたらタクシーでも帰れないんじゃないかとヒヤヒヤしていたが、不幸中の幸い、外に出た時は既に止んでいて歩道にのみ積もっていた。しかも既にグチャグチャで歩きにくい。

まだ工作の展示会やってるかな…やってたら逆に怖いが。

タクシー乗り場には先客がいた。酒を飲んでイチャイチャベタベタしている、まぐわい寸止め状態のカップル。この雪のようにアタシをグチャグチャに溶かしてー!ってか…

ていうかベタベタしてないで早く乗りやがれ!後がつかえてるんだよ!お前らなんか滑って転んでちんこもげろ、と呪いをかけていたら電話が鳴った。

「だいじょうぶー?まだ会社?」

嫁であった。嫁も子供達も寝るのが早いからどうせ深夜帰宅でも爆睡中だろうと考え、連絡をしようとすら思わなかった。

「ごめんねー。今帰るところだから」

「そう。気をつけて」

「帰ったらお前を雪のようにグチャグチャに(ぶつっ)」

…まあいいさ。こんな時に限って目が覚めて気付くなんて、やはり妻であることよ。

ようやくタクシーに乗って帰って来ると、

「おかえり…」

嫁がもそりと起きて、また寝た。雪のように…(もういい)。家の中はカレーの匂いだった。そうだ。今日は9日。Rが生まれた8月9日に僕がカレーを食っていたことにちなみ、我が家は毎月9日は「Rカレー」の日なのである。

R…君の工作を見れなくてごめんよ…。

仕事の量の絶対的な多さはどうにもならないにしても、もう少し要領よくやればRの工作を見るのは無理だとしても、Rカレーをみんなで食べることぐらいは出来たかもしれない。

もっと要領よく仕事をこなす、エグゼクティブでスマートなサラリーマンを目指さなければなるまい。それがRの工作に近づく第一歩。

すなわち島工作である。

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■ボンボリー・ヘップバーン
2008年02月09日(土)
夜、家に帰って来て真っ暗な部屋の中を歩いていると、不気味な人形達の顔がこっちを睨んでおりギャアース!

娘・R(4才)のための雛壇だったのだけれども。ああビックラゲーション。取り憑かれて

「灯りをつけろやコラー!」

「お花をあげろやコラー!」

という狂気の世界に連れて行かれるかと思った。

「まだ雛祭りには早くないか」

「立春過ぎたら出すものなのよ」

と嫁が言った。僕の家族は母以外全員男で、実家に雛壇がなかったので雛祭り経験値が低い。隣の家のジュンコちゃん家で雛あられを強奪していた記憶ぐらいしかない。

お内裏様とお雛様。左大臣と右大臣。そして奇数の人数で構成されたチーム。

三人官女!
五人囃子!
七人ミサキ!
野球部ナイン!
セブンイレブン!
ゴルゴ13!
ナイナイシックスティーン!…あ、偶数になっちゃった。

七人ミサキとは、悪事を働いた者の魂が七人組となり互いの強い怨念で縛られた怨霊集団。絶対七人でなければならず、一人でも欠けると頭数を揃える為、人を殺し引き込む。地方によっては七人ミサキを見た者は必ず死ぬと言われている。

小さい頃の免疫がなかったせいか、そんなことを連想してしまうくらい雛人形が苦手だ。目が合うだけで呪われそうでイヤだ。お内裏様とお雛様がいつの間にか江原啓之と三輪明宏になっていそうでイヤだ。嫁が言うには息子・タク(2才)も

「こわい、これ、こわあい」

と雛壇に恐れをなしていたという。

「まったくヘタレなんだから…」

嫁は苦笑いするが、よかった、仲間がいたわ。

翌朝、僕もタクのリアクションを確かめるために

「たっくん、ほら、おひなさまだよ〜」

タクに話を向けてみると

「やだ、こわあい!」

スタコラと逃げて行ってしまった。嫁の言った通りだった。一方Rはというと

「すてき〜」

やはり女の子、うっとりとして眺めていた。

「ねえパパ。これ食べられる?」

と手にしたのは紅白の餅の飾り。そっちかよ!おそらく正月の時鏡餅を食べたのでこれも後で食べるものだと思っているに違いない。

「あっはっは。食べられるわけないだろ」

「そっかー…」

Rは残念そうに肩を落としていた。しまった。ちょっとバカにした言い方になってしまったか。

「ほらほら、でもこのぼんぼり、ちゃんと光るんだよ」

灯りをつけましょ、しょんぼりに。

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■欲求が不満たれブー
2008年02月08日(金)
人間の3大欲である食欲、性欲、睡眠欲。

真夜中、その3つ全てが同時に襲い掛かって来たギャアース!食べたいやりたい眠りたい。一心同体少女隊。

嫁はもう寝てしまっているので性欲を満たすのは望み薄である。一方飯は温めて盛り付けるだけだから、食欲を満たすことを優先しよう、と台所でゴソゴソやってたら、

「用意してあげるよ」

寝ていたと思っていた嫁がむっくりと起きてきた。珍しく優しいな…と思ったのも束の間、嫁が起きているならばすみやかに欲の優先順位を変えることを決意。

「用意しなくていい代わりにやらせて」

実も蓋もないおねだりをしてみたところ

「やらない代わりに用意します」

先程の優しさはやはり幻だったようだ。夫の欲望をあっさりかわす嫁の見事さよ。

ヘ〜イメ〜ン。

YO!男の欲望!イコール肉棒!嫁には絶望!冷たい女房!
SO!僕は泣いちっち、明日はどっち!
明日の天気はヤン坊マー坊!

思わずラップをライミンしてしまったではないか。

「ご飯にする?それともあたし?くらい言ってくれたってよくない?よくなくなくなくなーい?」

「やだ、明日早いんだから」

娘・R(4才)のお弁当を作らなきゃいけないんだから、と言う。そのRとタクはすぐ隣の部屋でおねんね中。こんな不毛な会話がなされているとはまさに夢にも思うまい。すまぬ、子供達よ。お父さんは大バカでした…。

結局僕の願いは聞き入れられないまま、嫁は飯をドンと置いて再び布団に入り寝てしまった。僕もいい加減眠いし、据え膳食わぬは男の恥であるから大人しく食べよう…としたが、違う。

この据え膳は文字通りの据え膳であって、本当に食べたいのは据え膳に例えられる女体であり、すなわち今宵も体がうずくのよ。

ああ眠い、ああまぐわりたい、腹減った

どうしてこうも発情期のネコのように盛っているのだろう。立春を過ぎたからであろうか。立春で僕のスプリングもスタンディング。あ、盛ってるのは今に限ったことじゃないか。

この3大欲から逃れるには僧にでもなって悟りを開くしかないであろう。欲求から解き離れた欲求さん。とんちんかんちん欲求さん。この橋渡るべからず。この嫁まぐわるべからず。

日本海の荒波の如く押し寄せてくる3大欲の煩悩を乗り越え解脱することが出来れば、欲求さんどころか空海すら超えることが出来るのではないだろうか。なんつってな。

じゃ、メシ空海。

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■眠れぬ森の鬼女
2008年02月07日(木)
いつもより早く帰って来ると、ちょうど嫁が子供達を寝かせている時間であった。

「パパー!あのねあのね」

娘・R(4才)と息子・タク(2才)が布団から跳ね起きて今日1日の出来事を次から次へと話す。

「Rちゃんねえ、ようちえんで給食だったのよ」

「おーそうかそうか。おいしかったか」

「たっくん、今日ひこうきにのったの!」

「あはは、それはムリがあるぞー」

「パパ、Rちゃんのとなりで寝ていいよ」

ここに寝ろ、と布団をポンポン叩くRの高飛車な誘導により僕も添い寝する。

「早く寝なさいよ…」

嫁にしてみればせっかく寝かせるところだったのにタイミング悪く帰って来やがって…と苦々しく思っているだろう。しかし僕にしてみれば平日子供達と戯れるのは朝起きてから会社へ行くまでの僅かな時間しかない。

たまに早く帰って来た時ぐらいは目をつぶって欲しい。目はつぶってもいいが股は開いて欲しい、と僕はもう少し子供達と布団の中でじゃれ合うことにした。

「あのね、みっちゃん(Rの友達)が言ってたんだけどね…」

「なんだい」

Rが話すがままに耳を傾ける。

「みっちゃんのパパっていじわるなんだって」

「え、どんな意地悪するの?」

「えーと…わかんない」

Rに細かい説明は無理だったようだが、何か「パパ嫌い!」みたいなことがあったのだろう。僕もそう思われてたら嫌だなあ…と

「あの、Rちゃんのパパはどうかな…?」

ドキドキして聞いてみたら

「だいすき」

ぎゅうと思いっきり抱き付かれてしまった。ま、まったくもう、う、うまいんだから…。こ、このまま看取られて大往生してもよろしくてよ。

「じゃ、Rちゃんのママは?」

ついてに嫁はどうかと聞いてみると

「こわいの…おこると…こわいの…」

「うわはははははは!」

は…と笑ったところで嫁の反応がなかったので怖くなった。顔を覗いてみると目をつぶっており、タクはいつの間にか嫁に抱き着いて寝てしまっていた。しかし嫁は寝てはいまい。タクを起こさない為、そして嫁まで話に参加するとますます寝なくなってしまう為にそうしているに違いない。

「さ、Rちゃんも寝ようか…」

嫁の沈黙が怖くなり、いい加減Rも寝かすことにした。

翌朝。

「R、起きなさい」

「いやあん、ねむいの、さむいの」

「あははこいつめ」

ああ、布団にくるまってグズるRも可愛いなあ…とグダグダやっていたら

「起きなさい!幼稚園行けないでしょ!まったく、夜いつまでも喋ってるからそうなるの!」

嫁の雷が僕とRに落ちた。ダメ娘にダメ親父。なんかちびまる子と父ヒロシ状態。朝っぱらから怖い嫁は、昨晩の会話へのあてこすりも含まれているはず。ビクビクして身支度を始める僕とRに、

「ママ、おこってるよォ」

昨晩いつの間にか寝ていて早起きしていたタクが、ボク怒られてないよ大変だね君たちとばかりにウキウキして何度もそう言ってまとわり付く。

「き、君はいい子だねぇ…」

2人目の子というのは本当に調子がいいというかちゃっかり節というか…。

この失敗を受け、いくら子供と触れ合う時間がないとはいえ、寝る時間であるにも拘らず「遊ぼうぜ」という煩悩から解脱せねばなるまいと反省した。そしてRに対しては夜きちんと寝ることの大切さを説かなければ真の親とは言えまい。子供は夜寝てる時に背が伸びるんだぞ、と。

これを寝る子は解脱、といいます。

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■スネークフィンガー
2008年02月06日(水)
子供の指遊びは趣がある。

「ぐーちょきぱーで、ぐーちょきぱーで、なにつくろー」

と手遊びの歌を歌ったり

「パパ、みてみてー。いち、にい、さん、しい…」

数を数えながら指を曲げたり伸ばしたり。今まで出来なかった「4」が初めて出来た、なんて時は喜びもひとしおである。また、

「パパ、Rちゃんこれできるのよー」

と娘・R(4才)が得意気に中指をおっ立てて思いっきりF××k Youしてしまうのもご愛嬌。

「Rチャンソレダメヨー。ガイジンサンオコッチャウヨー」

思わずケントデリカットの口調で注意してしまった。

今日も今日とてRと息子・タク(2才)は何やら指を使って遊んでいた。

「ねえねえパパ、ゆびで四角を作りたいの」

指で四角とは…アレか、よくカメラマンが両手の指を四角にして、それをカメラのフレームに見立てて風景を覗く、あの動作だろうか。

「親指と人差し指を立ててな、片方の手だけを逆さにして、それで合わせてごらん」

と教えてやると

R
「できたー四角ぅー」

「お、うまく出来たじゃないか」

テレビでそういうシーンでも見たのだろかと思い

「カメラマンごっこでもするのかい?」

と聞いてみると、Rとタクは一斉に歌い始めた。

「どこまーでも♪、どこまーでも♪」

…。

どこまーでも
これか!

立志舎でクリックっていう専門学校のCMである。またどうでもいいことを覚えおって。

RとタクPerfume
RとタクPerfume
さすがPerfumeの「ポリリズム」をマスターしているだけはある。無駄な吸収力はまじパネエ。チョベリグ。

じゃあ僕も指遊びしてみようかな。1から数えまーす。

「いーち、にーい、さーん」

「パパ、なにをかぞえてるの?」

えっとねー。嫁と最後にまぐわった日から今日までを数えてるの(なんてことは言えない)

たまには指遊びついでに三つ指ついてくれないかしら。

その指で秘孔突かれそうだけど。

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■雪ですねえ、雪でスノウ
2008年02月05日(火)
日曜日のことになるが、雪が積もった。

子宮温暖化、じゃなかった恥丘温暖化、ええいもとい、地球温暖化で積雪が珍しくなったこの東京。子供達には是非この貴重な気象現象を経験してもらいたいと思い

「雪で遊ぶぞ〜」

と言うと娘・R(4才)も息子・タク(2才)もホイホイ付いて来た。外は未だしんしんと雪が降っており、公園に行けば処女雪と戯れる事が出来るであろうと思ったのである。処女という文字に心躍らせない男はいない。

「君、初めてなの?大丈夫、優しくするから(雪を擬人化)」

と颯爽と公園に向かったのだが、既に結構な親子連れが遊んでいた。

「君、結構いろんな人と遊んでるんだね…(雪を擬人化)」

そんな父親のスノーホワイトプレイをよそに、Rとタクは水を得た魚、氷を得たシロクマのようにはしゃぎ始めた。

「手袋するかい?」

Rとタクそれぞれに聞いてみたところ、Rは冷たいからすると言い、タクはいらないと言う。Rは手袋に纏わりつく雪を気にしながら、タクは手が真っ赤になっているのをものともせず雪玉を作って遊んでいた。同じ姉弟なのにその違いが面白い。

R
雪を蹴飛ばして楽しむ人。

タク
「おっきい雪とれたー!」とでっかい耳クソが取れた時の僕のように喜ぶ人。

「よし、雪だるま作ろう」

親子三人スカラベの如く雪玉を転がし、木の枝を刺して腕、空き缶もぶっ刺して帽子に見立てて完成。

「できたー!」

「おおきいね!」

飛び跳ねる子供達。ああ、雪景色に舞う子供達は美しい。真っ白いカンバスの中で遊んでいるようだ。雪は日常の風景を幻想化させる。

「じゃ、そろそろ帰ろうかね」

「やだー、もっと遊ぶー」

「君達ふたりとも鼻水垂らしてるじゃないか」

「はーい」

ハナタレが心配で1時間弱で遊びを切り上げた。気をつけて歩くんだよ…と帰り道をもそもそと歩いていたら、ボゾゾゾゾゾ…と雪道を危なっかしく自転車で走る女子高生、今風に言うとJKとすれ違った。普段だったら

「すわ、JK」

スカートめくれろ〜とばかりに凝視するのだが、何故かこの時はまったくそそらなかった。何故だろうと思いもう一度JKを見てみると、なんとスカート姿なのにジャージをはいているではないか。

しかも田舎のオヤジが茶の間で着てそうなどん臭いねずみ色のジャージ。ま、寒いから生足でいろ、という方が酷である。僕が普段JKに目を奪われていたのは生足のせいであったことに気付かされた。生足を封印されてしまったら別にどうってことはなかったのである。

しんしんと降る雪は…

風景を幻想化させ、
JKを幻滅化させる。

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■大豆マンブラザーズバンド
2008年02月04日(月)
まーめーまきまき、まーめーまきまき、まーいてまーいてとんとんとん。

うちも娘・R(4才)と息子・タク(2才)に豆まきをさせることにした。豆が入った枡を持たせ、鬼にぶつけましょうと説明する。

普通鬼役をやるのは父親だと思うのだけれども、うちでは一番鬼に近い怖い存在、嫁である。鬼の面をかぶって

「がおー。鬼だぞー」

とRとタクに迫ると

「ぎゃあああああああ」

「こわい!こわい!こわあい!」

ふたりとも大パニックでパイパニック。本気で怖がり鬼は外どころじゃない。中身は嫁だってことはバレバレなのに、どうしてここまで怖がれるのか不思議に思ってしまう。Rは辛うじて泣く一歩手前で踏みとどまり

「おにはそと!ぎゃああああ!」

豆を投げては逃げるという一進一退の果敢な攻防を見せていたが、タクはまじ泣き。

「ほら、鬼は外ーって豆をまくんだよ」

とサポートしてやっても

「ぎゃー!」

枡ごとぶん投げ泣いてばかりいる子猫ちゃん。

「ほらほら、泣かないで頑張れタク」

涙、みーせーてもいいよ、それが一番大豆。なんつって。

「鬼だぞー。うわっはっは。コワイナー」

それにしてもこの嫁、ノリノリである。

「これ以上やるとトラウマになるからやめるべよ」

と言ってそろそろお開き。

「豆はな、年の数だけ食べるんだぞ。Rちゃんは何才?」

「よんさい」

「そうだな。だから4つ食べるんだぞ。じゃあタクは何才?」

「にににに、にじゅうごさい」

ダメだ、まだパニクっている。節分のあとの接吻ちゅー、とタクを慰めておいた。節分の夜は子供達を抱いて眠るのであった。

あ、嫁を抱いて子種まくの忘れた。

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■冤罪!冤罪!また冤罪!
2008年02月03日(日)
餃子に殺虫剤が入っていたとかで世間は騒いでいるが、我が家には洗濯機にオムツが入っており大騒ぎとなった。

「入れたのあんたでしょー!洗濯物がメチャクチャよ!」

嫁がこの世の終わりとばかりに絶叫し、どうやら犯人は僕らしい。以前にも同じことがあった。

それは僕が息子・タク(2才)をお風呂に入れる時にオムツを脱がした際、トイレの汚物入れに入れるべきところを、タクが暴れてたりしているものだから慌てて脱衣所の脇にある洗濯機にオムツを放り込んでお風呂に飛び込んでいったのだろう…というのが嫁の推理だ。

僕自身はそんなことをした記憶が全くないのだが、いかにもやりそうなことであると思い容疑を認めている。

今回も僕がタクを風呂に入れた日の出来事。またやってしまったに違いない。オムツが混入した洗濯物は、しつこい船幽霊の如く残骸が取り付き、ティッシュが入れられたそれよりも数倍の悲惨な状態になる。しかも

「うんちしてたオムツだったからな…最悪だろう…」

と嫁に謝った。(食事中の方すみません。うんこ)ところが嫁は

「え、うんちはついてなかったよ」

と言うではないか。

「今日はその風呂入れた時のうんちくんおむつしか替えてないぞ。ていうか思い出した。その時はチラシに包んでちゃんと汚物入れに捨てたし」

「じゃあ私かなあ…」

「おまえだー!」

「あなたのトレーナーが一番ひどくて、5回も洗ってるのにまだ取れないわ」

ぎゃぼー!!それ最悪じゃないデスか!

もしかして以前のオムツ混入事件も嫁の仕業ではないのか?似たような手口であることから同一犯の犯行と見て捜査を続けなければなるまい。あれだけ怒られた僕はなんだったのか。痴漢冤罪みたいではないか。

犯行の事実を問い正し、嫁なのか僕なのかハッキリさせなければいけない。

天網恢恢祖にして漏らさず。

おむつだけに、漏れないギャザー!

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■朝立ち男の子♪ゴーゴー♪
2008年02月01日(金)
目覚まし時計が鳴るモーニング。
年甲斐もなく股間がボッキング。

何故に突然…春が近いからだろうか…と前かがみになりながら布団から出て、とっとと着替えようとしたところ

「うわあああん!パパー!パパー!」

隣で寝ていた娘・R(4才)が大絶叫で泣いた。目覚まし音でRも眠りから覚めたようだ。

「ああ、ごめんね。一緒に起きたかったのかい?」

「うん」

Rを布団に置いてけぼりにするのではなく、Rもだっこして起こしてあげるとか、おはようのチューをするとかしてかまってやらなければならなかったようだ。もう、甘えんぼさんなんだから!

「はい、だっこしてあげるから起きよう」

と布団をめくると

「…まだねてる」

「え、今さっき起きるって」

「さむいの」

もう、気まぐれさんなんだから!まあ放っておいてもあと5分ぐらいで起きるろうとそのままにしておいた。すると思ったとおり僕の元に擦り寄って来て

「おしっこ…」

見よ、我慢出来なくなって起きて来た。

「本当は一人でトイレに行ければいいんだけどねえ…」

というか実際一人で行けるらしいのだが、僕がいる時だけ甘えて一緒に行きたいらしい。

「パパ、もれちゃう〜」

もう、モジモジさんなんだから!Rを抱えておパンツを脱がせてトイレに座らせた。

「ははは、間に合った」

「今日はねえ、たいそうなのよ〜」

Rは幼稚園で体育がある日は必ずこう言う。どうやら好きなようだ。

「体操ってどんなことするのかな?」

「えっとねー、ぱそこん」

「パソコン?」

体育でパソコンをするとはこれいかに。

「みんなで幼稚園のぐらんどを走るのよ」

「…それってパソコンじゃなくてマラソンじゃない?」

「そうだった。えへへ」

もう、うっかりさんなんだから!マラソンよりパソコンを先に思い浮かべるたあ、どんなオタク環境で育ってるんだよ。あ、僕のせいですか。すいません。

それにしても今日に限って、まだ朝のボッキングが静まらないのはどういう訳か。実の娘とトイレで向かい合っているのに、これでは最悪の変態過ぎる。もし嫁に見付かってしまったら

「あんた、何おっ勃ててるのよーッ!」

「ち、違うんだ。これは欲情じゃなくて生理現象…ほら、お前も無意味に乳首が立つことあるだろう?」

などと下らない弁明をせねばならぬ。全く男というものはこのような心配までしなけらばならないのでイヤである。

これをマラ損といいます。

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