人生事件  −日々是ストレス:とりとめのない話  【文体が定まっていないのはご愛嬌ということで】

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2002年05月25日(土) 礼金0円とエアコンと前の住人と督促状と強面のお兄さんたちと私

強面のお兄さん2人組が来るのであれば、大と小、もしくは、太と細、で来ていただきたかったな。

「Mいるかー?!」
とチャイムがあるにもかかわらず、お兄さんたちが我が部屋のドアを力強くたたいてくだすったのは、私が風呂上りでパジャマ姿だった時間。新聞の勧誘か?とも思ったのだが、よくよく時計をみたら平日夜10時頃。こんな時間にドアを数度もたたくなんて行為は近所迷惑。しかしそもそも、そんな時間には新聞の勧誘も来ません。
奇しくも、Mさんの名前には覚えがあり。5月19日から入居した私の部屋の前の住人の名。ポストにダイレクトメールとか手紙が毎日来ていたので、前の住人の名前は判明していた。
「Mさん、引越しされました」
とドア越しにお伝えしたが、
「彼女なんだろ? 隠すな」
と言われてしまったので、「ああ?!」って思いながら、仕方なくドアの前が見える台所の窓(格子付き)を開けた。
「私、本当にMさんという方は知りません。それに私、19日から入居したんですけど」
人畜無害なお顔の若い姉ちゃんの顔を見、体格は中と中くらいの強面のお兄さん2人組はいきなりおとなしくなられた。のではなく、コンロ台の上にガスレンジではなく皿や茶碗が新聞紙から見え隠れしているのと、電子レンジが箱の上に載ったまま床に置いてあるのを見て、引っ越してきたばかりであることを察してくれたようだった。
「申し訳ない」
お兄さん2人組は、出きるかぎり小さくなって、格子越しに謝ってくれました。多分、もう2度と彼らは来ないでしょう。そう、彼らは。

Mさん宛のお手紙は、テレフォンショッピングやカタログショッピング系のものと、役所から市民税と国民保険の払いこみ滞納しているよというお知らせのものと、いろんなローン会社らしき名前の督促状みたいなもの。
もしかすると、Mさんがこのアパートからいなくなっているのを知らない違うところのお兄さんたちが訪ねて来るかもしれません。

あらあらあら。
礼金は家賃1ヵ月分って書いてあったのに契約時にいきなり礼金は要らないですよー、エアコン付きですよー、傘電気付きですよー、っていう素敵なオプションを数々つけてくだすったのは、このせい?
あっははは。まあ、いいけど。今のところ身に危険はないから。

甘い話には、ちょびっと裏があったね。
毒というか、死には至らないけどしびれちゃう、みたいな感じ。


2002年05月24日(金) もう二度と、伝えられない

伝えられなかった想いがあります。



3年前、あの人の姿を最後に確認したのは、バックミラーでだった。
大学進学決定報告と正月の挨拶を兼ねて家族と共に訪ねた私を、あの人はとても歓迎してくれた。
自身の孫を抱くあの人の隣りに私は座り、乾杯をした。
なぜあのとき、私はあの人のことを「こんなに小さかったっけ?」と思ったのだろう? 生まれたばかりの小さな命をやさしく抱いていたから、そんな印象になったのかもしれないと、そんな推理までして。
帰り際、あの人は見送ってくれた。安全運転でな、また来いよ、と手を振ってくれた。

私はバックミラーであの人の姿を確認したとき、「今日こそ言おうと思っていたのに、また好きだって言うの忘れちゃった。まあ、今度会ったときに言えばいいか」。そう思った。後ろ髪をひかれながらも、そう思った。「今度」があると、思いこんでいた。
その「今度」は、別れた一週間後にはもう2度とないものとなったのだけれど。

私はあの人に、脳出血で急に逝かれてしまった。



伝えられなかった言葉は、今も喉もとに刺さっていて。
時折あの人との思い出に触れる出来事に遭遇しては、鈍く重い痛みを訴える。

今日はそう、あの人の好きだったキャラメルコーンで。


2002年05月18日(土) 『お部屋探し』は妥協と諦めが肝心要なのかもしれませんな

実家から通えないところに就職してしまった。4月1日にもらった辞令だったので家を探す暇がなく、とりあえず職場に一番近かったウィークリーマンションを借りた。
そして、昨日までウィークリーマンションから職場に通い、その間にアパートを見つけた。
予算は管理費込みで7万円以下で2LDK以下。風呂・トイレ別。2階建て以上の2階以上。
そういう、注文だった。

例えば、7千円、賃料が違っていたとする。1年で7千円 × 12ヶ月で8万4千円かかるかかからないかという感じになる。
8万4千円で何ができるだろう? 何が買えるだろう?
そう考え出すと切りがなかった。似たような予算のところはたくさんあって、築年数もきれいさもそれほどかわらなかったり、間取りも同じようなものだったり。注文内で探す物件はそんなもので。

結局私は、道路に面していない、窓からの景色は悪いが静かな58,000円の部屋にした。1年しか使用していないエアコンと、全部屋に傘付電気がついていて、礼金0円敷金1ヵ月分のH3年築の2DKのお部屋。ちなみに、CATVもひいてあった。
でもね、本当に景色が悪いんだ。一番に目に飛び込んでくるのは隣家一軒家の大きなベランダだし。次によく見ると周囲家ばかりで首をかなり伸ばさないと空に会えない。
私の実家は窓からすぐ空が見えるような家だったし、短大時代に下宿していた部屋も外の眺めはすごくよかった。
だから、景色の悪い部屋は生まれてはじめてで。
下見したときに、閉塞感や人の眼を気にしてしまうのでは、と少しは思ったけど、安さと付属物に釣られてしまった。

今私が、もう契約は済んでしまったのに「あっちにしておけばよかったのかも・・・」、と思い出しているお部屋は、景色はいいけど主要道路沿いで夜間もちょっと車の騒音がありそうで、エアコン付いてなくて、だけどH6年築できれいで、って2DKのお部屋だった。それに、私が契約したお部屋と10mしか離れていないので、駅やバス停までの距離はそれほど変わらなかった。CATVはひいてもOKってことだったし、エアコン設置してもいいってことでもあった。だけど、賃料は65,000円。礼金敷金各1ヵ月分だった。

お部屋を借りるって、本当に難しい。
既成のものに自分の思う通り、注文通りの部屋なんかあるわけないけど、どこで妥協するかが難しい。
こんな1部屋探しでぐらぐらがたがたくよくよしているようじゃ、分譲マンションや一軒家を購入するなんてことになったら、私、どうなっちゃうんだろう。住みにくかったら契約切れるまでの我慢だ、なんて言ってらんないもんね、一生モノのお家を買おうとしたら。

ああ、毎日の生活の場を選ぶって、大変なことだわ。いくらかある物件の中から自分にあったものを選び出す。
時には、妥協と諦めも大切なんだということを、今回学んだ感じだわな・・・


2002年05月16日(木) せっかく行ったのに

抗生物質服用のおかげでカンジダ膣炎になったので婦人科へ行ったら、外来でお産が始まってしまいました。ドクターはひとりしかいませんでした。

あああ。


2002年05月15日(水) 見えないのではなく、見ないふりをするということ

目をつむることにしました。

もう、私には目をつむることしか出来ないのです。見たら手を、差し伸べたくなります。差し伸べた手につかまられなかったら、私はあの人の手を無理につかんで引っ張りあげたくなるに決まっているのです。

だから、私は目をつむることにしました。強く強く、だけど脳裏には彼の人の姿を思い浮かべながら。


2002年05月12日(日) おしゃれなカフェの席についた私たちは、医療従事者および教育者で

昨日、訳あって都内に出た。実は某医療系学会に出ることになっていて、その打ち合わせがあったのだ。ちなみに私は、やりたくないのに演者(研究発表をする人)・・・。
待ち合わせたのは、共同研究者のSと、同じ研究室出身で違う研究を同日に発表するM、それから私たちを支えてくださる某大学院生であり大学の助手をしているN先生と恩師だった。(恩師以外は全員女性である。)
まあ、学会の打ち合わせはスライドと読み原稿を最終確認し、その後はひたすらどこを質問されるか、と答えを用意する時間だった。
で、ある程度のところで恩氏に別れを告げ、私たちは吉祥寺に出た。
お腹も空いたしどこかでお茶をしようということになり、アフタヌーンティーに行くことにした。

席についた私たち4人は、医療従事者および教育者であった。看護師・保健師免許は全員、養護教諭免許3人、保健科教諭免許2人、助産婦免許1人、という肩書きだけはとってもすばらしいメンバー。
就職先としては、ひとりは長野県某市立小学校の臨時採用の養護教諭、ひとりは東京都某市の保健師、ひとりは元助産婦現大学院生、で、私、神奈川県某市の保健師であった。
全員、子どもと接する職歴なので、ついつい仕事の話になってしまう。やっぱりどこも虐待やらDVやらで頭を抱えているのね、だとか、いわゆる「障害児」をどのように育てていくべきか、などの話しに発展。望まない妊娠やら家族計画の話まで出て、もうすでにおしゃれなカフェ・アフタヌーンティーの雰囲気をぶち壊していた。ええ、2時間ほど。
どこにでかけても、同業者といるとなんだか周りを無視した話題提供になってしまうのは、私だけの責任ではないみたい。そういうものみたい・・・



仕事が仕事なので日々結構疲れていて、なんだかプライベートで人と話すのも億劫だなあと思っていた矢先の打ち合わせ。
会ったら楽しくて、悩みを打ち明けることもできて、とってもよかった。
疲れているからと、閉じこもって心身を休めようとベッドにいてもしょうがないこともあるんだね。思いきって外に出て、気分転換することも大事なんだね。
それをとっても実感した。


2002年05月11日(土) 一体どこに行くんだろう?

(もしかしたらもなく、前回のつづきです)

アダルト系日記って、『日記才人』経由で見てみると、いつの間にやらただのエロ文章の羅列になってしまっていたように思います。日記形式の文というよりは、エロの読みものってだけの。それこそ、小説もどきやら、雑誌投稿の素人告白みたいな。画像掲載のものも、なんだかここ最近で一気に増えましたしね。
日記内容をコメントするはずの1行も、アダルト雑誌やAVビデオっぽいフレーズが並んでいました。一時期なんか、もうどうしようもないほど猥褻な言葉が氾濫していました。
でも、私はその反動を受けてか、我がアダルト系日記「日常茶話」における1行コメントはおとなしい文章路線まっしぐらだったのに気づいた方はいたのかいなかったのかは知りません。が、「どんな日記書いてんじゃ、われ!?」っていうのがちょっと前まで多かったのは確かなことなのです。
それにね、投票ボタンを押す、あれ。あれもね、押すと画像が出てきますってやつ、「投票」の文字がないこと多いのよ。こういうことするのも、アダルト系日記に顕著に見られる手口ではないかと。押すと文章出てくるよりもタチ悪いわな。

あれ? ・・・ええと、上記の内容って以前書いたものとちょっと、いや大分、だぶるところがあるような感じですね。まあ、そこは私がえらく気にしているところだということで。

突然ですが、アダルト系日記ってこれから一体どこにいくんでしょう?

言いかえると、ネットアイドルになりたいならネットアイドルになればいいし、日記書きになりたいのであれば日記書きになればいいと思うのです。中途半端な態度が一番やっかいです。
「アダルトな日記」ってなんなんでしょう? 「日記」はあくまで「日記」なんですが・・・自分のサイト全体のアクセス数を稼ぐ為だけに「日記」と称するものを書いて『日記リンク集』に登録する、そういうこともありえないこともないですよね。
そういえば、日記は日記でも、アダルト系日記ってなんだか怪しい内容満載ですな。本当にその人の性生活に関するものを書いたのか、願望なのか想像なのかわからんものまであります。
楽しく読めるものから、胡散臭い気持ちになるものまで。最近はえらくたくさんのアダルト系日記があるので、それらを区分して自分好みの奴だけにしていく作業だけでもかなりの手間です。
ああ、本当大変。読みたがり屋だけど面倒くさがり屋なんで、最近は横着してランキングだのみだったんですけど、ようやく、自分で道を切り開かなくちゃいけない時が来ましたな。頑張りたいもんです。
でも、そうだな、もうちょっとゆとりある生活になり、家にネット環境が作れてからだな。よし。

って、我が『日常茶話』も一体どこに向かっていくんだろう・・・当初の主旨を徐々に離れていることには気づいてはいるのだけど。


2002年05月10日(金) アダルト系日記の立場の変化

前回の我が日記での『日記才人』のアクセス数の異常値については、バグだったらしいのでよかったですわな。驚いたもの、私。一件落着ということで。

で、また驚くことがあったのですが、この題名での日記、午前中に更新したはずなのにされてなくて(私が失敗したのだと思います)、『日記才人』でいわゆる『空更新』してしまったんですわ。ごめんなさい。マナー違反です。以後、このようなことのないよう、気を付けます。

で、いよいよもって、本当に本題です。
『日記才人』にて、アダルト系日記はアクセスランキングにも投票ランキングにも載らず、累積アクセス数もカウントしないということになりましたね。個人的にはよかったです。これでいいのです。
だって、見てみてくださいよ、日記才人のアクセスランキング。見た目、やけにとってもスッキリしたと思いませんか? なんか、見やすいですよね。アダルト系日記がいかに太字とカラーを使っていたかが分かりますな。

さて、実は私的見解では、アダルト系は徐々に廃れていくものではないかと思っています。というか、それは正しい表現ではなく、うまくいえないのですが、日記だけではいつかは飽きられるもので、結局は日記というのは人々にとっては消耗品だ、ということで。同じ人が書いていれば、内容がなんとなく似た感じになりますしね。マンネリ化って奴です。
それにやっぱり、つたない文章よりも、画像の方が刺激は高いですよ。それから、自分でも「日常茶話」を書いてて分かったのですが、アダルトな話題というのは、結局は日常の狭い範囲のものであるので、話題がそれほど豊富ではないです。だからこそ、色々と語るのは難しいです。日記同士のネタ被りは当たり前でありますし、ネタ詰まりを起こして写真をバンバン掲載するようなこともしばしば起こります。日記ないがしろで写真が主役のこともよくあることです。
また、あおり文句に誘われたらしきアクセス数だけがあっても面白くないことは多いし、アダルト系日記は困ったもんが多いです。
多分、私の経験上では。

だから適当にまとめますと、万人が見てしまうページでは目立つようなことはせず、ひっそりと、見たい人だけが見に行くアダルトカテゴリにいるようなもんでいいのですよ、アダルト系日記は。だって、どぎついエロに眉をひそめてしまう人だっているのだから。

いいサイトは、みんなが気持ちよく使えるものでありたいものですからな。

(もしかしたら、次回につづく)


2002年05月09日(木) なんか、イロイロおかしくないですか?

ど、どうしちゃったんですか???

私、ここんところ仕事もプライベートも忙しくって、インターネットカフェにネットしにふらふらしに行ってなかったのですが、どっかおかしくないですか、「日記才人」。
もし、「日記才人」がわからない人がいたらあれなんで簡単に説明すると「日記才人」は日記リンク集サイトのひとつです。私も利用しています。

が。

なんか、なんか、おかしくないですか? そう思うのは、私が浦島太郎化しているからなんですか? 私、月曜日に更新して以来見に来てなかったんですが・・・うーん。

前から黄泉に行く人が多かったサイト…黄泉に行っちゃいけませんね、読みに行く人が多いサイトも、ちょっと尋常でないアクセス数のような気がするんですが・・・。
これって、ちゃんと数、あっているんですよね?
なんか、なんか・・・日記才人に載っている自分の日記アクセス数を見ても、首ひねるところあるのですが(「人生事件」はいつもどおりなんですが、「日常茶話」もおかしくないだろうかとうつうつ。けど、CGIで細かく見られる日数すぎているので、同じ人が何度もきていないかどいうかは分からん)。

それよりも、アダルト日記がアクセスランキングに幅利かせている現状、これねえ。
私もアダルト系日記「日常茶話」を書いているのですが、以前からこの全体的なアクセスランキングにアダルト系を含めるのはいかがなものかとはちらと思っておりました。
今、日記才人ネタを扱っているサイトのページを開くと、このアダルト日記をアクセスランキングに含めていることについて色々書かれていますね。
私、除外すべきだと思っています。
アダルトを見たい人はアダルトのところへ直接行くだろうし、無理に興味をあおることは無いんではないかと・・・ええ。

ああ、まだ語りたいことは色々あるのだけれど、しっかり土台を作るだけの思考が今、ないみたい。

なんだかおかしいことだらけなのに、自分の時間があまり持てず、自分自身が納得する道を見つけられません、ここ最近。
なので、とりあえずこのくらいのところで失礼いたします。


2002年05月06日(月) まなじりから水滴が自然落下

遠距離恋愛中の彼が、GWの長い休みを利用して大阪から神奈川くんだりまで来てくれて、そして今日、帰っていった。
今までのデートは、長くても2泊3日くらいの短いもので、彼の家に素泊まりしてどっかに泊まりに行くか、最初からホテルをとっておくかというかんじだった。
だから、生活臭あふれるようなお泊りデートはしたことがなく、今回、私の借りているウィークリーマンションでの1週間以上の生活が、そういう意味でははじめてのものだった。

一緒に寝て、一緒に起きて、ご飯食べて、洗濯して、買い物行って、お風呂入って。
睡眠も食事も排泄も、みんな同じ時間内で行われる生活。
歯ブラシは同じコップ内に仲良く並び、私の化粧品の横に彼の髭剃りセットが置いてある。洗濯物には私の小さなパンツと彼のトランクス。食器の量も食事の量も増えて私の負担は多くなったけど、「おいしい?」って問いと「味薄すぎ」って答えが返ってくるような、楽しい食卓。出しっぱなしにしておくと、「お前はすぐに片付けないから部屋が散らかるんだ」とぶつぶつ言いながらもしまってくれる人がいる、そんな部屋。

いろんな意味で、今まで以上に寂しい思い。
特別に好きな人が泊まりに来て帰るのでなければ、こんな寂しい思いはしないだろうに。

新幹線の時間があるから、と言った彼の首にかじりつき、私は泣いた。
いっぱい泣いた。
「一生会えなくなるわけやないん・・・」言いかけた彼にキスしてやった。
新横浜駅の新幹線の乗り口でもキスしてやった。

けど、寂しいもんは寂しいよ。
残された歯ブラシと、髭剃りセットと、コップとカップと、トランクスとTシャツと。

早く会いたいよ。


2002年05月05日(日) 殴られて蹴られて、それでもなお彼女は彼を愛しているといった

どうして。

夫に暴力をふるわれ、幼い子どもの命が心配だからとセンターに来た30代前半の母。
彼女の頬は打たれた跡なのだろう、青紫色で脹れていた。顔はだいぶ、変形しているようだった。
「あなた自身の命さえも危ないんじゃないの?」
先輩保健師の問いかけに、彼女は、
「いいえ。子どものほうが小さいですから」
と答えた。

2人の子どもの身体には、小さなあざが無数あった。
すぐに、しかるべき機関に連絡をした。

「お母さん、あなたも保護されるべきよ」
先輩が強い口調で言った。
けれど、彼女はその強い口調さえも跳ね除ける重い口調で、
「いいえ、あの人を信じているのです」
と言った。

なにが正しいのかなんてこと、私には言えない。それは、私の価値観だから。
だけど、だけど。

本当に、あなたの選ぶ道はそれでいいの?
殴られても蹴飛ばされても、それでもなお、彼の愛を信じるの?
信じられるの?

ドメスティックバイオレンスはね、この世からなくなってほしいもののひとつなの。だから、それを許すような行為は困る。



どうか早く、彼女が自分自身のもうひとつの道に目を向けられますように。


佐々木奎佐 |手紙はこちら ||日常茶話 2023/1/2




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